カテゴリー「ニュース」の記事

2012年9月22日 (土)

ビールで筋肉老化防止?

文;屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

フラボノイド、馴染みのある栄養素で身体に良さそうですよね。

しかし、フラボノイドって何ですか?と訊ねてみても的確な答えは返ってこないことが多い。医療の専門家でもフラボノイドを正確に説明できる人は少ないのかも。

じゃあフラボノイドって何なんでしょう。9月20日の日本経済新聞「ビールが筋肉老化抑制 毎日83リットル飲めば」と9月21日の朝日新聞「ビール、筋肉の老化防止」で紹介されたニュースが少し話題になっているんで、オリジナル文献の記載を使ってフラボノイドの説明をしていこう。

エクササイズ・ピル」の記事を書いた頃に読んだ文献の抄読会風とはいかなけいど、イントロダクションを中心に話をする。イントロダクションに最近の話題が書かれているからね。

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2012年9月18日 (火)

痛み止めの服用が女性の難聴と関係あり!?

<文:Ctom>


長らく間が空いてしまいました。
今年は全然書いていない感じがしているのですが、なんだかすごく忙しい状況です。もっとアップしたいのですが、年内頑張っていきたいです。


さて、今日は先日Medical News Todayで興味のある記事が出ていましたので紹介します。
Pain Drugs Can Cause Hearing Loss in Women 13 SEP 2012 です。

タイトルの通り、鎮痛剤が女性において難聴の原因になりうる。というものですが、鎮痛剤の服用は以前にもまして増加傾向にあるのは周知の事実でしょう。特に、月経前症候群や月経痛がひどい子供たちも増加しており、鎮痛剤の服用は普通なことだと感じている人も少なくはないでしょう。


そんな方々にとって、今回の記事は少しショッキングな内容ですね。
あるいは、ひどい痛みに悩まされ、鎮痛剤頼りになっている状態であるならば、その痛みを解決するために何か他の対策も必要かもしれません。


実際、僕のオフィスに訪れる方々も多く鎮痛剤を服用しています。服用していないと耐えられないというのが理由ですが、改善した後にも「痛みの予防のために服用する」というのは実際にはナンセンスなことかもしれません。


では、そんなに長い記事ではないので、さっくりと見ていきましょう。

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2012年9月 6日 (木)

健康的な生活習慣を送れば高齢者でも寿命が延びる

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

健康的な生活をすれば長生きできるって誰もが当然と思っているだろう。しかし、エビデンス(証拠)の話になると当たり前の事でも証明されていないことが多く、高齢者でどうなのか分かっていなかったようだ。

喫煙をしている高齢者に禁煙を勧めても、「老い先短いから今さら辞める気はないね」と聞く耳をもってくれないし、超高齢者で症状の訴えが無い人に禁煙を勧めにくい。受動喫煙の弊害を諭すぐらいしか無かった。いつ辞めても禁煙の効果があるなら説得の手段にもなるだろう。

今日紹介している報告をみると、健康的なライフスタイル、定期的な余暇活動、仲間との付き合いがあれば長生きできるという結果だったので、仲間と一緒にランニングをしている低リスク・プロファイルな私は長生きできるんでしょう。

では。

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2012年9月 4日 (火)

水泳は高齢者の血圧を下げる

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

全国のLife-LOGファンの皆さん、お久しぶりです。管理者の屋台ブルーです。

いつから記事をアップしなくなったか...

ゲストライターのfumixieさんCtomさんにまかっせきりで、コメントの対応も全くしていませんでした。

皆さん、すみませんm(_ _)m 自分の健康活動ばかりいそしんでいました。ブログ活動の目的が薄れていました。お金のかからない健康生活を啓蒙して医療費削減を目指す活動の一環としてこのブログはあったのです。

無駄なサプリメントを服用しない!外食や加工食品を有り難がらない!しっかり運動する!愚痴を言わない!新しい事始める!仲間や家族と人生を楽しむ!なんて活動を医療面からサポートしてました。

さて、久しぶりの私の記事はエクササイズに関して。私はランニング中毒のランナーなのでランニングに関するエビデンスに目が無いけど、その他のエクササイズに関する報告は知らなかった。

「水泳って高齢者にどうなのよ?」という質問を先日頂いたので、ちょっと調べました。

今日はその報告です。では。

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2012年3月28日 (水)

介護施設入所者のビタミンDが下がると死亡率は上がる

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

皆さん、更新が遅くなって申し訳ありませんでした。忙しい時期でも定期的に記事を書いていく習慣を身につけないといけませんね。健康生活も同じようなもの、毎日のちょっとした積み重ねが重要なのは分かっているんですけどね。

実は先日、一般向けにビタミンDの講演をしてきました。そこで今回はビタミンDの話題をとり挙げましょう。

ビタミンDの健康に対する考え方はここ5年で様変わりしている。 くる病の治療薬から始まり、身体のミネラルバランスや骨の代謝に関わることから、骨粗鬆症のような骨の代謝疾患の予防効果が注目されていた。しかしながら、最近は骨以外の作用に関心が向いている。

一般的な癌、高血圧症、心血管疾患の発症、脳神経の成長などに関わるという報告から始まり、骨以外のビタミンDの作用が今まさにホットな話題で、日増しにその重要性が注目されている。さらに、欧米ではビタミンDの不足状態もまん延していることが明らかになり、米国では昨年、2011年にビタミンD欠乏の治療ガイドラインが改訂されました。詳しい内容は次のエントリーを見て下さい。

ビタミンD欠乏症に関する治療ガイドライン

概略を書けば、乳幼児から高齢者までのビタミンDの推奨摂取量が15μg、上限量は8歳以上で100μgになっている。日本ではどうでしょう。厚生労働省から「日本人の食事摂取基準(2010年阪)が出ています。この基準は2009年(平成21年)に、次の5年間の使用目的のために公表されたもので平成26年、この先2年間我々が基準にしていく値です。詳しい内容は厚生労働省のホームページに掲載されているのでみてください。

厚生労働省 > 日本人の食事摂取基準(2010年版) > ビタミン(表)

この中のビタミンDの摂取基準をみると、ビタミンDの摂取目安量は5μgで上限量は50μgである。これは単純にみても推奨量で3倍の開きがある。

欧米でまん延しているビタミンD欠乏のまん延が日本で見られないからでしょうか?

日本でも小規模ながらビタミンDレベルの調査がされた。2010年の7月に長寿医療研の報告をみると、愛知県内の介護施設に入所している寝たきりになっていない女性435名を対象にビタミンDレベルを調べたところ、8割がビタミンD不足という結果だった。これは欧米の結果と変わらない。実は日本でもビタミンD不足は問題になっていることがわかった。

最近、初めてビタミンDと死亡率の関連性が報告されたので紹介しよう。

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2012年3月27日 (火)

ハンガリーのポテチ税

文:人見訓嘉 <info@coneri.co.jp>

私のような医学的専門知識を持たないものが健康を論じるとき、医学的裏付けの必要な話よりも、社会的、経済的な話に注目してしまう傾向があります。昨年9月からずっときになっていた、ハンガリーで、塩分や糖分の高い食品に課税する、通称「ポテトチップス税」が施行されたニュースはその一つです。

以下AFP BBニュースより引用しつつ。

「新税導入を推進した議員はAFPの取材に対し、『不健康で高価な食品は食べないように、という消費者に向けたメッセージであると同時に、メーカーに食塩・砂糖の使用量を削減するよう促す意図もある』と説明した」そうです。

これはまあ、健康の話。こうやって健康を気づかうと、結果、行政が負担する医療費が下がっていくのだろうと思います。それは、税を負担する現役世代ウエルカムです。

ニュースは、続きます。

「課税対象は袋入りスナック菓子、クッキー、炭酸飲料、栄養ドリンクなどで、国内メーカーと輸入業者が納税義務を負う。国民の食習慣の改善と肥満対策が目的だが、厳しい経済情勢の中で歳出削減に取り組む同国政府としては、年7400万ユーロ(約81億2300万円)相当の税収アップへの期待も伺える。」

課税をして、歳入増にもつながる、と。

そして、今度は食品業界からの視点です。

「ハンガリー食品生産者協会は、『業界への相談もなく早急に導入された法律で、中小生産者を苦しめるだけだ。外国企業を撤退に追い込み、闇市場をはびこらせることになる』と憤りを見せている。地元紙によると既に、ポップコーン工場の建設を計画していた独メーカーが「ポテトチップス税」の導入を受けてハンガリー進出を断念している。」

以上を総括すると、健康を気づかう国の規制・課税は、歳入増と健康関連の歳出の抑制につながるものの、食品会社の操業を圧迫すると、今度は法人税などが落ち込んでしまいます。そこに雇用されている人たちからの税金も見込めなくなるかもしれません。

健康にいい施策を国が実施するということは、生活者からすると歓迎ですが、短期的な利害と長期的な利害が錯綜し、それはなかなか難しい問題です。消費者の購買意識から食品業界を変えていくというのが、もっとも自然なのかもしれませんね。

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2011年10月26日 (水)

ファーストフード店の利便性と摂取量の関係

文:屋台ブルー <ライフログオーガナイザー>

今日は小ネタを小々、ライフログの古い記事をフォローする。2008年の1月23日に紹介した「ファーストフード vs フルサービスレストラン:どちらがまし?」で、ファーストフード店の比率が高い地区に住んでいると肥満傾向になるという内容を紹介した。しかし、近所にファーストフード店があっても本当にファーストフードの摂取量が増えるのかどうかは分かっていなかった。今年の10月の雑誌BMC Public Healthでこの関係を調べた報告(BMC Public Health. 2011;11(543) © 2011 BioMed Central, Ltd.)が載っていた。

National Longitudinal Study of Adolescent Healthに登録されている若者(18-28歳)13,150名の2001-2002年のデータを使って、近所にあるファーストフード店への利便性と個々のファーストフードの消費量の関連を、人口の密集(都市)レベルを階層化して調べた結果、ファーストフード店の利便性は、非都市部、低密集都市部、もしくは高密度都市部においても、一週間の消費量と関連性が見いだされなかった。

この結果から、若者のファーストフードの摂取量を減らす目的のためにファーストフード店のロケーションによる利便性を悪くする方策は成功しない可能性があるという。もう少し特定の条件、学校や職場に近いファーストフード店のあり方や、都市部や非都市部に特異的なファクター、それに個々のライフスタイルや嗜好性を今後考えていかなければならないでしょう。

近くにファーストフード店があるから食べる量が増えているという単純な話じゃ無いってこと。近くにあるモノだから食べるほと若者は馬鹿じゃ無いけど、遠く離れていてもファーストフードを食べている若者の実体がみえる。ファーストフードに毒されて中毒になれば、どこにでも買い求めていくのだろうか... 恐ろしい。

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2011年10月21日 (金)

ビタミン・サプリメントで死亡リスク上昇?

文:屋台ブルー < ライフログオーガナイザー >

とある学会に参加した時、発表スライドでご自分の服用サプリメントを紹介されていた演者の先生がいらして。その種類と数に驚いた事がある。

サプリメントを服用している一般人は多いけど、医療関係者でも多いんだと感じた瞬間だった。

私はサプリメント否定派で、サプリメント無しで健康的な生活を送るための情報提供をしているつもり。私が好きな「内科開業医のお勉強日記」の先生も同意見のようだ。

サプリメントというのは栄養補給食であり、栄養状態の良い人への投与というのはベネフィットよりリスクの方が大きくなる。そして、野菜果物などに代替できるるようなものではない。
サプリメントはあくまでも不足している栄養素を補充するものであり、足りない栄養素があるってことは、食習慣の改善余地があることを意味する。特殊な状況でないかぎり安易にサプリメントに頼らないほうがいいと思う。

私は今日のニュースをみて嬉しくなりました。安易にサプリメントを服用すると死亡リスクが上昇するかもしれないってことだ。

ライフログでサプリメントの弊害報告をあまりしてなかったけど、これからとり挙げていこうと思う。サプリメントの弊害をとり挙げて説明しているのが「内科開業医のお勉強日記」である。興味がある人は読んでください。

マルチビタミンやいわゆるサプリメントの有害性

しかしながら、2つの重要な事を頭に置いてください。

まず、何度も繰り返して説明しているけど、今回の報告は疫学調査、そう観察研究だってこと。因果関係はわからないから、サプリメントの服用が原因で死亡リスクが上昇したかどうかはわからない。あくまでもサプリメント服用と死亡リスク上昇に関連性が示されただけ。だから今日の記事タイトルに「?」を入れている。考えようによっては、調子が悪いからサプリメントを服用しているかもしれない。まあどちらにしても調子が悪くて服用していても効果がないってことにはなりそうだ。

そして、次に重要なことは、サプリメントを服用していても実際は何を摂取しているのかわからないってことだ。サプリメント愛好者は次のライフログのエントリーを必ず読むように。

Life-LOG:あなたの飲んでいるビタミン剤は安全?

要するにビタミンを摂っていても有害な物質を摂っている可能性が大いにあるってこと。

私はビタミン剤を長期服用する気は無いですね。食材でも汚染を考えなければならないのにサプリメントの安全性を考えるなんてしたくないね。やっぱり野菜や果物をしっかり食べる方が好きだな。

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2011年10月14日 (金)

コーヒーでうつ病の予防?

文:屋台ブルー < ライフログオーガナイザー >

バタバタしているとあっという間に時間が過ぎます。10月ももう中旬!あれ?そういえば、超10医療のコラムを書いていなかった!!!!

ライフログの記事と重なっていいから投稿して欲しいと代表の人見さんに頼まれて、先月から寄稿を始めたのですが、締め切り日の毎月10日がいつのまにか過ぎてしまっていた(^_^;)

そのうえ、前回の寄稿内容をライフログに紹介することも忘れてました...

前回の内容は、「リバウンドしない減量維持の秘訣はタンパク質」というタイトルで新しい知見を紹介しているので、ダイエットをされている人は是非目を通しておきましょう。

めざせ、超10! > 超10医療 〜田井祐爾医師の寄稿〜 > リバウンドしない減量維持の秘訣はタンパク質

さて、今月の超10医療の内容は、私の大好きなコーヒー。大量摂取者としてコーヒーを擁護する報告ばかり紹介しているので、コーヒー好きのあなたも是非一読してください。

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2011年9月21日 (水)

COPDの生涯リスクは4人に1人

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

COPDと言われても「なんやねん?」と思われた人は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)総合情報サイトを見てください。和田アキ子さんがテレビで宣伝しているから見かけたことあるんじゃない?

前回のエントリーで養老先生と日本禁煙学会のやり取りを紹介したら、愛煙家と嫌煙家の意見は交わらないという意見をコメントで頂いたけど致し方ないでしょうね。しかし、禁煙活動を「おせっかい」レベルに思われると残念なことだと思う。

分煙化がすすんでいるから「喫煙」は個人の嗜好で他人にとやかく言われる筋合いはない!と仰るなら、大麻(戦前は自由だったらしい)、覚醒剤、麻薬など他人に直接影響を与えない薬物はどうして規制されているのでしょう?これを合法にすると、社会・経済的に国にダメージを与えるという表向き(?)の理由を大半の人は支持しているからじゃないかな。アルコールはどうですか?アルコールは社会に受け入れられて多くの人が嗜好品とし飲まれているよね。でも、米国では社会悪として禁酒法(宗教的な意味合いもあったけど)が施行されていた歴史もありました。

多くの研究データの蓄積によって社会通念は変化している。これまでは、タバコの問題もアルコールと同じと捉える人も多かったのでしょう。しかし、蓄積されていくエビデンスを見れば、タバコは公衆衛生上大きな問題を抱えていることが明らかになってきている。今日紹介する雑誌The Lancetに掲載された報告(カナダの報告なんで直接日本人に当てはまらないから注意)をみても分かるだろう。喫煙とCOPDの関連性は否定しがたいもので、日本でもCOPDの治療にかかる医療費はこれから莫大なものになっていくって想像できる。非喫煙者が喫煙者のCOPD治療のために税金を払わなければならないんですよ。

医療費を減らすことが国の義務なら、なぜ国はもっと積極的に禁煙活動に力を入れないのでしょうか?「タバコ1箱1000円」のどこが悪いのでしょうか?1000円にすると喫煙者は激減するけど、タバコ1箱当たりの税金は増え、タバコで得られる税収は変わらないという試算があるから国は困りません。厚生労働省の小宮山大臣の発言が不適切とは思えねいけどね。タバコ1箱を1000円にして困るのは誰?売り上げが減るJTですよ。JTは巨大企業で財務省に太いパイプがあるって話。タバコ税問題は、政治的問題として話し合われているって馬鹿な私でも想像できるよ。国民の健康を考えれば小宮山大臣に頑張ってもらいたいけどどうなることでしょう。

じゃあ今日のニュースを紹介しよう。

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