リバウンドをしない条件は?
ライフログ・オーガナイザー:屋台ブルー
Bariatric Surgery(バリアティック手術)という言葉を聞いたことが、無いという人も多いでしょう。バリアティックとは、肥満という意味で、肥満者に対する手術療法のことです。欧米人の超肥満者に対してよく用いられる治療法で、実は、本邦でも2014年から、食事や運動療法で効果の無い、合併症で危険な状態になっているBMI値35kg/m2以上の高度肥満者に対して保険適応で受けられます。
この肥満手術の中で、欧米では、腹腔鏡下ルーワイ胃バイパス術が最も一般的で、 胃を小さな小袋に縮小させる方法。超肥満者に対して非常に効果的な減量法になっています。
減量効果のあるバイパス手術を受けても、リバウンドする人がいる訳で、どういう因子がリバウンドに繋がったか調べた報告がありました。Annals of Surgery: April 4, 2019
2006年から2008年の間に、10カ所の病院で、ルーワイ胃バイパス術を受けた1276名、80%は女性、86%は白人、手術を受けた年齢の中央値は46歳、そして、BMI値の中央値は、なんと46kg/m2! という超肥満患者さんを、6.6年間フォローアップして、食習慣や活動性など生活因子や血液検査値を評価してリバウンドと関連がある項目を割り出したところ次の独立因子が導かれました。
- 座った時間が長い
- ファーストフードを頻回に食べる
- お腹いっぱいになっても食べる
- だらだらと食べ続ける
- コントロールできない衝動的な食欲
こういう食習慣や生活習慣は、手術を受けた人だけでなく、普通にダイエットに成功してリバウンドする人にも、ありがちなリスクでしょう。
ダイエットのために無理して我慢した食事習慣をしていると、衝動的な食欲に襲われることが多くなり、コントロールがきかなくなって、だらだらと食べ続けて体重が増える。罪悪感も生まれ、その気持ちから逃れるために食べてしまう... 悪循環に陥ると元通りになるのに時間はかかりません。
これを避ける因子として、少なくとも週に1度、体重を計ることは効果がありそうです。毎週体重を計っていると、リバウンドしにくいことと相関があったからです。
色々とリバウンドと関連がある項目は認めました。若い人、空腹時中性脂肪が高い人、潰瘍を作るような下肢の浮腫があったり、身体機能が落ちた人、健康状態が悪い人、そして、うつ症状がある人です。
実は、私が気になった項目がありました。胃バイパス術を受けた患者さんは、減量を維持するプログラムを受けています。例えば、糖質付加清涼飲料水を飲まない、炭水化物の食材を減らす、そして果物や野菜の摂取量を増やす、こういった指導は、リバウンドとの関連性がなかったんです!
リバウンドするかどうかは、1日中食べ続ける食行動や、メンタルな部分が大きく関わっているみたいで、指導をどれだけしても無駄なのかもしれないですね。本人のモチベーションが保てないと無理ってことですね。
そして、なによりも活動的であるということがリバウンドをしないために重要!他の研究報告からも示されています、私もランニングを続け、リバウンドすることなく体重を維持できているのだと思っています。
さあ、皆さん、ステイ・アクティブ!
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