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2019年3月21日 (木)

きのこ、認知障害の予防?

ライフログ・オーガナイザー:屋台ブルー

 夜はちみつダイエット、で取りあげている はちみつに残念ながらエルゴチオネインは含まれません。なぜかって?今日の報告を読みましょう。

 きのこを、週に2ポーションより多く摂ると、軽度認知障害(MCI)の発症が50%低下するかもしれないという シンガポールの観察研究の報告が、発表されました。
 さて、「ポーション(portion)」というのは、どの位の量でしょう?

 彼らの定義によると、2ポーションというのは、3/4カップの調理されたきのこの量、だいたい150gぐらいで、お皿で半分

 調理されたきのこ150gがどのくらいかイメージしにくいですね。こういう時は、「きのこ150g」で画像検索してみるといい。お皿に載ったきのこが見つかります。

 きのこの種類は、ゴールデン(golden)、ヒラタケ(oyster)、シイタケ(shiitake)、マッシュルーム(white button)、そして、ボタンマッシュルーム(button)の乾燥、缶入り、水煮など6種類という記載。

 シンガポールで、60歳以上の650人が参加している Diet and Healthy Aging (DaHA)研究から得られたデータなので、シイタケという日本人に馴染みのあるきのこが含まれているんでしょう。

 きのこの摂取と認知機能への影響をしらべた疫学研究は、いままで報告が少なく、ここまではっきりと認知障害の予防効果が示された報告はない。

 MCIのある被験者は、当然、高血圧症、糖尿病、脳卒中の既往があり、社会活動にも非積極的です。そして、きのこの摂取量も少なめでした。

 当然ですが、こういう交絡因子、性差、体格、居住地、生活習慣、病気の状態、食事状況も 肉、野菜、果物、ナッツ類の摂取量など様々な要因を調整したあ後も、週に2ポーション以上きのこを摂取するグループは、週に1ポーション以下のグループと比較して、相対リスクが52%低下したという驚くべき結果でした。

 じゃあ、きのこに含まれる何が、その認知障害をおさえるのでしょう。

 彼らによると、いくつかの生理活性物質の候補があがっています。

 まず、ヘリセノン(hericenones)、エリナシン(erinacines)、スカブロニン(scabronines,)、そしてディクチオフォリン(dictyophorines)という耳慣れない菌糸類が持っている有機化合物は、神経成長因子(NGF)の働きを促進させる働きを持っています。

 そして、最有力候補に挙がっているのが、エルゴチオネイン(ergothioneine)です。

 最近、勉強不足で知らなかったですが、エルゴチオネイン、めちゃ注目されていますね。きのこ しか含まれていない上に、生体において、ビタミンEC、グルタチオン還元系で対応できない大量のヒドロキシラジカル除去能を有する抗酸化、抗炎症作用を持っているため神経変性を遅らせる可能性があるそうです。

 2007年の報告によれば、きのこすべてにエルゴチオネインが含まれているみたいじゃありません(読めていないので確認できていません)。彼らの報告で6種類のきのこというのは、こういう理由なのかもしれません。誰か確認を〜

 どちらにしても、きのこは大好きで、よく食べますが、これからは意識して食べよっと。

 そして、注意点。きのこが認知障害予防によさそう、という印象は受けますが、これはあくまでも観察研究であり、因果関係を示したものではありません。人が考える上をいく何か他のファクターがかかわっている可能性が残されています。まだまだ確認するための研究報告が必要だと言うことです。

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