カテゴリー「糖尿病」の記事

2013年9月 1日 (日)

果物と糖尿病のリスク低下

文:fumixie

Medical News Today"Blueberries, grapes and apples linked to lower risk of diabetes" (ブルーベリー、ブドウ、リンゴは、糖尿病のリスク低下に関係がある) という記事によると、成人の場合、ある種の果物(ただしジュースは除く)を食べると、2 型糖尿病のリスクが下がる場合があるそうです。

ここで言われている「ジュース」が、果物を自分で絞ってジュースにしたものを指すのか、果物をジュースにした製品を指すのかは、この記事だけではわかりませんでした。また、仮にこの研究で対象となっているジュースが製品だとしても、日本で販売されているジュースとでは違いがあるかもしれません。しかし、いずれにしても、果物は丸ごと食べる方が「吉」のようです。

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2011年7月 8日 (金)

エクササイズなしの食事だけで糖尿病のコントロールは十分?

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

先月の末に米国サンディエゴで開催された第71回米国糖尿病協会年次学術集会/American Diabetes Association (ADA) 71st Scientific Sessionsで発表があった話題を紹介するけど、前置きに、雑誌JAMAで昨年報告された「Effects of Aerobic and Resistance Training on Hemoglobin A1c Levels in Patients With Type 2 Diabetes/2型糖尿病患者におけるエアロビック+レジスタンス・トレーニングのHbA1cへの効果」を紹介しておく。

コントロールグループ(トレーニング無し)、エアロビック・トレーニング単独グループ、レジスタンス・トレーニング単独グループ、もしくはエアロビック+レジスタンス・トレーニングの組み合わせグループに患者を振り分けて、HbA1c(糖尿病のマーカー)の改善度を調べたけれど、エアロビック+レジスタンス・トレーニングの組み合わせ以外は全く効果が無かったという結果になった。

要するに糖尿病のコントロール目的のためにエアロビック・トレーニングもしくはレジスタンス・トレーニングだけするというやり方は効率が悪いどころか無駄だって話だ。どうせ運動をするならエアロビックとレジスタンス・トレーニングを組み合わせる必要がある。

そして今回の話に移るが、2型糖尿病患者に対して食事療法に運動を組み合わせた場合、HbA1cへの影響がどうなったかが発表された。

この発表は、同時に雑誌Lancetにも掲載されたようだ。

この講演は、英国ACTID(Early Activity in Type 2 Diabetes)臨床試験の結果報告だった。初期の2型糖尿病患者 593名を無作為に3つのグループに振り分けている。1つはコントロール・グループとして、従来の治療法、簡単な教育セッションで食事とエクササイズのアドバイスを提供、6ヶ月と12ヶ月目にフォローをしている。2つ目のグループは、食事療法単独ではあるが、かなり詳細な食事指導が含まれていて、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月目の受診時に十分時間をかけた食事指導をしている。そして3つ目のグループは、この食事療法単独グループと同様の食事指導に加えて活動量を増やすことに重点を置いた。今回のケースではウォーキング、1日少なくとも30分間、週に5日間を指導している。モチベーションを維持するための読み物や、万歩計、そして活動記録も取らせた。

臨床試験として、6ヶ月目、12ヶ月目のHbA1cを評価項目にしている。6ヶ月目で、コントロールグループは軽度悪化したが、食事療法単独グループと運動療法を組み合わせたグループは改善していた。しかし、この両者に差は見られなかった。また副次評価項目である体重、インスリン抵抗性、糖尿病薬の量にも変化は無く、1年後の評価でも食事療法単独グループと食事療法+運動療法グループの間に有意差はみられなかった。

最初にとり挙げた雑誌JAMAの報告で言われているようにエアロビックとレジスタンス・トレーニングの組み合わせた運動なら有意差が生まれたかもしれない。

なぜ、運動が効果を示さなかったのか理由を考える場合、運動そのものに焦点を当てるべきじゃないと、この知見を発表したRobert Andrews医師が説明している。腹囲に関連した評価をした場合、腹囲の減少は、中等度の運動の量には相関が見られなかったが、「座っている時間」の短さと関連があったという。まさにこの事から言えることは、中等度の運動をするよりも、座っている時間を減らすことを考えた方がいいといえる。

さらに、可能性として、「トレーディング(取引)」と呼ぶ代償をしているんじゃないかということ。ジムに行って運動をするから甘い物をちょっと食べておこうって話になっているのかもしれない。

理由は何にしろ、予算の事を考えて糖尿病をコントロールするのであれば、治療開始の最初の1年目は運動の指導に力を入れるより食事療法に力を入れる方が賢明だということだ。

糖尿病のコントロールだけでなく、これはダイエットにも言えるんじゃないかな。運動だけでダイエットをしようとするのは間違いだ。体重を落とすために食事療法が最も重要で効果的だ。しかし、これはダイエットを開始した最初だけで、長期的な観点に立てば、運動は必ず必要になる。運動で得られる利点は、今回の評価項目に含まれていなかっただけで、全く無いということではないだろう。

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2011年7月 6日 (水)

睡眠時無呼吸じゃないよ、眠気が糖尿病に悪い?

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

昨日の話の続きをしよう。睡眠の質を評価する方法はいくつかあって、どの方法が優れているのかコンセンサスはまだ得られていない。昨日少し話題にしたActigraphy(アクティグラフィ)で測定できるSleep Fragmentation(睡眠断片化指数)や不眠症の質問票も質を評価するものだろう。そして、Epworth Sleepiness Scale(エプワース眠気尺度)も眠気を評価することで睡眠の質をみていると言える。

じゃあ、睡眠時無呼吸症候群の診断に使用される睡眠ポリソムノグラフィで測定されるAHI(Apnea-Hypopnea Index/無呼吸低呼吸指数)はどうだろうか?

AHIとは、睡眠中に10秒間以上の呼吸停止が1時間あたり何回認められるかで表され、正常の人は、AHI<5で、AHI>=15なら明らかに異常で睡眠時無呼吸症候群という診断になる。

じゃあAHIが高値なら睡眠の質が低下している可能性はあるよね。

これに関して考えさせられる報告があったよ。実は先月、SLEEP 2011: Associated Professional Sleep Societies 25th Annual Meetingで発表された内容だ。

MedScapeの記事を紹介しよう。

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2011年7月 5日 (火)

睡眠の質が悪かったら糖尿病も悪化?

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

先日、 睡眠時間の不足で体重が増えるという話をしたけど、最近の睡眠の話題は、睡眠時間から睡眠の質に移っている。

色々な健康障害のリスクと短い睡眠時間の間に相関があるという疫学データは過去に何度も紹介されている。しかし、基本的に人が必要とする睡眠時間には個人差があり。睡眠時間だけで睡眠が不足しているのかどうか判断しにくい。

睡眠時間以外で睡眠不足を評価する方法として眠気を評価しているのだろう。眠気をスケール化して評価する方法もいくつかあるけど、一般的にEpworth Sleepiness Scale(エプワース眠気尺度)がよく使われている。欧米の質問票の項目を一部改定して日本人に合わせた日本語版があるのでそれを紹介しよう。(→ ESS (Epworth Sleepiness Scale) 日本語版 認定NPO法人 健康医療評価研究機構)

8つの状況下で、どのくらいうとうとするか4段階で点数化する方法だ。

全くうとうとしなければ0点、少し可能性があれば1点、半々ぐらいなら2点、かなりの確率でうとうとするのであれば3点という基準で以下のすべての項目に答えてください。

1) すわって何かを読んでいるとき(新聞、雑誌、本、種類など)
2) すわってテレビを見ているとき
3) 会議、映画館、劇場などで静かにすわっているとき
4) 乗客として1時間続けて自動車に乗っているとき
5) 午後に横になって、休息をとっているとき
6) すわって人と話をしているとき
7) 昼食をとった後(飲酒なし)、静かにすわっているとき
8) すわって手紙や種類などを書いているとき
copyright, Murray W. Johns and Shunichi Fukuhara 2006.

この合計点が10点以上だったら眠気が強いということで質のいい睡眠ができていないだろう。

先日、CARDIA研究のサブ解析の結果が雑誌Diabetes Careに掲載された。1985年に18歳から30歳の成人が登録され、糖尿病患者と非糖尿病患者を対象にして睡眠の質をActigraphy(アクティグラフィ)と呼ばれる腕時計型の活動モニターと不眠症の質問票(← 不眠症の評価票はESSの眠気尺度と異なるけど、睡眠時間じゃなく睡眠の質を評価しようとしている)により、睡眠の質を評価している。

この結果で示されたことは、糖尿病が無い人は、血糖のコントロールの悪化は無かったけど、既に2型糖尿病がある患者さんで、不眠症があれば、不眠症の無い糖尿病患者さんに比べて、空腹時血糖が23%増加して、空腹時インスリン値はは48%増加していた。ようするに、不眠症の糖尿病患者さんの血糖コントロールは悪いって話だ。糖代謝と睡眠は密接に関わりあっているんだよ。

メタボな人、糖尿病の危険性がある人、ちゃっと眠れてますか?不眠症だったら糖代謝が悪化して糖尿病を発症させちゃいますよ。ちゃんと寝ましょうね。

それから、最後に一言、不眠症の診断基準に睡眠時間は入っていないよ。不眠症の診断基準には日中の眠気があるからESSでスコアが高い人、要注意でしょう。

明日は、ESSと血糖コントロールの報告をお伝えしましょう。では。

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2011年7月 3日 (日)

睡眠でスリムでいられる

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

昨日の話の続きだ。ちょっと古い2006年のBBCニュースを紹介しておこう「Sleeping may help keep you slim/睡眠でスリムでいられる」というタイトルで、質のいい睡眠は気分を爽快にするだけじゃなく、体型をスリムにとどめるというサブタイトルがついている。

オハイオのケース・ウエスタン・リザーブ大学のSanjay Patel医師らの研究者が70,000人の女性を16年にわたって調査している。

5時間より睡眠時間が短い女性の1/3は、夜ぐっすりと眠る女性に比べて少なくとも15kgは体重が増えてそうだ。

この2006年の頃の話では、睡眠と体重増加の関連性を長期間にわたって調べた最も大きな研究だったそうだ。

浅い眠りの女性は、7時間眠った女性に比べて、15%ほど肥満になりやすかったという事実もある。

ここでいう肥満は、皆さんご存じのように身長に対する体重の指標BMI値(体重kg÷身長m÷身長m)を使っているからね。

摂食行動に理由がある訳じゃない

今回の研究報告で更に分かったことは、浅い眠りの女性がたくさん食べていたり、エクササイズが少なかったという理由じゃないということ。

調査開始時に、5時間より睡眠時間が少ない女性は、7時間睡眠を取る女性に比べて、平均して5.4ポンド重く、10年を経過して更に1.6ポンド以上余分に体重を増やしていた。

たいした体重増加には思えないかもしれないけど、これは平均値であり、ある女性はこれ以上増えている。そして、ちょっとした体重増加は、健康障害、例えば糖尿病や高血圧症のリスクを増加させる。

これまでの研究報告を見れば、数日の睡眠制限をさせると、食欲をコントロールしているホルモンによって空腹感が引き起こされることから、睡眠時間が短ければ食べる量が増えると思われていた。

しかし、実際は食事は少なかった。このことから食欲と食事が、睡眠時間の少ない女性の体重増加の理由にはなっていなかった。

じっとできない

睡眠時間が少ないと休んでいる時の消費カロリーが変化しているのかもしれないとPatel医師は説明している。

代わりに、睡眠時間の少ない女性は、カロリーを消費する落ち着きのない無意識の活動性が失われる傾向があるのではないかと考えている。

2004年に雑誌Sleepに掲載された米国国立精神保健研究所の報告に似たような結果が示されている。

研究者によれば、睡眠不足によってカロリー消費をコントロールするホルモンのバランスが変わることが理由と考えている。

ノッティンガムにいるIan Campbell医師も説明しているが、睡眠不足の人は疲れれば疲れるほど、日中の活動性はどんどん減るからだと考えている。

不十分な睡眠によるストレスに対して自然なホルモン応答によって、代謝率が変化したり、さらに接触行動にも変化が加わるのでしょう。

「はっきりしていることは、一人一人色々な生き方がありそれが健康に影響を与えている」ってことだ。

「体重増加をさせたくないと思っているなら、健康的な食事、活動的なライフスタイル、そして質のいい睡眠以上の事はない。」

「多くの女性が体重が増やさないで食べる量を増やす秘密を知りたかっているけど、悲しいけど、その方法は説明できていない。」

とまあ、睡眠とダイエットの関連性に関する研究はこの頃からかなり進んでいるよね。少しずつ紹介していこう。

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