レスベラトロール:若さを注入、それとも金の無駄
情けないよ、皆さん。
私は自分の健康に慢心していたと思う。
実は、2週間ぐらい前からランニングで走る距離を伸ばし、通勤ランにも気合いを入れていた。そんな訳で、先週の中日にさしかかった頃、身体の疲れを自覚していた。トレーニングをアップした時に誰もが経験する疲労だ。しばらく続けて順応すれば身体能力はアップする。しかし、無理をしちゃいけない日だった。
そんな夜、開業医仲間で、酒に強い先生と飲み会だったから...
記憶は無くなり、寒さで気付いたら、自宅の居間で寝ていた(>_<)
翌朝、気持ち悪くて目覚めに嘔吐...
さすがに翌日、通勤ランはできなかった。でも、木曜日の診療は普通にこなす... 普通?(^_^;)
仕事が終わっても倦怠感と寒気は続いている... 春分の日の早朝ランニングに備えて早めに寝ることにした。
でも、午前4時起床はできなかった...
陽がかなり昇るまで身体が動かず、身体を起こしたのは午前7時頃だった。身体に活を入れるため、なんとかランニングには出た。でも、何故か関節は痛く、寒気もするから、20kmぐらいで止めた。走った後の爽快感は無く、気怠さだけが残った。
土曜日も朝から寒気、風邪を引いているという事実を無視して通勤ランをしてしまった。走って呼吸が速くなると気管が痛い。行き帰りで15km程走った。馬鹿だ(^^;)
その晩、39℃近い熱が出て息をすると胸が痛む。とうとうダウンしてしまった...
何年ぶりになるだろう。39℃なんて熱を出したのは、咳をすれば褐色の痰が出てくる...(それでも仕事は続けなければならない開業医の辛さ)
今朝になってやっと平熱になり、やっとブログの更新をする気になった。今日のDiet Blogの記事は先週書いていたもの。本家の記事はかなり進んでいるから追いつかなきゃ。
レスベラトロール:若さを注入、それとも金の無駄
Resveratrol: Fountain of Youth or Waste of Money
赤ワインの愛飲者は、レスベラトロールがもたらす奇跡のニュース、よりよい健康と長寿に祝杯をあげている - これは、赤いブドウや果物に含まれている成分である。主張されていることや誇張されていることが何なのか調べて、どんな結論があるか見ていこう。
数年前に新聞の見出しになった記事を無視できない。レスベラトロールによって健康は増進され寿命は延びるという推測がニュースとして溢れていた。ちょっとニュースを深く読めばわかるけど、あなたが中年で過体重のマウスなら、これはいいニュースなのだろう。そうは言っても、結果は刺激的だった。レスベラトロールを与えられたマウスは、与えられなかったマウスに較べて25%以上健康的に長生きした(Nature, 2006)。
本当に印象深いけど、酒屋やサプリメント販売店に駆け込む前に、ちょっとした考えるべき詳細がある。
- 長生きをしたマウスに与えられたレスベラトロールの量は1日20本のワインに相当する。
- 昨年、正常の体重で中年のマウスを使って、2006年の研究と同様の研究をしたところ、寿命に何ら変化は見られなかった(Cell Metablism, 2008)。奇妙なことに、この研究の結果は、ニュースの見出しに取りあげられることは無かった。しかしながら、レスベラトロールのポジティブな健康への効果が認められたことは言っておいた方がいいだろう。
- 今のところ人間を使ったレスベラトロールと寿命に関する研究はない。2つの理由があり、テキサス大学のBharar Aggarwal氏によれば、
- 費用 - 人に与えるレスベラトロールの量はかなり高価になってしまう
- レスベラトロールの生産をコントロールしている会社は、お金になる木にしようとしているから、研究者に使わせない。
- レスベラトロールの大きな可能性は漠然としている。国立老化研究所による研究も予定されているけど、結果が出るのに数年はかかる。
- 化合物に関する研究を考える時、「in vivo(インビボ)なのかin vitro(インビトロ)、(生体内 vs. 試験管内)」という問題を常に考えなければならない。人間の体は複雑でダイナミックに動いているから、試験管内でテストされた結果と同じ結果は生まれない。
考えるべき事
健康に関して細々とした内容じゃなく大きな目で見るべきだ。Marion Nestleの言葉を借りると、食事の本質から栄養素を取って考えることは、食生活から食事を取ってしまったり、ライフスタイルから食生活を抜いてしまうことになる。食材に含まれる栄養素じゃなくて、全体として捉えよう。野菜や果物を食べて、中等度の赤ワインを飲もう - こうすれば、寿命を延ばすことになるんじゃないかな、それに、確実に健康を改善させるだろう。
ソース:Nutrition Action Healthletter. March, 2009.
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