カテゴリー「トランス脂肪酸」の記事

2012年1月15日 (日)

果物と野菜をもっと食べるべき理由がまた増える

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

Medical News Today に載った "Link Between Diet, Nutrient Levels And Cognitive Ability, Brain Shrinkage(2012年1月4日付け)(食事や栄養と認知機能および脳の収縮のつながり)という記事によると、数種類のビタミンとオメガ3脂肪酸の血中濃度が高い高齢者ほど、知力テストの結果が良く、アルツハイマー病によく見られる脳の収縮も少なくなる一方で、「ジャンクフード」を食べているとちょうど反対の結果が生まれるそうです。

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2011年2月22日 (火)

トランス脂肪ってなに?

先日の NHK ニュース で、トランス脂肪について、「とりすぎると心筋梗塞などの危険性を高めると指摘されている「トランス脂肪酸」について、消費者庁は、炭水化物やたんぱく質といったほかの栄養成分と同じように表示することを食品会社などに求める指針をまとめました」と報じていました。そこで、一般人の目線からトランス脂肪について少し勉強してみました。

wikipedia のトランス脂肪酸の項目 には、次の記述があります。

... トランス脂肪酸は、天然の植物油にはほとんど含まれず、水素を付加して硬化した部分硬化油を製造する過程で発生するため、それを原料とするマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどに含まれる。多量に摂取するとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させ心臓疾患のリスクを高めるといわれ、2003年以降、トランス脂肪酸を含む製品の使用を規制する国が増えている。
"Trans Fat: The Time Bomb in Your Food"(トランス脂肪:食べ物に含まれる時限爆弾) (Souvenir Press £8.99) という本の著者マギー・スタンフィールド (Maggie Stanfield)が Ezine@rticles に寄せた "The Trans Fat Time Bomb"という記事(2008年4月26日公開)には、トランス脂肪に関することが、我々一般人にもわかりやすく書かれています。要約すると次のようになります。(ちなみに、"Trans Fat: The Time Bomb in Your Food" という本はアマゾンでも売ってますね。冷蔵庫の絵の表紙が一見楽しげですが...)

工業生産されているトランス脂肪のことで何を知っているだろうか。栄養学の専門家や医者でもない限り、「なーんにも知らない」という人がほとんどだろう。トランス脂肪は極秘なのだ。食品製造業界や外食産業も秘密にしたがっている。消費者の圧力に負けて自発的に使用量を減らしているところもないわけではないが、法的な規制は皆無だ。

これまでの道のり

トランス脂肪というのは、植物油を煮沸した際にできる死の副産物である。そもそもの始まりは、20世紀初頭にさかのぼる。当時ロウソクなどに使われていた獣脂は大変高価だった。そこでドイツ人 ウィルヘルム・ノーマン氏 は、なんとか代わりになるものを作ろうとしていた。そして綿実油にニッケルなどの触媒を混ぜて摂氏260度まで煮沸し、それを冷やすと固まることを発見した。1903年(wikipediaの記述では1901年)、こうして氏はロウソクの蝋の代用品を作り出した。これはロウソクとしては申し分なかった。しかしこのノーマン氏、自分の発明品を人が食べるようになるとは予想していなかった。

この特許をノーマン氏から買い取ったのがプロクター・アンド・ギャンブル社。同社はそれを元に、すぐさまクリスコ (Crisco) という商品名でショートニングを売り出した。これは焼き菓子などにうってつけで、日持ちもした。

問題点が明るみに

しかし問題があった。植物油から硬化油脂 (HVO、PHVO) を製造する工程が、結果的に人々を死に追いやったのである。トランス脂肪の健康被害が実際に明るみに出たのは、1970年代から1980年代にかけて10年強にわたって実施された Nurses' Health Study である。この詳細な調査の結果、ファーストフード用油脂の女王として知られている硬化植物油や半硬化植物油の危険性は、飽和脂肪の比ではないことがわかった。トランス脂肪を1日2グラム摂取しただけで、心臓病のリスクが23パーセント高まるのである。

現状は

トランス脂肪は固形スープの素、スウィーツ、子供向けのシリアル、ビタミン剤、ドーナツ、レストランの揚げ物、ランチに食べるスナックなど、ありとあらゆるところで使われている。しかし2000年にデンマークがトランス脂肪を使用禁止にし、続いて同年4月にはスイスがそれに倣っただけで、他の国々では、人々はあいかわらず危険な食品をガツガツ食べまくっている。食べているのはロウソクの蝋だとは、役人も外食産業もレストラン業界も、誰も教えてくれない。トランス脂肪は心臓病のリスクを5倍高めるばかりか、2型糖尿病、ある種のガン、不妊、炎症性疾患、肥満、インスリン耐性にも関与している。

トランス脂肪の禁止決定に力を発揮したデンマークの心臓専門医ステイン・ステンダー教授はこう言う。「2000年に禁止してから2005年までの間に、この国(つまりデンマークのこと)の心臓病発症率は20パーセント低下した。これだけ証明されれば、効果のない食品表示や自主規制などやめにして、EU域内の食品産業ではトランス脂肪はいっさい使わないという公平な条件を導入するのに十分だ」


米国心臓学会 (American Heart Association) に載っている "Trans Fats Q&A" では、トランス脂肪を次のようにわかりやすく説明しています。
トランス脂肪とは何か?
トランス脂肪は、植物油に水素を添加して固めるという工程で工業的に生産されるもの。別名「硬化植物油」ともいう。

トランス脂肪を利用する企業があるのはなぜか?
製造する食品にトランス脂肪を使いたがるのは、トランス脂肪が使いやすく、安価で作れるし、日持ちがするからである。味も食感も良くなる。多くのレストランやファーストフード店ではトランス脂肪を使って揚げ物を作っているが、それはトランス脂肪を使った揚げ油は何回でも使えるからだ。

トランス脂肪は健康にどう影響するのか?
トランス脂肪は悪玉コレステロール (LDL) を増やし、善玉コレステロール (HDL) を減らす。またトランス脂肪を摂取すると心臓病や卒中を発症する危険が高まる。それに2型糖尿病になる危険も高まる。

トランス脂肪はどういう食品に入っているのか?
トランス脂肪が入っている食品はたくさんあるが、特にフライドポテトやドーナツといった揚げ物、ペストリーやパイ生地、ビスケット、ピザ生地、クッキー、クラッカーなど焼いた食品、それにマーガリンやショートニングに含まれている。

1日に摂取していい量はどれくらい?
米国心臓学会では、摂取するトランス脂肪量は、1日の総摂取カロリーの1パーセント未満にするよう勧告している。つまり、1日に2000カロリー必要なら、トランス脂肪に起因するカロリーは、そのうちの20カロリーだけにすることだ。ということは、トランス脂肪は1日2グラム未満ということだ。ただし天然のトランス脂肪も毎日口にしているだろうから、その量を考えると、工業生産されたトランス脂肪が割り込む余地は実質的にはまったく無い。
なお「天然のトランス脂肪」というのは、このサイトでは「牛肉やラム、乳脂肪など、ある種の肉や乳製品にもとから含まれている少量のトランス脂肪のことだが、コレステロールレベルに対して、工業生産されているトランス脂肪と同じ悪影響があるかどうかは不明」と説明しています。

さらに 最近スペインの研究者らが12000名を対象に平均6年間にわたって行った研究 を伝える Medical News Today の記事(2011年1月27日付け) によると、トランス脂肪を摂取すると「欝(ウツ)」の危険が高まるそうです。


この研究では、初めに136項目におよぶ食物の摂取頻度、および医療情報に関する調査を行い、そのデータから脂肪酸(飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、トランス不飽和脂肪酸)と調理用油脂(オリーブ油、バター、マーガリンなど)の摂取量を推計した。さらに欝の症例数を数えた。研究の開始当初、欝の症例はなかったが、研究の終わりには657例が報告された。

この研究から、トランス脂肪を多く摂取している被験者は、そうでない被験者に比べて、欝の発症リスクが48パーセント高くなっていることが判明した。さらに、トランス脂肪の摂取量が増えればこのリスクも高まるという用量反応関係があることもわかった。「トランス脂肪の摂取と欝の関係は決定的だ。... この研究から、循環器系疾患と欝には、脂質の種類に関わる共通の決定要因があることが考えられる。」と研究者らは結論づけている。

さらに、対象の被験者が摂取したトランス脂肪は平均して少なかった(総エネルギー摂取量のわずか0.4パーセント)にもかかわらず、「観察によると、欝にかかるリスクは50パーセント近く高まっている」と研究者は指摘している。

ごくごく大雑把に言えば、工業的に大量生産されている食品にはトランス脂肪が含まれている可能性が高いということになりますから、ある意味、トランス脂肪はタバコ以上に始末が悪いですね。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

-----屋台ブルーの追記(2011/2/23)-----

ここライフログでも、折に触れて話題にしているトランス脂肪酸の解説をfumixieさんにしていただきました。私もトランス脂肪酸の開発の歴史に関して知らなかったので、詳しい説明ありがとうございました。

動物性脂肪の摂りすぎを止めるため、さらに商業的に安価で大量生産できるという理由から本来液状の植物性の油を固めたトランス脂肪酸、Nurses' Health Studyは有名で、1990年代からトランス脂肪酸による健康障害は相次いで報告されている。

全米では、2006年1月1日から表示の義務化が実施され、2007年7月1日からニューヨークのレストランでは、トランス脂肪酸の使用も禁じられた。大手の外食産業でもトランス脂肪酸の使用を控えるようになった。有名なところで、スターバックスやマクドナルドは、トランス脂肪酸不使用を表明している。実は、日本の店舗もトランス脂肪酸の使用を止めたので、当時、日本のニュースでもとり挙げられた。消費者庁のコメントは、確か、日本でのトランス脂肪酸の消費量は絶対量が少ないため規制はしないというものだった...

やっと国内でも表示の義務化なんですね。本当に日本の対応は遅い...

当時のライフログの関連エントリーを覗いてください。

トランス脂肪酸 > トランス脂肪酸と心臓発作(2008年7月1日)

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2008年7月 1日 (火)

トランス脂肪酸と心臓発作

トランス脂肪酸 > トランス脂肪ってなに?(2011年2月22日)

日本人の脂肪摂取量は決して多すぎるわけじゃない。肉や魚など本物の食材に含まれる脂肪分の制限は必要ないだろう。問題は加工食品に含まれている脂肪分だ。

特にトランス脂肪酸は、自然界に存在しない(だよね?)人工的な脂肪分で、摂取量の多い米国で、やり玉にあげられ規制を受けている。日本では使用量が少ないため規制されていないけど、できるだけ避けた方がいいんじゃないだろうか。

トランス型脂肪酸はニューヨークから出て行け!(内科開業医のお勉強日記)」ここもチェックしてみてよ。私も最後のフレーズと同意見。

私は、できるだけ摂らないようにしている。摂らないようにするため、どんな食品に含まれているか知る必要がある。今日のPreventionの記事を紹介しておこう。いわゆる加工食品を避ければいいって分かるよね。

トランス脂肪酸と心臓発作
Trans Fat and Heart Attacks

ケーキミックスに何が隠されているのか?

お気に入りの加工食品の多くにトランス脂肪酸が含まれていて、心臓に良くないって知っているよね。「部分的水素添加」油と食品ラベルに書かれているトランス脂肪酸は、悪玉コレステロールであるLDL-コレステロールを増加させ、善玉コレステロールのHDL-コレステロールを減少させる。そして、心臓発作のリスクを上昇させてしまう。

2004年に発表された2つの試験で、この脂肪酸がいかに危険であるか示された。800名の健康的な女性を調べたハーバード研究では、トランス脂肪酸の摂取が多い人ほど、TNF(腫瘍壊死因子)のレベルを上昇させ、これは全身炎症のサインとなる。そしてこの炎症は、心臓発作、心臓病、心不全、糖尿病に糖尿病予備軍のリスクファクターになる。

同じ年のオーストラリアの研究では、400名の成人の中で、マーガリンのスプーン2杯分、1日平均5.5グラムのトランス脂肪酸を摂取する群では、1日平均1.5グラムの摂取量の少ない群に較べて、心臓発作の発生が2倍になった(トランス脂肪酸の安全な量は無いというのが専門家の意見)。

良いニュース:もしトランス脂肪酸を摂るのを辞めたら、年率15%の比率で体内からトランス脂肪酸は除去されていく。

トランス脂肪酸が多い10個の食品

  1. ケーキミックス
  2. シリアルとエネルギーバー(カロリーメイトみたいなやつ?)
  3. ポテチとクラッカー
  4. スープの粉
  5. ファーストフード
  6. 冷凍食品
  7. マーガリン
  8. クリープとショートニング
  9. 市販のクッキーとキャンディ
  10. 市販のドーナツ、パイにケーキ

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2008年2月 1日 (金)

レストラン業界の秘密

日本でもカロリー表示をしているチェーンレストランは多いと思う。しかし、チェーンレストランを久しく利用していないのでどのような栄養表示をしているのか知らない。アメリカでも同様な動きがあるようです。しかしカロリーだけに囚われず品質にも目を向けなきゃならないでしょう。安い食事を提供するレストランがやらなければならないコストダウン。ならば仕入れる食材は安くなければなりません。自然と中国野菜が使われていると考えても不思議じゃないでしょう。レストランを頻繁に利用している人は考えてみたらどうでしょう。

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