長期にわたる減量は健康障害を引き起こすかも
モノの見方は色々あるね。私は今日のニュースのような視点を持っていなかったから、ハッとさせられたよ。脂溶性の物質は脂肪組織に蓄積されやすいから痩せると血液中に放出されてしまうってのも納得できる。しかし、血中に放出されるのなら、いわゆるデトックス効果があり体外へ排泄される可能性も高くなるんじゃないかな。今回の報告は、痩せた人の血中レベルが高かったということだけで、これが健康障害と関連があったという報告ではない。血中レベルで高値だったということは、排泄も増えている可能性が高い。血中レベルだけでなく尿中のレベルはどうだったのだろう?やっぱり文献を読まないと分からないかな。
アブストラクトを読めば解析された7種類の汚染物質、Persistent organic pollutants(POPs)はわかるから、ちょっと紹介しておこう。
参照ページは、東京都健康安全研究センターの「内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)」
1) trans-nonachlor(trans-ノナクロル)
2) p,p'-dichlorodiphenyldichloroethylene(p,p'-DDE)
3) β-hexachlorocyclohexane(ヘキサクロロシクロヘキサンHCH)
4) PCB169(ポリ塩化ビフェニール類)
5) PCB180(ポリ塩化ビフェニール類)
6) 1,2,3, 4,6,7,8-heptachlorodibenzo-p-dioxin(七塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン:ダイオキシン関連)
7) 1,2,3,4,6,7,8-heptachloro- dibenzofuran(ジベンゾフラン関連)
長期にわたる減量は健康障害を引き起こすかも
Long-Term Weight Loss May Be Harmful to Health
香港(ロイター)9月8日 - 長期にわたって減量すると、糖尿病、高血圧症、そして関節リウマチなどの疾患と関連性が示されている産業性汚染物質が血流に放出されてしまうかもしれないと、7日の火曜日に研究者から発表があった。
この物質は、普通なら脂肪組織に蓄えられているけど、減量によって脂肪組織が代謝されることで、血中に流れ出てしまう、と韓国大邱市Kyungpook大学のDuk-Hee Lee医師は述べた。
「減量は良いけど体重増加は身体に良くないいう固定概念に囚われて生きている... しかし、減量による(血中の)(汚染物質の)増加は、様々な方面から健康に影響を与える可能性がある」、とロイターに宛てた電子メールにコメントしている。
米国で、1,099名の対象において、Lee医師は7つの物質を解析した。この報告は雑誌Obesityの9月7日号に掲載されている。
「血流にいったん放出されてしまうと、これらの物質は生命に重要な器官に達してしまう」、と研究者は述べている。
「10年間を通して減量が大きかった人は、体重が増えた人や変わらなかった人に比べて、これらの物質、残留性有機汚染物質(POPs)の濃度は最も高かった。
「POPsが安全じゃないという証拠は積み上げられている。POPsは、2型糖尿病、高血圧症、冠動脈疾患、関節リウマチ、歯周病に関連性がある、とLee医師は話している。
これら汚染物質の濃度の違いを説明するために、年齢、性別、人種に分けて調査をしたが、体重の変化に統計的な有意差が残っていた。
この悪影響が、減量で得られる利点を凌駕してしまうかどうか確認するため更に研究が必要だ、とLee医師は述べた。
文:屋台ブルー
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