カテゴリー「高血圧症」の記事

2013年3月25日 (月)

エナジードリンクで不整脈や血圧上昇?

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

久しぶりに記事投稿、皆さんに忘れ去られそうな屋台ブルーです。

これまでメディカルサイトのニュースを日本語訳にして紹介してきましたが、原文に忠実に翻訳していく作業は骨が折れしんどいです。だって、内容をしっかり理解するのは当然だけど、英語を日本語表現に変更する翻訳作業もしなきゃいけないし、気を遣うからです。

何ヶ月も記事を書かないより、内容を理解して自分の言葉で伝えていくやり方で更新頻度を上げようと考えてるわけ。でも欠点もあって、独断的で偏見に満ちた内容になってしまえば、それはそれでツッコミどころ満載になっちゃうんですよね。皆さんのコメント期待してます。

先週22日のMedscapeの記事「Energy Drinks May Prolong QT Interval, Raise BP」を紹介しよう。「エナジードリンクを飲めば、QT時間を延長させたり、血圧が上がるかもしれない」というタイトル。

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2012年9月 4日 (火)

水泳は高齢者の血圧を下げる

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

全国のLife-LOGファンの皆さん、お久しぶりです。管理者の屋台ブルーです。

いつから記事をアップしなくなったか...

ゲストライターのfumixieさんCtomさんにまかっせきりで、コメントの対応も全くしていませんでした。

皆さん、すみませんm(_ _)m 自分の健康活動ばかりいそしんでいました。ブログ活動の目的が薄れていました。お金のかからない健康生活を啓蒙して医療費削減を目指す活動の一環としてこのブログはあったのです。

無駄なサプリメントを服用しない!外食や加工食品を有り難がらない!しっかり運動する!愚痴を言わない!新しい事始める!仲間や家族と人生を楽しむ!なんて活動を医療面からサポートしてました。

さて、久しぶりの私の記事はエクササイズに関して。私はランニング中毒のランナーなのでランニングに関するエビデンスに目が無いけど、その他のエクササイズに関する報告は知らなかった。

「水泳って高齢者にどうなのよ?」という質問を先日頂いたので、ちょっと調べました。

今日はその報告です。では。

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2011年1月13日 (木)

就学前の子供の高血圧因子 - 親の喫煙の影響

ブログの大先輩で、お手本にしようとしている内科開業医のお勉強日記で、子供の前でタバコを吸う親のことをアホ呼ばわりしていて嬉しかった(^^;)

ここでとり挙げられている文献、 「Determinants of Blood Pressure in Preschool Children The Role of Parental Smoking(就学前の子供の高血圧因子 - 親の喫煙の影響)」は、ドイツの疫学調査であり、高血圧のリスク因子になりえる、BMI値、成熟度、出生時低体重、両親高血圧などの交絡因子で補正した後でも、親の喫煙は、単独で子供の収縮期血圧を1mmHg上昇させる因子になっているというもの。

平均年齢5.7歳の就学前の子供達4236名を調査していて、彼らの父親の喫煙率は28.5%、母親は20.7%、両親は11.9%だった。

日本の喫煙率はどうなのか、 ウィキペディアで調べてみると、2002年の明治大学国際日本学部が調査した主要先進国の喫煙率が紹介されていた。これを見ると日本の喫煙率は33.1%で、ドイツが35.0%だった。なるほどドイツは日本より喫煙率が高いから問題は深刻なのだろう、と早とちりしてしまいそうですが、このデータは2002年... もうかれこれ10年前のデータになる。状況はガラリと変わっているだろう。

そこで推測してみる。このドイツの報告、今のところサマリーだけしか手に入らないので親の年齢が分からないけど、就学前の子供のいる親だったら30歳代だろうね。

すると、JTの2009年の調査を見れば、30歳代の男性喫煙率は46.9%、女性は16.8%になる。子供の有無による喫煙率の変化が分からないため、ドイツの結果と直接比較できないけど、日本の男性喫煙率の高さが気になってしまう。

さらに驚いてしまったのが、 2007年の日本禁煙学会の報告。男性の都道府県別喫煙率ワースト1位がなんと、香川県... 悲しいね。

禁煙外来をしているので、香川県の男性諸君、禁煙をしましょう...

文:屋台ブルー

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2010年3月20日 (土)

孤独と血圧の関係


歳をとると友人との付き合いや社会との関わりが精神面に影響を与えるとよく言われるが、影響はそれだけに止まらない。孤独は血圧の上昇に直接影響を与えることを示す記事がいくつかある。



その記事は、
"Loneliness is a unique predictor of age-related differences in systolic blood pressure" という論文が元ネタになっているのではないかと思われる。その抄録にこんな記述がある。


... the authors found that loneliness was associated with elevated systolic blood pressure (SBP) and age-related increases in SBP, net of demographic variables, health behavior variables, and the remaining psychosocial factors. ...


... 著者らは、孤独が収縮期血圧(SBP)の上昇、SBP の加齢性上昇、純人口統計学的諸変数、保健行動の諸変数、心理社会学的要因に関係していることを見出した。...



この論文を引用した記事によれば、50歳以上で孤独だと血圧が上昇する場合がある。シカゴ大学の心理学者ルイス・ホークリー博士らのチームは、5年間かけて 50歳から68歳までの無作為に選ばれた白人、アフリカ系アメリカ人、そしてラテン系のアメリカ人の229名を調査した。当初博士らは、血圧の上昇はうつとストレスで説明がつくのではないかと見ていたが、50歳以上の孤独な人たちの血圧が上昇していることは、そういった要因だけでは説明できないことが分かった。そして調査の結果、孤独が4年後の大幅な血圧上昇に直接関係していることを見出した。全被験者のうち、孤独感がもっとも強い人は、社会と満足できる関わりを持っている人よりも血圧が10%、14.4mmHg高かった。この孤独と血圧上昇の関係は年齢とも、喫煙や肥満といったその他の要因とも無関係だし、うつやストレスとのつながりも無かった。つまり、孤独それ自体が、まるで独立した一つの健康リスク要因のように振る舞っていたらしい。



しかしここで注目すべきはホークリー博士の次の言葉だろう。"People who have many friends and a social network can feel lonely if they find their relationships unsatisfying, while people who live solitary lives may not be lonely if their few relationships are meaningful and rewarding."(UPIの記事より抜粋)


友人がたくさんいて社会とのつながりがあっても、その関係に満足できなくなると人は孤独を感じるし、 一人暮らしでも、有意義で実り多い付き合いがわずかでもあれば孤独になることはない。

勇気づけられるありがたい言葉である。一人暮らしをしていることと孤独は別物なのだ。



サー・アーサー・コナン・ドイル氏描くところのシャーロック・ホームズ氏には、ディオゲネス・クラブという人付き合いが大嫌いな人用のクラブを創設したマイクロフトというふとっちょの兄貴がいるが、想像するに、彼もひょっとしたら高血圧だったのではあるまいか。なにせこの人物、このクラブだけが唯一の例外でそれ以外はどこにも行かず、自宅と職場を往復するだけというのだから。



関連記事の一つは "Loneliness increases your blood pressure" (Telegraph 18 Mar 2010)



大学の新しい研究によると、50歳以上で一人ぼっちだと血圧が上がることがある。



他の人との付き合いがないと楽しくないばかりか、体の健康にも良くないことが研究で分かった。



孤独が4年後の大幅な血圧上昇に直接関係していることを心理学者らが見出した。この関係は年齢とも、喫煙や肥満といったその他の要因とも無関係だ。



うつやストレスとのつながりも無い。



「孤独それ自体が、まるで独立した一つの健康リスク要因のように振る舞っていた」と研究者のルイス・ホークリー博士は Psychology and Ageing 誌で語っている。



シカゴ大学の心理学者ホークリー博士は、健康と生活の質におよぼす孤独の影響の問題に関する研究の先駆者だ。



症状がほとんど無いところから、よく沈黙の恐怖とも呼ばれる高血圧は、多くの面で健康を損なう。



高血圧になると、心臓麻痺や卒中の危険が増大するし、腎機能も損なわれる。最高血圧が140mmHg を越えると高血圧とも呼ばれ、米国では初期診断のもっとも一般的な結果で、この国の死因の約18%はこれが主因ないし一因になっている。



このチームは50歳から68歳までの229名の研究を元に調査を行った。この人たちは、加齢に関する長期間の研究のために無作為に選ばれたグループの一員だった。



被験者らには、自分を一人ぼっちだと感じているかどうかを判定する一連の質問が与えられた。



求められたのは、「周囲の人たちとは共通点が多い」とか「社会とのつながりはうわべだけだ」、「友だちなんか作ろうと思えばすぐにできる」といった選択肢を通して、他の人とのつながりを評価することだ。



5年にわたる調査の間に、研究開始時に報告された孤独感と当該調査期間における血圧の上昇には明らかな関係があることをホークリー博士は見出した。



「孤独との関係で血圧が上昇しても、2年間では調査にひっかからなかったが、4年の間血圧は上がり続けていたのだ」と同博士は言う。



孤独感がさほど強くない人にすら影響はあった。全被験者のうち、孤独感がもっとも強い人は、社会と満足できる関わりを持っている人よりも血圧が10%、14.4mmHg高いことが、4年間にわたる研究から分かった。



孤独な人たちの血圧が高い裏には、社会とのつながりにまつわる不安があるのかもしれない。





二つめは "Loneliness linked to higher blood pressure" (UPI. March. 17, 2010)




米シカゴ発。3月17日 (UPI)。



50歳以上で、しかも孤独を感じ他人とのつながりが無い人は血圧が高いことを米国の研究者らが見出した。



シカゴ大学のルイス・ホークリー博士らのチームは、血圧の上昇はうつとストレスで説明がつくのではないかと見ていたが、50歳以上の孤独な人たちの血圧が上昇していることは、そういった要因だけでは説明できないことが分かった。



「孤独それ自体が、まるで独立した一つの健康リスク要因のように振る舞っていた」と Psychology and Ageing 誌に寄せた記事でホークリーは書いている。



友人がたくさんいて社会とのつながりがあっても、その関係に満足できなくなると人は孤独を感じるし、 一人暮らしでも、有意義で実り多い関係がわずかでもあれば孤独になることはない、とホークリーは言う。



研究の対象になったのは、孤独と他人とのつながりに関する質問に答えた。50歳から68歳までの無作為に選ばれた白人、アフリカ系アメリカ人、そしてラテン系のアメリカ人の229名である。



もっとも孤独を感じている人は、社会とのつながりがもっとも深い人よりも、血圧が 14.4mmHg 上昇していることが4年にわたる研究で分かった。



「孤独の特徴は他人とつながりたいという衝動だが、否定的な評価や拒否、失望に対する恐怖の現れでもある」とホークリーは言う。





文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2010年1月29日 (金)

低炭水化物ダイエットは降圧効果に優れている

東京慈恵会医科大学の西村理明先生を招いた糖尿病の勉強会に参加したよ。24時間持続血糖モニター(CGM)を使用した研究内容で、将来の糖尿病治療もオーダーメードに向いているんだと実感できる興味深い内容だった。

講演の中で、以前ライフログで取りあげた「厳格な血糖コントロールは心臓に良くない」で話題にしたACCORD試験とADVNCE試験にも触れられ、私が疑問に思っていた問題も解消されました。

インスリン強化療法群でHbA1cを7前後から6に近づけると何故死亡率が上がってしまうのかっていう理由もCGMを使ったデータを使って説得力ある説明をしてくださいました。いやあ、やっぱり大学で研究している先生は勉強家ですね。過度の糖尿病治療が良くないという話題は今月号のLancetにも掲載されているんですよ。また次の機会に話をしよう。

今日は私も支持している低炭水化物ダイエットの優位性を示した報告だ。こういう報告を読んだら嬉しくなるよね。本文にも書かれているけど、肥満者を対象に、減量のためのダイエット法、代表的な2つのダイエット、低炭水化物ダイエットと低脂肪ダイエットを比較した試験は過去に多数報告されている。しかし、高血圧症のような慢性疾患を持っている患者への効果を見た報告は無かった。

このニュースで触れられていないけど、血圧に影響を与える塩分量は同等なのかどうか気になるところだ。文献を読まないと詳細が分からないよね。ゲットして読まないといけないか。

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