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2010年3月16日 (火)

カルシウムは長生きの助けになるか:研究報告

タミンDの話題をfumixieさんが採りあげてくれたけど、カルシウムもビタミンDに深く関わっている。だって、ビタミンDは血中のカルシウム濃度を調整するために、腸管(十二指腸)からカルシウム吸収を促進させるからね。じゃあ、ビタミンDを十分摂っても,カルシウムの摂取不足だったら無駄になるよね。それどころか、骨からカルシウムを失うことになるよ。

ルシウムを十分摂取するって重要でしょ。今日私が紹介する記事はカルシウムの摂取が多くなれば死亡率が低下するという驚きの結果。嬉しいことに、このカルシウム摂取はサプリメントからじゃ無く、食事からってのが嬉しい。でも牛乳が主要なカルシウム源になっているのでガッカリ。私は「牛乳否定派」なんですよ。これから文献を手に入れて考えなきゃね。

て、カルシウム、ビタミンDのエントリーでも触れているけど、「日本人の食事摂取基準(2010年版)」に絡めて知識を整理しよう。

ルシウムの摂取量には、推定平均必要量、推奨量、目安量、そして耐容上限量が設定されている。ここで重要なのは、耐容上限量の記載だ。

..... 最低健康障害発現量の決定にはミルクアルカリ症候群の症例報告が参考となる。カルシウム摂取量(食事由来とサプリメント由来を含む)が明らかであるミルクアルカリ症候群の報告(13 症例)では、カルシウム摂取量は2. 8~16. 5 g/日の範囲にあり、その中央値は6. 8 g/日であった98‒106)。この結果より、最低健康障害発現量は2.8g/日と考えられる。なお、カルシウムを負荷した無作為割付試験で高カルシウム血症1 例107)と腎結石1例108)の報告があるが、他研究ではこのような報告はない。また、同様の無作為割付試験で心筋梗塞または脳卒中等の循環器疾患の発症率が高かったとの報告がある109)が、研究の結果は必ずしも一致しておらず、現時点では明確ではないと考えられる。
以上のように、カルシウムを単独で多量に摂取しても成人における健康障害の発生は稀であることから、カルシウムにおける不確実性因子は、比較的小さく見積もってもよいものと考えられる。

の説明から考えると、今日の報告で長生きしているグループの摂取量、2,000mg/日は安全なんじゃないかな。それから、カルシウムの摂取量が増えると循環器疾患の発症率が高かったとう報告もあるようだが、今日の報告では、心疾患による死亡率が低下したようだ。まだまだコンセンサスは得られていなね。

文:屋台ブルー

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