カテゴリー「アルコール」の記事

2019年3月25日 (月)

心房細動に関する、酔いも覚める衝撃的ニュース

ライフログ・オーガナイザー:屋台ブルー

 走り始めた理由の1つに、ビールを美味しく飲むため、という中高年の市民ランナーは多いと思います。私もビールを飲んでも太らないために走っているような、40代だったと思います。

 アルコールと不整脈の関連性は、多くの観察研究で示されている。特に、不快感を感じる心房細動というタイプの不整脈との関連性が示されているので、心房細動を持っている患者さんには、当然のようにアルコールの摂取量を減らすか、止めるように指導していました。

 こういうライフスタイルに対する指導は、たいがいのところ、観察研究を元にアドバイスされているため、批判的に論じられることも多いんです。

 医学情報を読み解くために 知っておかなければないらない基本事項として、観察研究をどう解釈するか、考える必要があります。統計的な意味をを理解したければ、「観察研究」とか「コホート研究」というキーワードで検索してください。

 私が言いたいことは、観察研究から得られた結果は、「アルコール摂取」と「心房細動」に関連性があるという事だけで、「アルコール摂取」をすれば「心房細動」が増える、といった因果関係までは、言えないということ。だから、疑い深い人は、何か他に交絡因子が絡んでいるんだろう、なんて ツッコミを入れます。

 ACC.19(第67回米国心臓病学会)で、とうとうオーストラリアのグループが、ランダム化比較試験、Alcohol-AF 研究の結果を発表しました。

 6つの医療機関が協力して被験者を登録しています。もともと登録する患者さんは、中等度のアルコール常飲者(週にアルコール16 dinks[注:オーストラリアでは1 drink アルコール10g)でなければならなかったため、中等度のアルコール常飲者に禁酒させることがどれほど困難だったことか!

 700名近い患者さんを募集したのですが、禁酒グループと飲酒量を変えないグループに、それぞれ70名ぐららいしか振り分けられなかったみたいです。そして、1年間フォローアップする予定も6ヶ月で中止になっています。やっぱり酒飲みに酒を止めろと指導するのは難しかったそうです。参加者の強い意志がなかったらできなかった研究だったことがうかがえます。

 心房細動は、不快に感じる不整脈というのが、問題ではなく、心原性脳梗塞の強力なリスクファクターであることが問題なんです。慢性心房細動になれば、抗凝固薬という血液サラサラのお薬を生涯飲み続ける必要があります。これは患者さんにとって経済的負担を強いられます。できるだけ発作性心房細動の段階で、カテーテル治療であるアブレーションをして根治することが望まれるし、慢性心房細動への進展を防ぎたいところです。

 発作性心房細動と言えども、他のリスクを評価した場合、抗凝固療法が望ましい場合があります。不整脈以外のリスクを評価する目的で、医療サイドは、心房細動を発症した患者さんに対して、CHA2DS2VAScスコアという評価をを使います。詳細は他のところでみてください。この研究で登録した被験者は、平均1.5ポイントというリスクの低い人たちでした。平均年齢が61歳で、2/3の人は発作性心房細動を持っていて、1/3の人はアブレーションの既往があるグループです。

 なんと、禁酒グループの61%にあたる43名(70名中)は、6ヶ月間の完全な禁酒をしています!そして86%の人は通常のアルコール摂取量の70%をカットしたんです。素晴らしい!

 そして、主要評価項目である発作性心房細動の再発時間の延長が、禁酒グループで37%伸びました! 2つめの評価ポイントであAF burden(心房細動負荷:心電図上の所見)も劇的に改善したそうです。禁酒グループで46名、飲酒グループで25名が、0%AF burdenでした。

 他にもいいことはあります。禁酒グループは、BMI値、血圧も明らかに低下しました。MRIを使って心房容積の変化をみても、左房容積(LA area)の減少、左房駆出量(LA emptying fraction)は増えていました。

 この結果は、あくまでも学会発表の内容なので、まだエビデンスにはなっていません。それでも、今までの観察研究と組み合わせると、因果関係がかなり示されてきていると思われるため、心房細動に禁酒がどれほど効果的なのか示されています。文献が発表されるのが待ち遠しいですね。

 しかし、酒飲みで、ランナーの私には悩ましい選択を迫られています。ランニングも飲酒も心房細動のリスクファクターとなれば、心房細動を起こさず、走って飲むためにアブレーションを受けた方がいいということでしょう。まだ心房細動を経験したことがないが、心房細動を発症したら、まずアブレーションを受けた方がいいですね。

 そして、週末にしか飲酒しないライフスタイルに変更しました!

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2012年9月12日 (水)

酒量と脳出血の関係(中庸は徳)

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

「慢性的に大量のアルコールを摂取していると、かなり若いうちに脳出血を起こすリスクが高まる」
Charlotte Cordonnier
(University of Lille Nord de Franceの上級研究者)

「このリスクに影響を与えそうなことは他にもあるのではないか」
Larry Goldstein
(米国ノースカロライナ州ダラムのDuke Stroke Center所長で神経学者)

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2010年8月17日 (火)

ビールと女性と乾癬

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

私の話題も、偶然アルコール。

なんと、ビールを日常的に飲用している女性は、乾癬(皮膚病の一種らしいです)にかかる危険が増加するとのこと。
"Drinking beer can lead to psoriasis in women (8/16/2010)" によると、


乾癬にかかりやすい女性は、黒ビールをやめてライトビールにした方がいい。新しい研究から、通常のビールを飲むと、女性では乾癬にかかるリスクが70パーセント以上高まることがわかった。

摂取するアルコールの種類と乾癬のリスクの関係を調べるため、Brigham and Women's Hospital の Dr. Abrar A. Qureshi と Harvard Medical School が、1991年から 82869名の女性を対象に数年間かけて追跡調査した。

調査開始時点では、被験者は27歳から44歳までの女性で、看護師に対する Health Study II の参加者である。この被験者に対して、2年ごとに、たとえば摂取するアルコールの量と種類、および乾癬にかかっている診断を受けたかどうかなど、複数の質問をした。

2005年までの間に、被験者全体で1150件の診断を受けた。そのうち1069件を分析して、摂取量が平均して週に2.3杯以上だと、飲まない被験者に比べて乾癬のリスクが72パーセント高まることを究明した。しかし同時に、ライトビール、赤ワイン、白ワイン、リカー(蒸留酒)では、乾癬リスクとの関係は見られなかった。

研究者によると、「ライトじゃない」ビール(訳注。つまりレギュラービールとか、もっと強いビールのこと)を週に5本以上(?)(訳注。原文は "five or more non-light beers per week") 飲んでいる女性は、ビールを一切飲まない女性よりも乾癬リスクが1.8倍高まった。さらに乾癬だと確認されたものだけで考えると、乾癬リスクは2.3倍に高まった。

研究者は、大麦をはじめとするでんぷん質にはグルテンが含まれていて、それに敏感に反応する人がいるが、ライトビールに含まれている穀類がレギュラービールよりも少ないと指摘している。

「乾癬のリスクが高い女性は、レギュラー以上のビールの大量摂取は止めた方がいい」とは、journal Archives of Dermatology に研究を発表した研究者の話。

ある種のアルコール飲料は、他の疾患のリスクにも影響を与えることが分かっている。たとえばビールは、スピリッツやワインよりも痛風のリスクを大幅に高める。(とはいうものの、骨にとっては、ビールは確かに有効なんだけどね)。

だそうです。選択が難しいところですね。

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2010年8月10日 (火)

ビール:最新で全くあり得ない健康食品

1008beerNewlogo

さあ今日は久しぶりにアルコール、ビールの話題だよ。

暑いからビール好きは飲む量が増えているんじゃないかな。ビールに関して色々言われているけど、ほどほどにしていないと痛い目に合うよ。Diet Blogを見たら、英国でくだらないキャンペーン運動が始まっているみたいだ。ダイエットをするならビールがお勧めって、眉唾だよね。

「ビール」と「ダイエット」でググってみると、色々な情報に溢れている。でも、どうして日本語のサイトはくだらない業者の宣伝サイトが多いのだろう。まともな情報に辿り着くことのできない日本語リーダーは可哀想ですね。

今日の記事に出てくる「エンプティカロリー」をまともに説明しているサイトも少なかったよ。どうしてだと思う?

実は、ビール(アルコール)の代謝といっても、身体の中でどのように代謝されているのか本当は分かってないですよ。教科書レベルであたかも目の前で起きている現象のように説明されていても、インビトロ(試験管内)の実験で得た知識をインビボ(生体内)の現象として理屈づけているだけ。立派な学者は、分からない現象を既知の現象から推論して最もらしく話できるテクニックに長けているんですよ。でも、本当は分かっていないという事実に何ら変わりはないんですよね。

エンプティカロリー(Empty Calorie)を言葉通りに、カロリーが空、カロリーが無いという説明をしている人も多いけど、そういう人は決まって、アルコールを飲むと放熱されるからカロリーとしてカウントされないという説明をしている。しかし、熱を作り出すということは明らかにカロリーがあるってことになるよね。こんな矛盾した説明をよく平気でしているもんだ。血管拡張による熱産生という理由にも笑ってしまった。

摂取したアルコール、どの位が熱産生に使われるでしょう?もし知っているのなら教えていただきたい。「教科書に書かれているから」なんて笑ってしまうような説明は無しね。

エンプティカロリーが誤訳される原因は、この言葉を作った人のミスでしょう。「Empty calorie means too many calories with too little nutrition.(エンプティカロリーとはカロリー値は高いけど栄養素は少ない)」と私は理解している。ジャンクフードもそうですよね。ね、やっぱりエンプティカロリーって誤解を与えやすい言葉だと思わない?やっぱりエンプティニュートリションと言った方がいいんじゃないかな?

さて、ビールの話をもう少しする。私はいまだにアサヒのフーパードライが好きでよく飲んでいる。喉が渇いている時だったら、500ml缶をあっという間に飲み干してしまうし、同様の人も多いでしょう。でも、ダイエットの事を考えて350ml缶で話をしよう。

スーパードライはアルコールが5%含有されているから、350ml缶には17.5mlのエタノールが含まれている。エタノールの比重は0.8(温度で変化するよ)として、14gのエタノールってことになり、カロリーは98kcalになる。糖質は10.5gなんで42kcalになるけど、原材料の麦芽、米、ポップ、コーン、スターチから推測すると麦芽糖(マルトース)から得られるカロリーだろう。ほら、糖の割合だってハッキリ分からないよね。ビール会社によっても異なるでしょうし、そんなビールの生体内の代謝なんて分かるわけないんじゃない?

それからタンパク質も少し含まれていて、最大で1.4gあるから5.6kcalということになる。これらを足すと、98+42+5.6=145.6kcalになるね。スーパードライの成分表に表示されているエネルギーは147kcalなんで、計算通りだろう(誤差はエタノールの比重かな?)。まあ他の微量成分も全く分かんないけどね。代謝に驚くべき影響があったりしてね(^_-)

ここまでで考えれば、350ml缶のビールを飲んでも、白米をお茶碗一杯分減らせば減量の妨げにならないと思うだろう。でも、身体の反応を考えると、アルコール飲料はダイエッターにとってやっかいな存在になる。

エタノールの中間代謝産物のアセトアルデヒドの弊害については触れないけど、摂取したエタノールの大半は肝臓で代謝を受け、デノボ脂質合成系からVLDL(超低比重リポ蛋白)やFFA(遊離脂肪酸)の産生を増やしてしまうんだよ。内臓脂肪の過多やインスリン抵抗性を高めてしまう。やっかいなのは、エタノールを摂取しても満腹感を感じにくいことだろう。ビールに含まれる麦芽糖やエタノールじゃ血糖値は上がりにくいからだ。てことは、ビールを飲んでも食事量は減らないってことだね。

まあ私の話も重箱の隅をつついたような内容に溢れていて説得力はないけど、それだけ分かってないことが多いんだよ。

そんな理由から、今日のDiet Blogのようなキャンペーン活動でも支持されてしまうのかもよ。

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2010年4月27日 (火)

合わせ技だと脅威は倍増!!


文:fumixie <fumixie@gmail.com>



ういう生活を送っているかがその人の健康に大きく影響することは誰も異論がないと思うのですが、ではどの程度影響するのでしょう。飲酒や喫煙、食事の質、運動不足。これら一つひとつに関しては、「どの程度?」はわかっているのかもしれません。しかしこれらの「合わせ技」はどうでしょう。これらが組み合わさると、こういったことがまったくない人と比べて死亡率はどうなるのでしょう。



かしながら、この結果が出たとしても、「酒はやめられないんだよね」とか「禁煙ってむずかしいじゃないか」などなど、現実問題、生活様式を改善するというのは、人によってはかなりハードルが高い場合もありますが、それはまた別の話ということで...



、今回取り上げるのは、"Archives of Internal Medicine"誌の Vol. 170 No. 8(2010年4月26日)に掲載された "Influence of Individual and Combined Health Behaviors on Total and Cause-Specific Mortality in Men and Women" という研究と、それを元ネタにした "WebMD""What a Bad Lifestyle Does to Your Life Span" という記事。"Smoking, Drinking, Poor Diet, and Lack of Exercise Combined Greatly Increase Risk for Early Death"(喫煙、飲酒、お粗末な食事、運動不足が組み合わされると若死の危険が大幅に増大する)というサブタイトルが付いています。


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2010年3月24日 (水)

少量の飲酒は心臓にいい

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

たまたアルコールの話題をする。でも、最初に断っておくけど、私はアルコールが身体にいいと思っていないからね。特に若い世代の飲酒は少量でも良くないだろう。

イフログでアルコールが身体にいいというニュースを紹介しているのは、アルコールが好きな自分を正当化する愚かな行為ではあるが、私は既に40歳を越えた中年男で、将来を有望されている若者じゃないってことを強調しておこう。これから勉強や仕事で成功したいと考えている若者ならアルコールを控えるべきだろう。

ルコールを飲めば脳の容量は小さくなるし、この関連性は少量飲酒でも存在する。脳容量減少と知能の相関性はまだ示されていないけど、調べられていないだけで、萎縮する脳を使ってクリエイティブな仕事を維持できるかな?
アルコール、飲むほどに脳が縮小

っとやっかいなのは発癌性だ。男だろうが女だろうが、アジア人である日本人はアルコールを飲めば発癌性が跳ね上がる。食道癌のリスクは極端に高い。特に、少量飲酒で顔が赤くなる(フラッシング反応)人が飲むのは危険だ。全く飲めない体質を羨ましく思わなければならない。中途半端に顔を赤くして飲み続けられるから食道癌になってしまうんだよ。食道癌は辛いよ、本当に...
飲酒で顔赤くなるアジア人、食道がんのリスク高い

回の報告の中でも触れられているけど、若い女性は乳癌のリスクも考慮しなければならない。アルコールは明らかに発癌に関連性があり、若年でガンを発症してしまうと勉強や仕事のパフォーマンスを云々ってことにならなくなるよ。
アルコールは二度目の乳癌リスクを高めるかも

あこんな事に関係が無く、動脈硬化が進んでしまった身体をお持ちの中高年者で、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高いのであれば、好きで飲んでいるお酒を中等量で続けてもかまわないだろう。

日のようなタイトルをつけていると、アルコールは身体にいいと思ってしまうかもしれないけど、アルコールは日本人(アセトアルデヒドが体内に残留しやすい)にとって薬よりも毒に近いだろうね。まあ個々の適正を考えていないと、アルコールで人生を棒に振ってしまうよ。注意してね。

れは自分への戒めでもある。

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2010年3月18日 (木)

太りすぎ、酒...そして肝臓 ( 1 + 1 > 2 )...という記事


文:fumixie <fumixie@gmail.com>



を去ること六百数十年前、卜部兼好さんは徒然草にこんな言葉を記している。(徒然草の作者は「吉田兼好」と呼ばれる場合が多いが、集英社文庫「わたしの古典 永井路子の方丈記 徒然草」に載っている解説によると、この作者が生きていた時代には、姓として「吉田」と呼ばれることはなかったと最近では考えられているようである)


...かかる事をしても、この世も後の世も益あるべきわざならば、いかがはせん、この世には過ち多く、財を失ひ、病をまうく。百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそ起れ。...
(徒然草第百七十五段)

以下の記事を読むと、この言葉が世界に誇るべき名言と思えてくる。


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2010年3月10日 (水)

ワインは女性の体重を維持させるかも

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

日の話題はアルコールだ。アルコールに魅せられている人は多いんじゃないかな。私もそのひとり(^_^;) 

晩の私のつぶやきをフォローしてくれてた人なら知っているかもしれないが、勉強会の後、久しぶりに、ひとりでぶらりと屋根裏に顔を出した。全国的に天気が荒れ模様で香川県も雪の影響を受けみぞれ混じりの小雨降る寒い夜だったけど、先客が二組もいた。

しそうに接客するマスターを捉まえて、ウダウダと最近の事を話しながらお酒を頂きました...

まあ、こんな世間話をしたかった訳でなく、こんな風にアルコールを楽しまれている方は多いでしょう。アルコールが好きな屋台ブルーは、ちょっと油断をすると飲み過ぎてしまう。毎日は飲まないように行動しているつもりだけど、今朝、「ここんところ毎晩飲んでるわね。言うこととやることがずれてない?」と相方にダメ出しをくらった。いやあちゃんと注意してくれる相方に感謝です。今日は飲まないでおこう。

た話が外れてる... どうも酔っぱらいのような話の展開だ(^_^;) 要するに、私はアルコールを正当化するデータを常日ごろ探している。ライフログでもアルコールの話題を何度か採りあげている。今日からカテゴリーに「アルコール」を作ったので、過去の記事に興味がある人はチェックして下さい。

て、今日のニュースはロイター・ヘルスからお届けしよう。アルコールの摂取と体重変化の関連性を示した初めての報告らしい。ここで注意しなければならないのは、体重に対する影響を示しているだけで、健康的でいられるかどうかは二の次だよ。私がショックを受けた「脳の萎縮」って問題もあるからね。

は別にアルコール研究者じゃないので、いつもアルコールに関する報告を読む時、頭が混乱してしまうことがある。それは、アルコールの飲酒量に関する定義と記述だ。

Diet Blogで採りあげられるニュースは英国の話題が多い。英国のアルコール摂取は、ユニット(UNIT)で評価されることが多い。1ユニットは8gのエタノールに相当するけど、比重から見て10mlのアルコール量になる。じゃあ、アルコール度数が5%のビール350ml缶を飲むと、1.75ユニットのアルコール摂取したことになるんだ。

国で「少量飲酒(light drinking)」の定義は、1から2ユニット/週になる。これは1週間に1度350ml缶のビール1本って事になるよね。ハッキリ言って少ないわ。

大量飲酒(heavy drinking)」が1ユニット/日って話なんで、毎日たしなむ人は誰でも大量飲酒者になっちゃうのが英国である。(「ライトな飲酒」は妊娠中でもOK?から抜粋)

日のニュースは米国からの報告だけど、文面から判断して、「lighat drinker」は15グラム/日以下のようなので、英国の大量飲酒者と同等になってしまう?????

には分からない。こういう事情に詳しい人がいらっしゃれば教えて下さい<(_ _)>

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2009年7月15日 (水)

中等量の飲酒は認知症を遠ざけるだろう

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

昨日の続きで、アルツハイマー型認知症の話をしよう。オーストリアのベニスで国際アルツハイマー病カンファレンスが開催されているって話をしたよね、連日色々なニュースが出ている。

今日も、そんな認知症の話題を取りあげる。

今日のLife-LOGの記事で扱う記事は、酒飲みの屋台ブルーには嬉しい内容だった。しかし、ニュースを読んでいて感じたことは、やはり発症すると治療に難儀する病気は予防が重要だってこと。じゃあどうすれば予防できるんだろう?まだまだ確証を得た予防法は無いけど、健康的な生活を送るしかなさそうだ。

このカンファレンスで話題になっていたトピックを紹介しておこう。

アルツハイマー型認知症は、今のところ早期治療が非常に重要なんだけど、早期発見は意外に難しい。有効なバイオマーカーが無いからだ。確定診断をするために、亡くなってから剖検をして脳の組織にβアミロイドやタウ蛋白質の沈着を認めて、後付で確定診断をしている状態なんでね。

今年のカンファレンスで2つの診断法が紹介されていた。アイルランドのグループは、MRIを使った脳容積測定と3つのメモリーテストを組み合わせによる早期診断。米国のグループはPETを使って脳内の糖代謝測定とメモリーテストの組み合わせ。

なかなか末梢血で診断する方法は無さそうだ。

興味深い話が1つあった。アルツハイマー型認知症にAPOE4遺伝子が関わっているという話は有名だけど、Allen Roses医師が発見したAPOE4関連遺伝子TOMM40遺伝子も発症進展に関わっているということ。

APOE4とTOMM40の両遺伝子を調べることで85%から90%の遺伝的な発症が分かるらしい。

さあ、一般の臨床利用にどのように反映されていくことやら。

治療法の話もいくつかあるけど、βアミロイドの沈着を軽減させことができる経口の新薬が臨床試験をしていた。なんと副作用があり問題にぶち当たったようだ。

リウマチに使っているTNF-alphaアンタゴニストのアルツハイマー型認知症への利用の話も面白いよ。2008年の報告で、劇的な効果を示したパイロットスタディの報告があるからね。

まあ、こういう話は外来で話す話題かな。今日の話題を読んで下さい。

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2009年4月 4日 (土)

アルコールは二度目の乳癌リスクを高めるかも

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

久々に土曜日の更新だ。実は、ココログ事務局からメールがあった。ここのブログを日刊ココログ・ガイドで紹介するって内容だったよ。

少しでも多くの人に最新の健康情報を届けていきたいと思っているから読者が増えると嬉しい。

これだけ言いたかったんだけど、Reuters Healthの嫌なニュースを紹介しておこう。

アルコール好きの私には耳の痛い話。アルコールに関する否定的な報告だった。乳癌になった女性は、他の乳房に乳癌が発生するリスクは高いということは言われていた。しかし、ライフスタイルの因子、飲酒によってリスクが高まるという報告は初めてのようだ。

飲酒歴があると二度目の乳癌リスクは30%上がるけど、不思議なことに喫煙との関連は見られなかった。アルコール、先日話したけど、アセトアルデヒドが何かしら悪さをしているのだろうか?アルコール・フラッシングとの兼ね合いも知りたいけど、考察はされていないのかな?

文献はこれ、「Alcohol Intake and Cigarette Smoking and Risk of a Contralateral Breast Cancer」なんだけど、内容は読んでいないよ。

それにしてもアルコールと癌化の関わりは、これまでの報告からみると大きいんじゃないかなと思う。私は、個人的に喫煙の方が癌化との関連性が強いと思っていたけど、ここ最近の報告を見ると、アルコールの方が強いような気がする。

皆さんどう思いますか?私は自宅で晩酌を止めたよ。

さて、Reuter Healthの記事を紹介しておこう。

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