スラッシュドット・ジャパンにカフェインに関するポストがあったけど、それがこれだ。読んだかな?
その症状、カフェインの離脱症状?
コーヒー好きの私の気を惹いたので、元ネタの4月6日のCNNのニュースをじっくり読んでみた。
別に新しい知見があった訳じゃないね。どうも番組が定期的に提供している健康情報の1つなんだろう。知らない人に向けて注意喚起をしている内容だったよ。じゃあ、いつものようにCNN.comの内容をサクッと訳してみよう。
カフェイン離脱症状の危険性を自覚しよう
Beware the perils of caffeine withdrawal
アトランタ、ジョージア(CNN) -- Susan Toddさんは、コーヒーを毎日煎れるのが好きだ。「4、5杯は、簡単に、楽しみながら飲めるわよ」と、ミシガン、クリントン・タウンシップの59歳の彼女は話してくれた。
しかし、定期的に摂っているカフェインを忘れると、気を付けなければならないと彼女は思っている。
「全身の虚脱感を感じるわ。決して傷つく訳じゃないけど」彼女は説明する。「ただ、やる気がおきないの。でも1杯のカフェインで治るのよ。」
北米の成人や子供達の80%-90%は毎日カフェインの入った製品を摂っていて、その一人がToddさんだ。専門家によれば、頭痛やカフェイン離脱症候群の他の症状を経験した人たちは半分ぐらいいるらしい。
毎日摂っているカフェインを減らしたり止める理由は数多くある。妊婦はカフェイン摂取量を一日200mg以下(354mlのコーヒー一杯)にするように専門家に言われている。パニック発作引き起こしやすい人や不安神経症の人はカフェインの入った製品は勧められていない。外科手術を受ける患者さんでも、術前に何も飲むな食べるなと指示されているので、手術当日、カフェイン離脱症候群の症状を経験する可能性もある。
メリーランド、ボルチモア、ジョンホプキンス大学の研究者は、数十年にわたるカフェインの研究をまとめ、5年前に、これをカフェインによる障害として認識した。彼らの結論は、カフェイン摂取が多ければ多いほど、カフェインを止めた時、より強いカフェイン離脱症候群の症状を引き起こす。
研究者の報告によると、カフェイン常習者は、カフェインの摂取を減らしたり止めたりできないから、自分たちはカフェインの中毒になっていると思っている。
ジョージア、アトランタ、エモリー大学、Yerkes National Primate Research Center、神経科学部門の部長、Michael Kuhar氏は、「中毒(Addicted)」という言葉より、「依存(Dependent)」という言葉を好んで使う。カフェインは薬物ではあるが、コカインやヘロインのレベルには達していないとKuhar氏は考えている。
Kuhar氏によると、カフェインには中程度の覚醒作用がある。「一杯のカフェインを摂れば、気分は良くなり活力に溢れる」と彼は言う。
コーヒーやコーラを飲まないで奇妙な感じになっても驚かないようにと、Kuhar氏は話す。彼によると、「頭痛、疲労感、眠気、注意力の欠如」などの訴えをする人がいる。まて、たった一杯のコーヒーを飛ばしただけで、風邪の症状、興奮、抑うつ、不安などの症状を経験したという報告もされている。
血管を拡張させる脳内のレセプターをカフェインがブロックすることで頭痛が生じるとKuhar氏は説明する。「離脱症状は、最後のカフェインを摂ってから12〜20時間で始まり、2日後にピークに達して、一週間ほど続く」と説明を加えた。
カフェイン離脱症状を引き起こすのはコーヒーだけではない。コーヒー一杯、177mlに約100mgのカフェインが含まれているけど、紅茶やコーラには40mg含まれていて、ミルクチョコレートのバーには10mg、ココアには約7mg含まれている。
これはどういう意味かと言えば、大人に限らず子供でも、生理的、個人的なカフェイン離脱症状を日々経験しているという可能性があると、Kuhar氏は話した。
カフェインを止めるか、摂取量を減らしたいと考えているなら、注意深くすることを勧めている。「先ずすべきことは、量の多さに対処することだ -- 基本的にゆっくりと摂取量を減らす」とKuhar氏は提案する。「段階的に簡単に行くっていう意味じゃないけど、薬物中毒よりは楽に行くに違いない。」
ジョンホプキンス大学の研究者もカフェインを止めるため段階的な方法を承認している。離脱症状の経験を減らすために、徐々にデカフェイン製品やノンカフェ製品に代えていくように患者に指示している。
Kuhar氏は、一日に半分から一杯分のカフェインの摂取を減らすことから始める提案をしている。
テクノロジー・コンサルタントのSkeet Spillane、42歳は、毎日三杯以上のカフェインを何年も続けてから、ステップダウン・プログラムを始めた。彼はカフェインを飲み過ぎていると感じたからだ。
Spillaneは、非常に強い頭痛を生じて、カフェイン離脱症状を自覚した。一日中、不機嫌だったと彼の妻は話した。
彼は今、代わりにお茶を飲み、時々一杯のコーヒーを飲む。振り返って考えると、離脱症状を克服するのに「しばらく苦しかった」ことを認めた。しかし、今では非常に気分がいいし、カフェインに依存していない自分に満足している。
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とまあ、ここまでがCNN.comの内容だ。
これで終わったらLife-LOGらしくないから、コーヒーに関する話題を付け加えておこう。
実は、ちょうどコーヒーに関するレビューがInternational Jouranal of Cancerの4月号に載っていたからだよ。
Coffee consumption and risk of colorectal cancer: A systematic review and meta-analysis of prospective cohort studies
コーヒー摂取量と大腸癌のリスク:体系的レビューと前向きコホート研究のメタ解析
この文献報告のニュースがReuters Healthに紹介してあったんだ。翻訳はしないけど、興味があればここをみて下さい。
文献のアブストラクトは訳しておこう。
今までに、いくつものケースコントロール研究から、コーヒー摂取量と大腸癌のリスクには負の相関が示されてきたけど、この関連性は、前向きコホート研究と一致していなかった。我々は、2008年の1月までに報告されたコーヒーの摂取量と大腸癌のリスクに関する前向きコホート研究を体系的にメタ解析をした。変量効果モデルを使用して、大腸癌の相対的危険度(RR)を、コーヒー摂取量の多いカテゴリーと少ないカテゴリーで比較した。我々は、12の有効なコホート研究を確認したけど、その中で、646,848名の参加者に5,403名の大腸癌のケースが含まれていた。コーヒー摂取量が多くても少なくても、メタ解析の結果からは、コーヒーの摂取が大腸癌リスクに明らかな影響を与えなかった(RR = 0.91; 95% CI:0.81-1.02)。米国の4つのコホート研究だけ考慮するとRRは0.93(95% CI:0.71-1.22)、ヨーロッパの5つのコホート研究だけならRRは0.91(95% CI:0.76-1.10)で、日本の3つのコホート研究でRRは 0.83(95% CI:0.62-1.10)だった。性別も発癌部位にも明らかな違いは認められなかったけど、僅かながら女性においてコーヒー摂取量と大腸癌のリスクに負の相関が示唆された(RR = 0.79; 95% CI:0.60-1.04)、特に日本人女性で認められた(RR = 0.62; 95% CI:0.37-1.05)。この示唆された負の相関は、喫煙、アルコール、フォローアップの短い研究で強調されていた。コーヒーの種類、量、それに煎れ方などの情報がわかれば、もう少しこの結果を理解することができて、大腸癌リスクに対するコーヒーの役割が分かるかもしれない。
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Reuters Healthの見出し(本文じゃないよ)では、コーヒーの摂取は大腸癌リスクに関係ないと言い切っているけど、日本人の女性では負の相関が示唆されている。情報が少ないから何とも言えないけど、少なくとも悪影響は無いだろうね。(今のところ)

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