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2019年3月15日 (金)

体重1kgが7700kcalという誤解

ライフログ・オーガナイザー:屋台ブルー

 私の書いた本、夜はちみつダイエットは、一般書なので、記載した内容の出典元が書かれていません。ちょっと疑問に感じられている人もいると思うので、疑問に答えるフォローアップ記事を このブログに書いていくつもり。

 まず、カロリー偏重主義に陥っている読者の皆さんに、カロリー計算にまつわる誤解も解きたいと思ってます。

 体重1ポンド(450g)を増やすのに、3500kcal摂取しなければならない という説が、米国では、まことしやかに言われ続けている。1959年の報告を根拠にした数字であり、そこから計算される体重1kgあたりのエネルギーが、7700kcalってことになる。

 しかし、この古き知恵で計算された3500kcalより遙かに多くのカロリーを摂取しなければ、1ポンド増やすことができないという実証実験は、既に、1971年のThe Vermont prisoner研究で示されているんです。

 さらに面白い研究報告がある。Bounchard氏のグループが1990年に報告した内容もおもしろいんです。

 双子のグループを入院させ、84日間、厳密にモニターして、過食させた実験報告です。

 1日あたり約1000kcal過剰なカロリーを摂取させ続けたところ、古き知恵で計算すると、10.8kgの体重増加するはずですが、実際は、4〜13.5kgの増加に留まったんです。

 全く同じ食事によるカロリーオーバーを続けても、ある人は太りにくく、ある人は太りやすい、この差は双子の間では見られなかったため、遺伝的な素因がかなり強く関わっていることが示されました。

 そして、この遺伝的要因の強さを実証した報告が、同じ1990年のStunkard氏のグループから報告されました。双子を対象にした同様の報告ですが、生まれた後に離ればなれに育てられ、そうです、環境因子がどれだけ体格に影響を与えるか調べたものですが、双子のBMI値は驚くほど似ていたということ。

 遺伝的な要因が環境要因を上回るという報告は、養子を縁組みの親子を対象にした報告でも示されています。養子にはいった子供は、生みの親の体格に似るが、養い親には似ないということも示され、食事、習慣、家庭環境に関係なく遺伝的な要因が大きいことが示されました。

 そして、体脂肪量を変化させないようにする体の働きは、摂取カロリーを帳消しにするために、代謝率を増やし、体重増加を抑えようともします。体重を落とすときも同じです。代謝率を減らして体重が落ちないようにするんです。

 カロリー計算のみで、減量を試みて挫折する理由がここにあったんです。

 さらに、脂肪組織のカロリー計算値にも誤解があります。脂肪1gの熱カロリーが9kcalという熱力学的なエネルギー量がよく使われます。そこから、脂肪組織として計算した場合、その脂肪の含有量などから1gあたりのエネルギーが7kcalという説明が数多く散見されます。ネットで検索したらいくらでもヒットするでしょう。

 しかし、熱力学的な脂肪組織のカロリー計算が本当に正しいのか? 根拠がどこにあるのか分からなかったので調べてみると、2012年にHall博士が発表した「人体における代謝適応とエネルギー調整の計算モデル(Modeling Metabolic Adaptations and Energy Regulation in Humans )」という有名な報告が見つかりました。

 夜はちみつダイエットの(118ページ/5行目) で、「脂肪組織をエネルギー源としてみると、1グラムあたり9.4キロカロリーもあります」という記載をして、筋肉は、(118ページ/9行目) で、「脂肪組織以外のエネルギー源としてみると1グラムあたり1.8キロカロリーしかありません」という記載をしたのは、そういう理由からです。

なんにせよ、食事として摂取エネルギー量がそのまま体に蓄積されはずもなく、個々の体質もかなり異なるので、あまりカロリーに拘らず、自分にあったダイエット方を続ける必要があります。

カロリー偏重主義に陥ると、ダイエットは上手くいかず、大きな落胆をすることでしょう。無理のない正しい食生活を続けることが非常に重要です。

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