退屈になったらジャンクフードの量が増える
文:屋台ブルー & ライフログ・オーガナイザー
禁煙をして半年で体重が5kg増えて怠いから再喫煙したいという患者様が昨日受診されました。ダイエット指導希望という訳で無く他の慢性疾患の管理をしている人なんですが話を伺いました。
禁煙をしたら甘いものが欲しくなって止められなくなりました。でも、仕事もハードなんで運動は絶対したくないです。朝起きるのが辛くて朝食は摂らず昼食と夕食はしっかり食べていて、禁煙を始めてから夕食に一品おかずが増えました。趣味はDVD鑑賞で、休みの日はお菓子を食べながらDVDを観てリラックスしています。痩せたいけど、今の生活は変わらないです。
こういう人は周りに沢山いると思います。皆さんもそうかもしれませんね。実は「甘いもの{ポテチのようなジャンクフードも含まれます}を止める気は無い!」と断言するほど、ジャンクフードに依存していると言えます。
「ジャンクフードに依存?」と疑問に思われる人もいると思いますが、高炭水化物で高脂質な食材{ジャンクフード}を摂取することで脳内報酬システムにおいてドーパミン分泌を高め満足感を感じるため、自分の欲求だけで行動するとジャンクフードを止めることはできません。この依存性は薬物依存で形成される依存性の強さと変わらないため「甘いものを止める気は無い!」と強い意思表示をしてしまうわけです。
彼女にアドバイスした内容に関して類似の内容をタイムリーに今朝読んだので紹介します。
If You're Craving Cookies, You Might Just Be Bored/クッキーが滅茶苦茶欲しくなったら、たんに退屈なだけかもしれない
文献のデータではなく、British Psychological Societyの2016年次総会での発表内容です。
2つの研究報告の結果を紹介していました。1つ目は52人の被験者に同じ文字を繰り返し写させる単調な作業をさせた後にどういう食事を好むか質問票に応えてもらうというもので、彼らはポテトチップ、スイーツ、そしてファーストフードなど不健康な食事を好むことが結果で示されました。
2つめの報告は、45人の被験者に退屈なビデオと面白いビデオどちらかを観てもらい、その間、不健康{ポテトチップなど}から健康{ナッツなど}な多種のスナックを提供した場合、退屈なビデオを観る人は不健康なスナックを選ぶ方が多いという結果が示されました。
これらの結果は今までの報告で示されている結果に一致するもので、退屈な状況に陥ると、脳内のドーパミン放出量が低下してしまい、それを代償するために高炭水化物で高脂質な食材を食べてドーパミン値を維持させようとしているのではないかと主要研究者のUniversity of Central LancashireのSandi Mann先生は説明しています。
そうです。もっと面白いビデオを観た方がいいというアドバイスです。お菓子をムシャムシャ食べている人は、退屈だと自分の脳が感じているのかもしれません。あらゆる生理的な反応を使ってあなたの脳はジャンクフードを食べさせようとします。上手に自分の脳を騙して負けないようにしましょう。
今日はこれだけ。
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