« ウォーキングの健康効果はランニングと変わらない | トップページ | 十分な睡眠は心臓をいたわる?! »

2013年4月21日 (日)

魚と心疾患

文:fumixie

ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health:HSPH)のHPSH NewsHigher blood omega-3s associated with lower risk of premature death among older adultsという記事が掲載されています。

ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health:HSPH)とワシントン大学(University of Washington)の研究者らが行った最近の研究によると、もっぱら脂の多い魚から摂取したオメガ3脂肪酸の血中濃度が高い高齢者ほど、死亡リスクが全体でも27パーセント下がり、心臓疾患による死亡リスクは35パーセントほど低下したそうです。そして、濃度が低い人よりも、平均で2.2年長生きしたとのことです。

Annals of Internal Medicineに発表されたこの論文の主著者で、ハーバード大学公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health:HSPH)疫学部(Department of Epidemiology )准教授Dariush Mozaffarianは、魚を食べることは、これまでも健康的な食事の一環だと考えられてきたが、高齢者について、オメガ3脂肪酸の血中濃度と死亡率の関係を評価した研究はほとんどないとして、「この研究は、オメガ3脂肪酸の血中濃度が心臓血管系の健康にとって重要だという裏付けになる。これによって、高齢者は長生きできるようになるだろうと思う」と言っています。

タンパク質と心臓の健康に良い脂肪酸が豊富な魚が心臓病による死亡リスクを下げることは、これまでの研究からわかっていたのですが、他の死因や総死因死亡率への効果は不明でした。今回の新しい研究は、魚油サプリメントを摂取していない成人の血中バイオマーカーを調査して、魚を食べることがさまざまな死因に及ぼす可能性のある効果を、これまでのどの研究よりも明確に評価することが目標です。

総体的に健康な65歳以上のアメリカ人2700名を16年にわたって調査した結果、3種類の脂肪酸が死亡リスクの低下に大きく寄与していることがわかったそうです。

  • DHA(ドコサヘキサエン酸):冠動脈心疾患による死亡リスクの低下(40パーセント低下)に、他の何よりも大きな効果を及ぼしています。とりわけ不整脈による冠動脈心疾患に対しては45パーセントのリスク低下がありました。
  • DPA(ドコサペンタエン酸):卒中による死亡リスクの低下にもっとも強く関わっていました。
  • EPA(エイコサペンタエン酸):非致死的心臓発作のリスク低下にもっとも強い関係がありました。
この3種類の脂肪酸の血中濃度が被験者中最大の人は、全死因死亡リスクが27パーセント低下していたそうです。

Mozaffarian准教授によると、「この研究から、コストパフォーマンスが最大になるのは、これまでまったく魚を食べなかった人がそこそこ食べるようになったとき、あるいは週に2人前(two servings)ほど食べる場合だと言える」とのこと。

キーポイントは、淡白な魚ではなく、脂の多い魚(原文ではfatty fish)を食べることでしょう。ということは、サバとかアジ、イワシ、サーモンとかでしょうか。

五訂増補日本食品標準成分表本表を見ると、他にも数多くの食品の成分量が載っています。

では「サービング(serving)」とはなんぞや? ランダムハウス英和大辞典によると「飲食物の一杯、一盛り、1人前」のことだと出ています。具体的にはどうかというと、うまい具合に、なんとMIT(マサチューセッツ工科大学)に、Serving Sizes: Approximations to Common Itemsというページがあり、そこに、食品別のサービングサイズと、同等の量に相当するものがまとめられています。それによると、魚1サービングというのは3オンス(1オンスは28.3495グラム)のことで、女性の手のひらほどの大きさらしいです。3オンスということは約85グラム。切り身一切れが60グラムから80グラムだそうですから、それを週に2切れ食べることになるんですね。

魚好きには、「週に2切れ」は少ないように感じられます ;-) が、そういうことらしいです。

この研究を取り上げているEating Fish Helps You Live Longerという記事の他に、Medical News Todayには、Eating Fatty Fish Once A Week Reduces Men's Risk Of Heart Failure(週1回脂の多い魚を食べれば、男性が心臓まひを起こすリスクが下がる)という、European Heart Journalに発表された研究を取り上げた記事をはじめ、魚に関するさまざまな記事があるようです。

私がちょくちょくつまんでいる煮干しは、パッケージの記述によると、可食部100グラム中に、DHAが1100ミリグラム、EPAが580ミリグラム含まれていることになっています。

ごくごく大ざっぱに計算すると、仮に煮干し1尾が1グラムだとすると、DHAは11グラム。朝昼晩でそれぞれ3尾ないし4尾、合計1日10尾食べると、計算上は110ミリグラムのDHAが摂取できることになります。酢に漬けておくと、カルシウムの吸収もよくなるらしいので、最近愛用しています。

|
|

« ウォーキングの健康効果はランニングと変わらない | トップページ | 十分な睡眠は心臓をいたわる?! »

コメント

昔、EPA、DHAを効率的に摂取するには”魚を丸ごと食べるのが良い”と聞いたことがあります。記事中のFatty Fishを丸ごと食べるのは少し難しそうですね・・・。切り身を週に2切れであればなんとか頑張れそうなので、明日から妻に頼んでFatty Fishを用意してもらうように致します(笑)。

投稿: yasupon | 2013年4月24日 (水) 15時55分

yasuponさん、コメントありがとうございます。

そういえば、昔は1尾丸ごと焼き魚で食べることがよくありましたが、いつの頃からか、切り身になっちゃいました。最近では1尾丸ごと食卓に上るのは、旬の秋刀魚くらいかなあ・・・

投稿: fumixie | 2013年4月24日 (水) 18時28分

一人暮らしをしているとなかなかお魚を焼く気になれず...
定食なんかでは意識的にお魚を選んでみようかな。
秋刀魚、食べたくなってきました(u_u)

投稿: ねこ | 2013年4月26日 (金) 09時51分

ねこさん、コメントありがとうございます。

「一人暮らしをしているとなかなかお魚を焼く気になれず」という、そのお気持ち、よぉーくわかります。

うちから、さほど遠くない所にある食堂の「サバの味噌煮」は絶品です。その店には、もちろん他にもメニューがたくさんあるのですが、たまに行くと、必ずといっていいほど、「サバの味噌煮」を頼んでしまいます。無添加の特製味噌だから美味しいのかなあ・・・その味噌も小売しているので、先日も1キロ分買ってきました。

刺身、煮魚、ソテー、蒸し物などなど・・・自分で調理するにしても外食するにしても、方法はいろいろ考えられますから、意識してみてはいかがでしょうか。

投稿: fumixie | 2013年4月26日 (金) 11時01分

今まで不確定だったものに根拠ができたようなかんじですね。
結婚してから嫁が魚を定期的に出してくれるようになりました。
不摂生だった分を取り戻さなくてはなりませんね。。。。

投稿: @K | 2013年5月 8日 (水) 12時41分

@Kさん、コメントありがとうございます。

週に2切れなら、かなり楽に摂れるかもしれませんね。

でも、最近気づいたんですが、1切れの大きさって、たとえば同じサーモンでも、スーパーマーケットによってバラツキがあるんですね。

グリルで焼くと、使い終わったグリルを洗ったりとか、後片付けが大変ですけど、アルミホイルによく似た、フライパンで切り身が焼けるというあの優れ物、あれは便利ですね。適度な焦げ目も付くし・・・ひょっとしたら、焼きあがった切り身にバターを乗せたりなんかすると美味しいかもしれん。今度やってみよ!

投稿: fumixie | 2013年5月 8日 (水) 19時06分

ホントに一人暮らしをしていると、魚を食べる機会がほとんどありません。外食する際に、魚料理を注文するように心掛けます!あと、回転寿司に行くようにしないと笑

投稿: TH | 2013年5月15日 (水) 14時19分

年をとって、肉より魚がおいしく感じるようになってきたのですが、魚を食べる機会がないですね。単身だと本当に食べなくなりました。定食屋さんでもみつけます。

投稿: tommy | 2013年5月15日 (水) 17時01分

THさん、コメントありがとうございます。

一人暮らしだと魚を食べる機会がないというのは、私にも覚えがあります。よほど意識しないと、肉ばっかりになりがちでした。

回転寿司は私もちょくちょく利用します。便利でいいのですが、見ていると、鶏の唐揚げの軍艦巻きとかも流れてきますよね (^^)

投稿: fumixie | 2013年5月15日 (水) 20時32分

tommyさん、コメントありがとうございます。

それに、魚だと、食べたあとも、体が楽な気がします。もちろん食べ過ぎは禁物ですが。

投稿: fumixie | 2013年5月15日 (水) 20時35分

はじめまして。長年、父からいかにオメガ3が大事か、という効用と必要性を言われ続けてきました。まだ若かったこともあり、はじめはそこまで真剣に聞いていませんでしたが、子供2人目を妊娠した時から摂取しはじめすでに9年目に突入しました。ここ数年は、家族全員飲むようになり、皆の体質がかなり改善され、元気でいられることを実感しています。ずっと摂取し続けているオメガ3があるのですが、開発された方の理念にも、実際に効果を体感し納得出来たこともあり、もっとこの商品を世の為人の為に広めたい、と扱うことを考えはじめました。
今改めて、体系だてて理解するために、一から勉強しなおしているところ、こちらのサイトを発見しました。
これからバックナンバーをじっくり読ませていただきたいと思います。
また、ご紹介にありましたLois Smithers先生の本も読んでみたいと思っていますが、他にもお勧めの文献などありましたら、是非またご紹介ください!!
こちらの更新、楽しみにしております。

投稿: k@machida | 2013年5月16日 (木) 10時26分

魚が健康にいいことは知っていましたがもっとたくさんの量を食べないと効果がないと思っていました。週に2切れとなると意識すれば実現きそうです。情報ありがとうございます。

投稿: anmitsu | 2013年5月17日 (金) 11時59分

魚って、家で食べると片付けがめんどくさかったり、臭いが染み付いたりしてなかなか食べる機会が少なくなってしまっていました。週に二切れは少しの量に見えてなかなか食べられていないと思います…。せっかくの健康への近道になると思いますので、もう少し意識して魚をとっていきたいです!

投稿: きのこ | 2013年5月17日 (金) 16時21分

anmitsuさん、コメントありがとうございます。

そうなんです、「意外なことに」、記事によると週2切れなのだそうです。これなら、なんとかなりそうな気がしますね。

投稿: fumixie | 2013年5月17日 (金) 20時20分

きのこさん、コメントありがとうございます。

料理は門外漢の私ですが、焼く他に、ソテーするとか、蒸すなどという方法もありそうな・・・

あぁ、でも、蒸すとなると白身魚になるのかな? 青魚を「蒸す」ことはあまりないのかなあ???

投稿: fumixie | 2013年5月17日 (金) 20時22分

私の実家では毎朝魚屋さんが来るので、食卓には毎日魚料理が並んでます。私も、高校生までは毎日魚を食べてました。若い時は肉料理を食べたかったのですが…
今では妻がバランスを考えてくれてますが、週2切れは食べてます。妻に感謝です。

投稿: sakichan | 2013年5月20日 (月) 17時27分

sakichanさん、コメントありがとうございます。

すばらしい食生活を送られているようで、なによりです。

投稿: fumixie | 2013年5月21日 (火) 00時14分

我が家では、脂の多い魚より淡白な魚を好んでいたように思います。さっそく祖母にサーモン等を勧めてみようと思いました。朝食に、ご飯と納豆、鮭の塩焼き!いいかもしれません。教えて頂きありがとうございました。

投稿: マリオン | 2013年5月24日 (金) 16時56分

マリオンさん、コメントありがとうございます。

ご飯と納豆と鮭の塩焼きの朝食・・・いいですね

ぼくも、毎朝納豆を食べてます。納豆とトーストしたパンの組み合わせ。

投稿: fumixie | 2013年5月24日 (金) 23時12分

先日このブログを拝見し、早々食卓に鮭をだしてもらいました!もちろん家族みんなで食卓を囲みました。なんだか気持ちのいいものですね。これで祖母が長生きしてくれるのなら!続けていきます!!

投稿: マリオン | 2013年5月29日 (水) 15時11分

やはり肉より魚ですよね。年を重ねる度に魚が好きになってきますね。脂が多い魚は何ですかね。

投稿: PECO | 2013年5月29日 (水) 15時25分

マリオンさん、コメントありがとうございます。

楽しく温かな団欒の様子が伝わってきます。無理のない範囲でお続け下さい。

投稿: fumixie | 2013年5月29日 (水) 21時59分

PECOさん、コメントありがとうございます。

以下は文部科学省が「試験的に公開している」食品成分データベースです。

http://fooddb.jp/index.pl

これ、いろいろいじってみると、けっこう楽しめそうです。(オペレーションが多少面倒な気もしますが・・・)お試しください。

個人的には、いわゆる青魚(アジ、サンマ、サバ、イワシ・・・)をよく食べます。

投稿: fumixie | 2013年5月29日 (水) 22時36分

なかなか家で魚を食べない分、ランチや外食時にはなるべく魚メニューを選ぶようにしています。
香川に来て、本当にお刺身が美味しいなと思いました!
この記事を読んで、これからますます魚を積極的に食べようと思います。

投稿: コアラ | 2013年5月30日 (木) 17時21分

コアラさん、コメントありがとうございます。
「刺身が美味しい」・・・う、うらまやしい・・・
ぜひ地の利を生かしてください。

投稿: fumixie | 2013年5月31日 (金) 23時41分

いつも楽しく読ませて頂いております。
1人暮らし生活5年になりますが、魚離れしちゃってます…
いつも実家に帰る際は、親に焼肉をリクエストしてますが、 今度からお魚お願いしてみます‼

投稿: モンキー | 2013年6月17日 (月) 16時12分

モンキーさん、コメントありがとうございます。

一人暮らしの食生活がどういうものかは、私も経験があるのでわかります。「意識しないと」魚にはなかなか手が伸びないものですが、寿司とか刺身だったら、触手も比較的伸びやすいのでは・・・ ;-)

投稿: fumixie | 2013年6月17日 (月) 23時23分

再び投稿させて頂きます。
また新しい話題が更新されるのをお待ちしてます!お忙しいかと存じ上げますが、楽しみにしてます。

投稿: きのこ | 2013年7月 3日 (水) 18時35分

きのこさん、応援ありがとうございます。
とっても励みになります (^^)/

投稿: fumixie | 2013年7月 3日 (水) 23時23分

土日はなるべくどちらかの夕食を魚にするようにしていますが、手間の面を考えると肉に偏ってしまいます。
平日の昼食はほぼ外食になるので、うどんなどで手軽に済ませずに定食屋さんで魚のメニューを選ぶようにしたいと思います。

投稿: panco | 2013年7月24日 (水) 11時31分

pancoさん、コメントありがとうございます。

電子レンジで魚を焼くための、ガラスの蓋付きの特殊な(?)プレートがあって、500ワットで3分加熱してから、ひっくり返して、あと30秒加熱すれば、焼き色も付いた焼き魚ができます。こういうツールを使えば、かなりお手軽になるかもしれません。後片付けも楽だし。

投稿: fumixie | 2013年7月25日 (木) 00時03分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/117495/57217654

この記事へのトラックバック一覧です: 魚と心疾患:

« ウォーキングの健康効果はランニングと変わらない | トップページ | 十分な睡眠は心臓をいたわる?! »