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2013年3月25日 (月)

エナジードリンクで不整脈や血圧上昇?

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

久しぶりに記事投稿、皆さんに忘れ去られそうな屋台ブルーです。

これまでメディカルサイトのニュースを日本語訳にして紹介してきましたが、原文に忠実に翻訳していく作業は骨が折れしんどいです。だって、内容をしっかり理解するのは当然だけど、英語を日本語表現に変更する翻訳作業もしなきゃいけないし、気を遣うからです。

何ヶ月も記事を書かないより、内容を理解して自分の言葉で伝えていくやり方で更新頻度を上げようと考えてるわけ。でも欠点もあって、独断的で偏見に満ちた内容になってしまえば、それはそれでツッコミどころ満載になっちゃうんですよね。皆さんのコメント期待してます。

先週22日のMedscapeの記事「Energy Drinks May Prolong QT Interval, Raise BP」を紹介しよう。「エナジードリンクを飲めば、QT時間を延長させたり、血圧が上がるかもしれない」というタイトル。

さて、「エナジードリンク」、って具体的に何か見てみると、「Red Bull」「Full Throttle」と「Meltdown RTD」が挙げられていました。「Red Bull(レッドブル)」は見たことありますね。ここに製品情報があります。「Full Throttle(フルスロットル)」や「Meltdown RTD(メルトダウンRTD)」は近所で見たことなかいので日本国内で一般販売はされていないのでしょう。米国で一般的なスポーツドリンクなんでしょうか。メルトダウンRTDは脂肪燃焼を謳い文句にしていて何ともいかがわしい雰囲気を醸し出しています。レッドブルの8.4 oz(オンス)缶、これは日本でいうところの250ml缶ですが、約80mgのカフェインが含まれていて、コカコーラ350mg缶に含まれているカフェイン35mgよりも多く、一杯のコーヒーに含まれるカフェイン100mgに匹敵します。

こういうエナジードリンクを1〜3缶飲むと、血圧は収縮期で3.5mmHg上昇して、QT時間が10ミリ秒延長するという。この結果は、小規模なメタアナライシスから得られたもので、収縮期血圧上昇は、カフェイン量に関連があるんじゃないかという予測に一致していた。しかし、QT時間が延長するというのは驚きだったようで、もう少し詳しく調べていく切っ掛けになったということだ。

血圧上昇にしてもQT時間延長も、エナジードリンクを飲んだ直後から生じるようで、法的整備の甘い清涼飲料水、もう少し安全基準を求める必要があるんじゃないだろうか。ここで抗高脂血症薬として開発されていた米Pfizer(ファイザー)のtorcetarapib(トルセトラピブ)を例えに出していた。善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増やす薬として期待されていたけど、第Ⅲ相臨床試験で心血管障害による死亡率が増大したため開発中止に追い込まれた経緯があります。この死亡率増加の理由が、試験開始段階からみて血圧が3mmHg上昇したためだという...

さて、QT時間延長って何ぞや?って思われる人も多いでしょう。心電図で見られるQ波からT波終了までの時間が延びることで、心筋細胞内の活動性変化や異常が示唆され、致死的不整脈を起こしやすい状態になっています。QT時間延長は、それ自体症状はないけど、薬剤を色々服用している人は注意が必要です。QT時間を延長させる薬剤は多く、そういう薬剤が重なった時に怖い不整脈を発症して突然死なんてこともありえるんです。QT時間が延長していて利尿薬を服用すると、ぞっとするような不整脈を生じるかもしれませんよ。そして、ここでエナジードリンクを飲んで、10ミリ秒延長が重なると...

QT時間が10ミリ秒延びても微々たるもので、普通30ミリ秒以上延長すると注意が必要なんですけどね。

QT時間延長性の薬剤に関して、いつもお世話になっているここを見て下さい

内科開業医のお勉強日記:QT/QTc間隔延長薬:投与前・投与後心電図検査

さて、強調しておきますが、このメタアナライシスは既に発表されている18歳から45歳の健康成人を対象とした7つの観察研究と介入試験の結果であり、QT時間延長は93人のデータ、収縮期血圧上昇は132人のデータから結論付けているから、まだまだ確証は得られていません。関連性を証明していくために更なる研究が必要なことは言うまでもないよ。

Shah SA, Lacey CS, Riddock IC, et al. Impact of energy drinks on electrocardiographic and blood pressure parameters: A meta-analysis of clinical studies. EPI-NPAM 2013; New Orleans, LA, March 21, 2013. Abstract P324.

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コメント

エナジードリンクはよくお世話になっています。
元気になるドリンクなので血圧上昇ぐらいは予測できますが、心電図にまで影響するんですね。。。
ドリンクに頼らないようにしなくては。。。

投稿: @K | 2013年3月26日 (火) 12時35分

エナジードリンクはカロリーが高そうなイメージがありあまり摂取していません。血圧上昇やQT延長があるとすれば医薬品並の注意が必要ですね!こういったドリンクが必要な人も居るとは思いますが、全ての人に合うとは限りません。医薬部外品程度の規制が必要なのでは?

投稿: ojalman | 2013年3月26日 (火) 15時56分

@Kさん、いつもコメントありがとう。
最近記事をアップしてなかったけど、これから頻度をあげていくのでよろしくお願いします。
エナジードリンクはあまり飲まないけど、カフェインの多いコーヒーをかなり飲んでいるので私も注意しないといけないかな。

投稿: 屋台ブルー | 2013年3月27日 (水) 13時01分

ojalmanさん、いつもコメントありがとうございます。
エナジードリンクを必要とする人が本当にいるのかどうかちょっと疑問ですが、私も医薬部外品の規制は必要だと思います。

投稿: 屋台ブルー | 2013年3月27日 (水) 13時02分

個人的に栄養ドリンクよりも効くなぁと思いながら、よくお世話になっています。海外では500mlくらいのエナジードリンクをみたことがあります。恐ろしい(´・_・`)

投稿: ねこ | 2013年3月29日 (金) 11時23分

ねこさん、そうですよね。カフェインや糖分を摂取すれば一過性にパワーが出ますよね。でも糖分の補給はバナナでもいいような。

投稿: 屋台ブルー | 2013年3月29日 (金) 18時39分

エナジードリンクは飲んだことがありませんが、チオビタドリンク等栄養ドリンクはよく飲んでます。すぐに成分表を確認したら、カフェインが50mg入ってました。しっかり睡眠をとって、栄養ドリンクに頼らないようにしないと。。。

投稿: sakichan | 2013年4月 3日 (水) 17時27分

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