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2012年11月23日 (金)

「老い」は気から

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

2012年11月21日付けで Medical News Today に載った Positive View On Aging May Help Recovery From Severe Disability という記事によると、高齢者が「老い」をどう考えるかは高齢者自身の健康に影響を及ぼすのだそうです。

エール大学公衆衛生学部 の研究者らが JAMA(The Journal of the American Medical Association) に寄せた Association Between Positive Age Stereotypes and Recovery From Disability in Older Persons という論文 によると、「老い」を楽観的に捉えれば、それだけ長く自立した生活が営めるかどうかはさらなる研究が必要だけれども、という前置き付きで、加齢つまり歳を重ねることを前向きにとらえている高齢者の方が、否定的に考えている高齢者よりも、重篤な疾患から回復しやすいことがわかったそうです。

論文の主著者で疫学(慢性疾患)と心理学の准教授ベッカ・レビー博士(Becca R. Levy, PhD)は、この発見について「老化のプロセスをどう見るかは、老化のプロセスをどう経験するかに影響を与えるのだ」と語っています。

つまり、「老い」をどう考えるかで、たとえば「老い」が楽しいものにもなれば、そうはならない場合もあるということなのでしょう。たしかに、それはもっともな話です。

同博士はさらに「『老い』を前向きに捉える高齢者は、ストレスに対する心臓血管系の応答が低く、健康に良い活動に取り組んでいる場合が多い。今回の発見も、それで説明がつくだろう」と言い添えています。

この研究で対象としたのは、身体障害のない70歳以上の高齢者598名で、加齢というものの捉え方も様々でした。その人たちを、ポジティブ(前向き、楽観的)な考え方をするグループとネガティブ(後ろ向き、悲観的)に捉えるグループに分けて、1998年3月から2008年12月までおよそ11年間研究したそうです。そして回復したかどうかの判断には4種類の日常生活動作(ADL)、つまり入浴すること、着替えること、腰かけた状態から移動すること、そして歩くことを基準にしました。

それから「高齢者と聞いてどういう言葉を思い浮かべるか」というアンケートを実施し、その答えを、もっとも悲観的な答(たとえば「decrepit」(老いぼれの意)」からもっとも楽観的な答(たとえば「spry」(元気はつらつの意)」までの5段階で評価しました。

その結果、「老い」をネガティブに見る人よりもポジティブに捉える人の方が、44パーセントも重篤な身体障害から回復しやすいこと、そして日常生活を送るうえで必要なことをこなす能力の低下も大幅に抑えられることがわかったそうです。

「『老い』をポジティブにとらえれば、ある種の原因からくる身体障害の回復が早まると思われる。なぜならストレスに対する心臓血管系の反応が抑えられ、身体的なバランスが向上し、自分もやればできるんだという自信(自己効力感)が得られ、健康的な活動にいっそう取り組むようになるからだ」

長年慣れ親しんだ考え方、ものの見方にはとても強い「慣性」がありますから、そうおいそれと変えることはできないのも事実ですけど、「継続は力なり」という言葉もありますから、あながち「そりゃ、無理だよ」とも言えないのではないかと思います。

じゃあ、どうすれば? というのは、また、別の話になりますが ... f(^^)

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コメント

病は気からというヤツでしょうか。やはりいきいきしている人は身体のキレも違いますよね。
こうしたデータで裏付けられるのも納得です(^-^)

投稿: kirichan | 2012年11月27日 (火) 16時06分

kirichanさん、コメントありがとうございます。

なにごとも「視点」が大切なんですね。

投稿: fumixie | 2012年11月27日 (火) 23時48分

老いの捉え方次第で体調が本当に違ってくるのですね。11年間のデータとなると重みがあると思います。できるだけポジティブに捉えて健康に過ごしたいと思います。

投稿: anmitsu | 2012年11月28日 (水) 17時02分

anmitsuさん、コメントありがとうございます。

おたがい、なるべく長い間元気で自立した生活が送れるようがんばりましょう。

投稿: fumixie | 2012年11月29日 (木) 00時09分

老いは誰しも嬉しいことではありませんが、くよくよしても始まりません。受け入れた上で前向きに生きることが精神的にも健康面でも大切なことなんですね!必要なのはちょっとした人生の目標と日々の充実感でしょうか?

投稿: ojalman | 2012年11月29日 (木) 15時08分

老いをポジティブにとらえること、難しいです。先日、テニス中に、ふくらはぎの肉離れ、やりました。若い時には、こんなことなかったのに、こんなとき、老いを感じます。筋肉を鍛えないとだめですね。

投稿: アグリ | 2012年11月29日 (木) 16時59分

ojalmanさん、コメントありがとうございます。

まったくおっしゃるとおりだと思います。
「受け入れたうえで」つまり抗わないというのが第一歩なのでしょうね、きっと。

投稿: fumixie | 2012年11月29日 (木) 22時13分

アグリさん、コメントありがとうございます。

あらら、お大事になさってください。

たぶん誰でも老いは「感じる」ものだと思います。

感じたその「老い」に自分がどう反応するか、どう対応するか、どう考えるかがキーポイントなのではないかと個人的には思います。

おたがい、がんばりましょう。

投稿: fumixie | 2012年11月29日 (木) 22時17分

スポーツが好きです。しかし私は膝を傷めて1年以上になります。はじめは、少し前はあんなに動けたのに…と以前との違いに戸惑い、やるせなさを感じました。今は動ける範囲で最高のパフォーマンスが出来たら…と思えるようになりました。よく笑う人はお若く見えます。私も痛いな~と言いながら笑ってすごせる様にしてます。

投稿: mills | 2012年12月11日 (火) 07時33分

millsさん、コメントありがとうございます。

すばらしい頑張りですね。笑顔がなによりです。
わたしも見習います。

投稿: fumixie | 2012年12月11日 (火) 19時01分

思い返してみれば、10歳代のころは歳を重ねることを嬉しく感じてました。ただ、20代突入してからは。。。これは歳をとることに負い目を感じているんですね。ポジティブシンキングって本当に大事だと思いました。

投稿: penny | 2012年12月12日 (水) 15時31分

pennyさん、コメントありがとうございます。

コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授は、「今日の自分を明日なりたい自分に変える手段は『選択』しかないのだ」と言っています。実に深い言葉だと思います。わたしもこれを座右の銘の一つにします。

投稿: fumixie | 2012年12月12日 (水) 23時27分

「ものごとをネガティブに考えてもいいことはない」
恩師に教えられた言葉です。
老いにも関わるなんて驚きです。

なにごとにもポジティブに、笑顔で生活していきたいです!

投稿: neko | 2013年1月10日 (木) 11時25分

nekoさん、コメントありがとうございます。

そのお言葉、私も心に刻みます。

投稿: fumixie | 2013年1月11日 (金) 00時01分

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