« 大豆食品と肺ガンの関係は RR=0.77 (95% CI: 0.65, 0.92) | トップページ | 果物+野菜+穀物と女性と卒中 »

2011年12月 3日 (土)

慢性ストレスがホルモンに与える影響と回復補助

文:Ctom

ここのところホルモンバランスとの関連に関する記事を多く見かける機会があったので、ちょっと、自分自身の勉強や復習もかねて、何回か続けて関連する記事を投稿しようと思います。

DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)の事にも関連した内容だと思います。
ストレスとホルモンバランスの関係をとりあげた記事を投稿して、読者の方々にはストレスやホルモンの関係に関して少しずつ理解を深めてほしいという狙いを持って取り上げていこうと思います。


DHEAもそうだけど、少し難しい記事を取り上げていきます。
最初に記事の内容をまとめて書いておくので、それを読んでもらえれば大まかに理解できるようにしておきます。原文を訳したものも載せておくので、そちらも併せて読んでみてもらえればいいかな。


さてさて。今回の記事はDynamic Chiropractic – March 26, 2011, Vol. 29, Issue 07の記事でDoes Your Patient Need Thyroid and Adrenal Support?というタイトルです。この記事では甲状腺と副腎(生殖腺も含む)をピックアップして関連について述べた記事ですね。じっくり読んでみてください。


では、いってみましょう!

---------------------------------------------------

最初に概要とまとめを載せます。原文は下の方にありますからね。


<基本情報>
 僕たちの体のホルモンを分泌する部分は次の構造になります。

○松果体
○脳下垂体
○甲状腺
○胸腺
○副腎
○生殖腺

 もちろん、線構造としては他にもいくつかあるけれど、今回の記事と今後に関連した項目に関しては上記の線構造があることを理解してもらえればOK。

 僕たちの体は基本的にストレスを受けると上記の線構造からホルモン分泌がはじまりますが、基本的に一番ストレスに敏感な臓器というのは副腎になるんですね。ADRENALの構造だ。この働き具合によって自分自身あるいは患者さんがストレスを受け続けて、どういう時期なのか、ある程度判別することも可能です。(※DHEAの項目を参照


慢性的にストレスを受け続けて、副腎が疲労してくると、ホルモン分泌に異常をきたします。しかし、それが科学的な検査によって判別できるかというといつも可能というわけではありません。問題なのは、科学検査(血液検査など)では正常値にもかかわらず、線構造由来の症状を呈している状態です。


慢性的なストレスを受け続けることで、コルチゾールが体内で分泌される量が増加します。DHEAの記事に画像を添付しましたが(右側が切れていたのですが・・・)、ストレスによってコルチゾールの合成が促進されることがわかります。コルチゾールはストレスのレベルを表す一つの指標になります。


今回の記事ではコルチゾール値の上昇、副腎(生殖腺)と甲状腺の関連について触れた記事です。
では、ざっくりと記事をまとめてみます。


ルチゾールが副腎より大量に分泌される頃というのは、見方によってはストレスの警告期もしくは適応期であるともいえます。コルチゾールが体内で大量に分泌されるようになることで、生活習慣病といわれる多くの疾患に罹患しやすくなってしまいます。

例えば、骨粗鬆や高血糖に対するインシュリン抵抗性に影響することから、糖尿病や代謝性症候群(メタボリックシンドローム)を持っている人たちの状態を悪化させます。

その他にも以下のような症状と関連します。

・腹部脂肪が付きやすい
・ウイルス感染や風邪などの細菌による感染症に罹患しやすく、長期化するケースが多い
・性的な欲求の減少
・横になった状態から立ち上がった際にふらふらする
・朝や昼過ぎに活力がなくなる(午後3時~5時ころ)
・朝起きることができず、コーヒーなどの刺激物を必要とする
・食事直後は比較的調子が良い
・月経前症候群の症状が悪化:月経期間中のひどい疼痛などに加えて、4日目くらいで終わった月経が6日目頃から再び始まる
・ストレスが減る環境になると症状が和らぐ
・体力の衰え、記憶力の低下


状腺とコルチゾールの関係はとても深いつながりがあります。あるいは、お互いに相互作用があるともいえます。

コルチゾールは副腎によって影響を受けますが、副腎が弱ることでコルチゾールの分泌が促進されます。促進されたコルチゾールが影響するのが甲状腺の働きにあります。しかしながら、コルチゾールの高まりが検査で発見されたとしても、甲状腺の機能は正常であることも多いです。結果、甲状腺からの症状を有しているが、検査ではわからない状態となります。

つまり、コルチゾールの分泌が高まってしまうことで、他のホルモンの分泌は正常だけれども、反応が鈍くなっている(抵抗性)状態になります。結果的にホルモン値は正常でも鬱のような症状を呈することになります。

副腎の弱まりがコルチゾールの分泌を促進し、大量のコルチゾールによって甲状腺機能を阻害してしまい、ホルモン値は正常でもホルモンの反応が悪くなり、鬱症状の他、太りやすかったり、爪や肌、皮膚の変化が現れたり(これまでと違う状態)、代謝機能が悪い様子や易感染性、慢性疲労様症状などを呈します。


状の改善には副腎のアプローチが基本です。
この資料には無難なものがいくつか載っています。特に“アダプトゲン”と呼ばれるものが勧められています。僕はアダプトゲンという言葉を初めて聞いたのですが、結構いろいろとあるのですね。Wikipediaにも掲載されているので知っている人の間では有名なのかも。

原文の翻訳でまた掲載しているので参照してみてください。
次回の記事では、続きを掲載しようと思うので、専門家や興味のある方はまた次の機会も見てください。


                                  


あなたの患者には甲状腺と副腎(生殖腺)のサポートが必要?
~患者の慢性ストレスに影響する真実味のある回答~


トレスの研究者であるハンス・セリエまで遡ると、その頃の医療従事者達は慢性ストレスがしばしば脳下垂体からのACTHを過剰分泌することに気づいていました。次に、コルチゾールが副腎皮質より大量に放出される原因ですが、違う見方をすれば一般的にはストレスに対する警告もしくは適応期の状態です。


高い値でコルチゾールが循環することで論文ではいくつかの健康上の問題と症状を示します。

・腹部脂肪が付きやすい傾向にある
・高頻度でインフルエンザやその他の呼吸器疾患に罹患しやすく、症状が普段よりも長く続く傾向にある
・性的な衝動の減少
・横になった状態から立ち上がった際に意識が遠のく
・朝や昼過ぎに活力が低下している(午後3時~午後5時ころ)
・朝起きることがつらい;コーヒーやその他の刺激物が活動の際に必要になる
・食事直後は調子が良い
・月経前症候群の症状が悪化;期間中はひどいけど、4日目には完全に終わるかほとんど終わっていますが、5日目もしくは6日目になると再び月経がはじまる
・ストレスが緩和することで調子が良くなる。例えば旅行中のような。もしくは
・体力を失ったり、大量に記憶したり

これら多くの症状は様々な組織からのコルチゾールによる過剰刺激によって生じています。例えば、高い値のコルチゾールは腹部脂肪の付着を増加させ、免疫系の弱化、多くの細胞中の核受容体結合部にテストステロンとその他の生殖器ホルモンが競合し、それによって脂肪減少を阻害するとともに性欲が減退していきます。高い値のコルチゾールはまた骨の脱灰(脱塩)を引き起こし、骨粗鬆や高血糖に対するインシュリン抵抗性に影響を及ぼし、代謝性症候群や糖尿病を悪化させます。


副腎-甲状腺の関連

子レベルでは、コルチゾールは甲状腺ホルモンの相互作用として重要な意味を有しています。レセプター遺伝子レベルではコルチゾールのより重要な機能の一つは甲状腺ホルモンと共同作用もしくは相乗作用にあります。

生化学者であり著者(interview in the John R. Lee, M.D. Medical Letter and widely republished online)であるDavid Zava PhDが述べるには: “多すぎるコルチゾールは副腎反応の過剰なストレス、短い期間の甲状腺ホルモンの反応などを引き起こします。これは甲状腺抵抗性の状態を作り出し、甲状腺ホルモンの値は正常ですが、甲状腺ホルモンに反応する各組織は甲状腺からのシグナルを効率よく応答しなくなります。この甲状腺ホルモンのシグナル抵抗性の原因は高いコルチゾールだけが甲状腺ホルモンを制限するのではなくて、インシュリン、プロゲステロン、エストロゲン、テストステロン、やコルチゾールそれらのホルモンが原因となります。コルチゾールが高すぎる時には、ホルモン受容体による抵抗がはじまっており、同様の効果を得るためにはより多くのホルモンを産生する必要があります。これが慢性ストレスによってコルチゾール値の上昇が感情を下向きにするもホルモンの働きは正常な理由です。”

結果的に、多くの患者が慢性ストレスの原因でコルチゾール値も高くなり、甲状腺機能低下様症状がみられ、これは時に下記にみられるようなコルチゾール値が高くなるときの症状と重なっています。

・太りやすい
・代謝機能低下
・髪、肌、爪の質の変化
・風邪をひきやすい
・薬剤を服用していなくて、休息を増やしても慢性疲労を感じている

したがって、これらは多くの患者で容易にみられ、副腎症状はしばしば甲状腺機能低下を思わせます。甲状腺機能テストが正常に戻った際、しばしば医師達は症状の原因について軽度もしくは中程度の鬱や抗うつ剤を服用している患者の問題に悩まされます。


副腎と甲状腺補助栄養素

者はいくつかのはっきりしない複合サインを訴え、前述したような症状を訴えますが、おそらく副腎と甲状腺機能補助に狙いをつけて栄養管理することで改善の方向へ寄与するでしょう。加えて、副腎と副腎を大まかに健康的な状態を維持するために補助することでコルチゾールの分泌が静まり、アダプトゲン・ハーブや特定のビタミン、ミネラルを用いることでコルチゾール分泌の正常化に役立つでしょう。

アダプトゲン・ハーブ: これまで、このハーブは薬剤でなく、身体ストレスに穏やかに影響を与えることで、私たちの体にこの“アダプトゲン”を供給することで身体の本来持っている感情的、身体的ストレスを軽減させることが証明されています。アダプトゲンは1947年にロシアの科学者であるDr. Nicolai Lazarevによって初めて発見され、脳やその他の組織が慢性的なストレスにさらされている間のコルチゾール分泌を減少し、その他生理学的な免疫系における効果を生み出す反応をします。様々なハーブにアダプトゲンが含まれますが、朝鮮人参とリコリス(甘草)には多くの文献によって副作用と薬剤と栄養素における相互作用の関連があることから避けるべきとされています。以下の3つは最も効果的で安全なアダプトゲン・ハーブです。

アシュワガンダ: インドで用いられる医療用ハーブですが、慢性ストレス下において血中コルチゾールの値を26%減少させます。また2005の研究では血糖値の素早く減退させ、脂質代謝を改善させます。Ashwaghandaの有効成分としてはその他に強力な抗酸化剤や抗炎症剤、そして免疫機能を後押しすることが見られ、メンタル面、性欲などの改善などすべての抗ストレスアダプトゲン効果を持ちます。

ロディオラ属: このハーブは寒い地方で生息しています。この植物には疲労改善に影響を与え、精神面の活発化や慢性疲労に抵抗する能力に影響します。ロディオラはロシアの科学者によってアダプトゲンに分類されていますが、その理由はロディオラを用いることで様々な化学的、生化学的、身体的ストレス抵抗性を向上させることがみられるからです。これは抗鬱、抗ガン、血管系保護や中枢神経系強化などの効果を意味しています。

Shisandra:
※訳注 これらアダプトゲン・ハーブはあまり日本ではみかけないんじゃないかな?朝鮮人参や甘草はよくみかけるけども。Wikipediaにも載っているので、そちらも参考にしてみてください。


その他の副腎栄養素: これらの抗ストレスハーブに加えて、ビタミンB6、パントテン酸、マグネシウム、ビタミンC、亜鉛などは副腎疲労と慢性ストレスによる副腎のダメージを防ぐ働きがあります。副腎補助には1日1回(最初の1週間は2回/日)次の分量の処方を推奨します: ロディオラ-100mg; アシュワガンダ-375mg; ビタミンB6-25mg; パントテン酸-25mg; マグネシウム-100mg; ビタミンC-50mg; 亜鉛-5mg。

場合によっては、甲状腺機能の検査において正常な範囲ではありますが、症状は甲状腺機能低下のものが表れている場合、サプリメントとして甲状腺補助と甲状腺ホルモン機能補助のために下記の栄養素を含めて推奨しています(1日2回の摂取):

・コリウスフォスコリン(250mg、通常10%フォスコリンを含んでいます)-実験的な研究においてはこのハーブを用いることで甲状腺からのホルモンの放出を促します。

・ヨウ素(15mg)-必須ミネラルであるヨウ素は甲状腺ホルモン産生に必要不可欠です

・チロシン(250mg)-アミノ酸であるチロシンは甲状腺内で甲状腺ホルモン合成阻害(?)

・ガム・グッグル(150mgグッグル、通常2.5%がグッグルステロン)-このハーブはT4からT3合成を増加し、甲状腺ホルモンをもっとも活発にします。


くの患者が慢性疲労、太りやすい、風邪やインフルエンザなどに感染しやすく、長期間もっていたり、体温が低く、頭が“ぼーっと”して、肌質、髪質、爪の状態が変化したり、高血糖の症状などを訴えたりすることもありますが、それと同時に食事制限や運動を取り入れている人も少なくありません。症状、サインや主訴がおそらく副腎ホルモンに由来することに気づき、線構造全体あるいは一部に慢性ストレスの影響が疑われる際、副腎(時に甲状腺)の栄養補助をトライすることで原因を修正することができるかもしれません。

私の経験では、多くのケースで4~6週間で改善傾向が表れます。専門家においては、より深く調査するとともに診断要因となる項目を次に書く科学検査を理解して、副腎の問題を含んでいるケースを理解し、甲状腺機能低下症と機能障害を血液テストから判別する方法を学んでください。

|
|

« 大豆食品と肺ガンの関係は RR=0.77 (95% CI: 0.65, 0.92) | トップページ | 果物+野菜+穀物と女性と卒中 »

コメント

ストレスとホルモンですか><やはり、ストレスは百害あって一利なしなのでしょうか。とは言え、毎日がのほほん過ぎても張り合いがないですし、自分のストレス耐性と現在のストレス具合をきちんと理解して、上手く付き合うことが大切なのかもしれませんね。ちなみに今回のお話とは関係ないかもしれませんが、副腎=adrenalだからアドレナリンなんですね!こちらも勉強になりました。

投稿: まるゆー | 2011年12月 5日 (月) 18時36分

まるゆーさん。コメントありがとうございます。

一般的にストレスのない生活が理想的と思われがちですが、現実は必要不可欠なものです。記事にもありますが様々な種類のストレスが存在しないと、私たちは生命を維持することができないため、必要不可欠なものとして存在しています。もちろん、食べることもストレスになります。歩いたり運動したりすることも構造的なストレスを私たちの体がは感じています。人が一人では生きていけないように、コミュニケーションがないことも感情的なストレスを生み出します。

しかし、健康に害する問題としては、“過剰なストレス”が問題になります。過剰なストレスによって様々な健康問題を生じてしまい、課題となるのはそのコントロールの方法です。それらを学ぶためにしばらく関連する記事を載せていきたいなーと思っています。また、今後ともよろしくお願いします。

追伸:Adrenalといえば副腎が真っ先にきますが、ものによっては生殖腺も含まれている場合がありますので、お気を付けください。副腎髄質から分泌されるAdrenalinとnoradrenalinも英語表記を見ると理解しやすいですね :-)

投稿: Ctom | 2011年12月 6日 (火) 09時17分

ストレス社会で生きていますので、みんな関心のあるところですね。しかし、アシュワガンダ。魅力的な医療用ハーブですね。国内ではそのようなものはないのでしょうか?

投稿: tommy | 2011年12月 6日 (火) 10時22分

tommyさん。コメントありがとうございました。

次の記事では、もう少し突っ込んだものをチョイスします。少し専門家向けかもしれませんが、面白い内容だと思います。

ストレスとこちらを直結して関連付けてはいけませんが、大きい要因だと思います。アダプトゲンはこれ以降全く調べていませんが、主に寒い地域が多いみたいで、ロシアの論文などがメインで発表されているかもしれません。日本は高山にあるのかもしれませんが、その判断はできませんし、なにより高山植物は法律により採取不可なのでこれまた手出しできません。

投稿: Ctom | 2011年12月 6日 (火) 18時18分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/117495/53387590

この記事へのトラックバック一覧です: 慢性ストレスがホルモンに与える影響と回復補助:

« 大豆食品と肺ガンの関係は RR=0.77 (95% CI: 0.65, 0.92) | トップページ | 果物+野菜+穀物と女性と卒中 »