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2011年4月15日 (金)

「えっ、残業しないで帰るの?」... 「だって、心臓病のリスクが...」

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

残業が日常化している職場では、定時退社というのはなかなかできないものです。定時であがろうものなら、周囲が言い放つ「へぇー、残業しないで帰るんだ ... ふぅーん ... アバヨ!」という、「やっかみ+羨望+いたずら」が7割方入り混じった、絶対零度とも思える冷たい言葉を背に浴びることになり、気の弱い人だと思わず足を止めることになります。残業する方としては、それが楽しかったりするのです。(「おう、じゃあな、アバヨ!」と言い返せる剛の者もいますけどネ ;-) )

しかしこの記事を読めば、そんな気の弱い人も堂々と定時退社する言い訳になる ... かもしれません。

米国 Businessweek誌 に載った "Too Many Hours at Work Might Harm the Heart" (April 04, 2011) という記事によると、長時間労働は心臓疾患の危険因子かもしれないそうです。なんとなれば、同僚より長時間働いている英国の事務系労働者に心臓麻痺の可能性が増大しているからだそうです。

ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン (University College London) の研究者らが1991年から2004年にかけて行った研究によると、毎日11時間以上働いている従業員は、1日7時間ないし8時間の従業員よりも心臓疾患を発症する可能性が67パーセント高くなっていました。この研究 は2011年4月5日号の Annals of Internal Medicine に発表されたもので、被験者は心臓病の危険が低い7100名ほどの英国の公務員。被験者の70パーセントほどは男性で、91パーセントは白人でした。そして被験者は、家に持ち帰った仕事も含めて、仕事に費やした時間を報告しました。それによると労働時間は、半数以上(54パーセント)は一日に7時間から8時間だったが、21パーセントは9時間、15パーセントは毎日10時間仕事していた。11時間以上という被験者も10パーセント強いました。この研究の結果、労働時間が一日8時間の人に比べて、11時間以上働いている人は心臓病のリスクが67パーセント高くなっていました

しかしわかったのはこれだけではなく、まったく別種のリスクを抱えていることもわかったそうです。というのは、この研究を行った研究者によると、残業時間の増加と心臓疾患発症の間の直接の因果関係は未確認としながらも、「フラミンガム・リスク・スコア に労働時間を加味することによって、後年心臓疾患を発症する人の識別精度が改善した」のだそうです。

ちなみにフラミンガム・リスク・スコアとはどういうものかというと、同記事では

「年齢、性別、血圧、コレステロール量、喫煙の有無などを元にして、心臓病のリスクを判定する目的で算出されたスコア」
と説明しています。

さて、このことがどういうことかというと、米国ニューヨーク市レノックス・ヒル病院 (Lenox Hill Hospital) の心臓病予防の専門医スザンヌ・スタインバウム博士 (Dr. Suzanne Steinbaum) によると、

「フラミンガム・モデルに長時間労働を組み込むと、低リスクとされている被験者の 4.7% ほどは再分類される結果となった。たとえば55歳の女性の場合、フラミンガムスコアだけなら心臓麻痺のリスクは低いのだが、労働時間がきわめて長くなると高リスクに跳ね上がることがあるのだ。これは重要だ。高リスクに分類されれば、冠動脈性心疾患を予防するために、今まで以上に積極的に治療を受けると思われるからだ」

つまり、年齢、性別、血圧、コレステロール量、喫煙などの点から言えば心臓病のリスクが低くても、毎日残業していると心臓病のリスクはジャンプアップする、ということのようです。

先進国では労働時間が増加しつつあり、このために労働者が冠動脈性心疾患にかかる可能性が高まるのではないか、と研究者らは指摘しています。米国UCLA David Geffen School of Medicine の グレッグ・C・ファナロー博士 (Dr. Gregg C. Fonarow, associate chief of cardiology) は「長時間働いている人たちには、運動や健康的な食事の時間や医者にかかる暇も少ないだろう。それにストレスも多くなるし睡眠時間も減る。それに循環器系疾患のリスクの一因になる行動に関わるだろう」と語っています。さらに長時間労働と心臓麻痺の関係はヨーロッパや日本で行われた研究でも明らかになっていて、「この新しい情報によって生活様式の改善と心臓病の投薬治療に関して、さらに優れた決定ができるようになるかもしれない」と研究者らは言っています。

労働時間が一日11時間ということは、朝9時から夕方5時まで(昼休み1時間)働くとすると、労働時間は7時間。さらに4時間残業するわけですが、残業がつくのは6時から、などという職場も多いでしょうから、定時以後もそのまま働けば夜9時まで、6時から残業すれば夜10時までということになります。この例でいけば、ひと月の残業時間は、おそらく80時間は楽に越えるでしょう。こういう生活をしていると、心臓病を発症するリスクが赤丸急上昇というわけですね。退社後に飲み屋に行って、帰りは深夜バスなんて生活しているともう最悪ですね f(^^)

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コメント

そういえば企業のメンタルヘルスのアンケートでも労働時間のチェックがされるようになりました。私も11時間とは云わないまでもサービス残業を含め毎日10時間くらいの労働はしています。食事が遅くなることもそうですが、毎日少しでも仕事から離れ自分の時間(リラックスした時間)を持つことが大切だと考えさせられます。

投稿: ojalman | 2011年4月16日 (土) 15時56分

ojalmanさん、コメントいただき、ありがとうございます。

毎日10時間ということは、残業時間がひと月60時間から80時間くらいになるのでしょうか。心身ともに疲れきりますよね。こまめなリフレッシュが大切になりますね。

投稿: fumixie | 2011年4月16日 (土) 19時29分

ワークライフバランスという言葉をここ2年ほど会社でよく耳にします。月の労働時間が一定以上になると指導を受けますが、業務は増えるばかり…。どうやって早く帰ったらいいのーーー?!と聞きたくなります。
「心臓病のリスクが高くなるので帰ります」とさらっと言って帰りたいものです。

投稿: ぴぴん | 2011年4月19日 (火) 19時25分

ぴぴんさん、コメントいただき、ありがとうございます。

「どうやって早く帰ったらいいのーーー?」というそのお気持ち、実感としてよくわかります。仮に家に持ち帰れたとしても、仕事をすることに変わりはないし、家族にも影響があるでしょうし。ワークライフバランス、言うほど簡単ではないですよね。

投稿: fumixie | 2011年4月19日 (火) 21時53分

外回り営業だと、残業という言葉はあまり使いません。
(朝8時から夜8時まではいつも働いているので、12時間ですかね・・)
そのあと、会社に帰ったりすると・・怖くて心臓病のリスクを考えられません。

幸い、昼間(営業中)はある程度自分で時間をコントロールできるのでそちらでどうにか調整しないといけませんね・・
(もちろん仕事はしっかりします)

投稿: パン子 | 2011年4月21日 (木) 11時20分

パン子さん、コメントいただき、ありがとうございます。

そうですか、外回りでは9時から5時までが定時でそれ以降が残業、という区別がないのですか。知りませんでした。でも、上司の目が光っているオフィスワークとは違って、時間が自分でコントロールできるのはメリットですから、そこをうまく活用したいですよね。(上司の目が光っていても、「さあーて、今日は軽く流して、定時で帰ろう」という日がないわけでもなかったです。とはいうものの、定時退社しても、そのまま飲み屋に直行という場合も多かったですが f(^^) )

投稿: fumixie | 2011年4月21日 (木) 14時33分

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