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2011年3月10日 (木)

クローン病 パートⅡ:他の悪化原因と食事の心得

文:Ctom

ローン病は原因不明の慢性的な腸の炎症疾患。
前回の記事で紹介で”栄養補助がクローン病や腸疾患を緩和するかも?”の中に炎症が治まっている時期に推奨している栄養補助(サプリメント)について紹介してありました。


今回の記事はクローン病の一因となるものに少し触れて、あとは日々の食事の中で気をつけないといけない点についてまとめてあります。

NOD2/CARD15というクローン病感受性遺伝子という話に触れています。
検索すると論文がトップに出てきますので、参考にしてみたらいいかもしれません。
これらのことは、一般の人にはあまり関係のないところなので、重要なのは本文の真ん中より下。


その部分を読んでみてください。


この話は、クローン病だけでなくて、慢性腸疾患を持っている人。
例えば・・・・

過敏性腸症候群とか、頻繁に下痢しちゃう人とか、大腸炎を起こしやすい人とか。
そういった人たちにも参考になる食事内容が書いてありますので、参考にしてみるといいんじゃないかな?

今回は本文も短いので、さっくり読んでいきましょう☆

                               


今回の記事はDynamic Chiropractic – February 12, 2011, Vol. 29, Issue 04より
Crohn's Disease, Part 2: Other Etiological and Nutritional Management Considerationsを紹介しています。


クローン病パートⅡ:その他の病因と栄養治療の考察


 パート1の記事では、栄養補助を用いたクローン病の治療に関する報告に注目しました。
 これらのサプリメントはクローン病が緩和している時期にのみ用いることで、患者自身の全般的な栄養状態を補強し、腸管壁の細胞の状態を向上し、腸内の善玉細菌を増殖させ、多量栄養素を消化するための適切な消化酵素を出す手助けになり、炎症性エイコサノイドやサイトカインの産生を抑制し、血管壁の基底膜を正常なものにし、さらに免疫細胞を適切にすることで、免疫機能の向上が行われます。これらの生理学的な効果はクローン病を含む、その他の炎症性腸疾患を有する場合においても効果的な影響を及ぼします。

 炎症発作期では、患者にはサプリメントの摂取をやめるよう指示し、治療においては患者の担当栄養士や家庭医の食事指導に必ず従わないと、炎症期にサプリメントを摂取することは、腸壁を刺激して状態を悪化させてしまうでしょう。

クローン病のその他の因子

 多くの患者や専門家が疑問に思うのですが、クローン病の腸炎が始まるキッカケとなる最初の場所はどこでしょうか?クローン病を持った一卵性双生児の病態の悪化は、この病気の重要な原因に遺伝的要素があることを確証づける結果をもたらしました。さらに、明確なことに、家族歴の調査によってNOD2/CARD15遺伝子の突然変異がクローン病の感受性遺伝子として強い関連性があることが明らかになりました。クローン病を持つ患者の17~27%の16番目染色体上にNOD2/CARD15遺伝子が存在しました。細胞内レセプターがこの遺伝子をエンコードすることで先天的な免疫機能に関与して、すぐさま病原菌に対して反応します。

 おおよそクローン病を持っている患者全体の3分の1がポリモフィズム化したNOD2/CARD15遺伝子を示します。しかし、この遺伝子を持っている人のすべてがクローン病あるいはその他の炎症性腸疾患に罹患するわけではありません。つまり、遺伝子の突然変異が病気の原因ではなく、この遺伝子があることで炎症性腸疾患やクローン病が発病する感受性が高まります。

 研究者たちはクローン病が発現するには明らかな環境性因子があると示しており、その根本に、この10年間の間にクローン病の罹患率が上昇していることがあります。移民の炎症性腸疾患罹患率が変化しつつあり(例えば、イギリスに移住したアジア人の炎症性腸疾患罹患者が増えている)、また、一卵性双生児においても必ずしもこれらの疾患を有することはありません。研究者が支持しているクローン病(および潰瘍性大腸炎)の仮説は、おそらく食事因子や腸内細菌などによる腸管内抗原による免疫応答の不調の結果で疾患に発展すると考えられています。これに関与して、腸管内抗原に対して免疫細胞が過剰反応を次々と起こすことで、特定の免疫細胞を媒介として腸管内組織の損傷、炎症が起こることから慢性炎症過程が起こっていると考えられています。


クローン病の増悪の引き金となる食事性抗原と毒素

 現在まで、クローン病の発症の主な引き金となる特定の食事性毒素もしくは抗原はないとされています。クローン病患者のいくつかのケースの研究では、健康な人と比較して、病気の前段階にある(クローン病の因子がある)人が過剰な量の精製された砂糖を摂ると、将来クローン病に罹患する危険性が増大します。しかし、一部の研究は1週間しか関連性の調査を行っていません。その他の研究では炎症性腸疾患患者の体内には乳タンパク抗体が循環していることを発見しました。これらのことから、腸内の細胞膜へ血管(腸の)から乳タンパクが漏れ出ることで、乳タンパク抗体反応が体内で起こり、腸のダメージの原因となることが考えられます。

 一部の研究調査によれば、その他の栄養的な特徴として母乳で乳児を育てることでクローン病に罹患する危険性を減らすことが報告されています。一方、喫煙はクローン病に罹患する危険性を増大してしまいます。日本の研究によると動物性タンパク質、総脂質、動物性脂肪の摂取は危険性を増大させ、特にオメガ3脂肪酸に関連するオメガ6ポリ不飽和脂肪酸は日本人においては大きなリスクファクターとしてクローン病と関係しています。

 GinsbergとAlbertは他の研究者と共に小麦と乳製品の二つの食品が、状態の軽度な患者やクローン病の緩解状態(症状が楽になっている)に摂取することでクローン病を本格的に発病させてしまうと報告しています。多くの患者がミルクに含まれるラクトースが原因ではなく、ミルクそのものに耐えられない状態です。また、これらの根拠としてクローン病を持っている患者の腸管には様々な大きさの砂糖の透過性が通常より高く、将来精製された糖を許容量を超えて摂取してしまった際に状態を悪化させることでしょう。


長期間の食事管理

○患者個々の状態増悪の引き金となる様々な食べ物を一度確認しておくべきです。
○魚、特にオメガ3脂肪を含むものは除く、動物性脂肪、総脂肪摂取量、トランス脂肪やコレステロールなどが低い食事を続けること。
○砂糖の摂取許容量を見極めること。
○アルコールを徹底的にやめること。
○すべての乳製品をやめること。
○小麦よりもその他の穀物を使うこととグルテンの含まれていない食物に変えてください。
○生野菜を避けて、刺激の少ない調理法もしくは蒸し野菜を食べてください。
○感受性の高い人にとっては、食物線維の非常に多い食物を避けないと、下痢のキッカケになります。
○鳥の胸肉や茶色い鳥肉、野菜などをオリーブオイルもしくはキャノーラオイルを使ってソテーしてください。
○フライパンの上で油で長くソテーしたものや揚げ物などはやめてください。
○フルーツジュースは2/3が水で1/3がフルーツのような割合で薄めて飲んでください。

クローン病が緩解期(症状が和らぐ時期)もしくは症状が減りつつある状態では、上記のことを検討して患者に食事プランの提案をするべきです。加えて、クローン病の長期マネジメントとして以前に書いた記事からサプリメントプログラムの概要、栄養摂取の概要を提案するべきでしょう。


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病気で苦しんでいる期間は様々なことに気を配って、節制しやすいのではないでしょうか。
一方で、症状が和らいでいる時にお酒やたばこ、あるいは食事の内容に気にかけていない人も多いんじゃないかな?


僕の友人も症状が落ち着いている時にはアルコールを飲んだりしています。それはとてもよくないことで、症状がひどいときにはどうしようと不安に陥ってしまう。負のサイクルを自分自身で作り出してしまっています。


自分自身の体と向き合って、できれば色々な部分で節制したり、改善したりしたいですね。
頑張って続けよう。まずはそこからなのかな?

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コメント

本日の記事も大変勉強になりました。
クローン病で苦しまれている方は比較的に若い方が多いので、症状が良い時に食べるものやタバコを我慢することは思いのほかたいへんなのかもしれませんね。

投稿: E.F野 | 2011年3月10日 (木) 15時56分

E.F野さん。コメントありがとうございます。

今日もアメリカの友人と、先進国、発展途上国の生活に病因があるのは間違いないなぁと話していました。

遺伝的な異常があったとしても、やっぱり病気の引き金になるのは生活習慣ですよね。もっと多くの人に向き合ってほしいなぁと思うばかりです。

投稿: Ctom | 2011年3月10日 (木) 16時37分

これはクローン病以外のあらゆる自己免疫疾患に言える気がします。
勉強になりました。

投稿: ねこ助 | 2011年3月10日 (木) 20時40分

ねこ助さん。コメントありがとうございます。

確かにこの記事のアドバイスは長だけにとどまらず多くの自己免疫疾患にもよい影響を与えてくれそうです。

実際、他の内臓疾患や健康増進のアドバイスとそう大きくは変わらない点もいくつかありますよね。それほど、今の生活習慣が病気と関わっているということでしょうか~

投稿: Ctom | 2011年3月11日 (金) 08時51分

IBDの患者さん(他の疾患の患者さんにもいえることですが)は、どうしても食欲に負けてしまう時があり、特に長い間病気を付き合っている方は自分でコントロールする方法をご存じなので、定期的に飲酒される方も多いと聞きます。

完治が外科的な手段しかない一生付き合っていく病気なので「多少悪くなっても・・」という事なのでしょうか。

投稿: パン子 | 2011年3月17日 (木) 09時33分

パン子さん。コメントありがとうございます。

え~と・・・。僕の読解力がなく申し訳ないのですが・・・

どうコメント申し上げていいのかわからずにいます。すいません。

また、コメントよろしくお願いします。記事を読んでいただいてうれしく思います。

投稿: Ctom | 2011年3月17日 (木) 10時12分

今回も大変参考になるお話を有難うございます。
私もよく下痢になりますので、気をつけなければと思います。
私の家族は、皆おなかが弱い家族ですので、遺伝的なものもあるのでしょうか?
今年の初めに何故か、父に腸の検査を受けろと冗談ながらに言われたのを思い出しました・・・・。
U-----n
気になる

投稿: Maさん | 2011年3月17日 (木) 16時17分

Maさん。コメントありがとうございます。

返信遅くなってしまって申し訳ないです。失礼しました。

腸の問題はかなり根が深いです。遺伝的要素、環境的要素、食事要素。それらが深く絡み合っています。お父さんが検査を勧められるのは、構造的要素という部分で体の組織構造自体に問題があるパターンもありえますしね。

構造的要素は一番ハッキリと分かる部分なので、最初にそれを除外するために検査しておくのもいいかもしれませんね。

まぁ、それにしても栄養や環境などに変化をつけて様子をみていくのもいいものではないかと思います。ひとつひとつですね。効果がなくてもやり続けて行くのが大切だと思います☆

では。またコメントお待ちしております。ありがとうございました。

投稿: Ctom | 2011年3月22日 (火) 16時01分

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