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2011年2月

2011年2月27日 (日)

使わなきゃ衰える!脳とマルチリンガルの関係

2011年2月22日付けで American Academy of Neurology誌 に載った "Speaking Foreign Languages May Help Protect Your Memory(プレスリリース)" によると、「2011年4月9日から同月16日までハワイ、ホノルルで開催される米国神経学会 (American Academy of Neurology) 第63回年次総会で発表される研究によると、2ヶ国語以上話せる人は、記憶障害を発症するリスクが下がる場合があるとのこと。

「生涯にわたって外国語が話せる高齢者の場合、複数の言語が話せると、それによって記憶機能が保護されるようだ」 と語るのは、この研究を行った Magali Perquin博士。同博士らは、以前2ヶ国語から7ヶ国語を話していた、ないしは現在話している、平均年齢73歳の男女230名を調査しました。そのうち認知障害があったのは44名で、他は記憶機能に問題はありませんでした。

この調査の結果、2ヶ国語しか話せない人に比べて、

  • 4ヶ国語以上話せる人は認知障害を発症する可能性が5分の1になる
  • 3ヶ国語話せるとリスクは3分の1に下がる
  • 現在2ヶ国語以上話せる人は、認知機能に損傷を受ける可能性が4分の1になる
ことがわかりました。

このような保護作用が、言語に関する思考能力に限定されるか、他の領域にも効果がみこめるかは、さらなる研究が必要とのこと。

英インデペンデント紙 でもこのテーマを扱った "Learn a foreign language to age-proof your brain" (24 February 2011) という記事を載せています。この記事でも先の研究について同様の内容を紹介するとともに、「たとえ現在母国語しか話せない人でも、いつでもいいからもう1つ外国語の学習を始めれば、脳の働きを助けることになり、アルツハイマー病も防いでくれる」という、我々一般人にはまことにありがたい、カナダ、トロントにあるヨーク大学の研究者 Ellen Bialystok らの研究にも言及しています。さらに、バイリンガルはアルツハイマー病の発症が5年も遅くなる、という "Neurology"誌に発表された別のカナダ人の研究も紹介しています。

そして同記事の締めくくりとして、脳を健康にする他の方法を挙げています。それは、

  • 生涯学習を続ける
  • 健康的な食事をとり続ける
  • 積極的、ポジティブな意識、生活様式を大切にする
  • ゲーム、パズル(チェス、クロスワード、数独、他)などで脳を刺激する
だそうです。

英ガーディアン紙 では、「バイリンガルはアルツハイマー病を長期にわたって抑えることができるし、子供がバイリンガルだと作業の優先順位付けや複数の作業を同時にこなすことが得意になることが研究から示唆される」 という書き出しの "Being bilingual may delay Alzheimer's and boost brain power (Friday 18 February 2011) という記事で、もう少し詳しい内容を載せています。

バイリンガルとモノリンガル(母国語しか話せない人)を比較調査した研究者によると、第2外国語を学び、日常的にその言葉を話していると認知能力が向上し、認知症の発症が遅くなるそうです。さらにその研究から、バイリンガルはアルツハイマー病発症を平均して4年間抑えているし、日曜バイリンガル(つまり学校で習ったレベルの言語能力を休日に使う程度)でも、ある程度脳機能を改善できるとのことです。

前述のカナダ、トロントにあるヨーク大学の研究者 Ellen Bialystok は「日常的に第2外国語を使っているバイリンガルの子供たちは、モノリンガルの子供に比べて作業の優先順位付けや複数の作業を同時にこなすのが得意だ」と語っています。そして米国ワシントンDC で開催された "American Association of the Advancement of Science" の年次総会の席上、「バイリンガルであることは認知機能に効果があるし、脳の働き、特に executive control system という最大級に重要な領域を向上させる。ここは加齢によって衰えることがわかっているのだが、バイリンガルの場合は、人生のどの段階でもこの部分の働きが良い。こういう人は、アルツハイマー病の発症は止められないにしても、長期にわたってこの病気とうまく付き合える」と語っています。

最近 Neurology誌に発表された、アルツハイマー病の恐れのある211名(102名はバイリンガル、109名はモノリンガル)を対象にした同氏の調査では、被験者の認知機能が初めて損傷を受けた年齢に注目しています。それによると、バイリンガルはモノリンガルよりも認知機能に損傷を受けていると診断されたのが4.3年遅かったし、症状が現れたと申し出たのが5.1年遅かったそうです。これについて同氏は、さまざまな言語を切り替えて使うことで脳が刺激され、認知リザーブを増大させるようだとして、次のような比喩で表現しました。「車などにある燃料のリザーブタンクのようなもの。ガス欠になっても、予備があればもっと長く走れる」そして、この効果がもっとも大きいのは、日常的に言語を切り替えて使っている人だが、学校で習った外国語の練習を積み重ねても効果がある。塵も積もれば山となるのだと言っています。

他にも Penn State University の心理学者 Judith Kroll が同様のテーマで研究しています。その研究によると、無意味な情報を切り捨てて重要な詳細の集中するといったような、思考能力を使う作業の出来では、バイリンガルはモノリンガルを凌いでいたし、作業の優先順位付けや複数の作業の同時進行もも得意だったそうです。これは、複数の言語を話すことは脳を健康に保ち、思考機能を高めるという見方を支持しているとのこと。

「塵も積もれば山となる」ことが研究で明らかになったのは、我々一般人にとってはまことに心強い限りです。何かを習得しようという意欲を持ち、地道に習得し続けること、そして健康的な食事をとり、ポジティブな意識と生活様式を大切にすること、さらに脳を刺激し続けること。これを生涯の習慣にすれば、ある意味、脳の運動になるということでしょう。

3ヶ国語も4ヶ国語も習得するのは、かなりハードルが高いですが、英語なら他の言語に比べて環境的には十分整っていると言えるかもしれません。

できる限り長い間介護する側でいたいものですが、そのためには身体と共に脳も健康でいなければなりません。それには日頃の地道な脳の運動が必要ということでしょう。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2011年2月24日 (木)

栄養補助がクローン病や腸疾患を緩和するかも?

疾患を持っている人は年々増えているという話があります。以前から、学生の頃は学年に数人は腸の問題を持った子供がいたように今では思います。


メラトニンと過敏性腸症候群の記事内でも書きましたが、睡眠と腸は関係が深い。けれども、気がついていない人は結構いるのではないでしょうか?


今回の記事はCrohn's Disease: Nutritional Consideration(Dynamic Chiropractic January 29, 2011, vol.29, issue 03)を紹介します。

直訳すると「クローン病:栄養的考察」と言う感じでしょうか。
内容の感じとしては、クローン病に限らず、様々な腸の問題に関しても参考になりそうな話が載っています。


では、いってみましょう☆

続きを読む "栄養補助がクローン病や腸疾患を緩和するかも?"

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2011年2月22日 (火)

トランス脂肪ってなに?

先日の NHK ニュース で、トランス脂肪について、「とりすぎると心筋梗塞などの危険性を高めると指摘されている「トランス脂肪酸」について、消費者庁は、炭水化物やたんぱく質といったほかの栄養成分と同じように表示することを食品会社などに求める指針をまとめました」と報じていました。そこで、一般人の目線からトランス脂肪について少し勉強してみました。

wikipedia のトランス脂肪酸の項目 には、次の記述があります。

... トランス脂肪酸は、天然の植物油にはほとんど含まれず、水素を付加して硬化した部分硬化油を製造する過程で発生するため、それを原料とするマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどに含まれる。多量に摂取するとLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させ心臓疾患のリスクを高めるといわれ、2003年以降、トランス脂肪酸を含む製品の使用を規制する国が増えている。
"Trans Fat: The Time Bomb in Your Food"(トランス脂肪:食べ物に含まれる時限爆弾) (Souvenir Press £8.99) という本の著者マギー・スタンフィールド (Maggie Stanfield)が Ezine@rticles に寄せた "The Trans Fat Time Bomb"という記事(2008年4月26日公開)には、トランス脂肪に関することが、我々一般人にもわかりやすく書かれています。要約すると次のようになります。(ちなみに、"Trans Fat: The Time Bomb in Your Food" という本はアマゾンでも売ってますね。冷蔵庫の絵の表紙が一見楽しげですが...)

工業生産されているトランス脂肪のことで何を知っているだろうか。栄養学の専門家や医者でもない限り、「なーんにも知らない」という人がほとんどだろう。トランス脂肪は極秘なのだ。食品製造業界や外食産業も秘密にしたがっている。消費者の圧力に負けて自発的に使用量を減らしているところもないわけではないが、法的な規制は皆無だ。

これまでの道のり

トランス脂肪というのは、植物油を煮沸した際にできる死の副産物である。そもそもの始まりは、20世紀初頭にさかのぼる。当時ロウソクなどに使われていた獣脂は大変高価だった。そこでドイツ人 ウィルヘルム・ノーマン氏 は、なんとか代わりになるものを作ろうとしていた。そして綿実油にニッケルなどの触媒を混ぜて摂氏260度まで煮沸し、それを冷やすと固まることを発見した。1903年(wikipediaの記述では1901年)、こうして氏はロウソクの蝋の代用品を作り出した。これはロウソクとしては申し分なかった。しかしこのノーマン氏、自分の発明品を人が食べるようになるとは予想していなかった。

この特許をノーマン氏から買い取ったのがプロクター・アンド・ギャンブル社。同社はそれを元に、すぐさまクリスコ (Crisco) という商品名でショートニングを売り出した。これは焼き菓子などにうってつけで、日持ちもした。

問題点が明るみに

しかし問題があった。植物油から硬化油脂 (HVO、PHVO) を製造する工程が、結果的に人々を死に追いやったのである。トランス脂肪の健康被害が実際に明るみに出たのは、1970年代から1980年代にかけて10年強にわたって実施された Nurses' Health Study である。この詳細な調査の結果、ファーストフード用油脂の女王として知られている硬化植物油や半硬化植物油の危険性は、飽和脂肪の比ではないことがわかった。トランス脂肪を1日2グラム摂取しただけで、心臓病のリスクが23パーセント高まるのである。

現状は

トランス脂肪は固形スープの素、スウィーツ、子供向けのシリアル、ビタミン剤、ドーナツ、レストランの揚げ物、ランチに食べるスナックなど、ありとあらゆるところで使われている。しかし2000年にデンマークがトランス脂肪を使用禁止にし、続いて同年4月にはスイスがそれに倣っただけで、他の国々では、人々はあいかわらず危険な食品をガツガツ食べまくっている。食べているのはロウソクの蝋だとは、役人も外食産業もレストラン業界も、誰も教えてくれない。トランス脂肪は心臓病のリスクを5倍高めるばかりか、2型糖尿病、ある種のガン、不妊、炎症性疾患、肥満、インスリン耐性にも関与している。

トランス脂肪の禁止決定に力を発揮したデンマークの心臓専門医ステイン・ステンダー教授はこう言う。「2000年に禁止してから2005年までの間に、この国(つまりデンマークのこと)の心臓病発症率は20パーセント低下した。これだけ証明されれば、効果のない食品表示や自主規制などやめにして、EU域内の食品産業ではトランス脂肪はいっさい使わないという公平な条件を導入するのに十分だ」


米国心臓学会 (American Heart Association) に載っている "Trans Fats Q&A" では、トランス脂肪を次のようにわかりやすく説明しています。
トランス脂肪とは何か?
トランス脂肪は、植物油に水素を添加して固めるという工程で工業的に生産されるもの。別名「硬化植物油」ともいう。

トランス脂肪を利用する企業があるのはなぜか?
製造する食品にトランス脂肪を使いたがるのは、トランス脂肪が使いやすく、安価で作れるし、日持ちがするからである。味も食感も良くなる。多くのレストランやファーストフード店ではトランス脂肪を使って揚げ物を作っているが、それはトランス脂肪を使った揚げ油は何回でも使えるからだ。

トランス脂肪は健康にどう影響するのか?
トランス脂肪は悪玉コレステロール (LDL) を増やし、善玉コレステロール (HDL) を減らす。またトランス脂肪を摂取すると心臓病や卒中を発症する危険が高まる。それに2型糖尿病になる危険も高まる。

トランス脂肪はどういう食品に入っているのか?
トランス脂肪が入っている食品はたくさんあるが、特にフライドポテトやドーナツといった揚げ物、ペストリーやパイ生地、ビスケット、ピザ生地、クッキー、クラッカーなど焼いた食品、それにマーガリンやショートニングに含まれている。

1日に摂取していい量はどれくらい?
米国心臓学会では、摂取するトランス脂肪量は、1日の総摂取カロリーの1パーセント未満にするよう勧告している。つまり、1日に2000カロリー必要なら、トランス脂肪に起因するカロリーは、そのうちの20カロリーだけにすることだ。ということは、トランス脂肪は1日2グラム未満ということだ。ただし天然のトランス脂肪も毎日口にしているだろうから、その量を考えると、工業生産されたトランス脂肪が割り込む余地は実質的にはまったく無い。
なお「天然のトランス脂肪」というのは、このサイトでは「牛肉やラム、乳脂肪など、ある種の肉や乳製品にもとから含まれている少量のトランス脂肪のことだが、コレステロールレベルに対して、工業生産されているトランス脂肪と同じ悪影響があるかどうかは不明」と説明しています。

さらに 最近スペインの研究者らが12000名を対象に平均6年間にわたって行った研究 を伝える Medical News Today の記事(2011年1月27日付け) によると、トランス脂肪を摂取すると「欝(ウツ)」の危険が高まるそうです。


この研究では、初めに136項目におよぶ食物の摂取頻度、および医療情報に関する調査を行い、そのデータから脂肪酸(飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、トランス不飽和脂肪酸)と調理用油脂(オリーブ油、バター、マーガリンなど)の摂取量を推計した。さらに欝の症例数を数えた。研究の開始当初、欝の症例はなかったが、研究の終わりには657例が報告された。

この研究から、トランス脂肪を多く摂取している被験者は、そうでない被験者に比べて、欝の発症リスクが48パーセント高くなっていることが判明した。さらに、トランス脂肪の摂取量が増えればこのリスクも高まるという用量反応関係があることもわかった。「トランス脂肪の摂取と欝の関係は決定的だ。... この研究から、循環器系疾患と欝には、脂質の種類に関わる共通の決定要因があることが考えられる。」と研究者らは結論づけている。

さらに、対象の被験者が摂取したトランス脂肪は平均して少なかった(総エネルギー摂取量のわずか0.4パーセント)にもかかわらず、「観察によると、欝にかかるリスクは50パーセント近く高まっている」と研究者は指摘している。

ごくごく大雑把に言えば、工業的に大量生産されている食品にはトランス脂肪が含まれている可能性が高いということになりますから、ある意味、トランス脂肪はタバコ以上に始末が悪いですね。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

-----屋台ブルーの追記(2011/2/23)-----

ここライフログでも、折に触れて話題にしているトランス脂肪酸の解説をfumixieさんにしていただきました。私もトランス脂肪酸の開発の歴史に関して知らなかったので、詳しい説明ありがとうございました。

動物性脂肪の摂りすぎを止めるため、さらに商業的に安価で大量生産できるという理由から本来液状の植物性の油を固めたトランス脂肪酸、Nurses' Health Studyは有名で、1990年代からトランス脂肪酸による健康障害は相次いで報告されている。

全米では、2006年1月1日から表示の義務化が実施され、2007年7月1日からニューヨークのレストランでは、トランス脂肪酸の使用も禁じられた。大手の外食産業でもトランス脂肪酸の使用を控えるようになった。有名なところで、スターバックスやマクドナルドは、トランス脂肪酸不使用を表明している。実は、日本の店舗もトランス脂肪酸の使用を止めたので、当時、日本のニュースでもとり挙げられた。消費者庁のコメントは、確か、日本でのトランス脂肪酸の消費量は絶対量が少ないため規制はしないというものだった...

やっと国内でも表示の義務化なんですね。本当に日本の対応は遅い...

当時のライフログの関連エントリーを覗いてください。

トランス脂肪酸 > トランス脂肪酸と心臓発作(2008年7月1日)

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2011年2月17日 (木)

食物繊維はやっぱりスゴい!

20011年2月15日付けの "Fiber-Rich Diet May Reduce Death Risk" では、今週公開された "Archives of Internal Medicine"誌 オンライン版 に掲載された "Dietary Fiber Intake and Mortality in the NIH-AARP Diet and Health Study" というレポートを取り上げて、食物繊維、特に全粒(つまり未精白の)穀物の食物繊維が豊富な食事をとると、循環器系疾患、伝染性疾患、呼吸器系疾患による死亡リスクが抑えられる場合があると伝えています。

この研究を行った米国メリーランド州ロックビルにある 米国立癌研究所 (NCI: National Cancer Institute) と AARP の研究者らは、9年間の研究で、食物繊維が全死因死亡リスクの低下に関係していることも発見した。

男女合わせて388000名に関するデータをもとに計算したところ、もっとも多く食物繊維を摂取した上位20パーセントの人たちと、もっとも摂取量が少ない下位20パーセントの人たちを比較すると、前者(1日あたり男性で29.4グラム、女性で25.8グラムは後者(1日あたり男性で12.6グラム、女性で10.8グラム)よりも死亡する可能性が22パーセント低かった。

論文によると、食物繊維は果物や野菜、全粒穀物など植物性食物に含まれており消化されにくい。この食物繊維が豊富な食事をとると、心臓疾患、ある種のガン、糖尿病および肥満のリスクを下げると考えられるとのこと。

衆知のことだが、食物繊維は炎症を抑えるし、腸の動きを助け、血圧を下げる。それにコレステロールを減らし、血中のブドウ糖量を改善し、ダイエットを促進してくれる。さらにガンの原因になる可能性のある物質と結びつくので体外に排出しやすくなる。

研究者らは他にも、次のことを見出した。

  • 食物繊維の摂取量が多い方が、循環器系疾患、伝染性疾患、呼吸器系疾患で死亡するリスクが、男性で24パーセントから56パーセント、女性で34パーセントから59パーセント低下した。
  • 男性に限ったことだが、摂取する食物繊維が増えるほど、ガンで死亡するリスクが低下した。
  • 男女を問わず、他の何よりも穀物の食物繊維が豊富な食事と全死因死亡および死因別死亡の間には深い関係があった。
「食事の摂取量の測定誤差を考慮しても結果は同じどころか、関係は強固にすらなった」と研究者らは言う。さらに「食物繊維は循環器系疾患や伝染性疾患、呼吸器系疾患による死亡リスクを下げる場合がある。食物繊維が豊富な食べ物をもっとひんぱんに選ぶようにすれば、健康上大きなメリットが考えられる」と結論づけている。

この研究者らが使ったデータは、1995年から1996年にかけて行われた "National Institutes of Health-AARP Diet and Health Study" に参加した男性219123名、女性168999名から得られた。そして平均9年間の追跡調査の結果、男性で20126名、女性で11330名が亡くなっている。

同じ研究を伝える Businessweek誌"Diet High in Fiber Might Lengthen Your Life" という記事ではさらに、ハーバード大学公衆衛生学部 (Harvard School of Public Health) の栄養学と疫学の教授 Frank B. Hu博士の次の言葉を載せています。「この研究は、食物繊維をたくさん摂取することを推奨している現在の食事ガイドラインを支持する新たな証拠だ」

同誌には、米国コネチカット州ダービーにあるグリフィン病院 Center for Cancer Care の食事療法士で栄養学者、運動生理学者そして臨床栄養コーディネーターでもあるサマンサ・ヘラー (Samantha Heller) が、この研究について次のようなコメントを寄せています。「決め手は全粒穀物だ。運動したりタバコを吸わないのはもちろんだが、加工肉中心で果物や野菜の摂取量が少ない人よりも健康的なライフスタイルを送るうえで先立つのは、食物繊維が豊富な食事、たとえば全粒穀物や野菜、果物、豆類、ナッツなどをとることなのかもしれない。自分の食事に健康的で食物繊維が豊富な食材を加えるという簡単な方法で、循環器系疾患やガン、糖尿病といった、とても恐ろしい重篤な疾患が避けられれば最高じゃないだろうか

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2011年2月15日 (火)

ベリー類とパーキンソン病

"Eating Berries May Lower Risk of Parkinson's" が伝えるところによると、ベリー類を定期的に食べている人は、男女を問わずパーキンソン病のリスクが下がることが新しい研究から明らかになったそうです。また男性の場合、リンゴ、オレンジなどフラボノイドが豊富なものを定期的に食べれば、一層リスクが低下するとのことです。フラボノイドはまとめてビタミンPと呼ばれることもあるそうで、ベリー類、チョコレート、グレープフルーツなど柑橘類にも含まれています。

2011年4月9日から同月16日まで米国ホノルルで開かれる "米国神経学会(American Academy of Neurology)の第63回年次総会で発表されるこの研究では、20年ないし22年にわたり、49281名の男性と80336名の女性を追跡調査した。被験者にはアンケートを実施し、データベースを使ってフラボノイドの摂取量を計算した。そしてフラボノイドの摂取量とパーキンソン病の発症リスクの関係を分析した。また同時にフラボノイドを豊富に含む5種類の主な食材、つまりお茶、ベリー類、リンゴ、赤ワイン、およびオレンジまたはオレンジジュースの摂取状況も分析した。

調査期間の間に805名がパーキンソン病を発症した。男性では、フラボノイドをもっとも多く摂取した上位20パーセントは、フラボノイドの摂取量が最低だった下位20パーセントよりも、パーキンソン病を発症する可能性が40パーセントほど低かった。女性ではフラボノイドの摂取とパーキンソン病の発症全般に関する関係は見られなかったが、フラボノイドの種類に着目すると、アントシアニンは主にベリー類から摂取されるものだが、男女両方について、この物質とパーキンソン病のリスク低下には関係が見られた。

「これはフラボノイドとパーキンソン病の発症リスクの関係を人間で調べた初めての研究だ。この研究結果から、フラボノイド、特にアントシアニンに神経保護作用のあることが示唆される。これが確認されれば、パーキンソン病の発症リスクを下げるうえで、自然で健康的な手法になるのではないか」と研究者は語っています。

ブルーベリーをはじめ、ベリー類が秘めている力は侮れませんね。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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喫煙と筋萎縮性側索硬化症の関係

amyotrophic lateral sclerosis (ALS: アミオトロフィック・ラテラル・スクレローシス)、またの名を「筋萎縮性側索硬化症」。世界的に著名な物理学者スティーブン・ホーキング博士が患っている病気ということでご存知の方も多いのではないでしょうか。

この病気については、wikipediaにある筋萎縮性側索硬化症の冒頭に次のような記述があります。

重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患で、運動ニューロン病の一種。きわめて進行が速く、半数ほどが発症後3年から5年で呼吸筋麻痺により死亡する(人工呼吸器の装着による延命は可能)。治癒のための有効な治療法は確立されていない。
このようにきわめて恐ろしい病気ですが、2011年2月14日付けで Medical News Today に掲載された "Cigarette Smoking Associated With Increased Risk Of Developing ALS" という記事によると、喫煙によって「筋萎縮性側索硬化症」の発症リスクが高まるのだそうです。

"Archives of Neurology"誌の2月号に "Smoking and Risk of Amyotrophic Lateral Sclerosis"(喫煙と筋萎縮性側索硬化症のリスクについて)という論文が発表されており、Medical News Today に載ったこの記事 はこの論文のことを伝えています。それによると、


筋萎縮性側索硬化症 (ALS) は運動ニューロンの神経変性疾患で、米国では毎年5500名以上が発症している。ALS には治療法が無い。処置法が無いことはないが効果は限定的。ALS の症例の9割は散発的で、原因はおそらく環境的なものだろうが、いまだ不明である。

米国ボストンにあるハーバード大学公衆衛生学部(Harvard School of Public Health)の Hao Wang, M.D., Ph.D. らのチームは、喫煙と ALS の関係を調べるため、合計で100万人以上から得られた長期にわたる5種類の研究データを分析した。追跡期間は7年から28年間。この5種類の研究を組み合わせてみると、ALS の割合は年齢とともに上昇した。そして全体としては女性よりも男性の方が多かった。またこの研究が始まるまでタバコを吸っていた人は、それ以外の人よりも ALS のリスクが高かった。研究中も喫煙していた人は42パーセント、タバコをやめた人は44パーセント、各々リスクが高まっていた。

また同記事によると ALS の発症リスクには、他にもタバコの箱年、1日あたりの喫煙本数、および喫煙期間も影響を与えるそうです。ちなみに「タバコの箱年」というのはタバコの消費量を表す単位で、ざっくり言えば1日に吸ったタバコの箱数とその箱数を吸いつづけた喫煙期間の積だそうです。ですから単位は当然「箱年」になりますね。たとえば1年間ずっと1日に2箱の割で吸っていれば 2 x 1 = 2(箱年)ということになるのでしょう。
ALS の発症リスクは、1日あたりの喫煙本数が10本増すごとに10パーセント高まり、喫煙期間だと10年ごとに9パーセント増加した。しかし喫煙経験の無い人を除外すると、この関係は変わってくる。また喫煙者の中でも、喫煙開始年齢が下がるほど ALS の発症リスクは高まった。
この研究の研究者は、「喫煙が ALS の発症リスクに影響を与える仕組みはいくつか考えられる。たとえば一酸化窒素をはじめタバコの煙に含まれる物質(タバコの栽培に使われた殺虫剤の残存物質など)や酸化ストレスが直接ニューロンに損傷を与えるということもある。タバコの煙に含まれる化学物質は遊離基を発生させ、脂質を過酸化する。それに喫煙者はビタミンC(主要な抗酸化物質)の代謝回転が高い。2008年には、喫煙による燃焼生成物の副産物であるホルムアルデヒドにさらされると ALS の発症リスクが高まると考えられるという報告もある」と語っています。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2011年2月 4日 (金)

肥満男が減量手術の適応になるために太る

Weight_loss_surgeryNewlogo

医療システムの歪みをとり挙げた記事が本家Diet Blog(ダイエットブログ)に載っていたから紹介しよう。これとよく似た状況に立たされた事あるかな?この記事にMcCloud氏の担当医のコメントが載っているけど、この文章だけでは、彼の本意が分かりかねる。しかし、McCoud氏の未来は本当に胃バイパス術にかかっているのだろうか?やれることは全てやったと言っているけど何をしたんでしょうね...

肥満男が減量手術の適応になるために太る
Obese Man Gains Weight to Qualify For Surgery

アニメの「シンプソンズ」ファンなら、およそ1990年代中頃に放送されたエピソード、ホーマーが身体障害者になるために体重を増やそうとした話を思い出すかもしれない。

いやあ、この英国の男も、減量手術の適応になるために同様の試みをしている。

Darin McCloud氏は、体重が127kgあるけど、近くの医療機関では、体重が133kg以上でBMI値が45を越さなければ、胃バイパス手術の適応にならないという。

McCould氏は、毎日3/4斤のパン、フライドポテトを4パック、ベーコンを一塊食べて、手術の受けられる体重に増やそうとしている。

170cmの男は、今のところ体重を6.8kg増やし、BMI値を43.5にしている。

手術をすれば高インシュリン状態から抜け出せるし、他の問題からも救われるだろう... 私は人生で最高の15年間を糖尿病で費やされている、将来も家族の負担になってしまわないか不安に駆られている - それでも、食べるし、自分じゃどうしようもないんだ。

正直、彼がやっている事は理解しがたい。批判する立場じゃないけど、たった1つの選択枝しかないと彼が考えていることに失望してしまう。賢明な方法じゃなく簡単な方法を追い求める - 我々の社会の縮図に、この状況が当てはまるのであれば、更に悲しいことだ。

面白いことに、McCloud氏の担当医は彼の計画に言及していて、こんなことを言っている、

Darinは、できる事をすべてしている。直ぐに手術を受けられないと、職を失うし、将来的に糖尿病の合併に苦しむことになるだろう。

どう思いますか?

私が同じようなジレンマに陥ったら、36キロ以上減量するのなら、6キロ体重を増やすことを選ぶ誘惑に駆られると正直思うだろう。以前にも仄めかした事はあるあけど、我々は、愚かな選択をしても、現代の医療なら、その間違いから救い出してくれると考えてしまうから不幸なのだろう。

システムが歪んでいるという議論をしても、結局のところ、この問題は大きな社会問題を指摘したことになる。

Image Credit: Gastric Weight Loss Surgery

文:屋台ブルー

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2011年2月 1日 (火)

ブロッコリーの抗ガン作用を強化するアレ!

2011年1月発行の "Nutrition and Cancer誌""Sulforaphane Absorption and Excretion Following Ingestion of a Semi-Purified Broccoli Powder Rich in Glucoraphanin and Broccoli Sprouts in Healthy Men" という研究が発表されました。そしてこの研究を伝える Medical News Today の記事 "To Boost Broccoli's Cancer-Fighting Power Team Them Up With Sprouts, Supplements" (29 Jan 2011) によると、ブロッコリーはきわめて強力な抗ガン作用を備えた物質で、週に3人前から5人前食べれば、十分に効果が得られる。ただし正しく調理すればだそうです。

なんとなれば、ざっと要約すると・・・

米国イリノイ大学 (University of Illinois) で行われた新しい研究から、ブロッコリーのこの作用を引き出すには調理と摂取の仕方がとても重要だという確固たる証拠が得られた。それによると、ブロッコリーをブロッコリー・スプラウトと組み合わせれば、その抗ガン作用はほぼ2倍に強化されるのである。

同大学の栄養学教授エリザベス・ジェフリー (Elizabeth Jeffery) はこう言う。「ブロッコリーの効果を引き出すには、ミロシナーゼという酵素が欠かせない。ブロッコリーが持つ抗ガン作用と抗炎症作用を担っているのはスルフォラファンだが、この酵素が存在しないとスルフォラファンは形成されないのだ」

しかし多くの場合、調理のしすぎでミロシナーゼを破壊しているのが実状だ。ブロッコリーパウダーを利用する人もいるが、これにもミロシナーゼが含まれていない場合が多い。研究者によると、これを補完するのがブロッコリースプラウトである。この野菜にはミロシナーゼが豊富に含まれている。一方ブロッコリーパウダーにはこの酵素はないが、多くの場合スルフォラファンの前駆体が含まれている。研究者らは、ブロッコリーパウダーとスプラウトを一緒に摂取すると、スプラウトのミロシナーゼが、ブロッコリーパウダーを元にしたスルフォラファンの形成と吸収を促進するのではないかという仮説を立てている。4人の健康な男性を対象にした小規模なパイロット研究でも、ブロッコリーパウダーとブロッコリー・スプラウトには明らかな相乗効果が認められた。

「ブロッコリー・スプラウトとブロッコリーパウダーを一緒に食べると、スルフォラファンの吸収がほぼ2倍に増加した。つまり被験者の体内でブロッコリーパウダーの代謝の仕方が変化したのだ。この2種類を個別に摂取した場合よりも、血漿と尿にはずっと早期に、しかもずっと大量に代謝産物が見られた」と研究者は言う。「ということは、ブロッコリースプラウトのミロシナーゼは、スプラウトのみならずブロッコリーパウダーの前駆体からもスルフォラファンを作り出したということだ」

スルフォラファンは、他にもマスタードやラディッシュ、ルッコラ、わさびなどに含まれているので、ブロッコリーと組み合わせて効果を高めるといいとのこと。「ブロッコリーには、ブロッコリースプラウトを散らすか、マスタードソースを添えて供すればいいのではないか」と研究者は言っている。「ソースもスプラウトも添えずにブロッコリーを食べるのが好みだという人は知っておくべきだ。ミロシナーゼという重要な酵素にとって加熱しすぎは命取りだ。この酵素と他の栄養素の両方を守るなら、ブロッコリーを2分から4分蒸すのが一番いい」

ブロッコリースプラウトは、スーパーマーケットに行けば、透明のプラスチックケース入りで売ってますね。値段も高いものじゃないし、これほどのメリットがあるなら、お買い得かもしれません。

他にも "US News Source"The Times of Indiathe med guru など、多数のメディアが伝えています。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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