ハチミツとフルクトースは違う・・・という研究
The Journal of Nutrition という雑誌の、やや古いですが2002年11月号に "Substituting Honey for Refined Carbohydrates Protects Rats from Hypertriglyceridemic and Prooxidative Effects of Fructose" という論文が掲載されています。「餌を精製炭水化物からハチミツに置き換えると、ラットは高トリグリセリド血症と酸化促進作用から保護される」ということです。
曰く、
ラットでは、でんぷん質の場合と比べて、餌が多量のフルクトースの場合、酸化促進作用があることが最近の研究結果で示されている。ハチミツにはフルクトースが多量に含まれている。そこでこの研究では、精製炭水化物の代わりにハチミツを使った場合の脂質代謝と酸化ストレスに与える影響を評価することとした。2週間にわたってラットに与えたのは精製された餌で、
- 炭水化物として小麦のでんぷんを65g/100g含んだもの
- フルクトースとグルコースの混合物
- 精製炭水化物の代わりにハチミツを使ったもの
その結果、
- フルクトースをハチミツで与えた場合、フルクトースによる高トリグリセリド血症の影響は見られなかった。
- でんぷんを与えたラットと比べて、フルクトースを与えたラットでは血漿中のαトコフェロール量が低下し、亜硝酸塩と硝酸塩 (NOx) の量が増加した。
さらに、心臓ホモジネート TBARS 濃度が示すように、脂質の過酸化に対する保護も弱まった。
(調べたところ、αトコフェロールというのは、強い抗酸化作用を持つ、ビタミンE成分のひとつで、油に溶けやすいという特徴があり、脂溶性の組織の酸化を防ぐそうです。そこで動脈硬化や脳卒中などの予防に役立つとのことです) - フルクトースを与えたラットに比べて、ハチミツを与えたラットでは血漿中のαトコフェロール量が増加し、αトコフェロール/トリアシルグリセロールの比率が高まった。そして血漿中の窒素酸化物濃度が低下、脂質の過酸化に対する心臓の易罹患性も低下した。
(wikipediaによると、「脂質の過酸化というのは、フリーラジカルが細胞膜中の脂質から電子を奪い、結果として細胞に損傷を与える過程のこと」だそうです。調べたところでは、わかりやすく言うと、脂質の過酸化というのは、あたかも天ぷらの油を何度も使って茶色くなるようなものだそうです。この過酸化脂質が溜まりすぎると、細胞膜が破壊されて細胞が死んでしまうのだそうです)
ハチミツの抗酸化作用の基礎となる仕組みの確認にはさらなる研究が必要だが、食事に含まれるフルクトースをハチミツに置き換えれば、栄養学上の効能が得られる可能性があることを、この研究データは示唆している。
難しいことはともかくザックリ言うと、純粋のフルクトースとハチミツを比べた場合、ハチミツの方が
- ビタミンEの成分(αトコフェロール)が増えた。
- 心臓が脂質の過酸化に対して強くなった。
しかし、さすがはハチミツ。その実力、侮りがたし、という感じでしょうか。
文:fumixie <fumixie@gmail.com>
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コメント
いつも楽しく拝見させていただいております。46才の不健康な私にとってハチミツは万能薬みたいな物です。 前回では質の良い睡眠が得られる上、ダイエットにもなることをしってから、眠る前にハチミチを1スプーンを摂るようにしてます。今回も抗酸化作用等、さらに私にとって良いずくめの食べ物です。 以前夜中2回は目が覚めていましたが、最近は一回なりました。ハチミツ効果より強いストレスがかかっているのかも知れませんが?ストレスと睡眠について良い知恵があったら教えてください。
投稿: メタボマン | 2011年1月21日 (金) 15時09分
メタボマンさん、コメントいただき、ありがとうございます。
夜中に目が覚めてしまう回数が減ったということは、それだけ熟睡できているということでしょうから、嬉しいことですね。良かったです。
さてストレスと睡眠ですが、うーむ、たとえばこの記事の内容を応用してみるのも一つの手かもしれません。
個人的には、渓流のせせらぎの音とかセイシェルやオーストラリアの浜辺に打ち寄せる波の音だけを録音したCD(実際に私が持っているものですが)などを聴きながら、あれこれ空想にふけるというのもいいかも、と思ってます。
"What Is Metabolism? How Do Anabolism And Catabolism Affect Body Weight?"という記事では、安眠を得るコツとして、以下の9点を挙げています。
おそらく他にもあるでしょうし、睡眠は冬眠式プラスハチミツダイエットを支える柱ですから、もう少し追求することにします。
投稿: fumixie | 2011年1月21日 (金) 15時38分
今回も興味深い情報ありがとうございます。
ラットでの研究は人体に投与できる容量の何十倍で検証することがあるようですので、ヒトにおける通常容量での検証結果を待ちたいと思います。
体に良い蜂蜜ですが、健康によい以上に『芳ばしい甘さ』があって、トーストに塗って食べてます。
体に良いものが、自然と美味しく感じるのであれば、それは健康であるとう証しなのかも知れませんね。
投稿: NV-CVM | 2011年1月22日 (土) 12時09分
NV-CVMさん、コメントいただき、ありがとうございます。
記事の最後に「... ただし、あくまでもこの研究はラットを使ったものです。」という一文を載せたのも、そういう意味です。
中には「あの甘さが、ちょっとなあ」という人もいらっしゃいますが、残念というかもったいないというか、複雑な気持ちになります。でも美味しいし健康にいいのはたしかなので、うちではかなり消費しています。1回に1.5kgほど買いますが、減るのが早いです f(^^)
投稿: fumixie | 2011年1月22日 (土) 19時46分