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2011年1月18日 (火)

喫煙すると30分以内にガン化が始まる

BBCをはじめ、Daily MailBusinessWeekTimes of IndiaFox Newsなど、多数のメディアが取り上げている話題です。BBCではどう伝えているかというと・・・

"Smoking 'causes damage in minutes', US experts claim" (16 January 2011)。つまり「喫煙のダメージは分単位でやってくる」ということ。

アメリカでの研究によると、喫煙によって身体は損傷を受けるが、それは何年かのちなどというものではなく、分単位で受けるということです。心臓病からさまざまなガンにいたるまで、喫煙の長期にわたる悪影響はよく知られていますが、この研究が示唆しているのは、タバコを1本吸ったことにより受けるダメージは、その直後(分単位)から始まるということです。

Chemical Research in Toxicology誌 に発表された "Immediate Consequences of Cigarette Smoking: Rapid Formation of Polycyclic Aromatic Hydrocarbon Diol Epoxides" という研究を伝える

BBCのこの記事 によると・・・

喫煙するとすぐにガンの原因となる化学物質が形成される。この研究に関わった研究者らは、タバコを吸おうと考えている人たちには過酷な警告だ、と説明している。反喫煙チャリティAsh (Anti-smoking charity Ash) ではこの結果を「背筋が凍りそうだ」と評しており、今からでもすぐに禁煙すべきだという警告だと語っている。

研究者らが観察したのは、12名の被験者が喫煙後に多環芳香族炭化水素 (PAH) というガンに関与している化学物質の量。被験者のタバコに加えた PAH は体内で変化し、それが DNA に損傷を与える別の化学物質になる。それがガンに関与しているのである。そしてその変化は、わずか15分ないし30分程度で発生することが研究で明らかになった。「これは優れた研究だよ。ヒトの体内におけるPAH、とりわけタバコの煙を吸いこんで吸収されたPAHの代謝を調べた初めての研究だ。おまけに空気汚染や食事といった他の要素が干渉していない。報告されたこの結果は、タバコを吸おうと考えている人たちに対する過酷な警告として扱うべきだろう」と言うのは、米国ミネソタ大学 (University of Minnesota) の Stephen Hecht 教授。

Ash(Action on Smoking and Health) の政策・研究ディレクタ Martin Dockrell氏はこう言う。「喫煙が肺ガンの原因だということを知らない人はほとんどいない。しかしこの研究でゾッとするのは、ガン化の第一段階がきわめて早期に始まることだ。30年なんてものじゃない。調査対象の被験者全員で、タバコを1本吸うと30分以内にガン化の第一段階が始まるのだ。このプロセスはすぐに始まるが、禁煙に遅すぎることはない。早くやめれば、それだけ早く害を減らせるのだ」

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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コメント

ご無沙汰しております6000344です。喫煙の怖さについてはわかっているもののやめれない方がいまだに多いのは残念です。健康に関連する仕事にたずさわっているのに私の周りに喫煙している人が多いのは・・・ちょっと悲しいですね。もちろん私は吸いませんが・・・。

投稿: 6000344 | 2011年1月19日 (水) 07時19分

6000344さん、コメントいただき、ありがとうございます。

単なる個人的な推測ですが、喫煙者一人ひとりにとって、喫煙の危険性は依然として「対岸の火事」のままなのではないかという気がしています。「やめたいけどやめられない」というのは、心の奥底では、「自分は大丈夫。だからやめるつもりはない」という思いの表れのように感じます。

心の中には様々な思いや考えが常にふつふつと沸き上がっていますが、意識しているかしていないかにかかわらず、その中で特に突出して強い思いが行動に現れるものですよね。

"Third-Hand Smokeの新たな危険性" で紹介した元記事でも、タバコの煙は室内の空気を「汚染」していると書かれているように、"Third-Hand Smoke" まで考慮すると、タバコはもはや嗜好品とは言えませんよね。明らかに周囲に毒物をまき散らす環境汚染物質だと思います。

投稿: fumixie | 2011年1月19日 (水) 11時03分

今回の発表は大変ショッキングな記事です。

文中にある
『被験者のタバコに加えた PAH は体内で変化し、それが DNA に損傷を与える別の化学物質になる。』
の部分ですが、
単に化学物質が細胞内に蓄積し、癌化するものと思っていましたが、DNA自体を傷つけるとなると、紫外線や放射能と同じインパクトがあるという事だと思います。

紫外線防止や原発事故には敏感なのに、喫煙には鈍感・・・
ファイザー社のニコチンが与える快楽中枢をブロックする、禁煙補助剤ではないですが、喫煙によってもたらされる快楽を絶たなければ、喫煙者は喫煙を正当化してしまうのでしょうね。

アルコールも同じく身体的、精神的依存を誘発します。
公に販売されているものが、必ずしも人に良いものばかりとは限らないのですね。

今後もLIFE-LOGにて自己判断ができるように、情報収集を継続していきたいと思います。これからも健康に関する有益な情報発信を宜しくお願いします。

投稿: NV-CVM | 2011年1月22日 (土) 12時03分

NV-CVMさん、コメントいただき、ありがとうございます。

「喫煙者は喫煙を正当化する」というのは、まったくおっしゃるとおりだと思います。そして正当化するために、禁煙しない、あるいは禁煙できない理由をなにかしらでっち上げるものです。その奥にあるのは、「禁煙なんかしたくない」という思いなのでしょう。そういう人にとっては、サード・ハンド・スモークで我が子が危険にさらされても、あるいは自分自身の身体のガン化が即座に進行したとしても、いずれも対岸の火事なのかもしれません。

投稿: fumixie | 2011年1月22日 (土) 19時27分

初めてコメントします。ある県の特別支援学校に勤務しています。職場の喫煙環境が悪く困っています。職員室のすぐ近くに喫煙者が作った喫煙所(周囲をすだれで囲い、イスがしつらえてある)があり子どもたちを迎える直前まで喫煙をして、煙草臭い息、体で子どもたちに接しています。また、喫煙の時間帯が集中していて職員室にっ戻ってきた人たちの呼気がとても臭います。去年5月までは灰皿も常設してありました。灰皿の撤去、喫煙所の往復は遠回りしてもらうなど少しずつ改善してもらってきましたが、喫煙者にとっては私がうるさいことを言っているとしか思われていません。
それを証拠に管理職は授業時間中にこっそり喫煙しているし、寒くなってくると以前の最短ルートで喫煙所にいく人もいます。
子どもたち、非喫煙者の人権って守られているのでしょうか?それとも私が過剰に反応しているだけなのでしょうか?

投稿: エルトン | 2011年1月30日 (日) 16時27分

エルトンさん、コメントいただき、ありがとうございます。

私個人としては、エルトンさんが過剰反応しているとは思いません。エルトンさんは、おそらくタバコの害を十分認識なさっているため、そしてその害から子供たちを守るため、しごく当然なことをなさっているだけなのだろうと想像します。何かを伝える場合、そのことを相手がどう受け取るかまで伝える側は責任を持てません。相手は百人百様ですから(想定はできるかもしれませんが)。相手の受け取り方に神経を使うより、伝える本人が、「どのように」相手に伝えるかに自分の思いを込めた方がいいのではないか、と思います。自分が本当に伝えたいことを率直に、かつ優しく、相手への敬意を持って伝え「続ける」ことができればベストですよね。

一方「しごく当然なことをしている」という意味では、(あくまでもそういう意味では、ということですが)喫煙者も同様のことをしているのだと思います。つまり喫煙することによる自分と周囲への悪影響について何一つ認識がない、あるいはわかっていても知らないふりや「対岸の火事」を装い、「喫煙する権利だってある」し、「喫煙するかどうかは個人の自由だ」し、「誰にも迷惑はかけてない」と考えているのではないかと推察します。つまり喫煙は

  1. 自分の健康に害を与えている
  2. 傍にいる人に害を与えている
  3. タバコを吸い終わったあとでも、(サード・ハンド・スモークにより)その場所を利用する人たちに害を与えている
という認識が無いために、いまだにタバコを個人の嗜好品と考えているのではないでしょうか。

長い間タバコに慣れ親しんだ人の中には、禁煙が肉体的および心理的にかなり辛い、と感じる人もたしかにいらっしゃいます。しかしタバコが、喫煙者本人のみならず周囲の人たちにも、しかも吸い終わって時間が経ったあとでも害を与えることは、米国ローレンス・バークレー研究所の研究からも明らかです。WHOもサードハンドスモークの危険性を認識しています。こういったことを地道に伝えつづけることが大切なのではないかと思います。

エルトンさんの考えに賛同してくれる方が他にいらっしゃれば、たとえばその学校に通っているお子さんの親御さんとか、そういう方々とチームを組むということも考えられるのではないかと思います。チームを組めば、パワーは2倍にも3倍にもなります。

何かの参考になれば幸いです。

他の方々、識者の方々は、どうお考えになるでしょうか。ぜひご意見をお聞かせいただければと思います。

投稿: fumixie | 2011年1月30日 (日) 19時29分

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