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2010年11月 8日 (月)

喫煙とすい臓ガンの関係

"Cigarette smoking may boost pancreatic cancer risk - study 31/10/2010" という記事によると、タバコの煙とすい臓ガンのリスク増加には関係があるのだそうです。

曰く


タバコの煙にさらされるとすい臓ガンのリスクが増大するという研究("Active and Passive Smoking and the Risk of Pancreatic Cancer in the Netherlands Cohort Study") が、2010年6月号の "Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention"誌 に発表された。

この研究から、喫煙者および禁煙者は、非喫煙者に比べて、すい臓ガンのリスクが各々82パーセントおよび34パーセント高まることが明らかになった。

オランダ、マーストリヒト大学の研究者らは、1986年に基本的な調査を行った男女120,852名について、能動喫煙、禁煙、受動喫煙がすい臓ガンにおよぼす影響を調査した。そして16.3年間の追跡調査の間に、すい臓ガンの症例が520例確認された。

喫煙期間が10年伸びるごとに、すい臓ガンが15パーセント増加し、1日の喫煙本数が10本増えるごとに、リスクは8パーセント増加した。禁煙するとすい臓ガンのリスクは徐々に減少し、禁煙後20年以上経過すると危険性は無くなった。

受動喫煙とすい臓ガンには、女性では相関関係がなかったが、男性については分析に必要なデータが無かったため影響は不明。

「全体的に言えば、タバコの煙がすい臓ガンの重要なリスク因子になっていることが、この研究で確認された。それに対して禁煙するとリスクは減少した。なお、女性の場合、受動喫煙とすい臓ガンの関係は見られなかった」というのが研究者らの結論。

禁煙後20年経過しないと危険性が無くならないということは、禁煙はいつ始めても遅くないし、早ければ早いほどいいということですね。私の場合は、禁煙してまだ6、7年ですから、すい臓ガンの危険が無くなるまで、あと13年ちょっと。先が長いような、あっという間のような。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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コメント

私の会社では、タバコ値上げと同時に4人が禁煙にチャレンジして、
うち2人が脱落。残る2人は禁煙継続中です。しかも、うち1人は薬を使わずに腕立て伏せやランニングをして、禁煙成功させました。まだ、1ヶ月と少しですが、健康体になったと言っていましたが、あと19年だとしても、まだ道のりは長そうですね


投稿: まるぴょん | 2010年11月 9日 (火) 14時05分

まるぴょんさん、コメントいただきありがとうございます。

そうですか、4名中2名の方が頑張っていらっしゃるんですね。ぜひとも、そのまま続くことを祈ってます。

"ACS "Guide to Quitting Smoking"(禁煙の手引き)より(その1)"から「その10」のどれかに書いてあったと思いますが、禁煙を「続ける」ことも大事なのですが、禁煙当初は、むしろ「禁煙に何度もチャレンジする」ことの方が大切だそうです。なぜなら、1回で禁煙に成功する人は少ないからです。

挫折してもいいんです。大切なのは、間を置かずに、すぐまた禁煙にチャレンジするかどうかです。認知症になったりガンになったりして、自分はもとより家族に多大な負担をかけるかどうかは、そこで決まるのではないでしょうか。

認知症になったりガンになってからでは手遅れですよ、皆さん!!

投稿: fumixie | 2010年11月 9日 (火) 20時25分

 私はタバコを吸わないので影響がないですが、先月の値上げ、今回の健康面での内容等、喫煙者の方にはつらい内容が多いですね。健康のためにはタバコは止めた方が良いんでしょうが、なかなか難しいんでしょうね。

投稿: タケノコ | 2010年11月11日 (木) 10時39分

タケノコさん、コメントいただき、ありがとうございます。

たしかに、禁煙は人によってはかなり辛いようですね。でも禁煙のメリットはその辛さを補って余りあるものですから、チャレンジする価値は充分あると思います。

それに この記事 などにも書きましたが、能動喫煙、受動喫煙以外にも、タバコの煙の悪影響や被害は、たとえタバコの煙そのものが部屋から消え去ったとしても、特に子供、乳幼児にとってはきわめて大きいようです。研究者によれば、発ガン性の残留汚染物質が部屋中に付着しているためだそうです。

「ある研究によると、喫煙者の子供の尿から発ガン物質が検出された」とかいう記事を最近見かけました。

我が子をガンから守りませんか、皆さん。

投稿: fumixie | 2010年11月11日 (木) 17時18分

私は、タバコの煙が嫌いです。このような発表がある度に私は、吸っていなくてよかったと思います。
 少しこの発表で気になったのが、肺がんと膵臓がんはどちらが多いのでしょうか?また、どちらが先になるのでしょうか?少し気になります・・。
 機会があれば調べてみようと思います。
また、書き込みいたします。Maさんより

投稿: Maさん | 2010年11月12日 (金) 17時09分

"Maさん"さん、コメントいただき、ありがとうございます。

"The Third-hand Smoke"のようなことがあると、喫煙しようがしまいが個人の自由、とはなかなか言えなくなるかもしれませんね。

私も思います。「禁煙してよかった!!」

投稿: fumixie | 2010年11月12日 (金) 19時02分

心、脳、膵・・・・ほぼ全身に至る有害な結果が起こりえるのに、喫煙者がゼロにならないのは、それほどニコチンへの依存度が高いからではないでしょうか。

人体に有害であるSTUDYは多数挙げられますが、ニコチンへの依存や、喫煙に至るまでの防止策を説いた情報が少ない気がします。

また、禁煙補助をインフルエンザワクチンのように、国や自治体が補助をすれば、長期的に見れば医療費の抑制効果に繋がると思います。

目先だけのタバコ税を徴収するのではなく、国家は国民のQOLを考えてほしいものですね。

投稿: NV-CVM | 2010年11月12日 (金) 21時13分

NV-CVMさん、コメントいただき、ありがとうございます。

たしかにおっしゃるとおり、タバコを吸わないようにする方策というのは少ないですね。

喫煙者が減らないのは、「喫煙の弊害が徐々に現れるから、危険だよと言われても、ピンと来ない」ということもあるかもしれません。たとえばタバコを吸うと12時間以内に確実に肺ガンになるとしたら誰も吸わないでしょうが、そうではないですから、喫煙の弊害は対岸の火事のように感じるのではないでしょうか。

仮にタバコを吸うと100%肺ガンになるとしても、それが10年先、20年先だったら禁煙する気になるでしょうか。

こうなると「人の考え方はいかに近視眼的か」ということになるのかもしれません。

投稿: fumixie | 2010年11月12日 (金) 23時54分

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