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2010年10月 2日 (土)

難聴と葉酸の関係

歳をとると次第に耳が遠くなる、というのは周囲でもよく見られますが、本当の原因は何か、というのがこの記事 "Age related hearing loss halted with folate nutrient September 30, 2010" の内容です。で、この記事によると、どうもビタミンB群、とりわけ葉酸が欠乏するためじゃないか?ということのようです。


葉酸については、Life-LOG でもこれまでに屋台ブルーさんが 「葉酸摂取は大腸ポリープの再発予防にならない」「葉酸サプリメントは発癌リスクを上げる:研究報告」 などで取り上げていらっしゃいますので、併せてご覧ください。

たとえば、

  • オランダ、Wageningen 大学の研究者らが、2007年に50歳から70歳までの男女728名を対象に行った研究によると、葉酸のサプリメントを摂取することによって、低周波領域の加齢性難聴の発症がかなり遅れました。

  • 先年米国サンディエゴで開かれた American Academy of Otolaryngology - Head and Neck Surgery Foundation (AAO-HNSF) の年次総会の席上、60歳以上の男性が食物やサプリメントで葉酸をたくさん摂取すると、難聴にかかるリスクが20パーセント低下する証拠をボストンの研究チームが論じています。


オーストラリア、シドニー大学の研究者らが行った "Blue Mountains Hearing Study" と呼ばれた新しい研究でも葉酸と聴力の関係が明らかになっています。曰く、

血中のビタミンB量が少ないと、難聴にかかるリスクが著しく増加します。この研究は、最近 "Journal of Nutrition" に発表されました。50歳以上の被験者2956名を対象に、血中のビタミンB12、葉酸、ホモシステインの量を測定し、その結果と難聴の関係を調査したところ、葉酸が少ない人(血液1リットルあたり11ナノモル未満)は難聴のリスクが34パーセント高まりました。さらに、アミノ酸ホモシステイン量が増加する(血液1リットルあたり20マイクロモル以上)と、難聴のリスクは64パーセント増加しました。

これまでも、ホモシステイン量が過剰になると、それにともなって心臓病や記憶障害のリスクが高まることはわかっていました。それに内耳への正常な血流が妨げられるとも考えられています。ホモシステインと難聴の関係は、これで説明できるかもしれません。さらに「血中のホモシステイン量を正常に保つには、そのための充分なビタミンBが必要だ」というのが、これまでに行われたたくさんの研究から得られる結論です。


で、現実の生活で知りたいのは、葉酸はどういう食材に含まれているかですが、 このサイト によると、レバー、とりわけ鶏のレバーが断トツですね。レバ刺しなんかもってこいかもしれません。葉酸は熱に弱いそうですから、焼き鳥のレバーは、この点では NG かもしれませんね。あとは、うに、枝豆、モロヘイヤ、パセリ、ホウレンソウ、菜の花、春菊、卵、納豆、ブロッコリーといったところでしょうか。意外にも煎茶の茶葉にもかなり含まれているようです。熱に弱いということは、葉物野菜のおひたしも NG なんだろうか?

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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コメント

今回もブログを拝見させて頂きコメントいたします。

People with low levels of folate (below 11 nanomoles per liter) had a 34% increased risk of hearing loss.

驚きの研究報告です。
難聴に葉酸が関与しているとは初めて知りました。

葉酸を調べてみると、
葉酸はアミノ酸や核酸の合成に必要となる補酵素であるため、細胞分裂の盛んな箇所において欠乏症が現れやすい。
症状は、貧血、免疫機能減衰、消化管機能異常などが見られる。でした。

蛋白原を摂取しても分解合成する葉酸が不足すると、意味がないのですね。
幸い野菜は採るなので欠乏症にはなりませんが、アルコールの摂取でで葉酸の吸収と代謝が阻害されるようですので、飲みすぎには気をつけたいと思います。

語源はホウレンソウの葉で、ラテン語で folium と呼ばれることから葉酸 (folic acid)となっていました。
乳酸菌の増殖に葉酸が関与していることが発見のきっかけです。

さりげなく食べている鳥のレバーに葉酸が多量に含まれているのなら、『珍味』ではなくレバーのような『健康食』にコストをかけていきたいと思います。

ジャンクフード世代の精神疾患、アレルギー・・・・
偏った食生活からもたらされる疾患が増加する中、
もはや『必須健康維持食』という分類を定義付けてもよいぐらいかも知れませんね。

ちなみに、
調理や長期間保存による酸化によって葉酸は壊れるため、新鮮な生野菜や果物が良い供給源となる。との事です。
ご参考下さい。

投稿: NV-CVM | 2010年10月 3日 (日) 23時13分

NV-CVMさん、コメントいただき、ありがとうございます。

なるほど。「葉酸はアミノ酸や核酸の合成に必要となる補酵素であるため、細胞分裂の盛んな箇所において欠乏症が現れやすい」ということは、育ち盛りには欠乏しやすい、とも言えるのでしょうか。

さらに「アルコールの摂取でで葉酸の吸収と代謝が阻害されるようです」との情報は、人によっては f(^^) 重要ですよね。

レバーって、好き嫌いがはっきり分かれそうな食べ物のような気がしますね。私も、どちらかというとあまり好きではありません。やはり「新鮮な生野菜や果物が良い供給源となる」、これですよね!!

投稿: fumixie | 2010年10月 4日 (月) 15時18分

ビタミンB12が難聴に良いというのは聴いたことがあります。

レバーですか・・
あまり好んで食べることは少ないです。。。
「新鮮な生野菜や果物が良い供給源となる」
これが一番ですね(笑)

投稿: E.F野 | 2010年10月 6日 (水) 14時50分

E.F野さん、コメントいただき、ありがとうございます。

そうなんですよ、レバーって、どうも食べずらいんです。でも記事で参照したサイトによると、鶏のレバーと枝豆だと葉酸の含有量は5倍の差があることになってます。食べる量を考えると、5倍というのは、それはそれでちょっと辛いものがあるかなあ、という気もしてます(笑)

投稿: fumixie | 2010年10月 6日 (水) 15時34分

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