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2010年9月 2日 (木)

喫煙者に朗報...かな?

禁煙が身体にいいことは周知のことですが、「そうは言ってもねえ...」という方もたくさんいらっしゃいます。そういう方には、こういう記事などいかがでしょう。

米ビジネスウィーク誌に掲載された "Can Fruits, Veggies Help Ward Off Lung Cancer? (August 31, 2010)" によると、ヨーロッパでの新しい研究から、さまざまな野菜や果物を食べることで肺ガンから守られる喫煙者がいることがわかったそうです。

しかし、「一日に1個リンゴを食べる」とか昼食にサラダを食べるなどよりも、禁煙する方がリスクを格段に減らせる、と研究者は強調しています。

この記事によると、


この研究では、被験者はさまざまな果物と野菜がミックスされた食事をとった。その結果一般的な種類の肺ガンにかかるリスクが27%下がったようである。

「順序としてはまず何よりも、禁煙することが肺ガンリスクを減らす最良の方法だ。これが何よりも大切なことだ。しかしそうできない人や禁煙したくない人が世界中にまだ何百万人もいることも承知している。そういう人たちをただ無視するだけでは、ちょっと可哀想だ。しかしこの研究から、喫煙者でも(肺ガンの)リスクを減らせる可能性があることがわかった」と言うのは、オランダ、National Institute for Public Health and the Environment でガン疫学のプロジェクト・ディレクターを務める主任調査員の H. Bas Bueno-de-Mesquita 博士。


心に刻みつけておいてほしいのだが、「多種多様」といっても、朝食にバナナを添えるとか夕食に豆類とニンジンも食べるとか、そんなことではない。ケールとホウレンソウ、ベリー類とメロン、キャベツ、カリフラワー、ナスなど、全部で40種類もの果物や野菜を考えてほしい。

研究者らは、ヨーロッパ10ヶ国45万人以上の成人のデータを分析した。被験者には食習慣、および職業や病歴、タバコとアルコールの摂取、身体活動をはじめとするライフスタイルに関するアンケートに答えてもらった。

そして9年間の調査中、そのうち1613名が肺ガンと診断された。

摂取する野菜は「葉物野菜」、「実をつける野菜」、「根菜」、「玉菜(訳注。キャベツなど)」、「きのこ」、「穀類とさや入りの野菜」、「タマネギ、ニンニク」、「茎菜」の8種類に分類された。豆類と芋類、塊茎類は含まれない。

果物では、生の果物、乾燥果物および缶詰の果物が調査対象になったが、ナッツ類、種類、およびオリーブは除外された。

それから被験者は、食事のバラエティにもとづいて4つのグループに分けられた。そのうち上位4分の1には、直前の2週間に23種類から40種類の果物や野菜を食べた被験者が入り、下位4分の1には、食べた果物と野菜が10種類に満たない被験者が入った。

食べた果物と野菜の種類がもっとも多かった喫煙者は、肺ガン全体の25%から30%を占める肺扁平上皮ガンのリスクが、食べた種類がもっともすくない喫煙者よりも27%低下した。

「大切なのは、多種多様な果物や野菜を食べてリスクが減らせても、その効果は禁煙に比べれば大したことはないことに気づくことだ」と Bueno-de-Mesquita 博士は強調する。

この研究は Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌の9月号に発表される。注意しなければならないのは、この研究の基礎になっているのが「自己申告」だという点である。つまり被験者らが自分たちの野菜と果物の摂取について研究者に説明したのである。価値はあるものの、この手の研究は、「代表的な」研究、つまり二重盲検プラセボ対照研究とは言えない。

それにしても、果物や野菜の何が、腫瘍が成長する原因になる細胞内の変化に対抗するか。

Bueno-de-Mesquita 博士によれば「べつに野菜や果物に「魔法の」化合物があるわけではないと思う。そうではなくて、互いに相互作用したり身体と相互作用する多くの化合物があるのだが、そこがまだ理解されていないのだ」

しかし同博士はさらに「一つの物質を信頼しすぎるのは危険だ」と言う。フィンランドで行われた研究からわかったことだが、抗酸化作用のあるベータカロテンとビタミンEのサプリメントをとっている喫煙者は、実際は肺ガンのリスクが増加している。

これまでの研究によれば、果物と野菜の摂取とガンのリスク低下には関係がある。2007年の World Cancer Research Fund/American Institute for Cancer Research の報告書では、果物はおそらく肺ガンから守ってくれるが、野菜が守ってくれるという証拠はまったくないと結論づけている。

しかし他の研究からは、さまざまな野菜を食べれば、結腸直腸ガン、胃ガン、乳ガン、口腔ガン、咽喉ガン、食道扁平上皮ガンなど、ある種のガンのリスクが下げられることがうかがえる。

American Cancer Society で 栄養疫学の戦略ディレクタを務める Marjorie McCullough はこう言う。「果物と野菜はたしかに肺ガンから守ってくれる。しかし喫煙者はすべて禁煙に取り組むべきだ」

「肺ガンのリスクを下げるうえで、禁煙は決定的に重要だ。しかし多様な果物や野菜を食べるれば、いくつかのガンのリスクをさらに下げてくれる」

さらに同博士は「果物と野菜をたくさん食べれば肥満防止にもなる。肥満はある種のガンのリスク要因だからだ」と言い添えた。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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コメント

実生活において40種類もの果物や野菜を摂取する事(野菜ジュース等では無く)は大変な労力と工夫が必要な事ですよね。そのような事に労力と知恵を絞るのであれば、禁煙の努力をした方が良いというのがこの博士の言わんとしているところなのでしょうか・・・(笑)。もちろん、野菜の効能を否定する訳ではありませんが・・・。

投稿: yasupon | 2010年9月24日 (金) 16時48分

yasuponさん、コメントいただきありがとうございます。

たしかにそういう解釈も「あり」ですよね(笑)というか、おっしゃるように、それだけの野菜を毎日食べる工夫をするよりは、禁煙の方がはるかに簡単で手軽だと思います。来月からはタバコの値段が上がるそうですから、なおのことでしょうね。

投稿: fumixie | 2010年9月24日 (金) 19時26分

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