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2010年9月30日 (木)

関節痛を和らげる栄養

60代や70代になったら膝の痛みを抱えてしまう。なんとなく、そう思っている人は少なくないのではないだろうか?
うちのオフィスにも毎日のように膝が痛いという患者さんが数多くいます。

例えば膝の関節の痛みは女性の早い人では40代後半のころから感じる人もいるくらい、身近な問題だ。
今回のお話は、膝の痛みではなく、関節痛全般に関わることお話。

関節痛と言われると、たいていの方がイメージするのは"膝の痛み"ではないだろうか?
関節痛と言っても"どこの部位"かが抜けています。腰痛も関節痛の一環であることは多いし、寝違いにしても関節痛の一つに入ります。


今回の話を読む前に、"痛み"とは"炎症"が起こっているということを知っていてもらいたい。

炎症が起こっていることで痛みを感じさせています。腰痛では、腰部の関節の炎症(大なり小なり)痛みを感じたり、ぎっくり腰やなんかの一部でも炎症が起こっています。今回の話は、それら全般を予防するための栄養について取り上げています。

※厳密には炎症が起こっていないタイプの症状も数多くありますが、それについては詳細は述べません。

今回の記事はDynamic Chiropractic – September 23, 2010, Vol. 28, Issue 20Nutrition to Soothe the Jointsの記事を参照しています。

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関節炎(OA)は最も一般的な炎症性関節変性の形態であり、アメリカにおける中年と老年の中で二番目に一般的な長期にわたって障害してしまう問題です。アメリカの補完統合医療の研究では、栄養補助食品を摂っている人のうち40%以上の人たちが関節炎に苦しんでいます。統合的な治療を受ける人たちはFDAがセレブレックス(訳注:抗炎症薬の一種)のような抗炎症性薬剤における健康への警告を発行したことから増加することになりました。


日々の食事が関節炎を促進させる

常的に多く加工食品やお菓子、砂糖、焼いた肉料理や高温での揚げ物、焼いたパン、チップス状の食品、クッキーそしてペーストリー(パン菓子)のすべてが炎症に結びつき、それは※糖化反応(グリケーション)を経て酸化ダメージや変形にもつながります。糖化反応は加齢に伴う変性で小さな癒着が起こっており、その部位の組織のたんぱく質構造と機能が変形し、クロスリンクと呼ばれるものです。日常の食事メニューにオメガ6脂肪酸(大豆油、ベニバナオイル、サンフラワーオイル、コーン油)、トランス型脂肪酸(水素添加されたもしくは一部水素添加された油:マーガリンなど)そして飽和脂肪酸(赤身肉、卵、乳製品)は炎症とそのあとに続く変性(変形)と強く結び付きます。さらに、このような食事はカロリーが高すぎる傾向にあり、血糖値の値を高くさせるとともに体重増加を招きます。体重が多すぎることで腰、股関節、膝の関節にかかるストレスを非常に増大させます。

訳注:糖化反応/フルクトースやグルコースなどの糖が酵素の働きなしにタンパク質または脂質に結合する反応のこと。


日々の食事が健康的な関節にします

にいえば、毎日の食事に相対的に加工されていないもの、低い温度での調理(生に近い状態)食品、オメガ3脂肪酸を豊富に含む食事(チア(サルビア)やフラックス(亜麻仁)オイル、くるみ、脂肪を多く含む魚、牧草で育てた肉(穀物でない))や抗酸化食品(果物、野菜、豆類、ハーブ、香辛料やお茶)を多く含むことで炎症に対して予防することができます(抗炎症ということ)。

これらの他にも関節を健康にするであろう栄養素があります。グルコサミンやコンドロイチンはよく知られた栄養素です。ゼラチン、MSM(自然の硫黄を食事に混ぜ合わせる)、ビタミンD、葉酸やビタミンB12は変性の改善のために役立ってくれるでしょう。単純に水の摂取量を増やすことも背部痛の助けになるでしょう!


関節を滑らかにするスムージー

きく変化した食事を毎日取り続けることは簡単なことではない。抗酸化、抗炎症の効果のある栄養を素早く、そして簡単にたくさん摂る方法の下記のレシピは酸化予防、炎症予防のための薬剤に代わって軽食もしくは食事(通常は朝食)に付け加えるスムージーレシピです。

・1カップの冷水もしくは緑茶
・ 1/2カップの冷凍ベリー類
・ 1/2カップのプレーンもしくはバニラ味の低脂肪ヨーグルト、さらに加えるか、もしくは1杯のホエイタンパクとバニラの香料
・ ティースプーン1~3杯のフィッシュオイル。さらに加えるかもしくは、亜麻仁をすりつぶしたもの
・ ティースプーン1~3杯のプレーンゼラチン。さらに加えるかもしくは、ティースプーン1杯のMSMパウダー
・ 乳化したビタミンDの液体を400~800IU
・ その他:ステビアを加えるとより甘くなります。

*いくつかのフィッシュオイルにはビタミンDが含まれています。乳化した油ならより簡単に混ぜ合わせられます。

水にビタミンDとフィッシュオイルを最初に混ぜ合わせ、他の成分はその後混ぜ合わせます。味はあなたに合うようにレシピを調整してください。暑い日に体を冷やしますし、毎日楽しんで加えてください。多くの中年もしくは老年層の人々で8週間以内に関節に違いが表れるでしょう。

茶とベリー類のミックスサプリは抗酸化剤の高い植物性栄養素(ファイトニュートリエント)です。 ビタミンDは健康的な関節にとても重要な栄養素で、特に骨粗鬆症の危険性と関係があります。フィッシュオイルと亜麻仁は抗炎症作用のあるオメガ3脂肪酸を得ることができます。ヨーグルトとホエイプロテインサプリメントはバランスがとれ、満足のゆく食事を作る助けになります。また、「哺乳類の最初のミルク」である初乳と共にミルクの栄養素は消炎鎮痛剤(アスピリン)や非ステロイド性消炎鎮痛剤(イブプロフェン:NSAIDS)の使い過ぎによる消化管系のダメージを癒すことができるでしょう。

整っていない食事に薬剤(サプリや抗炎症鎮痛剤など)を摂るものより関節の炎症を引き起こす食物を減らしながら関節の健康的な栄養を増やすほうがより健康増進につながります。加えてこれには食事にかかる予算に少々影響がありますが、とにかく食べる必要があります。これらの鍵となるのは、材料や味の調整によってあなたにとっておいしい食事にすることです。

上記の簡単なレシピは高々数百カロリーのみだが、ダイエットの計画を行ううえで、体重減少のサポートをしてくれるでしょう。実際に、細胞の酸化、グリケーション※や炎症は加齢に伴う共通した病気であり、上記のことは内在的なアンチエイジングに大きく貢献してくれます。

※グリケーション:血糖と反応してグリコシル化される非酵素的な反応)

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将来的に関節炎になる女性は数多くいます。女性にとっては関節炎はホルモンとの関係も切り離せません。しかし、一方で食べ物によって関節炎を招いている可能性も否定できないのが現実です。

先日、水素添加された"植物性油脂"と食品のパッケージに表記される油の物体をテレビで見ました。"植物性油脂"と記載されているものは原則的に水素添加された油でしょう。

お菓子のクリーム系のものの原料の多くはこの水素添加された"植物性油脂"に由来します。チーズの加工品にもこれは使われているでしょう。また、サンドされたクリーム状のものにもこれは使われているでしょう。

常温で溶けないためにこの脂が使われていますが、気がつかず摂取している人はとても多いのではないでしょうか。


文:Ctom

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コメント

今回も興味深いテーマをありがとうございます。

よく考えてみると人体は間接だらけで、しかも可動する部位であり、障害を受けると患者のQOLを大きく低下させますね。

しかも超高齢化社会。

私の関節痛のイメージは、
『痛い』『不便』『再発性』
『根本治療法が確立していない』
です。

関節痛の種類を上げても様様なものがあり、
股関節痛、顎関節症(顎関節痛)、肩関節痛、腱鞘炎(手・指・手首)、手関節痛、足関節痛、膝関節痛、肘関節痛
etc・・・・・。

整形外科のDrから言わせると、罹患数では生活習慣病を超える国民病とコメントされていました。

医療費負担の事もあり、自力で対症療法が行えるようであれば理想的だと思います。

健康に関しては自己意識を高めていかないととても辛い老後になってしまうのではと不安でなりません。

こちらのブログで明るい老後のために勉強させて頂きます。

投稿: NV-CVM | 2010年9月30日 (木) 21時57分

"炎症"の部分の はひょっとしてではありませんか? (^^)/

投稿: fumixie | 2010年9月30日 (木) 21時58分

<font color="red">"炎症"<font>の<font>は、ひょっとして</font>ではありませんか? (^^)/ (私の、先のコメントは無視してください)

投稿: fumixie | 2010年9月30日 (木) 22時01分

追伸、
水素添加油脂を調べてみてぞっとしました。
こういった製品を日常的に摂取していると、人体が備えている恒常維持機能も通用しなくなるのですね。
『鬱』を食事で治癒させるという話もより深く理解できるようになりました。

【水素添加油脂⇒マーガリン⇒トランス脂肪酸】
トランス脂肪がガンや心臓病の大きな原因になることは、数多くの研究で明らかにされており、オランダの研究では、精製油に含まれているトランス脂肪が、飽和脂肪酸と同様に悪玉コレステロールといわれる低比重リポ蛋白質を増やし、善玉コレステロールの高比重リポ蛋白質を減らす、と指摘しています。 前者は心臓病を誘発し、後者は防ぐ要素になるものです。

投稿: NV-CVM | 2010年9月30日 (木) 22時48分


こんにちは。
いつも更新を楽しみにしています。

やはり毎日の食事は、材料や調理法も含めて大切なのですね。

私は下記のページを参考にしています。

http://www.lef.org/magazine/mag2008/apr2008_Guard-Your-Proteins-Against-Premature-Aging_02.htm

日本でも、トランス型脂肪酸の表示を義務付けるようになると本当にいいと思います。

投稿: アメリ | 2010年9月30日 (木) 22時54分

NV-CVMん。コメントありがとうございます。

例えば"膝関節炎"とひとことに言ってもその原因には24種類あると言われています。非常にマイナーなものからメジャーなものを含めてですが。

しかしながら、一般的な関節炎はやはり食事による部分が大きいでしょうね。NV-CVMさんのご存知の通り、生活習慣病と同様に自分たちでその原因の種をまいているのですよね。

水素添加された脂肪酸は非常に危険であるという研究がたくさんたくさんあるにもかかわらず、その危険性を全然日本の政府は気にしていないんですよね。それにはお菓子メーカーへ配慮しているのかもしれませんが、その先にいる国民への配慮はないですよねぇ。

やっぱり、自分自身の健康は自分で作るしかないのかもしれませんね

投稿: Ctom | 2010年10月 1日 (金) 09時00分

fumixieさん。コメントありがとうございます。

ご指摘ありがとうございました。よく誤字脱字をしてしまうので、このようにご指摘いただきますと助かります。

これからもよろしくお願いします。

投稿: Ctom | 2010年10月 1日 (金) 09時01分

アメリさん。コメントありがとうございます。

面白いサイトですね。いつも情報をありがとうございます。

どうやって調理するのかというのは人に勧める上でも大切だなといつも思います。あれを摂ったほうがいい、これを摂ったほうがいいと話をするのは簡単ですが、ほとんどの人がその摂取方法に対してアイディアが浮かびません。そのためにせっかくいい習慣であってもなかなか指導できないことを感じます。

水素添加された脂肪はそろそろ表示義務がなされてもいいと思いますよね。やっぱり、ごまかしている感じが否めません・・・

投稿: Ctom | 2010年10月 1日 (金) 09時07分

こんにちは。

私は30代前半ですが既に関節を痛めております。運動をすると膝の上あたりに水が溜まってしまうんです。一時はスベニールという注射をしていただいておりましたが、最近は激しい運動を控えるようになり水も溜まらなくなったので注射はしておりません。まさかこの年で膝を痛めることになるとは思っていなかったので他人事ではないと思いました。膝に良い栄養成分を摂るように心掛けてまた痛くならないように気をつけたいと思います。

投稿: はるうらら | 2010年10月20日 (水) 10時51分

はるうららさん。コメントありがとうございます。

生活習慣や遺伝など様々なことが言われていますが、どれも大切な要素であり、どれもが時代と共に変化しつつあるように思います。どれも"常識"という感覚が悪い方向で変化しつつあるように感じています。

はるうららさんの体験はとても重要なことで、食べ物を変えたり、生活習慣を変えたりすることは大きなターニングポイントになります。はるうららさん自身、ご家族の今後のためにもよい習慣を身につけ、改善の兆しが出ることを願っております。

投稿: Ctom | 2010年10月21日 (木) 10時18分

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