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2010年9月

2010年9月30日 (木)

関節痛を和らげる栄養

60代や70代になったら膝の痛みを抱えてしまう。なんとなく、そう思っている人は少なくないのではないだろうか?
うちのオフィスにも毎日のように膝が痛いという患者さんが数多くいます。

例えば膝の関節の痛みは女性の早い人では40代後半のころから感じる人もいるくらい、身近な問題だ。
今回のお話は、膝の痛みではなく、関節痛全般に関わることお話。

関節痛と言われると、たいていの方がイメージするのは"膝の痛み"ではないだろうか?
関節痛と言っても"どこの部位"かが抜けています。腰痛も関節痛の一環であることは多いし、寝違いにしても関節痛の一つに入ります。


今回の話を読む前に、"痛み"とは"炎症"が起こっているということを知っていてもらいたい。

炎症が起こっていることで痛みを感じさせています。腰痛では、腰部の関節の炎症(大なり小なり)痛みを感じたり、ぎっくり腰やなんかの一部でも炎症が起こっています。今回の話は、それら全般を予防するための栄養について取り上げています。

※厳密には炎症が起こっていないタイプの症状も数多くありますが、それについては詳細は述べません。

今回の記事はDynamic Chiropractic – September 23, 2010, Vol. 28, Issue 20Nutrition to Soothe the Jointsの記事を参照しています。

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2010年9月19日 (日)

糖尿病が10年早く分かる血液検査

英テレグラフ紙の "Blood test to predict diabetes 10 years earlier" (19 September 2010) という記事によると、科学者が新たに開発した新しい血液検査を使えば、現在の診断よりも10年早く糖尿病発症の危険が予測できるそうです。

曰く、


この検査方法なら将来2型糖尿病を発症する人の半数ほどは特定できる、と研究者らは英国バーミンガムで開かれた British Science Festival で語った。

この検査では、血液中に含まれる microRNA (MiR) と呼ばれる遺伝に関わる分子の量を測定する。この分子のおかげで、心疾患や動脈疾患の危険が高い人が特定できる。さらに心臓麻痺や卒中、血行不良といった、血管の損傷から来る糖尿病の合併症がこの先進行するかどうかも識別できる。なによりも、糖尿病が原因で血管に与える損傷が直接評価できることが最大の利点である。

MiR-126 という micro-RNA は血管を損傷から保護する働きがある。健康な血管は血中に MiR-126 を大量に放出できるが、血管が損傷を受けると、血管そのものを保護するために MiR-126 をとっておく必要が出てくる。そのため血中への放出量が減るのである。

MiR 検査は従来の検査方法と併用してほしい、と英国ロンドン、キングズカレッジの主任科学者 Manuel Mayr 博士は言っている。

「糖尿病患者に循環器系の合併症を発症する危険があるかどうかを見極めるのは、医師にとってはとても重要なことだ。これまで他の臨床検査では得られなかった新たな情報がこの新しい血液マーカーからわかるといいのだがね」

心臓麻痺や卒中の危険がとりわけ高い糖尿病患者が特定できれば、コレステロールや血圧を下げる早期治療を、もっとも効果が高そうな患者に施すことが可能になる。

Circulation Research誌に発表されたこの研究について、British Heart Foundation の Jeremy Pearson 教授はこう言っている。「これは重要だよ。だって血管の健康状態を監視する簡単で手間のかからない方法が今まで無かったんだからね。病気は症状が現れて初めてわかるものだが、症状が初めて出たときには心臓麻痺のように深刻な状態だということもありうるからね」

10年早く治療が開始できれば多くの人が重篤にならずに済む可能性があるし、それほど早期なら食事療法で治る可能性もあるかもしれませんね。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2010年9月14日 (火)

長期にわたる減量は健康障害を引き起こすかも

モノの見方は色々あるね。私は今日のニュースのような視点を持っていなかったから、ハッとさせられたよ。脂溶性の物質は脂肪組織に蓄積されやすいから痩せると血液中に放出されてしまうってのも納得できる。しかし、血中に放出されるのなら、いわゆるデトックス効果があり体外へ排泄される可能性も高くなるんじゃないかな。今回の報告は、痩せた人の血中レベルが高かったということだけで、これが健康障害と関連があったという報告ではない。血中レベルで高値だったということは、排泄も増えている可能性が高い。血中レベルだけでなく尿中のレベルはどうだったのだろう?やっぱり文献を読まないと分からないかな。

アブストラクトを読めば解析された7種類の汚染物質、Persistent organic pollutants(POPs)はわかるから、ちょっと紹介しておこう。

参照ページは、東京都健康安全研究センターの「内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)

1) trans-nonachlor(trans-ノナクロル)
2) p,p'-dichlorodiphenyldichloroethylene(p,p'-DDE)
3) β-hexachlorocyclohexane(ヘキサクロロシクロヘキサンHCH)
4) PCB169(ポリ塩化ビフェニール類)
5) PCB180(ポリ塩化ビフェニール類)
6) 1,2,3, 4,6,7,8-heptachlorodibenzo-p-dioxin(七塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン:ダイオキシン関連)
7) 1,2,3,4,6,7,8-heptachloro- dibenzofuran(ジベンゾフラン関連)


長期にわたる減量は健康障害を引き起こすかも
Long-Term Weight Loss May Be Harmful to Health

香港(ロイター)9月8日 - 長期にわたって減量すると、糖尿病、高血圧症、そして関節リウマチなどの疾患と関連性が示されている産業性汚染物質が血流に放出されてしまうかもしれないと、7日の火曜日に研究者から発表があった。

この物質は、普通なら脂肪組織に蓄えられているけど、減量によって脂肪組織が代謝されることで、血中に流れ出てしまう、と韓国大邱市Kyungpook大学のDuk-Hee Lee医師は述べた。

「減量は良いけど体重増加は身体に良くないいう固定概念に囚われて生きている... しかし、減量による(血中の)(汚染物質の)増加は、様々な方面から健康に影響を与える可能性がある」、とロイターに宛てた電子メールにコメントしている。

米国で、1,099名の対象において、Lee医師は7つの物質を解析した。この報告は雑誌Obesityの9月7日号に掲載されている。

「血流にいったん放出されてしまうと、これらの物質は生命に重要な器官に達してしまう」、と研究者は述べている。

「10年間を通して減量が大きかった人は、体重が増えた人や変わらなかった人に比べて、これらの物質、残留性有機汚染物質(POPs)の濃度は最も高かった。

「POPsが安全じゃないという証拠は積み上げられている。POPsは、2型糖尿病、高血圧症、冠動脈疾患、関節リウマチ、歯周病に関連性がある、とLee医師は話している。

これら汚染物質の濃度の違いを説明するために、年齢、性別、人種に分けて調査をしたが、体重の変化に統計的な有意差が残っていた。

この悪影響が、減量で得られる利点を凌駕してしまうかどうか確認するため更に研究が必要だ、とLee医師は述べた。

文:屋台ブルー

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2010年9月 8日 (水)

ブルーベリーと肥満

The Journal of Nutrition "Blueberries Decrease Cardiovascular Risk Factors in Obese Men and Women with Metabolic Syndrome" より。

たもやブルーベリーの話題です。

しぶりに "Journal of Nutrition" の直近号を覗いてみたところ、「メタボな人にはブルーベリーだね」(言い過ぎかな?)という記事が載っていました。例によって、抄録しか読めませんが、ざっと読み下して見るとこんな具合です。

果物の中でもベリー類はポリフェノールの含有量が多いことから、循環器系を強力に保護する作用があることがわかっている。しかし肥満時のメタボリック・シンドロームの兆候と関連する循環器系のリスク因子を改善するうえでベリー類にどれほどの効果があるかについては、限られた研究しかなかった。

そこで肥満している男女に対してブルーベリーを補充して、メタボリック・シンドロームの兆候と脂質の過酸化反応、および炎症にどのような効果があるか調査した。

メタボリック・シンドロームの状態にある男女48名(男性4名、女性44名。BMI は37.8前後。年齢は50歳前後)が、フリーズドライのブルーベリー飲料(訳注。どういうものか、はっきりしません)(50gのフリーズドライのブルーベリー。生のブルーベリー350gに相当)、または比較対象のための飲み物(960mlの水)を8週間にわたって毎日摂取した。そしてスクリーニング時と4周目、および8週目に身体測定、血圧測定、食事の調査、および空腹時の採血が行われた。

その結果ブルーベリーを補充したグループの方は、最高血圧と最低血圧が各々6%および4%減少した。それに対して対照群の減少幅はそれぞれ1.5%および1.2%だった。一方血中グルコース濃度と脂質の状態には影響がなかった。

さらに血漿酸化LDL、およびマロンジアルデヒドとヒドロキシノネナールの血中濃度の減少幅は、対照群の各々9%および9%に対して、ブルーベリーのグループでは各々28%および17%と大きくなった。

この研究から、食事で摂取可能な量のブルーベリーによって、メタボリック・シンドロームの一部の兆候と関連する循環器系のリスク因子が改善することが明らかになった。

まり、肥満の人がブルーベリーを食べると血圧が下がり、体内の酸化作用も減ったよ、ということなんですね。ブルーベリーは脳にも効く(これとかこれ)うえに肥満にも効果があるとなると、なんともはや「ブルーベリー様様」という感じです。

ルーベリーはスーパーなどでも安価で手に入りますし、場合によってはドライフルーツタイプの乾燥したものもあります。後者の方が食べやすいかもしれませんね。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2010年9月 4日 (土)

ポリフェノールを含むスーパーフルーツとその潜在効果とは

この記事は、fumixieさんの記事と少し関連があるかもしれません。

今でも"ポリフェノール"についてアピールしている商品はたくさんありますが(例えばワインやチョコレート)、そもそもポリフェノールについてどのような効果があるか知っているでしょうか。

一般的には、ポリフェノールは抗酸化の効果を持っていて、細胞を老化させてしまうフリーラジカルという酸化物質からの細胞へのダメージを減らすというのは周知のことかと思います。

今回の記事は2010年8月8日の記事のSuper Fruits: The Power of Polyphenolsからわかりやすく抜粋して紹介します。

まず、初めに・・・


リフェノールはファイトニュートリエントの類の栄養素の一つであり、ファイトとはギリシャ語で"植物"という意味があります。最近の研究では植物ポリフェノールは内皮機能の改善を助け、異常な血漿場凝集を抑制し、健康的な血中脂質を維持するのを助け、抗炎症作用、フリーラジカル(酸化物質)の抑制、内在性の抗酸化酵素の機能を高め、サイクリックAMPや細胞内のミトコンドリアのバイオジェネシス(ミトコンドリアの増殖の調節機構)を抑制するなど様々に健康に貢献してくれます。


ということから今回は始まっています。
では、続きをみてみましょう。

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2010年9月 2日 (木)

喫煙者に朗報...かな?

禁煙が身体にいいことは周知のことですが、「そうは言ってもねえ...」という方もたくさんいらっしゃいます。そういう方には、こういう記事などいかがでしょう。

米ビジネスウィーク誌に掲載された "Can Fruits, Veggies Help Ward Off Lung Cancer? (August 31, 2010)" によると、ヨーロッパでの新しい研究から、さまざまな野菜や果物を食べることで肺ガンから守られる喫煙者がいることがわかったそうです。

しかし、「一日に1個リンゴを食べる」とか昼食にサラダを食べるなどよりも、禁煙する方がリスクを格段に減らせる、と研究者は強調しています。

この記事によると、


この研究では、被験者はさまざまな果物と野菜がミックスされた食事をとった。その結果一般的な種類の肺ガンにかかるリスクが27%下がったようである。

「順序としてはまず何よりも、禁煙することが肺ガンリスクを減らす最良の方法だ。これが何よりも大切なことだ。しかしそうできない人や禁煙したくない人が世界中にまだ何百万人もいることも承知している。そういう人たちをただ無視するだけでは、ちょっと可哀想だ。しかしこの研究から、喫煙者でも(肺ガンの)リスクを減らせる可能性があることがわかった」と言うのは、オランダ、National Institute for Public Health and the Environment でガン疫学のプロジェクト・ディレクターを務める主任調査員の H. Bas Bueno-de-Mesquita 博士。


心に刻みつけておいてほしいのだが、「多種多様」といっても、朝食にバナナを添えるとか夕食に豆類とニンジンも食べるとか、そんなことではない。ケールとホウレンソウ、ベリー類とメロン、キャベツ、カリフラワー、ナスなど、全部で40種類もの果物や野菜を考えてほしい。

研究者らは、ヨーロッパ10ヶ国45万人以上の成人のデータを分析した。被験者には食習慣、および職業や病歴、タバコとアルコールの摂取、身体活動をはじめとするライフスタイルに関するアンケートに答えてもらった。

そして9年間の調査中、そのうち1613名が肺ガンと診断された。

摂取する野菜は「葉物野菜」、「実をつける野菜」、「根菜」、「玉菜(訳注。キャベツなど)」、「きのこ」、「穀類とさや入りの野菜」、「タマネギ、ニンニク」、「茎菜」の8種類に分類された。豆類と芋類、塊茎類は含まれない。

果物では、生の果物、乾燥果物および缶詰の果物が調査対象になったが、ナッツ類、種類、およびオリーブは除外された。

それから被験者は、食事のバラエティにもとづいて4つのグループに分けられた。そのうち上位4分の1には、直前の2週間に23種類から40種類の果物や野菜を食べた被験者が入り、下位4分の1には、食べた果物と野菜が10種類に満たない被験者が入った。

食べた果物と野菜の種類がもっとも多かった喫煙者は、肺ガン全体の25%から30%を占める肺扁平上皮ガンのリスクが、食べた種類がもっともすくない喫煙者よりも27%低下した。

「大切なのは、多種多様な果物や野菜を食べてリスクが減らせても、その効果は禁煙に比べれば大したことはないことに気づくことだ」と Bueno-de-Mesquita 博士は強調する。

この研究は Cancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌の9月号に発表される。注意しなければならないのは、この研究の基礎になっているのが「自己申告」だという点である。つまり被験者らが自分たちの野菜と果物の摂取について研究者に説明したのである。価値はあるものの、この手の研究は、「代表的な」研究、つまり二重盲検プラセボ対照研究とは言えない。

それにしても、果物や野菜の何が、腫瘍が成長する原因になる細胞内の変化に対抗するか。

Bueno-de-Mesquita 博士によれば「べつに野菜や果物に「魔法の」化合物があるわけではないと思う。そうではなくて、互いに相互作用したり身体と相互作用する多くの化合物があるのだが、そこがまだ理解されていないのだ」

しかし同博士はさらに「一つの物質を信頼しすぎるのは危険だ」と言う。フィンランドで行われた研究からわかったことだが、抗酸化作用のあるベータカロテンとビタミンEのサプリメントをとっている喫煙者は、実際は肺ガンのリスクが増加している。

これまでの研究によれば、果物と野菜の摂取とガンのリスク低下には関係がある。2007年の World Cancer Research Fund/American Institute for Cancer Research の報告書では、果物はおそらく肺ガンから守ってくれるが、野菜が守ってくれるという証拠はまったくないと結論づけている。

しかし他の研究からは、さまざまな野菜を食べれば、結腸直腸ガン、胃ガン、乳ガン、口腔ガン、咽喉ガン、食道扁平上皮ガンなど、ある種のガンのリスクが下げられることがうかがえる。

American Cancer Society で 栄養疫学の戦略ディレクタを務める Marjorie McCullough はこう言う。「果物と野菜はたしかに肺ガンから守ってくれる。しかし喫煙者はすべて禁煙に取り組むべきだ」

「肺ガンのリスクを下げるうえで、禁煙は決定的に重要だ。しかし多様な果物や野菜を食べるれば、いくつかのガンのリスクをさらに下げてくれる」

さらに同博士は「果物と野菜をたくさん食べれば肥満防止にもなる。肥満はある種のガンのリスク要因だからだ」と言い添えた。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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