« 緑の葉物野菜と糖尿病 | トップページ | シンプルな食欲コントロール方法が臨床試験で確認 »

2010年8月22日 (日)

ときたまタバコをふかすくらいなら害は無い。ホント?

U.S. News & World Report の "Study Finds Even a Little Cigarette Smoke Harms Airway (August 20, 2010)" によると、直接吸おうが副流煙だろうが、ごくわずかでもタバコの煙に晒されると、特に気道の細胞が遺伝子レベルで異常をきたすのだそうです。

曰く、


質問「ときたまタバコをふかすくらいなら害は無い。ホント?」

間違い。新しい研究によると、ごく少量のタバコの煙に晒されただけでも、呼吸に必要欠くべからざる細胞に回復不能な損傷を与える場合がある。

この損傷は日常的に喫煙している人はもちろん、副流煙に晒されるだけでも発生する。初期の損傷は通常は大したことはないが、蓄積されることから、タバコの煙に長期間晒されると、慢性閉塞性肺疾患 (COPD)、や肺ガンさえ引き起こす可能性がある。

「副流煙やたまの喫煙でも健康に悪いことはずいぶん前からわかっていた」と言うのは、米国ニューヨーク市 NewYork-Presbyterian Hospital/Weill Cornell の pulmonary and critical care medicine 部門のチーフ Dr. Ronald Crystal。

わからなかったのは、どの程度の量から気道の細胞が損傷を受け始めるかだ。

「研究からわかったのは、尿中のニコチンが検出できれば、気道内に並んでいる細胞の遺伝子に変化が起きていることも検出できるということだ」と、Weill Cornell Medical College の department of genetic medicine を率いる Crystal 博士は言う。

同博士によれば肝心なのは「喫煙量がどれくらいまでなら肺の細胞に害は無いとか、どれくらいまでならタバコの煙に晒されても、肺の細胞に害を及ぼさない、などという量は無い。たしなむ程度の喫煙であっても危険なことには変わりはない。週1、2本程度のタバコなら大丈夫などと考えてはならないのだ」ということ。

副流煙について言えば「職場にいるのが喫煙者ばかりなら、彼らに喫煙を辞めさせるか、自分が職を変えるか、そのどちらかだ。喫煙者が家にいるときは、その者がタバコを吸うときは屋外に出てもらいなさい。副流煙に晒されてはならない」というのが同博士のアドバイスだ。

この研究は American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine 誌の8月20日号に発表された。

Crystal 博士らのチームは、非喫煙者、愛煙家、たしなみ程度の喫煙者の合わせて121名を対象に、被験者全員の尿中のニコチン量を測定し、それに応じてグループ分けした。

次に被験者一人ひとりのゲノム全体をスキャンして、気道細胞を支配している遺伝子の活性状態を測定した。

その結果、ニコチンであろうとコチニンであろうと、どの程度までなら遺伝子レベルで異常をきたさない、などという量は無いことがわかった。ごく少量であっても異常をきたすのである。

Crystal 博士曰く「こういった細胞は、鉱山の坑道にズラッと並んでいるカナリアのようなものだよ。救いを求めて泣き叫んでいるのさ。こちらの遺伝子(カナリア)は活性化している(鳴いている)し、あちらの遺伝子(カナリア)は不活性という具合だ。そしてこのような細胞に損傷を与え、COPD や肺ガンといった肺疾患を引き起こすそもそものきっかけは何か、その手がかりを与えてくれるのがこれなのだ」

どの遺伝子が損傷を受けているかがわかれば、それが肺を保護する新薬の目標になる。

別の研究者はこの研究を絶賛して、こう言っている。「この研究はすばらしいね。分子生物学をうまく利用して、非常に重要な疑問に答えを出しているからね。よく訊かれることなんだ。この程度までならタバコを吸っても大丈夫、というしきい値はあるのか、という質問だ。普通は「週に数本ならタバコを吸っても安全か、とか、週に数回程度ならタバコを吸う友人と一緒にいても大丈夫か、などという訊き方をされるね。しかし検出方法の限界を踏まえても、答えは「否」だね。タバコの煙に少量でも晒された人(の細胞)に変化が出ても、それが最終的に疾患を引き起こすかどうかはわからない。しかしタバコの煙がどの程度の量までなら晒されてもまったく大丈夫、などというような量は一切無いということは、ますますはっきりしている」


こうなると、タバコは一種の公害でしょうか。この情報については、他にも、WebMD の "Even Low Tobacco Smoke Exposure Is Risky"Medical News Today の "Second Hand Smoke More Harmful Than People Think" をはじめ、さまざまなメディアで取り上げています。

禁煙してみませんか。思った以上に簡単...かもしれませんよ(体験から言えば)

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

|

« 緑の葉物野菜と糖尿病 | トップページ | シンプルな食欲コントロール方法が臨床試験で確認 »

コメント

タバコは大好き

投稿: | 2013年5月19日 (日) 21時41分

コメントありがとうございます。

私も、以前は1日最低60本は吸ってました。

投稿: fumixie | 2013年5月21日 (火) 00時09分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ときたまタバコをふかすくらいなら害は無い。ホント?:

« 緑の葉物野菜と糖尿病 | トップページ | シンプルな食欲コントロール方法が臨床試験で確認 »