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2010年8月

2010年8月31日 (火)

ベリー類で脳を元気に!

NaturalNews.com の "Compounds in berries improve brain function, reverse aging" (Saturday, August 28, 2010) という記事によると、ブルーベリーやイチゴなどのベリー類に含まれるポリフェノールは脳を元気にしてくれる、ということがわかったそうです。

曰く、


老化にともない、酸化ストレスや炎症に対する脳の自己防衛能力も着実に低下する。しかし新しい研究によると、ブルーベリーやイチゴ、アサイベリーといった果物に含まれるある種の化合物は脳を最高の状態に保つのみならず、実は加齢にともなう損傷の影響を解消してくれることがわかった。

脳は、きちんと機能していれば、時とともに脳内に溜まった有害な各種タンパク質をきれいにして「再利用する」ように働いているものである。このようなタンパク質は、とりわけ加齢が進むと認知機能障害や記憶全般の消失の一因となるため、定期的に除去しなければならない。このタンパク質を脳がきれいにして神経機能全般を改善する際、ベリー類に含まれる強力な抗酸化物質がその働きを支援する効果があること明白になった。

「果物や野菜、ナッツ類に見られるポリフェノールという天然の化合物には抗酸化作用と抗炎症作用があり、それが加齢にともなう機能低下から守ってくれることがわかった。ありがたいことだよ」と説明するのは、この論文を書いた Shibu Poulose 博士。

同博士によると、これは脳機能の維持改善を図るうえでベリー類が持つ強力な効果を初めて確認した画期的な研究である。

「加齢にともない、ミクログリア(脳機能の維持を司る細胞)の働きが悪くなり、残骸が溜まっていく。さらにミクログリアは過活動状態になり、実は脳内の健康な細胞に損傷を与え始めるのだ。我々の研究からは、ベリー類に含まれるポリフェノールには救済効果があると思われる。これが維持管理機能を正常に戻してくれるようだ」と、博士は報告で述べている。

研究によると、抗酸化物質がたっぷり入った果物や野菜はほとんどが、赤やオレンジ、青といった濃く鮮やかな色をしている。多くの専門家は、多種多様な色の野菜や果物を食べて、そのようなものすべてに含まれる特有のさまざまなアントシアニンを摂取するよう勧めている。


自然はちゃんと用意してくれているんですね。ありがたいことです。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2010年8月28日 (土)

さすがブロッコリー

BBC の "Broccoli 'boosts' healthy gut" (26 August 2010) という記事によると、

ブロッコリーやバナナの抽出物が消化器系の疾患と戦ってくれることが研究で示されたそうです。ブロッコリーのスーパーフードぶりはいろんなメディアで取り上げられていますし、スーパーマーケットに行けばいくらでも売ってますから、健康を気遣う人にはうってつけの食材かもしれません。

曰く、


身体が本来持っている胃への感染を防ぐ力を野菜の食物繊維が強化することが研究から明らかになった。

現在、これがクローン病患者への特別食として使えるかどうかを確認中である。

クローン病というのは炎症性の腸疾患で、下痢や腹痛といった症状を起こす。

この疾患にかかるのは1000人に一人の割合で、原因は、環境と遺伝的要素が絡み合っていると考えられている。

この症状は先進国でよく見られる。このような国々では、往々にして食物繊維が少なく加工食品が多い食事になるからである。

英国リバプール大学の科学者らは、有害なバクテリアが細胞を通り消化器系へ至る経路に野菜の食物繊維がどのように影響を与えるかを研究した。

そして、プランタンという一種の大きなバナナとブロッコリーの食物繊維が特に有効なことを見出した。しかし加工食品の製造過程で加えられる一般的な安定剤には、その反対の作用があった。

英国リバプール大学の Barry Campbell 博士はこう述べている。

「さまざまな食物成分には、バクテリアを腸内から移動させるうえで強力な作用があることが、この研究でわかった」

「プランタンやブロッコリーを食べれば健康全般にいいことはちょっと前からわかっていた。両方ともビタミンとミネラルがたっぷりあるからね。でもこれが、クローン病患者によく見られる感染を防ぐ身体本来の力を強化できるなんて知らなかったよ」

「ひょっとしたら、健康的な食事をして加工食品の摂取を抑えることが、この患者には重要なのかもしれない。我々の研究からはそう考えられる」

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

関連エントリー:ブロッコリー・スプラウトは胃癌予防になるだろう

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2010年8月26日 (木)

やっぱり日光浴は大切なようです

英国 Independent紙の "Revealed: how vitamin D can protect us from cancer" (Tuesday, 24 August 2010) という記事によると、ビタミンDがある種の重い病気から守ってくれることを示す直接の証拠が見つかったのだそうです。ビタミンDをお手軽に手に入れるには日光浴が一番です。記事の細かい専門的な内容はともかく、私のような一般人には、一番最後の「毎日数分間、素肌を直射日光にさらすこと」という実践的なアドバイスが一番大切かもしれません。

"Scientists discover how substance controls actions of genes" (遺伝子の働きを制御する物質を科学者が発見) という書き出しで始まる興味深いこの記事曰く、


ビタミンD がヒトの細胞の DNA と結びつき、多発性硬化症や糖尿病、ガンといった疾患に関わる遺伝子を直接制御することによって、身体をさまざまな重い病気から守ってくれることが研究で示された。

皮膚を日光にさらすと、いわゆる「日光ビタミン」が生成されるが、さまざまな重い疾患に関わる遺伝子ネットワークをこの日光ビタミンが直接制御していることを示す直接の証拠が科学者によって初めて発見された。

これまでの研究から、ビタミンD不足に関わる疾患は、たとえば多発性硬化症といった自己免疫疾患や関節リュウマチ、1型糖尿病といったように、増加の一途をたどっているが、これほど多種多様な疾患が発症する仕組みについて、科学者は説明できなかった。

しかし最新の研究が示す有力なメカニズムから、ビタミンD がヒトゲノムの一部と直接結びつくことがわかった。そこに存在する遺伝子は、免疫システムが自分の体内の組織を攻撃することによって生じる、前述のような重い自己免疫疾患に関わることがわかっている。

「自己免疫やガンなどの分野で行われている遺伝子関連の研究で取り上げられている遺伝子は膨大な数にのぼるが、それらはビタミンDによって制御されているようだ」と言うのは、英国オックスフォードにある Radcliffe hospital 臨床神経科医 George Ebers 教授。

「遺伝子と環境の重大な相互作用によってヒトが病気になる場合、そこにはビタミンDが大きな役割を果たしているということが判明する点で、これは間接的だが興味深い証拠だ」

世界中で10億人が不足していると見積もられているビタミンDは、少量なら食事から取り込めるものの、ほとんどは直射日光に当たることによって皮膚が生成するものである。したがって、日光が少ない北方高緯度地域の住民にとって、この発見は健康に大きく関係している。

Welcome Trust の資金援助を受けた研究者らは、活性型ビタミンDで活性化しておいたヒトの細胞を分析した。その結果ゲノムの DNA に沿って、合計 2776 箇所にビタミンDレセプタータンパク質が結合していることがわかった。さらに、その付近にある 229個の遺伝子の活性状態にビタミンDが大きな影響を与えていることもわかった。

「ゲノム全体を調査して、ビタミンDが結合している箇所をすべて探し当てた。これは、ただ結びついているだけじゃなく、遺伝子の機能に実際に影響を与えていると言えるきわめて確かな証拠だ。しかも単にそれだけに止まらない。実は遺伝子の発現を変えているのだ」とEbers 教授は言う。

同教授の説明によれば「ビタミンDが制御しているのが特徴だと思われる多くの自己免疫性病態に関わる遺伝子は有り余るほどあることがわかっている。だからといって因果関係があるとは言えないだろうが、偶然ではない。たまたまそこにあるわけじゃないことは明白だ。自己免疫性病態に影響を与えることがわかっているこのような遺伝子はかなり偏って存在している。それをビタミンDが制御していることがわかったのだ」

"Genome Research"誌に発表されたこの研究がさらなる調査で支持されれば、広範囲の疾患に対してビタミンDがこのように重要な役割を果たしている理由や、もとから北方高緯度に住んでいる人たちが、何世代にもわたって色の濃い肌よりも効率的に日光を吸収する白い肌を進化させてきた理由が説明できるかもしれない。

「ビタミンDの状況は、比較的最近のゲノムにかかる選択圧の中でも最強の部類になる可能性を秘めている。我々の研究はこの解釈を支持しているように思われる。もしかすると、完全に適応するには時間が足りず、我々は北方の環境にうまく対処できていないのかもしれない」と同教授は言う。

オックスフォード大学 Wellcome Trust Centre for Human Genetics の Sreeram Ramagopalan によると、この発見からビタミンDを補うことが重要になると考えられる。「妊娠中および生後早い時期にビタミンDを補うと、後年その子供の健康によい影響を与える可能性がある」

どうすればいいか

ビタミンDは皮膚で自然に作られるものだが、それに欠かせないのが日光の存在である。日光には UVB、つまりB領域の紫外線が含まれており、これによって、皮膚に偏在する 7-デヒドロコレステロールという前駆体物質がビタミンD3に変換され、これが、肝臓や腎臓で生化学的に活性化されたビタミンDに変換される。

このビタミンは魚や貝類にも比較的多く存在するが、卵や乳製品には少ない。身体にビタミンDを充分供給には、毎日数分間、UVケアを一切していない素肌を直射日光にさらすのがもっとも簡単で最良の方法である。ただし肌の色が薄い人たちは、日焼けしないように気をつけること。


たかが日光浴、されど日光浴ですね。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2010年8月25日 (水)

シンプルな食欲コントロール方法が臨床試験で確認

今日は久しぶりに内科開業医のお勉強部屋からネタを失敬した。私はこういう臨床報告が好きだ。被験者の数は少ないけど、説明の裏付けになるよね。

三食の食事前に水を飲めば12週間で1.87kgの減量ができると単純に考えていいのだろうか?被験者はダイエット食を食べていたから、少なくともダイエットに挑戦している人達だろう。ダイエットを考えていない人でも減量ができるかどうか疑問だ。でも、この記事を読んで食前に水を飲もうと考えた人は、既にダイエットをしようと考えているから効果はあるかも。是非、水を飲んでみよう。

食事前にコップ2杯の水を飲んでみよう。まあ、お茶でもいいだろう。

追記:内科開業医のお勉強部屋のコメントに以下のコメントがありました。

It may only work if you're middle-aged or older, Davy said. 若い人(18 to 35)には当てはまるわけではない、と述べていることにも注目したいですね。

このコメントに書かれているDavy博士の発言を私は確認することができなかった。確かに、被験者は55歳から75歳の中高齢者です。若年層で効果は無いのかもね。この情報を今後フォローするね。

シンプルな食欲コントロールの方法が臨床試験で確認
Clinical trial confirms effectiveness of simple appetite control method

ボストン_2010年8月23日 - お腹の出っ張りと闘っている社会で、長い間、探し求められていた魔法の薬がついに現れたのか?食欲をコントロールする液体は処方箋いらずで、一般的な副作用もなくコストだってほとんどかからない?8オンス(236.6ml)のグラス2杯だけ、これを食前に飲むと、減量することができる、という臨床研究の結果が23日に研究者から報告された。第240回米国科学会(ACS)の総会で発表された減量万能薬は、普通の水だ。

「飲水量を増やすことが効果的な減量法になることを始めて示した無作為介入試験の結果を公表したんです」この研究の主要著者、Brenda Davy博士の説明だ。「以前の報告をみると、食前にグラス2杯の水を飲んだ中年と高齢者は、食事中に飲んだ人より75から90kcalの摂取カロリーは少なかったんです。新しい研究で、12週間という期間をみれば、1日3回の食事直前に飲水したダイエッターは、飲水量を増やさなかったダイエッターに比べて5ポンド(1.87kg)減量できていました。」

「人は、もっと水を飲んで、糖分の多い高カロリーな飲み物を減らすべきでしょう。楽に体重をコントロールする単純な方法ですね。」

水が減量の助けになるといった民間療法や長い間考えられていた経験的な考えにDavy博士は注目した。こういう問題には、驚くほど科学的エビデンスが少ないからだ。以前の研究をみて、食前の飲水によりカロリー摂取量が減るんじゃないかというヒントになった。今まで、エビデンスに欠けていた考えは、食前に水を飲むと飲まないのと比べて減量できたという無作為比較試験によって、「金字塔(ゴールドスタンダード)」的なエビデンスになった。

この研究で、55歳から75歳の48名の成人を2つのグループに分けた。1つのグループは食直前にグラス2杯の水を飲み、他のグループは飲まなかった。研究期間中、被験者全員に低カロリー食を食べてもらった。12週間後、飲水グループは、15.5ポンド(5.8kg)の減量、非飲水グループは11ポンド(4.1kg)の減量が見られた。

カロリーゼロの物質で胃を満たすと単純に考えても、水は効果的なのだろう、とDavy博士は説明する。結果として満腹感を感じやすく、食事中の食事から得られるカロリーは減る。糖分が付加されたカロリーのある飲料水の代わりに飲めば、飲水量が増加は減量の手助けになる、とバージニア州Blacksburgのバージニアテックで働くDavy博士は説明をする。

ダイエット飲料や人工甘味料を使った飲料水でも、摂取カロリーを減らして減量の助けになる、とDavy博士は言う。しかし、砂糖や果糖ブドウ糖液糖の含まれている飲料水はカロリーが多いので、飲まない方がいい。普通の12オンス(355ml)の炭酸飲料だったら、ティースプーン約10杯分の砂糖が含まれている。

Davey博士によれば、水の1日必要量を正確に知っている人はいない。国立アカデミーの機関、医科学研究所、連邦政府に科学的な助言をしているけど、彼らによると、健康的な人は、喉の渇きに従って飲めばいいと言う。水に関して、特定の必要量は示されていないが、一般的な推奨量は、女性なら、水を含めていかなる飲料水でも、だいたい毎日9カップで、男性なら13カップである。

そして、水を飲み過ぎると、希ではあるけど、かなり深刻な状態、水中毒を引き起こしてしまう可能性はあると、Davy博士は警告している。

文:屋台ブルー

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2010年8月22日 (日)

ときたまタバコをふかすくらいなら害は無い。ホント?

U.S. News & World Report の "Study Finds Even a Little Cigarette Smoke Harms Airway (August 20, 2010)" によると、直接吸おうが副流煙だろうが、ごくわずかでもタバコの煙に晒されると、特に気道の細胞が遺伝子レベルで異常をきたすのだそうです。

曰く、


質問「ときたまタバコをふかすくらいなら害は無い。ホント?」

間違い。新しい研究によると、ごく少量のタバコの煙に晒されただけでも、呼吸に必要欠くべからざる細胞に回復不能な損傷を与える場合がある。

この損傷は日常的に喫煙している人はもちろん、副流煙に晒されるだけでも発生する。初期の損傷は通常は大したことはないが、蓄積されることから、タバコの煙に長期間晒されると、慢性閉塞性肺疾患 (COPD)、や肺ガンさえ引き起こす可能性がある。

「副流煙やたまの喫煙でも健康に悪いことはずいぶん前からわかっていた」と言うのは、米国ニューヨーク市 NewYork-Presbyterian Hospital/Weill Cornell の pulmonary and critical care medicine 部門のチーフ Dr. Ronald Crystal。

わからなかったのは、どの程度の量から気道の細胞が損傷を受け始めるかだ。

「研究からわかったのは、尿中のニコチンが検出できれば、気道内に並んでいる細胞の遺伝子に変化が起きていることも検出できるということだ」と、Weill Cornell Medical College の department of genetic medicine を率いる Crystal 博士は言う。

同博士によれば肝心なのは「喫煙量がどれくらいまでなら肺の細胞に害は無いとか、どれくらいまでならタバコの煙に晒されても、肺の細胞に害を及ぼさない、などという量は無い。たしなむ程度の喫煙であっても危険なことには変わりはない。週1、2本程度のタバコなら大丈夫などと考えてはならないのだ」ということ。

副流煙について言えば「職場にいるのが喫煙者ばかりなら、彼らに喫煙を辞めさせるか、自分が職を変えるか、そのどちらかだ。喫煙者が家にいるときは、その者がタバコを吸うときは屋外に出てもらいなさい。副流煙に晒されてはならない」というのが同博士のアドバイスだ。

この研究は American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine 誌の8月20日号に発表された。

Crystal 博士らのチームは、非喫煙者、愛煙家、たしなみ程度の喫煙者の合わせて121名を対象に、被験者全員の尿中のニコチン量を測定し、それに応じてグループ分けした。

次に被験者一人ひとりのゲノム全体をスキャンして、気道細胞を支配している遺伝子の活性状態を測定した。

その結果、ニコチンであろうとコチニンであろうと、どの程度までなら遺伝子レベルで異常をきたさない、などという量は無いことがわかった。ごく少量であっても異常をきたすのである。

Crystal 博士曰く「こういった細胞は、鉱山の坑道にズラッと並んでいるカナリアのようなものだよ。救いを求めて泣き叫んでいるのさ。こちらの遺伝子(カナリア)は活性化している(鳴いている)し、あちらの遺伝子(カナリア)は不活性という具合だ。そしてこのような細胞に損傷を与え、COPD や肺ガンといった肺疾患を引き起こすそもそものきっかけは何か、その手がかりを与えてくれるのがこれなのだ」

どの遺伝子が損傷を受けているかがわかれば、それが肺を保護する新薬の目標になる。

別の研究者はこの研究を絶賛して、こう言っている。「この研究はすばらしいね。分子生物学をうまく利用して、非常に重要な疑問に答えを出しているからね。よく訊かれることなんだ。この程度までならタバコを吸っても大丈夫、というしきい値はあるのか、という質問だ。普通は「週に数本ならタバコを吸っても安全か、とか、週に数回程度ならタバコを吸う友人と一緒にいても大丈夫か、などという訊き方をされるね。しかし検出方法の限界を踏まえても、答えは「否」だね。タバコの煙に少量でも晒された人(の細胞)に変化が出ても、それが最終的に疾患を引き起こすかどうかはわからない。しかしタバコの煙がどの程度の量までなら晒されてもまったく大丈夫、などというような量は一切無いということは、ますますはっきりしている」


こうなると、タバコは一種の公害でしょうか。この情報については、他にも、WebMD の "Even Low Tobacco Smoke Exposure Is Risky"Medical News Today の "Second Hand Smoke More Harmful Than People Think" をはじめ、さまざまなメディアで取り上げています。

禁煙してみませんか。思った以上に簡単...かもしれませんよ(体験から言えば)

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2010年8月21日 (土)

緑の葉物野菜と糖尿病

英国ガーディアン紙の "Eating more leafy greens may stem diabetes risk (Thursday 19 August 2010)" によると、「ホウレンソウなど、緑の葉物野菜をもっとたくさん食べるようにすると、2型糖尿病のリスクを最大14パーセント減らせることが調査からわかった。ただこの調査に関連する研究が少ないところから、さらなる研究で確認する必要がある」そうです。

この記事をざっとまとめると、こうなります。

これまでにわかっていること

2型糖尿病は過去20年間に急増しつづけており、止まる気配を見せない。糖尿病にかかると血液中の糖分が調整できなくなり、やがて過剰になる。そして時間が経つと心臓病や腎臓疾患などという重篤な健康障害を引き起こす。

2型糖尿病は、どれくらい運動するかとか何を食べているかといった、個人の生活スタイルと密接に関わっていることがよくある。糖尿病の兆候(糖尿病前症)が出ても、もっと運動するとか、脂肪の摂取量を減らして果物や野菜、未精白の穀類をもっとたくさん食べるようにするなどすれば、糖尿病のリスクは大幅に減らせる。

しかし果物や野菜を食べると糖尿病のリスクにどういう影響があるかは、他の生活すタイルの変化を考えあわせないとよくわからない。果物や野菜の摂取量を増やせば2型糖尿病のリスクを下げられるだろうか?

この疑問に答えを出すため、研究者らは、果物と野菜の摂取と糖尿病リスクの関係を扱った最高の研究を集めている。


今回の研究でわかったこと

研究者らが合計220000人以上を対象にした6本の研究を調査したところ、やや驚いたことに、果物や野菜の摂取量が多くなっても糖尿病のリスクの減り方は鈍かった。たまたま減ったと言ってもいいくらいである。

しかしそのうちの4本の研究は、緑の葉物野菜を何人前食べたかに焦点を当てている。このデータからは、一週あたりの摂取量が最大の人と最低の人を比較すると、糖尿病のリスクは前者の方が14パーセント低下していた。

研究者らが注目しているのは、緑の葉物野菜に豊富に含まれている抗酸化物質である。これはガンや心臓病など、その他の疾患のリスク低減にも関係している。こういった野菜はマグネシウムも多量に含まれている。こういったことが2型糖尿病を防いでくれていることが考えられる。


注意点

今回の調査は包括的できちんと実施されているが、結果については少々注意を要する。

まず、今回の調査で対象にした研究が6本しかないこと。うち、緑の葉物野菜の摂取に関する報告をしているのはわずか4本である。結論を引き出すには少なすぎる。

さらに研究方法がさまざまである。たとえば日常の食生活に関する情報収集にアンケートや面談を使っている研究もあれば、直近24時間に食べたものを聞き取っている研究もある。こういった差異があるとデータを蓄積する上で誤りや解釈ミスを犯す危険が増加する。

そのうえ、年齢や BMI、家族内の2型糖尿病歴といった、糖尿病のリスクに影響する重要な因子が考慮されていない。これでは糖尿病のリスク低減が、たしかに緑の葉物野菜を摂取したからであって他の要因とは無関係だとは言いにくい。


出典

この研究は英国レスター大学と NHSトラスト・レスター大学病院が行った研究で、BMJ に発表された。

この結果が意味すること

この研究からは、緑の葉物野菜の摂取量を増やすと2型糖尿病リスクが低減することがうかがえる。このリスクを14パーセント下げるには、一日あたり、あと一人前半余分に食べる必要があるだろう。

しかしこの結果を確認するためにさらなる研究が必要なことから、そのような勧告を出すのは時期尚早である。さらに果物と野菜の摂取と糖尿病リスクの関係一般についてもさらに研究を進める必要がある。


じゃあ、一般人はどうすればいいか?

果物と野菜の摂取量が一日5人前に満たない場合は食べる量をもっと増やしてみること。そうすれば必要な栄養がまかなえるし、糖尿病などのように、それで防げる病気もある。

緑の葉物野菜をもっと食べたい人には選択肢は多い。ホウレンソウ、ケール、レタス、アーティチョーク、芽キャベツ、それにカリフラワーだってある。



この最後のコメントは、"If you don't already eat five or more servings of fruit and vegetables each day, try adding more to your diet." なので、たしかに一日最低5人前ということなのですが、これはこれですごいですね。たしかに緑の葉物野菜の種類はたくさんあるでしょうが、毎日この基準を満たすのは、かなり骨が折れますね。こういう場合は、やはりサプリメントなのでしょうか。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2010年8月18日 (水)

魚油は10代少年のうつ病を緩和させるかも - オメガ3

ライフログで取りあげたオメガ3系脂肪酸に関する話題
Flaxseed vs Fish: 植物性オメガ3か魚類オメガ3(2012/07/24)
魚と卒中(12/09/25)
オメガ3系で歯肉疾患の予防(10/12/30)
子供の脳の発達にかかわる必須脂肪酸 - オメガ3(10/11/13)
魚油は10代少年のうつ病を緩和させるかも - オメガ3(10/08/18)
食事の変化で高齢者のコレステロール値改善 - オメガ3(10/02/22)
魚油は統合失調症の予防になるか? - オメガ3(10/02/03)
魚油は細胞の老化を防ぐ - オメガ3(10/01/23)
オメガ3系脂肪酸は加齢性の失明を避けるかも(09/12/28)
食事中の脂肪酸は潰瘍性大腸炎のリスクになる - オメガ3(09/12/04)
魚を食べても心不全の予防にならないかも - オメガ3(09/10/17)
オメガ3系、研究によると、アルツハイマーに効果なし(09/07/14)
オメガ3系脂肪酸は黄斑変性の進行を抑えるかも(09/06/11)
不飽和脂肪酸、アラキドン酸で精神疾患の予防効果?(09/04/15)
オメガ3系脂肪酸に関する私見(08/11/18)
女の子は男の子より2倍重要なオメガ3系(08/06/30)
オメガ3系:いかに騙されているか(08/06/20)

久しぶりにオメガ3系脂肪酸に関する話題をとり挙げよう。脳神経の発達において、オメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸の摂取時期、そして、摂取比率が重要になるんじゃないかという話を、「魚油は統合失調症の予防になるか? - オメガ3」でしている。

胎児期のアラキドン酸、そしてティーンエイジャーにおけるEPAやDHA摂取の重要性が考えられている。今日の報告をみても、ティーンエイジャーにおけるオメガ3系脂肪酸の重要性は示唆されているけど、今回の報告は、気分障害(うつ病)に関する報告なので、以前に紹介した統合失調症の予防と意味合いは少し異なってくるかもしれない。更に、この報告は、あくまでも観察研究の結果なので因果関係が示された訳じゃない。今後の確認研究が待たれるってことだ。

さて、多価不飽和脂肪酸と脳神経に関しちゃ、東北大学の大隅典子先生が有名なので、日本神経精神薬理学雑誌2010年6月30日号に載っている彼女の研究に関する総説を紹介しよう(日本語の文献だけど、PubMedの英語の要約しかない...)

脂肪酸シグナル、神経新生、そして精神障害
Fatty acid signal, neurogenesis, and psychiatric disorders
脳は、脂質と脂肪酸結合タンパクが非常に多い器官であり、脂肪分子の中でも、多価飽和脂肪酸(PUFAs)、特にドコサヘキサエン酸(DHA)とアラキドン酸(ARA)は、主要な構成要素になっている。しかし、PUFAsの正確な役割は分かっていないし、脳の形成、維持、そしてメンタルな機能におけるシグナル伝達に関して全く分かっていない。神経新生は、脳の発達と維持において鍵になる現象の1つだろう。海馬における神経新生の低下と、統合失調症などの精神障害で必ず現れる表現形の1つのプレパルス抑制(PPI)の障害に存在する興味深い関連性は、いくつかの動物実験で報告されている。今のところ、動物モデルを使った神経新生とPPIの整合性から「神経新生理論」を提案していて、さらに神経新生を操作することでPPIに影響を与えることができる可能性を模索している。また同じように、PUFAsは、細胞膜のFabpのリガンドであり神経幹細胞/前駆細胞に豊富に発現しているので、食事性のPUFAs、ARAにDHA(有り/無し)によって神経新生を引き起こし、PPIを改善することができるかどうか確認した。我々の結果から見れば、出生後の神経新生を増大させることで、神経障害に関わるPPIを改善させる可能性がPUFAsにあることが示唆された。

これは彼女の過去の報告、「不飽和脂肪酸、アラキドン酸で精神疾患の予防効果?」と同じ内容だと思われる。原文を手にいれて確認が必要だろう。

さて、今日の話に戻るけど、今回の報告によると、二大精神疾患の1つ、気分障害にも多価不飽和脂肪酸が関連するかもしれない。しかし、その効果が少年にしか現れないかもしれないというのは興味深い。今後の研究報告が楽しみだ。

魚油は10代少年のうつ病を緩和させるかも - オメガ3
Fish oil may curb depression among teen boys
(ロイター・ヘルス) - イワシ、サケ、そしてブリのような脂っこい魚を多く食べるとティーンエージャーの少年の気分的な落ち込みが改善する可能性が新しい日本の研究で報告されている。

しかし、同様の効果がティーンエイジャーの少女では認められない。

オメガ3系脂肪酸、EPAやDHAは主に脂っこい魚に含まれている。これら栄養素が脳機能で重要な役割を担っていると考えられているので、多くの研究者は摂取量を増やせば、うつ病の危険性を下げるかもしれないと考えていた。しかし、成人を対象にした研究で、この関連性に関して結論は出ていない。

今まで、身体が衰弱させるうつ病になりやすい青年期で、この関連性を研究者は調べていなかったから、東京大学の村上健太郎氏のグループは、12-15歳の6,500名の日本の中学生の食事とうつ病の程度を解析した。

最終的に、少年の23%と少女の31%が、価値が無くなってしまう感覚、絶望感、そして睡眠障害といったうつ病の症状に苦しんていた、と雑誌Pediatricsに報告している。

年齢と両親の教育レベルで補正して食事内容に関する質問票から、全体の摂取量を5段階にわけて、最も量の多い少年グループは、最も少なかったグループに比べて、うつ症状のオズ右が27%低下していた。

同様の差は、魚に含まれるEPAやDHAを個別に見ても認められていた。

一方、少女では、魚油によるうつ病への効果が見られなかった。

少年と少女にある効果の差を説明することは難しいと研究者は考えているけど、女性は男性に比べて、うつ病発症に遺伝的な関連性が強いところに原因の可能性があるかもしれないと考えている。

彼らによると、今回の結果は、魚油がうつ病発症リスクを低下させられるエビデンスになっていないと警告している。

因果関係を確認するため更に研究が必要ではあるが、EPAやDHAの摂取を増やすことで、うつ病発症予防の重要な治療法になりえる可能性はあると結論づけている。

文:屋台ブルー

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女性とストレスと認知症

二人とも認知症でしかも老老介護の状況になっているというご夫婦の話はよく耳にします。けっして遠い世界の出来事ではないですね。

アルツハイマー病協会の "Study links stress and dementia" (Published 16 August 2010) という記事によると、


中年になって心理的なストレスを受けると、後年になって認知症、特にアルツハイマー病を発症する可能性があることが、スウェーデン、University of Gothenburg の研究でわかった。1415名の被験者を1968年から2000年にわたって調査し、そのうち 1968年、1974年、および1980年には心理上のストレスに関する調査も行われた。この結果は "Brain"誌に発表された。

以下はアルツハイマー病協会のコメント。

「ストレスは不快なだけじゃない。高齢になってからの健康に影響する可能性があることが、この研究から考えられる。この大規模な研究によって、うつと認知症が関係する新しい証拠が増えている。... ストレスの度合いが心配なら、生活スタイルをじっくりと見直すようにすることだ。そしてどうしようもなければ主治医に相談するといい。個人レベルではなく社会としてストレスに取り組みのも、長期的な視点で見れば有効な方法かもしれない」


Press Association の "Stress 'increases dementia risk'" という記事ではこんな具合。

女性にとって、中年期のストレスはアルツハイマー病の発症リスクを高める可能性がある。

中年期にストレスや不安が繰り返し受けた女性は、受けない人よりも認知症を発症する可能性が2倍近くに高まることを、スウェーデンの研究者らが発見した。

そのような人の大半は、認知症としてもっとも一般的なアルツハイマー病と診断された。

研究者らは1968年から2000年にかけて、1415名の女性を追跡調査した。そして研究開始当初38歳から60歳だった女性について、1968年、1974年、1980年には心理的ストレスの強さが評価された。

この一連の研究中に、被験者の女性のうち161名が認知症、大半がアルツハイマー病を発症した。

中年期に頻繁にストレスを受けた女性の認知症リスク65パーセント高まった。そして頻繁にストレスを受けたと答える調査が増えるにしたがって、認知症を発症する可能性が高まった。

2回の調査で頻繁に、ないしは日常的にストレスを受けたと答えた女性は、リスクが73パーセント増加し、3回の調査すべてでストレスを受けたと答えた場合はリスクが2倍になった。


The Times of India の "Stress ‘ups dementia risk’" という記事には研究者のコメントが載っていました。

「これは中年期にストレスを受けると、高齢期に認知症を引き起こす可能性があることを示す最初の研究だ。動物を使った研究でも同様の結果が確認されている。これまでストレスというのは、卒中や心臓麻痺、高血圧といった循環器系疾患のリスクを高めることがわかっていた。この研究は、認知症のリスク因子の理解を深めることになるかもしれないが、他の研究で確認する必要があり、この領域で研究を進める必要がある。しかし、ストレスを受けたと言っている人の大半は認知症を発症していないのだから、現時点では、ストレスを減らした方がいい、という助言をしたり、認知症の危険が高まるからストレスのかかりすぎは危険だ、という警告を出すことはできない」

でもストレスが多いというのはやはり自然なことではないですから、こまめにストレス解消するのが「吉」なんでしょうね。その意味でも、ストレス解消の手段は多いに越したことはないということですね。皆さんは、ストレス解消の手段、たくさんありますか?

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2010年8月17日 (火)

ビールと女性と乾癬

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

私の話題も、偶然アルコール。

なんと、ビールを日常的に飲用している女性は、乾癬(皮膚病の一種らしいです)にかかる危険が増加するとのこと。
"Drinking beer can lead to psoriasis in women (8/16/2010)" によると、


乾癬にかかりやすい女性は、黒ビールをやめてライトビールにした方がいい。新しい研究から、通常のビールを飲むと、女性では乾癬にかかるリスクが70パーセント以上高まることがわかった。

摂取するアルコールの種類と乾癬のリスクの関係を調べるため、Brigham and Women's Hospital の Dr. Abrar A. Qureshi と Harvard Medical School が、1991年から 82869名の女性を対象に数年間かけて追跡調査した。

調査開始時点では、被験者は27歳から44歳までの女性で、看護師に対する Health Study II の参加者である。この被験者に対して、2年ごとに、たとえば摂取するアルコールの量と種類、および乾癬にかかっている診断を受けたかどうかなど、複数の質問をした。

2005年までの間に、被験者全体で1150件の診断を受けた。そのうち1069件を分析して、摂取量が平均して週に2.3杯以上だと、飲まない被験者に比べて乾癬のリスクが72パーセント高まることを究明した。しかし同時に、ライトビール、赤ワイン、白ワイン、リカー(蒸留酒)では、乾癬リスクとの関係は見られなかった。

研究者によると、「ライトじゃない」ビール(訳注。つまりレギュラービールとか、もっと強いビールのこと)を週に5本以上(?)(訳注。原文は "five or more non-light beers per week") 飲んでいる女性は、ビールを一切飲まない女性よりも乾癬リスクが1.8倍高まった。さらに乾癬だと確認されたものだけで考えると、乾癬リスクは2.3倍に高まった。

研究者は、大麦をはじめとするでんぷん質にはグルテンが含まれていて、それに敏感に反応する人がいるが、ライトビールに含まれている穀類がレギュラービールよりも少ないと指摘している。

「乾癬のリスクが高い女性は、レギュラー以上のビールの大量摂取は止めた方がいい」とは、journal Archives of Dermatology に研究を発表した研究者の話。

ある種のアルコール飲料は、他の疾患のリスクにも影響を与えることが分かっている。たとえばビールは、スピリッツやワインよりも痛風のリスクを大幅に高める。(とはいうものの、骨にとっては、ビールは確かに有効なんだけどね)。

だそうです。選択が難しいところですね。

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2010年8月16日 (月)

タバコの鎮静効果

The Claim: Smoking Relieves Stress (August 9, 2010) というニューヨーク・タイムスの記事によると、


ガンをはじめ多くの健康障害を減らすという禁煙の効能はよく知られているところだが、愛煙家が、あるいは禁煙していてもまた吸い出す言い訳にするのが、「だって神経が休まるじゃないか」

しかし研究によると、喫煙は実際には正反対の結果をもたらすらしい。長期的にはストレスが減るどころか増加するのだそうだ。英国 London School of Medicine で行われた最近の研究によると、469名の被験者が、心臓病の検査で入院したあと禁煙にチャレンジした。開始当初のストレスレベルは、被験者間で大差なく、禁煙もなんとかなると思われた。1年後も禁煙が続いていたのは41パーセント。種々の因子を調整してみると、喫煙しつづけている人が感じているストレスはほとんど変化が無いが、禁煙が続いている被験者が感じているストレスレベルは、それよりもざっくり20パーセント低下していた。

科学者の仮設によると、
喫煙者はチェーンスモーキングでもしない限り、タバコを吸わない間に起きる不快なニコチンの禁断症状に一日何度も対処しなければならない。しかし禁煙者が直面する禁断症状は禁煙当初だけで、あとはニコチンの欲求とはかなりおさらばできる。そのためストレスの元が無くなる。


ということらしい。

同様の結果は "Does cigarette smoking cause stress?" (Department of Psychology, University of East London) にもある。この記事の抄録によると、


喫煙者はよく、タバコはストレスを癒してくれると言うが、成人喫煙者のストレスレベルは、非喫煙者よりも若干高い。青少年の喫煙者は、喫煙が日常化していくにつれてストレスレベルが増加すると言っている。そして禁煙するとストレスが減少する。ニコチンは気持ちが落ち着くどころか、依存することによってストレスは悪化するようである。事実、喫煙者は、タバコを吸っていれば気持ちは普通で落ち着いているが、タバコを吸わないときは心の状態が悪くなると言っている。

つまり、喫煙による鎮静効果というのは、ニコチン不足からくる緊張といらいら感の裏返しにすぎない。喫煙に依存している人は、心を普通の状態にしておくにはニコチンが必要になる。

タバコを使ったからといってストレスが和らぐことはなく実際は増加する、ということのようです。

それに、禁煙すれば、タバコの火の不始末から火事、なんて心配が一切なくなり、精神衛生上さらによし :-)

禁煙してみませんか! 意外と簡単かもしれませんよ、禁煙って!! (体験から言えば)

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2010年8月14日 (土)

糖尿病患者の血圧コントロール - 「血圧は低ければそれでいいの?」へのコメント

fumixieさんのエントリー「血圧は低ければそれでいいの?」は私も考えさせられたので、コメントが遅くなりました。と言っても、今日の内容は医療従事者向けになるな。一般の人は読んでもさっぱり分からないかも。

これの元ネタは、先月JAMAに掲載された「Tight Blood Pressure Control and Cardiovascular Outcomes Among Hypertensive Patients With Diabetes and Coronary Artery Disease(糖尿病と冠動脈疾患を持った高血圧症患者における厳格な血圧コントロールと心血管イベントの関係)」という報告。

実はこの報告、INVESTと呼ばれる大規模臨床試験の二次解析になるので、親元の対象は、高血圧症とCAD(心血管疾患)を持っている患者(22,576名)だった。第一選択薬にカルシウム拮抗薬かβブロッカーが使われていた。カルシウム拮抗薬から始めた場合、2番目にACE阻害薬、そして3番目に利尿剤が追加されていて、βブロッカーから始めた場合、2番目に利尿剤、3番目にACE阻害薬が加わっている。しかし、登録時に糖尿病があれば(6400名)。第一選択薬にACE阻害薬が使用されているようで、その彼らが今回の報告対象となっている。

でも、Methodsの所に、「For patients with diabetes at the time of enrollment, trandolapril was recommended as part of initial therapy, regardless of treatment strategy assignment. 」という記述があるけど、「was recommended」というニュアンスが気になるんですよね。推奨されているけど、実際は使っていないかもしれませんね。試験デザインと同様の処方順序かも...

糖尿病患者で高血圧症になればACE阻害薬かARBが第一選択薬になる。だって、カルシウム拮抗薬にCADの予防効果が無いからだ(今日の本題で説明)。試験デザインの通りに投薬されているとなると、ACE阻害の投与タイミングが遅くなっていてイベント発生に影響があるかも。これは非専門医の浅はかな考えなんだろうか?

血圧コントロールの程度で。厳格コントロール:収縮期血圧129mmHg以下、通常コントロール:収縮期血圧130-139mmHg、コントロール不良:収縮期血圧140mmHg以上の3群に分けられていて、降圧剤の使用状況は、厳格コントロール群で3剤以上、通常コントロールとコントロール不良群で、集団の2/3が3剤以上の併用をしていた。そして、これら3群ともACE阻害薬の投与は75%だったという。素晴らしいよね。だって、ACE阻害薬の副作用って結構多いからだ。何度も言うけど、やっぱりACE阻害薬を内服していた期間が気になる。試験当初から75%の人が内服していたのだろうか?

Result_jama1

でも、この結果にはインパクトがあって、著者が説明するように、CADの既往がある糖尿病患者の場合、BP130/80mmHg以下にコントロールすることに躍起にならないで、他のリスクファクターに注意を向けろっていうのも頷けます。

しかし、ここでも日本人と白人の人種差を考慮しないといけないでしょう。白人に比べて少ないCADの発症、そして何よりも最近注目されている日本人の腎臓病の多さ(日本人のネフロンの数が少ないという話→データを持っていないので出典を教えてください)を考えると、日本人の糖尿病患者の場合、腎臓病予防を考えて、より厳格な血圧コントロールが望まれるんじゃないのかな。この結果だけで、2009年のガイドラインで推奨されているBP130/80mmHg以下の目標値を無視しちゃいけないでしょう。ただ、明らかに心血管疾患を持っている患者さんだったら無理に収縮期血圧を120mmHg以下にまで持って行こうとしなくてもいいかも。しかし、糖尿病性腎症があったらどうしたらいいんでしょうね?専門医の人の意見を聞きたいですね。

さて、私のような一般家庭医が血圧コントロールに迷いが生じた時、偉い先生方の意見を承った方がいいでしょう。ちょうど同時期に雑誌Clinical Diabetesに「Blood Pressure Management in Patients With Diabetes(糖尿病患者の血圧コントロール)」というレビュー記事が掲載されたので知識の整理のために訳文を紹介しておく。

文献の最後に締めた言葉につきると思う。

Further evidence is needed to support treating patients to BP goals lower than current recommendations.

今あるエビデンスでは収縮期120mmHg以下にした方がいいのかどうか分からない。日本人でどうなのかさっぱり分からない。日本人のエビデンスが知りたいよね。

文:屋台ブルー

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2010年8月10日 (火)

ビール:最新で全くあり得ない健康食品

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さあ今日は久しぶりにアルコール、ビールの話題だよ。

暑いからビール好きは飲む量が増えているんじゃないかな。ビールに関して色々言われているけど、ほどほどにしていないと痛い目に合うよ。Diet Blogを見たら、英国でくだらないキャンペーン運動が始まっているみたいだ。ダイエットをするならビールがお勧めって、眉唾だよね。

「ビール」と「ダイエット」でググってみると、色々な情報に溢れている。でも、どうして日本語のサイトはくだらない業者の宣伝サイトが多いのだろう。まともな情報に辿り着くことのできない日本語リーダーは可哀想ですね。

今日の記事に出てくる「エンプティカロリー」をまともに説明しているサイトも少なかったよ。どうしてだと思う?

実は、ビール(アルコール)の代謝といっても、身体の中でどのように代謝されているのか本当は分かってないですよ。教科書レベルであたかも目の前で起きている現象のように説明されていても、インビトロ(試験管内)の実験で得た知識をインビボ(生体内)の現象として理屈づけているだけ。立派な学者は、分からない現象を既知の現象から推論して最もらしく話できるテクニックに長けているんですよ。でも、本当は分かっていないという事実に何ら変わりはないんですよね。

エンプティカロリー(Empty Calorie)を言葉通りに、カロリーが空、カロリーが無いという説明をしている人も多いけど、そういう人は決まって、アルコールを飲むと放熱されるからカロリーとしてカウントされないという説明をしている。しかし、熱を作り出すということは明らかにカロリーがあるってことになるよね。こんな矛盾した説明をよく平気でしているもんだ。血管拡張による熱産生という理由にも笑ってしまった。

摂取したアルコール、どの位が熱産生に使われるでしょう?もし知っているのなら教えていただきたい。「教科書に書かれているから」なんて笑ってしまうような説明は無しね。

エンプティカロリーが誤訳される原因は、この言葉を作った人のミスでしょう。「Empty calorie means too many calories with too little nutrition.(エンプティカロリーとはカロリー値は高いけど栄養素は少ない)」と私は理解している。ジャンクフードもそうですよね。ね、やっぱりエンプティカロリーって誤解を与えやすい言葉だと思わない?やっぱりエンプティニュートリションと言った方がいいんじゃないかな?

さて、ビールの話をもう少しする。私はいまだにアサヒのフーパードライが好きでよく飲んでいる。喉が渇いている時だったら、500ml缶をあっという間に飲み干してしまうし、同様の人も多いでしょう。でも、ダイエットの事を考えて350ml缶で話をしよう。

スーパードライはアルコールが5%含有されているから、350ml缶には17.5mlのエタノールが含まれている。エタノールの比重は0.8(温度で変化するよ)として、14gのエタノールってことになり、カロリーは98kcalになる。糖質は10.5gなんで42kcalになるけど、原材料の麦芽、米、ポップ、コーン、スターチから推測すると麦芽糖(マルトース)から得られるカロリーだろう。ほら、糖の割合だってハッキリ分からないよね。ビール会社によっても異なるでしょうし、そんなビールの生体内の代謝なんて分かるわけないんじゃない?

それからタンパク質も少し含まれていて、最大で1.4gあるから5.6kcalということになる。これらを足すと、98+42+5.6=145.6kcalになるね。スーパードライの成分表に表示されているエネルギーは147kcalなんで、計算通りだろう(誤差はエタノールの比重かな?)。まあ他の微量成分も全く分かんないけどね。代謝に驚くべき影響があったりしてね(^_-)

ここまでで考えれば、350ml缶のビールを飲んでも、白米をお茶碗一杯分減らせば減量の妨げにならないと思うだろう。でも、身体の反応を考えると、アルコール飲料はダイエッターにとってやっかいな存在になる。

エタノールの中間代謝産物のアセトアルデヒドの弊害については触れないけど、摂取したエタノールの大半は肝臓で代謝を受け、デノボ脂質合成系からVLDL(超低比重リポ蛋白)やFFA(遊離脂肪酸)の産生を増やしてしまうんだよ。内臓脂肪の過多やインスリン抵抗性を高めてしまう。やっかいなのは、エタノールを摂取しても満腹感を感じにくいことだろう。ビールに含まれる麦芽糖やエタノールじゃ血糖値は上がりにくいからだ。てことは、ビールを飲んでも食事量は減らないってことだね。

まあ私の話も重箱の隅をつついたような内容に溢れていて説得力はないけど、それだけ分かってないことが多いんだよ。

そんな理由から、今日のDiet Blogのようなキャンペーン活動でも支持されてしまうのかもよ。

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2010年8月 5日 (木)

「ビフォア・アフター」の写真に隠れた真実

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今日は久しぶりにDiet Blogの話題に目が留まったので紹介しよう。

ハッキリ言って、広告業界がここまであくどいやり方をしていると思っていなかった。騙されている人も多いんじゃないかな。写真の加工なんて誰にでも簡単にできるからね。

私の写真は加工されていないけど、疑いの目を持たれても不思議じゃないぐらいだ、巷じゃ、加工された写真がわんさと宣伝に使われているんでしょうね。もし、こういう仕事をしている人がいらっしゃれば、コメントを下さい。

「ビフォア・アフター」の写真に隠れた真実
The Truth About "Before" and "After" Shots

「百聞は一見しかず」とは言うものの... そうですね、減量に関して言えば、数枚の「ビフォア・アフター」の写真以上に印象に残る物はないだろう。

減量薬や減量のためのエクササイズ・マシーンを勧めている業者にとって、彼らの商品を売るためのベストの方法になる。

それほど深刻じゃないことなら、面白いことで済ませられるだろう。しかし、現実と写真のトリックを分ける境界線は、本当に細くて分かりにくいから、何が起きているのか人々は知る必要がある。

ここに、ドキュメンタリー映画「Bigger, Stronger, Faster」から、ちょっとしたYoutubeのビデオクリップを紹介する。もし、観たことがないのなら、一見の価値ありだ。


訳注:私の英語力じゃ完全に単語を聞き取ることができないけど、時系列に会話を抜き取って和訳をつけたよ...
インタビュー:...air brushes, guys a lot put them in the magazine? - ...エアブラシ、結構、雑誌に使ってるの?
写真家1:Definitely, there are all kinds of techniques and tools you can use to completely manipulate the body. - 当然じゃないか、どんなテクニックや道具を使って、身体のイメージを完全に変えているよ。
インタビュー:Really? - 本当に?
写真家1:In fact, it means someone's Before and After pictures. - 実際、誰かのビフォア・アフターの写真をみればわかるよ。
インタビュー:Aha, - なるほど、
写真家1:They could be done the same day. - 同じ日にどちらも撮れるんだよ。
インタビュー:You haven't shot them the same day though, have you? - あなたは同じ日に撮ったことなんてないでしょ?
i写真家1:I have, actually. - いやいや、あるよ。
インタビュー:Oh, you have. - へえ、あるんだ。
写真家1:Yea, - そらりゃね。
インタビュー:What, What are they doing? - どんな風に?
写真家1:is this self-editing, a part.. keep a mouth shut... - そりゃ自分で編集して... おっと黙ってないとね...

----- 場面が変わって、撮影スタジオに移る -----

写真家2:I can take anybody, it takes a picture of them, make a look them the worst. think horrible thoughts, depression... and then, through all kinds of ways to make them the best. - 誰だって撮れるし、最低な見栄えにできる。おそろしく酷く考えたりおちこんだりしてね... それから、ありとあらゆる方法を使って最高に仕上げるんだよ。

----- 撮影シーン -----

写真家2:You can take the step further if you want. In the before and the after, basically you can take somebody, and make them a little fatter and shorter. People fall for this. They fall for all the time, It's... beyond what I can understand, because it looks so silly to me, but off course, I'm someboady, who has sort of inside the Backstage Pass=>聞き取れない(T_T)... - もし望むなら更にできることはある。ビフォアの写真でも、アフターの写真でも、基本的に写真を撮ってしまえば、ちょっと太らせたり、小さくしたりできるんだ。それで人々は騙されちゃんだよ。いつも騙されているね、私の考える以上にだよ。だって、私には馬鹿げているようにみえるのにね。でもね、もちろん、私は、Backstage Pass(雑誌)の関係者なんで...(よく分からない)。
訳注:「HFCS(ブドウ糖果糖液糖)の真実」ここで私のリスニング能力の低さを既に露呈しているので、リスニングに強い読者さん、お願い。私の聞き取りを訂正してください。前回のコメントに訂正文を載せてくださった「a reader」さん、よろしく。

「ビフォア・アフター」の写真は、ある程度してから撮られていたと今までは考えていたけど、同じ日に撮られていたなんて思ってもいなかったよ --- 間違ったことだろう!

今日の話は、古い話題かもしれないけど、多くの人が、こういう現実があるってことを疑ったこともないだろう。だから、話すべき価値はある。

私に関して言えば、高級雑誌やサプリメントの広告を信じないもう一つの理由になっている。

過去にこういう宣伝を見て商品を購入したことありませんか?もし写真家の人がいらっしゃれば、こういう仕事をするってどう思われます?こうしてもかまわないんでしょうか?

Photo source: Pink Sherbet Photography

文:屋台ブルー

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