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2010年7月14日 (水)

認知症と生活様式

は誰でも歳をとるものですが、加齢にともなって気になりだすのが認知症です。認知症が生活様式の改善で予防できたりするととても嬉しいのですが、それに関する記事がありましたので紹介します。

foodconsumer.org の "Vitamin E rich foods cut dementia risk (13/07/2010)" という記事では次のように伝えています。

"Archives of Neurology" の2010年7月号に掲載されたレポートによると、食事でビタミンEを摂取すると認知症やアルツハイマー病の予防になる。

ビタミンE、ビタミンC、ベータカロテン、フラボノイドのうち、食事でビタミンEをもっとも多く摂取した被験者は、研究開始後9.6年の追跡調査の間、認知症発症の割合が25%低下した。しかし他の3種類は、認知症およびアルツハイマー病のリスク低減には結びつかなかった。

1990年から1993年にかけて55歳以上の被験者5395名を調査したオランダの研究者らによると、「... ビタミンEは強力な脂溶性の抗酸化物質で、認知症の病態形成を抑制してくれる」とのこと。この研究でアルツハイマー病のリスク低減にビタミンEが関わっていることははっきりしたが、リスク低減がほんとうにビタミンEによるものかどうかは不明のまま。

一方スエーデンとイタリアの研究者らは、"Journal of Alzheimer's Disease" 誌で、摂取するビタミンEが、トコフェロールのように1種類だけだと死亡率が増加する可能性があると警告している。そこで引用されている研究によると、あらゆる種類のビタミンEをたっぷり摂取した人は、アルツハイマー病になる割合が45%から50%低下した。しかしビタミンEのサプリメントの有害性はこれまで以上に明白になっている。

今週米国ハワイのホノルルで開催された会議で発表された研究からは、認知症、特にアルツハイマー病のリスク低減には、運動、お茶の飲用、ビタミンDの摂取が役立つと考えられる。

NaturalNews.com の "Vitamin D promotes memory and cognitive function in seniors" (Tuesday, July 13, 2010) では次のように伝えています。

いくつかの研究から、ビタミンD不足がうつと関わっていることがわかっているが、ビタミンDが不足すると、情報を正確かつ明確に処理する脳の能力が奪われるようである。

加齢が認知機能に影響し、ひいては記憶や言葉の正しい選択に障害をおよぼすことはわかっているが、ビタミンDの欠如が認知機能の損傷の原因ないし一因だとすると、ビタミンDを充分に与えれば頭の回転が維持できるし記憶力も損なわれずにすむ望みが出てくる。Journals of Gerontology に発表された米国タフツ大学の研究者らによる研究から、その可能性が浮かび上がった。計画を立てたり新しく何かを覚えることに関与している海馬と小脳にビタミンDの代謝経路が見つかった。ということはビタミンDが不足するとこういった認知処理が混乱する可能性がある。

この研究者らが、在宅介護を受けている65歳から99歳までの高齢者1000人以上について、血中のビタミンD量を測定し、神経心理学の側面から状態をみるテストの結果と照合した。その結果、在宅介護が必要な高齢者は日光を浴びる量が限られていることから、ビタミンD不足のリスクが高まっていると研究者は指摘している。事実ビタミンDが充分だったのはわずか35%だった。認知テストの結果は、ビタミンDが不充分ないし不足している被験者よりも、充分な量のビタミンDが存在する被験者の方がはるかに優秀だった。

う一つ foodconsumer.org の "Tea and Physical Activity Reduce Dementia Risk" (12/07/2010) では、

米国ハワイのホノルルで開催されたアルツハイマー病協会の国際会議で発表されたデータから、認知症のリスクを上下させる3つの要因が明らかになった。

  • 血中ビタミンDの量
  • 適量のお茶の飲用
  • 中程度ないし強めの身体活動

65歳以上の高齢者3325名を対象にした研究によると、ビタミンD量が不充分だとアルツハイマー病発症の可能性は42%高まった。ビタミンDが著しく不足している場合、認知症を発症する可能性は394%高まった。

別の研究では、いつもお茶を飲用していると認知症にかかる可能性が低下した。4800名を対象としたこの研究から、週に1回から4回お茶を飲用していると、それ以下の人よりも認知症にかかる可能性が37%低下した。

また定期的に身体活動していると、認知症のリスクが40%低下したという研究がある。運動せずに座ってばかりいる生活をしている人は、運動を続けている人よりも認知障害を発症する可能性が45%高まった。

きれば認知症は発症したくないものですが、以上の研究結果を見ると、日常生活を改善することによってある程度は予防できそうな気がしませんか?!だとすれば、とても嬉しいことですよね。最後に取り上げた研究など、ビタミンDが著しく不足していると、認知症発症率は394%高まったというのですから、ちょっと尋常じゃないですよ。皮膚ガンの可能性を考慮したとしても、日光浴の効用をもっと活用したほうがいいのでは?!

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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コメント

アルツハイマー病が抗酸化物質とのかかわりがある記事がこれだけ多く出ていると、関わりはとても深いように最近思っています。

一昨年、腰痛の権威の先生の研究を聞く機会がありましたが、慢性腰痛があることで脳の委縮が進んでしまうという結果がありました。

栄養的な部分、身体的な部分と様々にその要素があるように思えてきますね。

投稿: Ctom | 2010年7月15日 (木) 11時38分

Ctomさん、コメントいただきありがとうございます。

「慢性腰痛があることで脳の委縮が進んでしまう」ということは、脊柱管狭窄症も対象なのでしょうか。ちょっと気になります。そういえば以前Life-LOGでも取り上げられていましたが、飲酒によって脳が縮むという記事がありましたっけ。

いずれにしても、生活スタイルの改善がある程度鍵を握っているのかもしれませんね。

投稿: fumixie | 2010年7月15日 (木) 15時04分

脊柱管狭窄症を持っている場合でも”慢性的な痛み刺激がある”場合には当てはまるそうです。まとめの中では、体から一定に痛み刺激が脳に伝わり続けることが脳の委縮と関係しているとのことでした。

慢性痛は急性痛と異なる神経経路を伝わって脳に刺激が入ることがその原因の一つのようです。いやはや。肩凝りで痛みが生じていたりするのも関わってくるんでしょうね。

投稿: Ctom | 2010年7月17日 (土) 09時08分

Ctomさん、教えていただきありがとうございます。

ということは、腰痛とは限らず、「痛み」という刺激が慢性的にある(脳に伝達されている)と、それが脳の萎縮の一因になるということなんですね。その意味でも「痛み止め」には効果があるんですね。

痛みの伝達経路にしても、慢性と急性では経路が異なるんですか。さすがに人体、奥が深いです。

投稿: fumixie | 2010年7月17日 (土) 09時27分

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