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2010年7月

2010年7月23日 (金)

肉食と体重(BBCの記事より)

BBC の健康欄に 'Cut down on meat to lose weight' (22 July 2010) という興味深い記事がありましたので紹介します。


英国をはじめとするヨーロッパ10ヶ国の成人40万人ほどを対象にヨーロッパで行われた研究によると、摂取カロリーは同じでも、肉食の方が体重増加に絡んでいるそうです。特に関係が顕著なのはソーセージやハムなどの加工肉の場合です。このことを発見したのは英 Imperial College London の研究チーム。このことから、長い目で見ると高タンパクの食事では体重が落ちてくれないようです。

American Journal of Clinical Nutrition に発表されたこの研究は、摂取する肉の量を減らす方が健康にいいというメッセージも指示しています。

肉食と体重増加の関係は男女いずれの場合にも見られました。それに総摂取カロリーや身体活動をはじめ結果に影響を与えそうな因子を考慮しても、なお有意な関係が見られました。

摂取カロリーが同じでも肉を食べるとどうして体重が増えるかは不明です。肉のようにエネルギー密度の高い食べ物を食べると食欲の調整機能が変化するのではないかという理論もありますが、他の生活様式や食事でその関係が説明できる可能性もあります。

この研究を率いた研究者は「肉の摂取は抑えて、体重も生活全般も健康で健全にしている方がいいのではないか。でも食べる肉の量を減らしただけではダイエット対策としては不充分だと思う」と語っています。

ダイエットの専門家で British Dietetic Association のスポークスマンは、最終的な体重が自己申告だったことを含めて、この研究には注意すべき点があるとしながらも「普段食べる肉の量は多すぎる」と言っています。「食事にはバラエティが大切だと顧客には言っている。朝食にはベーコンじゃなくて卵、昼食ならハムの代わりにチーズ、そして夕食は肉をやめて魚にするといった具合だ」さらに肉もそうだが、豆類、未精白の穀物、果物、野菜、脂分の多い魚も食べた方がいいと助言しています。もう一つ、一人前の分量が重要になります。


体重との関係が不明という点がなんとも曖昧ですが、ヨーロッパの成人40万人を対象にしてそういう結果が出てしまったのであれば、それはそれで尊重すべきでしょうし、もしかしたら日本とかアジアでもそうかもしれませんね。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2010年7月15日 (木)

BMI と WHR はどちらがいい? - 屋台ブルーの補足

皆さん、お久しぶり。今日のエントリーは、ゲストライターのfumixieさんの記事に関する補足です。オリジナルの「BMI と WHR はどちらがいい?」も併せて読んで下さいな。

集団の中から健康障害リスクを持っている人を見つけるため(スクリーニング)に、簡便で安価な手段が望まれる。対象が集団全員になるから、検査にコストがかかると全費用は馬鹿にならない。

BMIは体重計と身長計だけで算出できて、検診時等に調べるのに適している。BMIで基準値があれば、それだけで高リスクな人を選び出せる。

WHO(世界保健機構)はBMIの高いグループと健康障害の関連性に関する報告(欧米が中心)を検討して、30以上を「肥満」と定義して注意を呼びかけている。2005年9月、WHOは世界の人口60億人のうち10億人以上が太りすぎという推計を発表して、BMI30以上の人口比率の高い国を「肥満注意国」と指定したけど、この時、日本は含まれなかった。

肥満を原因とした疾患(糖尿病、心臓病、脳卒中)の増加は日本でも無視することができない。「肥満」を単に身長と体重というパラメーターで定義できないってことだ。

BMIの問題点は、以前からとり挙げられている。2002年9月、雑誌Obesity Reviewに掲載された記事「Asians are different from Caucasians and from each other in their body mass index/body fat per cent relationship.(BMIと体脂肪率の関連性をみれば、アジア人は白色人種と異なる)」を見るといい。

ここでとり挙げられているアジア人(インドネシア人、シンガポールの中国人、マライ人、インド人、香港の中国人)に日本人は含まれていないけど参考になるだろう。白色人種と比較すると、アジア人はBMIが低く、体脂肪率が高い。要するに、同じBMIならアジア人の体脂肪率は3~5%高く、同じ体脂肪率ならBMIは3~4ポイント低いってことだ。

人種によって体格は異なるから肥満の定義も異なってくる。体脂肪(内臓脂肪+皮下脂肪)で肥満の評価をするのも不十分かもしれないけど、現在は、アジア人の場合、BMIが25以上で肥満という基準になっている。

しかし、内臓脂肪の評価はされていない、結局、BMIだけで肥満と言いにくい。内臓脂肪を評価する方法が望まれた訳で、WC(Waist Circumference/腹囲)やWHR(ウエスト・ヒップ比)を測定するという手段が生まれてきたんだ。

何度も言うけど、ここで重要なのは、どちらもコストがかからないってことた。スクリーニング検査としてBMIよりもリスク評価に優れているから、現在、研究報告が数多く発表されてきている。

fumixieさんが、BMIとWHR(ウエスト・ヒップ比)に関する話題提供をしてくれたけど、今年の初めに、雑誌European Journal of Clinical NutritionでWCとWHRに関する特集が組まれていた。ちょっと内容を紹介しておこう(現在文献はフリーなので興味がある人は読んでみるといい)。

日本人の特性として、同じBMIやWCなら、白色人種に比べて体脂肪率は高めになる。したがって、WHOの推奨する日本人のWCは、男性なら85~90cmで、女性は78cm~86cmになっていた。これは現在国内で使われているメタボリック症候群の基準(男性85cm、女性90cm)と異なる。ということは、今後、国内で使われているメタボリック症候群の診断基準、特に女性の腹囲は変更される可能性は高いだろうね。

WHRに関して言えば、日本人を対象にしたエビデンスは皆無のため、今回基準値は示されなかった。白色人種に比べて、同じWHRでも日本人の体脂肪率は高いという予備的な報告もあるので、白色人種で使われている男性0.9、女性0,8という基準値では過小評価されてしまうかもしれない。

さて、fumixieさんも言及しているけど、WHRやWCにも問題点はある。あくまでも内臓脂肪過多を予測する手段として、BMIより優れているというだけのこと。WHRに関して言えば、日本人のエビデンスは無いので、一般的な指標として使うべきじゃないかもしれない。

もう一度、最初に触れたことを繰り返して言うけど、BMI、WC、WHRも、単にスクリーニングの手段である。リスクのある人をコストのかからない方法で見つける方法であり、問題のある人の目標値じゃない。同じ日本人を見ても体格の差は大きく、肥満は個別に対処しなければならないだろう。内臓脂肪の過多が見つかれば、他の手段(血液検査や画像診断)で評価して対処する必要があるだろう。

と、ここまでは肥満について話してきたけど、fumixieさんのエントリーのコメントの中でBMIが14の人の話題がありましたね。実は低体重でも考え方は同じです。あくまでもBMIはスクリーニングの道具であり、「14」ということは低体重にカテゴライズされているというだけ。要するに、問題を抱えているかもしれないけど、これが問題という意味ではないよ。

コメントから見れば、妊婦さんのようで、ちゃんと内科や産婦人科に受診されて問題なしと言われているのであれば問題ないんじゃないかな。

妊婦である現在、バランスの取れた食事を摂って、母胎環境が飢餓状態で無いことを胎児に示せれば、生まれてくる子供に問題は起こりにくいでしょう。ただ、妊娠前から無理なダイエットをしていたり、妊娠をしてからダイエットをするような場合、問題があるかもしれませんよ。妊娠中の食事に注意して下さい。

妊婦の食事、幼児の骨に長期間影響を与える
シーフード:どのくらいヘルシー?
「ライトな飲酒」は妊娠中でもOK?
「ライトな飲酒」は妊娠中でも?ちょっと考え直そう
低体重、それともちょっと太り気味:どちらが悪いの?

最後に、低体重による健康障害の報告として骨粗鬆症 との関連性はあります。感染しやすくなるとか癌が増えるとかいう話もありますが、これはまだコンセンサスが得られていません。どちらにしろ今のところ問題はないかもしれませんが、将来的に問題が生じてくるかもしれません。普通の内科や産婦人科で未病は診てくれないので他の専門家にコンサルトしてみるのもいいかもしれませんね。

文:屋台ブルー

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2010年7月14日 (水)

認知症と生活様式

は誰でも歳をとるものですが、加齢にともなって気になりだすのが認知症です。認知症が生活様式の改善で予防できたりするととても嬉しいのですが、それに関する記事がありましたので紹介します。

foodconsumer.org の "Vitamin E rich foods cut dementia risk (13/07/2010)" という記事では次のように伝えています。

"Archives of Neurology" の2010年7月号に掲載されたレポートによると、食事でビタミンEを摂取すると認知症やアルツハイマー病の予防になる。

ビタミンE、ビタミンC、ベータカロテン、フラボノイドのうち、食事でビタミンEをもっとも多く摂取した被験者は、研究開始後9.6年の追跡調査の間、認知症発症の割合が25%低下した。しかし他の3種類は、認知症およびアルツハイマー病のリスク低減には結びつかなかった。

1990年から1993年にかけて55歳以上の被験者5395名を調査したオランダの研究者らによると、「... ビタミンEは強力な脂溶性の抗酸化物質で、認知症の病態形成を抑制してくれる」とのこと。この研究でアルツハイマー病のリスク低減にビタミンEが関わっていることははっきりしたが、リスク低減がほんとうにビタミンEによるものかどうかは不明のまま。

一方スエーデンとイタリアの研究者らは、"Journal of Alzheimer's Disease" 誌で、摂取するビタミンEが、トコフェロールのように1種類だけだと死亡率が増加する可能性があると警告している。そこで引用されている研究によると、あらゆる種類のビタミンEをたっぷり摂取した人は、アルツハイマー病になる割合が45%から50%低下した。しかしビタミンEのサプリメントの有害性はこれまで以上に明白になっている。

今週米国ハワイのホノルルで開催された会議で発表された研究からは、認知症、特にアルツハイマー病のリスク低減には、運動、お茶の飲用、ビタミンDの摂取が役立つと考えられる。

NaturalNews.com の "Vitamin D promotes memory and cognitive function in seniors" (Tuesday, July 13, 2010) では次のように伝えています。

いくつかの研究から、ビタミンD不足がうつと関わっていることがわかっているが、ビタミンDが不足すると、情報を正確かつ明確に処理する脳の能力が奪われるようである。

加齢が認知機能に影響し、ひいては記憶や言葉の正しい選択に障害をおよぼすことはわかっているが、ビタミンDの欠如が認知機能の損傷の原因ないし一因だとすると、ビタミンDを充分に与えれば頭の回転が維持できるし記憶力も損なわれずにすむ望みが出てくる。Journals of Gerontology に発表された米国タフツ大学の研究者らによる研究から、その可能性が浮かび上がった。計画を立てたり新しく何かを覚えることに関与している海馬と小脳にビタミンDの代謝経路が見つかった。ということはビタミンDが不足するとこういった認知処理が混乱する可能性がある。

この研究者らが、在宅介護を受けている65歳から99歳までの高齢者1000人以上について、血中のビタミンD量を測定し、神経心理学の側面から状態をみるテストの結果と照合した。その結果、在宅介護が必要な高齢者は日光を浴びる量が限られていることから、ビタミンD不足のリスクが高まっていると研究者は指摘している。事実ビタミンDが充分だったのはわずか35%だった。認知テストの結果は、ビタミンDが不充分ないし不足している被験者よりも、充分な量のビタミンDが存在する被験者の方がはるかに優秀だった。

う一つ foodconsumer.org の "Tea and Physical Activity Reduce Dementia Risk" (12/07/2010) では、

米国ハワイのホノルルで開催されたアルツハイマー病協会の国際会議で発表されたデータから、認知症のリスクを上下させる3つの要因が明らかになった。

  • 血中ビタミンDの量
  • 適量のお茶の飲用
  • 中程度ないし強めの身体活動

65歳以上の高齢者3325名を対象にした研究によると、ビタミンD量が不充分だとアルツハイマー病発症の可能性は42%高まった。ビタミンDが著しく不足している場合、認知症を発症する可能性は394%高まった。

別の研究では、いつもお茶を飲用していると認知症にかかる可能性が低下した。4800名を対象としたこの研究から、週に1回から4回お茶を飲用していると、それ以下の人よりも認知症にかかる可能性が37%低下した。

また定期的に身体活動していると、認知症のリスクが40%低下したという研究がある。運動せずに座ってばかりいる生活をしている人は、運動を続けている人よりも認知障害を発症する可能性が45%高まった。

きれば認知症は発症したくないものですが、以上の研究結果を見ると、日常生活を改善することによってある程度は予防できそうな気がしませんか?!だとすれば、とても嬉しいことですよね。最後に取り上げた研究など、ビタミンDが著しく不足していると、認知症発症率は394%高まったというのですから、ちょっと尋常じゃないですよ。皮膚ガンの可能性を考慮したとしても、日光浴の効用をもっと活用したほうがいいのでは?!

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2010年7月11日 (日)

ACS "Guide to Quitting Smoking"(禁煙の手引き) より(その10 最終回)

回は最終回「その10」として、禁煙にあたって特に考えるべき事柄を見ていきます。

のガイドでは、禁煙するにあたり特に考慮すべき事項として次の3つを挙げています。

  • 体重の増加
  • ストレス
  • 体調の変化
ここではそのうち最初の2つ、体重の増加とストレスを取り上げます。

体重の増加について

禁煙するとたいがいの人はいくらか体重が増えるものです。食生活を変えなくても禁煙すると体重が増える証拠があります。しかしダイエットせずにそのまま放っておいても増えるのはたいてい10ポンド(4.5キログラム)にも満たない量です。ニコチン置換療法 (NRT) やブプロピオンを使うと体重の増加が遅くなることをうかがわせる研究もありますが、体重が増えなくなるわけではありません。

なかには体重が増えるのが心配だからという理由で禁煙しない人もいますが、禁煙後に体重が増えるといっても通常はわずかなものです。それよりもタバコを吸いつづける方がずっと危険です。

禁煙する場合は、まずタバコをなんとかして、しかるのちに体重を減らす策を講じると禁煙が成功する可能性が高まります。禁煙中は体重よりも健康維持を第一に考えるようにしましょう。体重のことでストレスがたまると禁煙が難しくなります。脂肪を控えて、野菜と果物をたくさん食べるようにしましょう。それから水をたっぷり飲むこと、そしてよく寝て、毎日身体を動かすよう心がけましょう。

歩こう

身体を動かすにはは歩くのがうってつけの方法です。禁煙が継続しやすくなるし、次のようなメリットがあります。

  • ストレスが減る
  • カロリーが燃えるし筋力がつく
  • やることがあるから、タバコのことばかり考えずにすむ
歩くことには特別な器具も服もいりません。必要なのは履きやすい靴だけです。誰でもいつでもどのくらいでもできます。たとえば次のようにして歩いてみるのはどうでしょう。
  • ショッピングモールを歩く
  • いつも降りる一つ手前のバス停で降りて歩く
  • 職場で歩く仲間を見つけて昼休みに一緒に歩く
  • エレベータではなく階段を使う
  • 夕食後に友人や家族隣近所の人たちと一緒に散歩する
  • 赤ちゃんを乗せたベビーカーを押す
  • ペットを散歩に連れ出す。
週に最低5回、30分程度身体を動かすようにしましょう。

ストレス

喫煙習慣に戻るときによく使われる言い訳の一つがストレスです。ストレスは誰にでもある生活の一部であり、タバコを吸っていようがいまいが変わりません。違うのは、喫煙者はニコチンを使ってストレスや不快な感情と付き合っている点です。ですから禁煙したらストレスを扱う方法を別に見つける必要があります。ニコチン置換もある程度効き目はありますが、長期にわたってとなると他の戦略も必要になります。

すでに述べたように、身体を動かすことはストレスを減らす優れた方法です。それに禁煙すると一時的な鬱々とした気分を感じることがありますが、それも解消してくれます。

のガイドでは、体重が増える点について、禁煙して体重が増えても10ポンド (4.5kg) 未満だから大したことはないというニュアンスで書いていますが、実体験から言えば、4.5kg 以上増えたような気がします。それに4.5kg 増えれば充分太ったと言えるのではなかろうかと感じます。もちろん個人差があることなので、このガイドの記述が誤りだと言っているわけではありません。

かし禁煙中は禁煙を続けることそのものを優先して、ダイエットよりは健康維持に努める方がいいというのはまったく同感です。禁煙とダイエットを並行してやってしまうとストレスが倍増するのは間違いありません。

上で ACS "Guide to Quitting Smoking"(禁煙の手引き)は終了にします。長い間のお付き合いありがとうございました。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2010年7月 9日 (金)

健康的なチョコレート

ョコレート愛好家の人はどれくらいいるだろうか?僕はチョコレートは極力食べないようにしている。砂糖が入っているし、飽和脂肪酸が使われ、なにより水素添加された脂肪も含まれているときたらもう・・・悪い以上に、なぜこのような食べ物があるのかと思ってしまうくらい悪い。

数年前には、ポリフェノールが注目され、チョコレートの株は一気に上がった。ポリフェノールの効果で抗酸化作用があるのではないかと、チョコレートを販売している会社はやっきになって、そのネタを元に商品販売をガンガンすすめていたのが記憶に残っている。


先日読んでいた記事の中で、”ステアリン酸”と言うキーワードが目に付いた。ステアリン酸はココアバターに豊富に含まれ、心臓疾患の予防に効果があると。そこで、今回はステアリン酸について検証している資料を探してみたところ、チョコレートに関するものがいくつか出てきたので紹介します。

はたして、チョコレートは本当に健康に良いのだろうか?

続きを読む "健康的なチョコレート"

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2010年7月 7日 (水)

血圧は低ければそれでいいの?

圧は低ければそれでいいのかというと、少なくとも2型糖尿病と心臓病を併発している人にとっては、どうもそうではないらしいです。

"Tight Blood Pressure Control Doesn't Help All Diabetics: Study" (July 06, 2010) (ビジネスウィーク誌) によると、糖尿病と冠動脈疾患を併発している患者の最高血圧を130mmHg以下に抑えても、130から140mmHgの範囲にある患者と比較して心臓発作や卒中で亡くなる人は減らず、むしろ増えたそうです。

の点について、この研究を行ったフロリダ大学の研究者は「必死になって血圧を下げても、普通のやり方で血圧を下げる以上の効果は何もない。そんなことに血道をあげるより、自分で何とかできる他の心臓病のリスク要因に集中する方がいい。コレステロールを下げるとかね」とバッサリ。

国糖尿病協会をはじめとするさまざまな団体は、今のところ糖尿病患者は血圧を 130/80 mmHg 以下に抑えるよう勧告していますが、じゃあ冠動脈疾患も併発している患者にはどうなのかというと、これまではどうもハッキリしていませんでした。そこで今回の研究となったようです。記事によれば、

対象となったのは両方を併発している50歳以上の患者6400名。被験者には、まずカルシウム拮抗薬またはベータブロッカーを与え、それから ACE 阻害薬と利尿薬のいずれか一方または両方を与えて、血圧を130/85に保つようにしました。

の結果、血圧が130mmHgから140mmHgの範囲にある患者と130mmHg以下になるよう厳密に調整した患者では、心疾患発症率はざっくり同じだったそうです。さらにこの研究から、最高血圧が120に満たない患者は、血圧がそれ以上の患者よりも死亡率が15パーセント高まることが初めて明らかになりました。

の研究者は「血圧を130以下に抑える必要はない。そうすれば血圧を下げる治療がいらなくなるかもしれないし、余計な治療で副作用を与えることもなくなるのではないか。糖尿病患者には他にもやるべき大切なことがある。そちらに集中すべきだ」と語っています。

ずれにしても、食生活を含めた普段の生活習慣を見直すきっかけにしたいものです。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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2010年7月 4日 (日)

BMI と WHR はどちらがいい?

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

屋台ブルーの補足記事:BMI と WHR はどちらがいい? - 屋台ブルーの補足

分の体重が理想的かどうかを判断するときによく使われるものに体格指数 (BMI) があります。しかしその計算式から明らかなように、BMI には欠陥、というと言い過ぎでしょうか、適用対象に限界があるように思えます。身長と体重が同じなら、腹に脂肪が溜まっていようが、脂肪の代わりに筋肉がついていようが値は同じになるからです。では他にどういう指標があるのか調べて見つかったのが Medical News Today に載っていた この "What Is My Ideal Weight? How Much Should I Weigh?" (23 May 2010) という記事です。抜粋して要約するとこのようになります。

理想の体重を求めるには年齢や性別、身長、筋肉と脂肪の比率、骨密度など、いつくかの要因を考慮する必要があります。それに体重が理想的かどうかを知る方法にしても、体格指数 (BMI) が最良だという人がいるかと思えば、いやいや BMI はまずいだろう、だって筋肉量が計算に入っていないんだから。やっぱりウエスト・ヒップ比だよという人もいます。さらに、理想の体重は人それぞれまったく異なるにもかかわらず、自分を誰と比べるかによっても、目標とする体重は変わってくるかもしれません。たとえば周囲にいるのが肥満ぎみの人ばかりなら、目標とする体重は増えるでしょうし、仮にファッションモデルのような人に囲まれていれば、理想の体重は下がりすぎるかもしれません。

BMI (体格指数) について

BMI は以下の式で計算します。

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
そして専門家の間で一致している評価基準は次のとおりです。
  • BMI < 18.5 : 過少体重
  • 18.5 <= BMI <= 25 : 理想
  • 25 <= BMI <= 30 : 過体重
  • BMI > 30 : 肥満
国によっては、20 未満を過少体重とするところもあります。

BMI の問題点

BMI は算出方法が非常に単純で、ウエスト、ヒップ、胸回りの各サイズを考慮していません。ですから運動選手を身長が同じカウチポテトしている人と比べると、運動選手の方が BMI が大きくなる場合があります。カウチポテトしている人は腹回りが大きく、それほど筋肉がありません。それに腰回りや大腿部、血液中など身体のいろいろな部分に大量の脂肪が溜まっています。一方運動選手はウエストサイズが小さく、体脂肪が少なめ、それに健康状態もカウチポテト族より良好です。でも BMI の基準に厳密に従うと、カウチポテト族の方が健康なのです。

さらに BMI は骨密度を計算に入れていません。BMI は、重度の骨粗しょう症にかかっている人の方が、同じ身長の健常者よりも低くなります。でもウエストサイズは骨粗しょう症にかかっている人の方が大きくなるし、体脂肪も増えます。それに骨が弱くなります。

BMI は健康状態を評価するときはいつでも使えるわけというではない、と多くの専門家は批判しています。BMI でわかるのは、せいぜい規模の大きい集団の変化を示すおおざっぱな基礎水準程度だから、個人の健康管理に使うべきではありません。平たく言えば、BMI は過体重や肥満の人の体脂肪を過小評価し、鍛え上げた筋肉質の人の体脂肪を過大評価しているのです。

WHR (ウエスト・ヒップ比) について

これはウエストのサイズとヒップのサイズの比率のことです。ウエストサイズはウエストのいちばん細い部分、通常はへそのすぐ上を計ります。その結果を、ヒップのいちばん大きい部分で計ったヒップサイズで割ります。以下はこの値と心疾患との関係です。

男性の場合
  • WHR < 0.9 : 心疾患のリスクは低い
  • 0.9 <= WHR <= 0.99 : 心疾患のリスクは中程度
  • WHR >= 1.0 : 心疾患のリスクは高い
女性の場合
  • WHR < 0.8 : 心疾患のリスクは低い
  • 0.8 <= WHR <= 0.89 : 心疾患のリスクは中程度
  • WHR >= 0.9 : 心疾患のリスクは高い

体重が理想的かどうか、そして深刻な健康障害がないかどうかを知るには、BMI よりは WHR の方がずっとマシです。リンゴ型の体型をしている人は洋ナシ型の人よりも WHR が大きくなり、健康障害のリスクが高まります。リンゴ型の方がウエストに溜まっている脂肪が多いのです。WHR が女性なら 0.8 未満、男性なら 0.9 未満だと、それ以上の人よりも一般に健康で、糖尿病やガン、心疾患を発症する可能性が低くなります。研究によれば、BMI の代わりに WHR を使って世界中の心臓麻痺者を推測すれば、その数値は今以上にもっと大きくなります。

WHR の問題点

WHR では、身体の総脂肪率、つまり筋肉・脂肪比を正確に計測していません。しかし理想の体重と健康リスクを推定するには、BMI よりも優れています。

まとめれば、BMI も WHR も家庭で簡単に計測できます。正確さで言えば WHR に分がありますが、オリンピック選手などではない、ごく普通の人なら BMI も便利な指標です。

本における BMI の判断基準ですが、wikipedia によると「日本肥満学会では、BMI22の場合を標準体重としており、25以上の場合を肥満、18.5未満である場合を低体重としている」そうです。

BMI は他人との比較には適さない場合がありますが、自分一人の健康状態、体重の状態を理解する場合なら、個人的には、いちいちメジャーでウエストとヒップを計る必要がある WHR よりも、体重計に乗れば、あとは電卓で計算できる BMI の方が簡便なような気がしています。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

屋台ブルーの補足記事:BMI と WHR はどちらがいい? - 屋台ブルーの補足

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2010年7月 1日 (木)

平成22年7月の予定

お知らせが途切れていたので、平成22年7月の診療時間のお知らせをしておきます。

今月はカレンダー通りです(診察時間参照)。

生活習慣病に対する指導に力を入れているので気軽にお問い合わせ下さい。電話やメールで問い合わせも受け付けています。

1) ダイエット指導(健康指導)
診察に含まれていて、基本的に無料で指導しています。そのため、私のフリーな時間帯、昼休み(午後1時から1時間程度)、及び午後診療後(午後6時から1 時間程度:仕事をしている人向け)になっているため、完全予約制で人数制限があります。興味のある人はメールや電話でお問い合わせ下さい。

現在(平成22年7月)の予約状況は1名です、希望者が増えた場合、お待ちいただく必要があります。ご了承下さい。

2) 禁煙指導(チャンピックスによる禁煙治療)
私は嫌煙家なんですが、喫煙する人を嫌っている訳じゃありません。喫煙という行為が嫌いなんです。喫煙してても尊敬できる人は大勢いらっしゃいます。ただ、喫煙を正当化して吸い続けている人に哀れみは感じますね。そういう人は早く喫煙の問題に気づいて欲しいと思っています。私の禁煙指導は、辞めたくても辞められない人に向けられています。ニコチン依存症に陥って、自分で辞める自信の無い人は、医療保険を使った禁煙治療ができますよ。

辞めたいと思ったら合計5回の診察を含む三ヶ月間の禁煙治療をしませんか?

まだ禁煙を考えていない人は、私が集めている喫煙にまつわる健康障害の記事を読んで下さい: ライフログ:タバコに関する話題

平成21年度の当院の成績(平成21年度8月から保険診療を開始して今年の3月まで)は、禁煙指導9名のうち6名成功されています。現在、月に1人から2人の新規導入をしているので興味がある人はお問い合わせ下さい。

3) ED治療薬(診察室で医師から直接受け渡し可)
注意:医師から直接受け渡しの場合は領収書の発行はできません。領収書が必要な方は、受付での支払いになります。

  • バイアグラ錠50mg:1錠1400円(税込)
  • レビトラ錠10mg:1錠1200円(税込)
  • シアリス錠20mg:1錠1500円(税込)

4) AGA(男性型脱毛症)治療薬(診察室での手渡し可)
注意:医師から直接受け渡しの場合は領収書の発行はできません。領収書が必要な方は、受付での支払いになります。

  • プロペシア錠1mg:28錠7000円(税込)

5) 漢方治療

6) 高圧酸素治療(専門医)
当院では高圧酸素治療によるスポーツ外傷にも対応しています。足首の捻挫、膝の靱帯損傷に対して治療期間の短縮が期待できます。

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ダイエット・トリニティ

Myself_3_3 平成22年12月末日までのトップ表示
香川県 高松市 田井外科胃腸科医院の院長の屋台ブルーです。大学勤務時代の不摂生な生活を送っていた20代後半から体重は70kgを越え、30代のピーク時に84kgになってしまいました(写真はここにある)。

「これじゃいけない」、40歳前に奮起して自分のダイエットと健康指導のため、25kg減量して、今では100キロ走れるウルトラランナーに生まれ変わり、「40歳からのアスリート」プロジェクトの真っ只中である。更に、予防医学を推し進める健康オタクとして超10!プロジェクトに参加している。

巷に溢れる奇抜なダイエット法だけで健康的な身体は得られないし、病気にならない身体作りのため運動も必要になる。食事と運動で手に入れた健康な身体を維持するに、メンタルな部分も考えてやらなければならない。モチベーションの構築法やポジティブな生き方を手に入れることで、初めて、健康的なライフスタイルを送っていると言えるだろう。

栄養学、運動生理学、そして心理療法の組み合わせにより、個々の人に併せたダイエット法がダイエット・トリニティであり、その世界をここで学んでください。

ここは、Diet Blog「ダイエットブログ」の日本語翻訳サイトでもあります。編集長のJim Foster氏のご好意により許可を受けて情報を流しているので活用してください。

ここのゲストライターfumixieさんが翻訳に関わり、屋台ブルーが裏表紙に宣伝を書いた話題のハイバーネーション・ダイエット日本語版が読めるようになりました。

「冬眠式[プラス]ハチミツダイエット」発売

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--- 超10!イベントのお知らせ ---
超10!町中ウォーク:2010年7月10日・24日

集合場所は高松中央公園の北側市役所の向かい辺り
午前7時00分より開始、申し込み不要で参加無料なんで直接集合場所に来て下さい、私も参加しているよ。屋台ブルーとお話がしたい人は是非お越し下さい。

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