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2010年7月 4日 (日)

BMI と WHR はどちらがいい?

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

屋台ブルーの補足記事:BMI と WHR はどちらがいい? - 屋台ブルーの補足

分の体重が理想的かどうかを判断するときによく使われるものに体格指数 (BMI) があります。しかしその計算式から明らかなように、BMI には欠陥、というと言い過ぎでしょうか、適用対象に限界があるように思えます。身長と体重が同じなら、腹に脂肪が溜まっていようが、脂肪の代わりに筋肉がついていようが値は同じになるからです。では他にどういう指標があるのか調べて見つかったのが Medical News Today に載っていた この "What Is My Ideal Weight? How Much Should I Weigh?" (23 May 2010) という記事です。抜粋して要約するとこのようになります。

理想の体重を求めるには年齢や性別、身長、筋肉と脂肪の比率、骨密度など、いつくかの要因を考慮する必要があります。それに体重が理想的かどうかを知る方法にしても、体格指数 (BMI) が最良だという人がいるかと思えば、いやいや BMI はまずいだろう、だって筋肉量が計算に入っていないんだから。やっぱりウエスト・ヒップ比だよという人もいます。さらに、理想の体重は人それぞれまったく異なるにもかかわらず、自分を誰と比べるかによっても、目標とする体重は変わってくるかもしれません。たとえば周囲にいるのが肥満ぎみの人ばかりなら、目標とする体重は増えるでしょうし、仮にファッションモデルのような人に囲まれていれば、理想の体重は下がりすぎるかもしれません。

BMI (体格指数) について

BMI は以下の式で計算します。

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
そして専門家の間で一致している評価基準は次のとおりです。
  • BMI < 18.5 : 過少体重
  • 18.5 <= BMI <= 25 : 理想
  • 25 <= BMI <= 30 : 過体重
  • BMI > 30 : 肥満
国によっては、20 未満を過少体重とするところもあります。

BMI の問題点

BMI は算出方法が非常に単純で、ウエスト、ヒップ、胸回りの各サイズを考慮していません。ですから運動選手を身長が同じカウチポテトしている人と比べると、運動選手の方が BMI が大きくなる場合があります。カウチポテトしている人は腹回りが大きく、それほど筋肉がありません。それに腰回りや大腿部、血液中など身体のいろいろな部分に大量の脂肪が溜まっています。一方運動選手はウエストサイズが小さく、体脂肪が少なめ、それに健康状態もカウチポテト族より良好です。でも BMI の基準に厳密に従うと、カウチポテト族の方が健康なのです。

さらに BMI は骨密度を計算に入れていません。BMI は、重度の骨粗しょう症にかかっている人の方が、同じ身長の健常者よりも低くなります。でもウエストサイズは骨粗しょう症にかかっている人の方が大きくなるし、体脂肪も増えます。それに骨が弱くなります。

BMI は健康状態を評価するときはいつでも使えるわけというではない、と多くの専門家は批判しています。BMI でわかるのは、せいぜい規模の大きい集団の変化を示すおおざっぱな基礎水準程度だから、個人の健康管理に使うべきではありません。平たく言えば、BMI は過体重や肥満の人の体脂肪を過小評価し、鍛え上げた筋肉質の人の体脂肪を過大評価しているのです。

WHR (ウエスト・ヒップ比) について

これはウエストのサイズとヒップのサイズの比率のことです。ウエストサイズはウエストのいちばん細い部分、通常はへそのすぐ上を計ります。その結果を、ヒップのいちばん大きい部分で計ったヒップサイズで割ります。以下はこの値と心疾患との関係です。

男性の場合
  • WHR < 0.9 : 心疾患のリスクは低い
  • 0.9 <= WHR <= 0.99 : 心疾患のリスクは中程度
  • WHR >= 1.0 : 心疾患のリスクは高い
女性の場合
  • WHR < 0.8 : 心疾患のリスクは低い
  • 0.8 <= WHR <= 0.89 : 心疾患のリスクは中程度
  • WHR >= 0.9 : 心疾患のリスクは高い

体重が理想的かどうか、そして深刻な健康障害がないかどうかを知るには、BMI よりは WHR の方がずっとマシです。リンゴ型の体型をしている人は洋ナシ型の人よりも WHR が大きくなり、健康障害のリスクが高まります。リンゴ型の方がウエストに溜まっている脂肪が多いのです。WHR が女性なら 0.8 未満、男性なら 0.9 未満だと、それ以上の人よりも一般に健康で、糖尿病やガン、心疾患を発症する可能性が低くなります。研究によれば、BMI の代わりに WHR を使って世界中の心臓麻痺者を推測すれば、その数値は今以上にもっと大きくなります。

WHR の問題点

WHR では、身体の総脂肪率、つまり筋肉・脂肪比を正確に計測していません。しかし理想の体重と健康リスクを推定するには、BMI よりも優れています。

まとめれば、BMI も WHR も家庭で簡単に計測できます。正確さで言えば WHR に分がありますが、オリンピック選手などではない、ごく普通の人なら BMI も便利な指標です。

本における BMI の判断基準ですが、wikipedia によると「日本肥満学会では、BMI22の場合を標準体重としており、25以上の場合を肥満、18.5未満である場合を低体重としている」そうです。

BMI は他人との比較には適さない場合がありますが、自分一人の健康状態、体重の状態を理解する場合なら、個人的には、いちいちメジャーでウエストとヒップを計る必要がある WHR よりも、体重計に乗れば、あとは電卓で計算できる BMI の方が簡便なような気がしています。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

屋台ブルーの補足記事:BMI と WHR はどちらがいい? - 屋台ブルーの補足

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コメント

私もBMIはかなりあいまいな基準だなと感じていました。
又、WHRという基準があることは初めて知りました。

自分の健康状態を把握するためにBMIを利用していきます。

投稿: E.F野 | 2010年7月 5日 (月) 11時45分

E.F野さん、コメントいただき、ありがとうございます。

私もWHRという基準はこれまで知りませんでした。でも、これも、ウエストとヒップのサイズ比だけで実際の体重は計りませんから、うーん、どうなのでしょうね :-)

投稿: fumixie | 2010年7月 5日 (月) 12時47分

WHRを利用しているドクターを知っていますが、そのドクターはダイエットやトレーニングなどを行うときに、体重を毎日計測していると、それだけでストレスがかかっているので、WHRを利用すべきだと推奨していました。

そのドクターの考え方が非常に僕は好きなのですが、食事指導を行っている間、その経過を観察するためにWHRを行っていました。

健康のためのステップアップの最中には、BMIやWHRは客観的な指標の一つとしては使えそうですね

投稿: Ctom | 2010年7月 5日 (月) 15時18分

Ctomさん、コメントいただき、ありがとうございます。

私の場合は、体重計測はどちらかというと楽しみなので、それでストレスがかかるというのは実感が湧きません。しかし人によっては否定的な感情に襲われる可能性があることはわかります。なるほど、WHR にはそういう用途もあるんですね。これは盲点でした。体重を計測しないことが、逆にメリットになるんですね。

投稿: fumixie | 2010年7月 5日 (月) 15時29分

私はBMIが14とか位しかないのですが、将来なにか支障があるのでしょうか?ずっとこんな感じの体重ですごしているので日々の生活には支障はないのですが…何かアドバイスあれば教えてください

投稿: やまね | 2010年7月 6日 (火) 23時12分

やまねさん、コメントいただき、ありがとうございます。

お尋ねの件は、私ごときが安易に一般論を述べて済むようなことではないように思われます。ここは識者、専門家の方々のご意見を賜りたいと存じます。

ただ一言申し上げるなら、大切なのは BMI の値ではなく、自分の身体が実際はどうなのかだと思います。BMI 値の評価基準もごくごく大雑把な分類であって、特定の個人の身体にぴったり当てはまるというわけではないと思います。BMI値で一喜一憂する必要はないと思います。

それよりも「日々の生活には支障はない」とお感じになっていることが事実そのとおりなのか、それとも表面化していないだけで何か隠れているのかを確認することが先決ではないかと考えます。ですから、そういう面に目を向けるきっかけになるという意味では、BMI値は有効だろうと思います。

識者、専門家の方々、いかがでしょうか?

投稿: fumixie | 2010年7月 7日 (水) 10時21分

>やまねさん

よこやりで失礼いたします。
BMIが14という情報だけでは、将来病的な状態に陥るといった予測はつきにくく思います。

事実、いくら食べても全く太らず、運動を行っていても筋肉が尽きずらいという方を何人も診たことがあります。

しかし、人それぞれに健康に対して”弱い”部分があることでしょうが、それが他者に比較して多い”かも”しれません。

あくまで推測ですが、臨床の中ではそのように感じるところです。

例えば、内臓やホルモンなどの機能が上下しやすかったり、脳の働きが乱れることがあったりもします。
しかし、それは一時的なことであって、病的なものではありません。

BMIが著しく低いというデータでは確実なことは言えませんが、内臓の働きが弱かったり、ホルモンバランスが崩れやすかったり、筋肉の疲労が速かったり、脳の活動低下や疲労が怒ったりするかもしれないという予測は経つように思います。

深刻なことではありませんが、もしもご心配な様子ならば、信頼できる有識者にご相談されてみるのも手のように思います。

以上、勝手な見解ですが、一つの意見として参考にしていただければ幸いです。

投稿: Ctom | 2010年7月 7日 (水) 10時47分

Ctomさん、コメントありがとうございます。

投稿: fumixie | 2010年7月 7日 (水) 10時53分

ありがとうございます。最近、自分のことより。母親が低体重だと未熟児が生まれやすかったり、流産しやすかったりってよくききまして、不安でした。因みに産婦人科ではつわりがひどくなるかもっていわれたのですが…BMIの話題と異なってきたのですが、アドバイスありがとうございます。またこの話題にも触れていただければ幸いです

投稿: やまね | 2010年7月 7日 (水) 23時31分

>やまねさん

再度、コメントで失礼します。
そのような事情があったとは、とても不安に感じておられたことと思い、再びレスします。

低体重というか、やせ型の人に多いのですが、そう言った方では靭帯や筋肉での支持力が弱い傾向にあると昔から言われます。

靭帯や筋で内臓などを重力に負けないように支えることが困難であるので、内臓に起因する様々な障害が出てくることがしばしばあります。

例えば、子宮は月経時には起き上がり運動がおこりますが、正常な位置にある人では、痛みも少なくすみます。一方で、筋や靭帯での支持が少ない場合には、子宮が落ち込んでいる場合があり、月経時の痛みが強く出ることがあります。

こういった理由から、妊娠時に流産しやすいという現象が起こったりします。

これは、BMIがどうこうと言う話とは深い関係はありませんが、骨盤底筋群の機能がうまく働いていない人では痩せていようが、太っていようが標準値であろうが起こります。不妊の一つの原因ですね。

もし、妊娠に関わる問題で悩んでおられるようでしたら、骨盤底筋群をトレーニングするエクササイズを行うとよいと思います。例えば、日常生活や仕事の中で座っている時には、両膝でボールのようなものを挟んで落とさないようにずっといる。とか。

歩いている時には、お尻に物が挟まっているようにイメージし、落とさないようにお尻で挟み続ける。とか。

他にもいくつかありますが、わかりやすいのはこの2つです。

BMIを改善させるというのはなかなか困難なところですが、正しい食生活を送ることで改善された例はいくつもありますので、このブログを通してでも様々に実践されるとよいかと思います。

投稿: Ctom | 2010年7月 8日 (木) 17時07分

ありがとうございます。私は食も細く、運動は有酸素運動をしているのですが、周りから色々言われて不安に思っていました。内科、産婦人科の先生ともに異常なしといわれるし、そんなとき、このブログを見つけまして。少し安心しました。頑張って日々の生活から改善させていただきます。

投稿: やまね | 2010年7月 8日 (木) 23時31分

なんか最近レスが遅くてごめんなさい。

BMI と WHR はどちらがいい? - 屋台ブルーの補足

投稿: 屋台ブルー | 2010年7月15日 (木) 23時40分

屋台ブルーさん、フォロー記事ありがとうございます。それから、なんと骨折なさっていたとは。お大事になさってください。

投稿: fumixie | 2010年7月16日 (金) 09時35分

BMIとWHR について
ある記事でWHRなるものの存在を知り、BMI一辺倒だった体重コントロールと併用して今後の健康管理を考えて行くつもり。どちらの指標も一長一短がありそうだし。(自分でWとHを正しく測れているか疑問)
3年前の冬に体脂肪が24を示し、冬のスーツのスラックスのウェストサイズが83、体重74(身長は169)では厳しくなった時、これでは駄目だと一念発起し、それ以降ジョギング、ウォーキングと食事管理に注意。この3年間で体重と体脂肪率の減少とリバウンドを繰り返しながらも、今は体重60~61、体脂肪17~14(日々、時間帯で変動)。体重を後2落とせば高校3年夏、テニスに明け暮れていた頃の体重に戻る。まぁ上半身の筋肉は確実に落ちているから体型は昔と同じとはいきませんが。
この状態にするには、夜は炭水化物を極力摂らず大量の野菜サラダと少量の肉魚、そして煮物と味噌汁かスープとし、朝昼の炭水化物もご飯は130~150Gまで、食パンは8枚切を1枚にし、野菜、果物、ヨーグルト等をしっかり摂ること、外食でご飯が出る時はお店の方に量を半分にしてとお願いをする等を心がけてやっと実現。ジョギングは最低でも2日に1度は10~15キロ走り、ウォーキングは前後合わせて3~5キロ。57歳でここまでやるのは大変だけど、まぁ健康が一番と考え、楽しみの一つとして取り組んでます。
WHRは0.85、BMIは20程度ですが、今後はこれを維持する努力が必要。
春先1月~5月の4ヶ月ほどは花粉症のために運動ができないので、この時の体重管理をしっかりやらないと、リバウンドに苦しみます。
と、長々記載。
皆さんも頑張って健康維持に取り組んでください。

投稿: milkywayeco | 2012年9月14日 (金) 00時56分

milkywayecoさん、コメントありがとうございます。

BMIとWHRを検索ワードにしていらっしゃる訪問者が最近急に増えました。かなり影響力のある雑誌でWHRがとり挙げられたんですね。

何にせよ少しでも役に立つ内容でしたら幸いです。私の補足記事も一緒に読んでください。

milkywayecoさんは健康生活に邁進されていますね。学生の頃の体重に戻すというのが重要です。私は学生の頃、運動しないポッチャリ系だったんで、今の方が引き締まっているぐらいです(笑)。

生活習慣が似てますね。朝は玄米卵かけご飯、ヨーグルト、季節の果物、フレッシュニンジンジュース、そして通勤ラン(300km/月)、昼は大量の野菜サラダと肉か魚、夜も野菜と肉と魚をベースに炭水化物を避けています(ちょっと古い写真ですがこんな食事を続けてます)。しかし、外食や飲み会が多いのですっ飛んでしまうことも多いです。今の体格は身長171cmで体重59kg、体脂肪率12%前後、ですが目標は体脂肪率10%。でもなかなか近づきません。もっとストイックにダイエットしないと駄目だなと思ってます。

投稿: 屋台ブルー | 2012年9月14日 (金) 12時32分

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