ACS "Guide to Quitting Smoking"(禁煙の手引き) より(その4)
今回は「その4」として、ニコチン置換療法のうち「ニコチンパッチ」を見ていきます。ここも要約せず全文翻訳してみます。一部米国内の事情に基づいていると思われる箇所がありますし専門的な内容ですので、識者の方々からツッコミや補足があるかもしれません。日本国内で医師の処方なしにニコチンパッチが買えるかどうかについては、調べてみると、一昨年の夏あたりから処方箋なしでも買える一般医薬品になったという話もあります。
ニコチン置換療法の種類
米食品医薬品局 (FDA) では次の5種類のニコチン置換療法を認可しています。(訳注。残り4種類は次回以降登場予定です :-) )
ニコチン・パッチ (経皮ニコチン・システム)。パッチは決まった量のニコチンを皮膚から与えるものです。何週間かにわたり、ニコチンの量の少ないパッチに切り替えていくことによってニコチンを断ちます。パッチは医師の処方があってもなくても買えます。種類も多く、ニコチンの強さもさまざまです。パッケージにはその製品の使い方の説明が載っています。また、特に考慮すべき点と考えられる副作用も挙げられています。
喫煙がたしなむ程度か平均くらいなら、16時間用のパッチが効果的です。これなら皮膚のかぶれや動悸、睡眠障害、頭痛といった副作用が起きる可能性は低いです。しかしこれは、夜寝ている間もニコチンが入ってくるわけではないので、早朝に禁断症状が起きる人には不向きでしょう。
24時間用のパッチなら常にニコチンが入りますから、吸収されるニコチン量に波がなくなります。早朝禁断症状がある場合には便利です。しかし睡眠パターンが乱れたり皮膚がかぶれるといった副作用が強くなります。
体格にもよりますが、ほとんどの喫煙者は、最初にニコチンが15mgないし22mg含まれている一番強いパッチを4週間、それから5mgないし14mgに減らした弱いパッチをもう4週間使うといいでしょう。パッチは、朝、清潔で乾いた体毛の少ない部分に貼ってください。貼るのは首と腰の間、たとえば上腕や胸部です。FDA では、パッチの使用期間は合計で3ヶ月ないし5ヶ月を推奨しています。
副作用の要因としては、
- ニコチンの量
- パッチの銘柄
- 皮膚の特性(パッチに対する皮膚の感受性の傾向など)
- パッチの使用期間
- 使い方
といったことが考えられます。
ニコチン・パッチの副作用には以下のものが考えられます。
- 皮膚のかぶれ(赤みと痒み)
- めまい
- 動悸
- 睡眠障害ないし普通では考えられない夢見
- 頭痛
- 吐き気
- 筋肉痛と筋肉の凝り
副作用への対処法には以下のものがあります。
- パッチ使用中はタバコを吸わないでください
- かぶれたら別の銘柄のパッチを使ってみましょう
- 弱いパッチを使ってニコチンの量を減らしましょう
- 睡眠障害は長くは続かず3日ないし4日で解消するでしょうが、それ以上続く場合で、使っているパッチが24時間用なら、16時間用に切り替えてみてください
- パッチの使用を中止し、別の NRT を使ってみてください。
--- 続く ---
次回はニコチンガムです。
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