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2010年5月29日 (土)

1日2回の歯磨きで心臓を守ろう

歯の健康と全身の健康の関わり ということで、歯の健康、特に歯垢と身体の健康の記事を書いたところ、なんというタイミングでしょう、この分野がそれだけ注目されているということでしょうか。今度は Google News で 321本のニュース記事になっているテーマが現れました。

1日2回の歯磨きで心臓疾患が防げる
らしいです。1日2回の歯磨きで心疾患のリスクが7割下がるのなら、実践する価値は充分あると思いますが、いかがでしょう。

「1日2回の歯磨きができない人は、自らを心臓疾患に追い込んでいることになる」という書き出しで始まる 英国 BBC の記事 によるとこんな具合です。元ネタは Toothbrushing, inflammation, and risk of cardiovascular disease: results from Scottish Health Survey という British Medical Journal 誌 に発表された研究です。

周病と心臓疾患の関連に関するこれまでの研究を裏付ける結果が、今回11000名の成人を対象にしたスコットランドでの研究で得られた。

腔や歯茎を含めた体内の炎症によって血栓ができ、それが心臓麻痺につながるということはわかっているが、歯磨きの回数が心臓疾患発症のリスクに関連しているかどうかという研究はこれが初めてだ。

の研究に際して、研究者らは、喫煙や身体活動、口腔衛生に関わる習慣など、被験者の生活様式に関する情報、歯医者への通院頻度、そして歯磨きの頻度などの情報を収集した。さらに被験者の病歴と心臓疾患にかかった家族がいるかどうかを調べ、血圧を測定し、血液サンプルを採取した。

体的に見れば、10人のうち6人は半年ごとに歯医者に通院していると答え、10人中7人は1日2回歯を磨いていると答えている。

8年にわたる研究中、555名に心臓麻痺など循環器系の病状が現れ、うち170名が命取りとなった。

の結果に対して、社会的な地位、肥満度、喫煙および家系といった心臓疾患のリスクを左右する要因を考慮したうえで、口腔衛生がもっとも悪い被験者は、1日2回歯を磨く被験者よりも心臓疾患を発症する可能性が70%高いことがわかった。おまけに採取した血液サンプルによる炎症の発生を示唆するタンパク質検査で陽性反応が出た。

の研究を率いた英国ロンドン大学ユニバーシティカレッジのリチャード・ワット教授によれば、「口腔衛生維持と循環器系の疾患の関係が、実際は因果関係なのか単なるリスクマーカーにすぎないのかは、今後の研究で確認する必要がある」

British Heart Foundation の心臓関係の主任看護師ジュディ・オサリバンは「歯を磨かないと口の中は炎症の原因になるバクテリアに感染してしまう。しかしやっかいなのは、喫煙やおそまつな食事など、よく知られた他の心疾患リスク要因でも口腔衛生が悪くなるという事実だ。心臓を守りたければ、バランスのとれた食事をし、タバコは吸わない、そして身体を動かす習慣をつけることだ」と言う。

British Dental Association の科学アドバイザー、ダミアン・ウォルムズリー教授は、口腔衛生と心臓疾患に確固とした因果関係があるかどうかはまだ不明だとして「真実がどうであれ、これだけは言える。フッ素入りのもので歯を磨くにせよ、定期的に歯医者に通い、砂糖の入ったお菓子は控えたまえ。それが歯と歯茎を健康に保ち命を救うのに大いに役立つのだから」と言い添えた。

お、元ネタ Toothbrushing, inflammation, and risk of cardiovascular disease: results from Scottish Health Survey" の "Conclusions" にはこう書かれています。

れまで考えられていた口腔衛生と循環器系疾患の関連が、我々の研究結果で確認、強化された。しかも炎症のマーカーは、口腔衛生が悪化する習慣と切っても切れない関係だった。口腔衛生維持の習慣と循環器系疾患に見られる関係が、実際に因果関係なのか単なるリスクマーカーなのかは、今後の実証研究で確認する必要がある。それでも、歯磨きの自己申告というたった一つの項目が、大規模集団調査における今後の健康リスクを表す便利で低コストのマーカーになる可能性がある。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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コメント

タイムリーな記事でしたね。私もロイターで読みましたよ。

Regular teeth brushing linked to healthier hearts (Reuters)

元文献の結論に書かれている「歯磨きの自己申告というたった一つの項目が、大規模集団調査における今後の健康リスクを表す便利で低コストのマーカーになる可能性がある」から言えるように、リスクの高い人を拾い上げるための方法として意味あることだと思います。

ただし、習慣の是正となると、食習慣を変えるのが難しいように、歯磨きの習慣でさえ変えさせるのは難しいかもね。

こういうデータを見せて、自分からやる気を持ってもらわないとね。

投稿: 屋台ブルー | 2010年5月31日 (月) 11時47分

屋台ブルーさん、コメントいただき、ありがとうございます。

そうですよね、習慣を変えるには、かなり強い動機付けが必要ですよね。ただ、根拠はいまだ不明ながら、「ある事を習慣にしたければ、その事を最低21日間ずっと繰り返すこと。そうすれば、それが習慣になる」という話があります。

強い動機に21日間の繰り返しが加われば、習慣にしやすくなるかもしれませんね :-)

投稿: fumixie | 2010年5月31日 (月) 12時55分

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