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2010年4月13日 (火)

Third Hand Smoke の危険性について(その3)


2011年1月16日追記

なお、その他の "Third Hand Smoke"関連記事については、こちらの索引をご覧ください。

世界保健機構(WHO)"WHO Report on the Global Tobacco Epidemic, 2009: Implementing smoke-free environments" というページがあります。これは

"The report is the second in a series that tracks the status of the tobacco epidemic and the impact of the interventions that are being implemented to stop it."(タバコの蔓延の現状とそれを阻止するべく実施されている措置の影響を追跡しているシリーズの2回目のレポート)
だそうです。

その中に "Protect people from tobacco smoke" というセクションがあり、その冒頭で "The Third Hand Smoke" について次のように書いています。


Second-hand tobacco smoke can spread from one room to another within a building, even if doors to the smoking area are closed. Toxic chemicals from second hand tobacco smoke contamination persist well beyond the period of active smoking, and then cling to rugs, curtains, clothes, food, furniture and other materials. These toxins can remain in a room weeks and months after someone has smoked there (11, 12), even if windows are opened or fans or air filters are used. Filters can become a source for deposited chemicals that are then recycled back into the air of a room rather than removed. Tobacco toxins that build up over time, coating the surfaces of room elements and materials and smokers’ belongings, are sometimes referred to as “third-hand smoke” (13).

タバコの副流煙は、建物内の部屋から部屋へ拡散する場合がある。たとえ喫煙エリアのドアを閉め切っていてもだ。副流煙による汚染が原因でもたらされる有毒化学物質は喫煙者がタバコを吸い終わってもずっと残留しており、敷物やカーテン、衣服、食物、家具をはじめとするさまざまなものに付着するのだ。この有毒物質は、喫煙者がタバコを吸い終わった後も、その室内に何週間も何ヶ月も残ることがある。(11, 12) たとえ窓を開けたり、換気扇や空気清浄機を使って吸ったとしてもそうなのだ。フィルターには有毒化学物質が堆積しており、それが源となり、有毒物質を除去するどころか、室内の空気に還流してしまう。時間の経過とともに蓄積され、室内にある物や喫煙者の持ち物の表面を覆い隠してしまうこのタバコの有毒物質のことを "third-hand smoke" と呼ぶことがある。(13)


つまり空気清浄機などを使ったとしても、フィルターそのものが汚染源になってしまうから "third-hand smoke" を阻止することはできないということです。

タバコ、とりわけ "third-hand smoke" による環境汚染を 世界保健機構(WHO) も認めたということでしょうね。

以上。





回は2ヶ月前の BusinessWeek誌 に掲載された The Dangers of Third-Hand Smoke" (February 9, 2010) という記事。内容は以前の2本と似ていますが、ライターが変わればわかりやすくなったり理解が深まるかもしれません。関連記事はこちら。


なお今回も、"third hand smoke" には暫定的に「残留受動喫煙物質」という言葉を併記してみました。



般人の目線でこの記事を読んだ場合、重要だと思うのは、



物の表面にニコチンが付着していてもこの程度なら問題なかろう、というのがこれまでの見解だったが、そんなことは言っていられなくなった。


そして


換気扇を回したり窓を開けてこの被害を無くそうと思っても無駄だ。火のついたタバコから生成されるニコチンをはじめとする物質は空気中に存在しているのではなく、物の表面に吸着しているからだ


というカリフォルニア州バークレーにあるローレンス・バークレー国立研究所所属の科学者ララ・グンデルの言葉です。特に注意を要するのは、ニコチンと空気中の亜硝酸が反応して生成される TSNA(タバコ特異的ニトロソアミン)という強力な発ガン物質です。これも空気中に存在するのではなく、タバコの喫煙にともなって物の表面に付着して層をなしていることです。



の TSNA をはじめとするタバコの毒素の 一番の被害者は乳幼児と子どもたち です。



事の全文は以下のとおりです。




third hand smoke(残留受動喫煙物質)は、室内にある空気中の化学物質と反応して、発ガン性の物質を作り出す可能性があることが研究から判明した。



ルームバーグ発。third hand smoke(残留受動喫煙物質)と呼ばれるタバコの煙による汚染は、家具や衣類をはじめとするいろいろな物の表面にいつまでも付着して残り、室内の空気中のある化学物質と反応して、発ガン性の物質を作り出す可能性があることが研究から判明した。



究者が紙切れをタバコの煙に晒したところ、そこにはそれまでには無かった発ガン物質が付着していることがわかった。そしてこの物質は、亜硝酸という家庭用品やタバコの煙から日常的に放出されている化学物質を含む室内の空気中に3時間放置すると濃度が10倍になった。ということは、人は室内にあるタバコの煙によって危険に晒されているということだ。そのようなことは、これまでまったく知られていなかった。そう語るのは研究者の一人ララ・グンデル。



れまでの研究から、タバコから立ち昇る煙に晒された非喫煙者が吸い込む副流煙が、ガンや心臓病の危険性を高めることはわかっていた。third hand smoke(残留受動喫煙物質)がもたらす健康被害の可能性を突き止めるにはさらなる研究が必要だ、とグンデルは言う。本日づけの "Proceedings of the National Academy of Sciences" に発表された研究によると、全体では、ガンによる死亡者全体の20パーセントはタバコが原因だ。



「物の表面にニコチンが付着していてもこの程度なら問題なかろう、というのがこれまでの見解だったが、そんなことは言っていられなくなった」カリフォルニア州バークレーにあるローレンス・バークレー国立研究所所属の科学者グンデルは、2月5日の電話インタビューでこう語った。「誰もがタバコの煙の毒素に晒されているのだ。それも、これまで考えられなかった仕組みでだ。


残留物質の発見



ルトリア・グループの1社米フィリップ・モリスの広報担当は電話インタビューに答えなかった。レイノルズ・アメリカン社とロリラード社も電話インタビューに応じなかった。



の前、2009年1月 "journal Pediatrics"誌に発表された研究では、タバコの煙の残留物質が家具やカーペット、衣類に沈着していることが発見されたことから、"third hand smoke" という言葉が作られた。



回の研究でわかったのは、タバコの煙の残留物質が室内にある物の表面に付着すると、空気中の汚染物質と混ざりあい、TSNA つまりタバコ特異的ニトロソアミンが作られることだ。これは、火をつけてないタバコとタバコの煙に含まれる強い発ガン性を示す物質だ。



究者らは、紙切れをまずタバコの煙に、それから亜硝酸に晒してニトロソアミン量を調べた。亜硝酸は換気が不十分なガスオーブンやバーナー、それに車から排出されている。さらにヘビースモーカーが運転するトラック室内の表面も調べた。



ずれの場合も、third hand smoke(残留受動喫煙物質)に含まれるニコチンと亜硝酸が反応して、よく知られた2種類の強力なニトロソアミンが作られていることがわかった。さらにタバコ特異的ニトロソアミンは、タバコから放出された直後の煙には存在しないことも判明した。


危険に晒される子どもたち



かでも特に乳幼児は、埃を吸い込んだり皮膚に接触して、このような発ガン物質に晒される可能性が高い、と研究者らは言う。換気扇を回したり窓を開けてこの被害を無くそうと思っても無駄だ。火のついたタバコから生成されるニコチンをはじめとする物質は空気中に存在しているのではなく、物の表面に吸着しているからだ、とグンデルは言う。



「建物や部屋、不特定多数が集まる場所は例外なく禁煙にすべきだ」とグンデルは言う。「ニコチンが溜まった家具やカーペット、カーテンは取り替えた方がいい。ニコチンはこういったものに吸収されるのだ。作りつけのものは、いつまでも表面に残っているものだ」



third hand smoke(残留受動喫煙物質)と室内の空気中に存在する汚染物質の亜硝酸が反応してできる、こういったニトロソアミン類はどれくらいの期間残存しているのかを測定しようと研究者らは頑張っている。さらにニトロソアミン類に晒された痕跡をたどる方法も開発しようと研究中である。



「このようなニコチン残留物質の量は、喫煙を繰り返すうちに徐々に積み重なっていくことも、歳を重ねるにつれて、third hand smoke(残留受動喫煙物質)の毒性がしだいに強まることもわかっている」と環境エネルギー・テクノロジー部門室内環境部の化学者で共同研究者のヒューゴ・デステイラスは言う。声明で「われわれが研究で重視しているのは、室内表面における third hand smoke(残留受動喫煙物質)の反応、特に健康被害をもたらす可能性のあるニトロソアミン類生成の重大性だ」と語っている。



の研究は、カリフォルニア大学タバコ関連疾病研究プログラムの支援を受けた。




文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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コメント

Third Hand Smoke おそるべし。内容を読んでゾッとしました。なぜなら私が幼い頃から今に至るまでずっと親父がヘビースモーカーで家族がくつろぐリビングだろうが、車中だろうが、吸いまくってましたから。部屋壁やリビングのカーテンはもともと真っ白だったはずが、黄ばんできているし、なんか「時すでに遅し」って感じです(泣)せめて自分の子には同じ思いをさせまいと引き続き禁煙に努めていきますね~。

投稿: メリーさん | 2010年4月14日 (水) 16時08分

コメントいただき、ありがとうございます。

そうなんですよ。タバコを直接吸うのも、副流煙を吸い込むのも、吸う側と吸わされる側の両方にとって有害なことは周知されていると思うのですが、吸い終わった後にも毒素が物の表面に付着してたっぷり積もっている という事は、まだ発見されて間もないですからね。

こうなると、受動喫煙さえ気をつけていればタバコを吸おうが吸うまいが個人の自由、とは言えなくなりますね。

喫煙する = 周囲に毒素を塗りつけている
ということですから。

投稿: fumixie | 2010年4月14日 (水) 17時13分

非常に怖い内容ですね。子供に危険を及ぼす事はわかってても、ここまで酷いとは・・。この記事を読むと喫煙者が隔離されるのも納得できますね。隔離以上のものが必要ですね。たばこ1箱=1000円の時代も近いかも?

投稿: REDMEN | 2010年4月14日 (水) 20時32分

コメントいただき、ありがとうございます。

子どもたちは 私たちの未来であり宝です から、有形無形含めて、なるべく良い環境で育ってもらいたいです。

それに子どもたちは、見てないようで、ちゃんと大人の生き様を見てるし、親の背中を見てますから、その意味では大人は辛い立場ですよね (本当は):-)

投稿: fumixie | 2010年4月14日 (水) 21時02分

ほんとに驚きの内容でした。
このことが一般的にも広まれば・・
喫煙者は今以上に肩身の狭い思いをされることになりますねwobbly
一度物に吸着したニコチンは、清掃することによって取り除かれるのでしょうか?

投稿: E.F野 | 2010年4月15日 (木) 10時03分

コメントいただき、ありがとうございます。

おっしゃるとおり、"Third Hand Smoke" の危険性が広まると、喫煙者は居場所が少なくなりそうですね。でも、自分が喫煙することで我が子の健康が損なわれるという思いに至れば、禁煙へのモチベーションも少しは上がるかもしれません。

物に付着したニコチンや TSNA などが一般的な住居用洗剤で除去できるかどうかは私もわかりません。そういう情報があるかどうか、ちょっと調べてみますね。元ネタでは 取り替えるべきである と言っていますが、これも不経済な話ですよね。でも物を売る側としては、「住居用洗剤などでは落ちないから取り替えなさい」ということにした方が販売促進の面で嬉しいかもしれませんね。

投稿: fumixie | 2010年4月15日 (木) 15時07分

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