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2010年4月24日 (土)

幸せとワークライフバランス

せは心臓病予防の鍵?!では、「(心臓のためには)より前向きな姿勢で人生/生活に取り組むよう頑張る方がいい」と言っていますし、孤独と血圧の関係では、「50歳以上で孤独だと血圧が上昇する場合がある」として、「友人がたくさんいて社会とのつながりがあっても、その関係に満足できなくなると人は孤独を感じるし、 一人暮らしでも、有意義で実り多い付き合いがわずかでもあれば孤独になることはない。」と言っています。

のように、生活/人生に向き合う姿勢、考え方と長寿や健康は切っても切れない関係にあります。では幸せというものを人はどう考えているでしょう。ということで、今回はちょっと視点を変えてみました。

こに一つの研究とそれを元ネタにした新聞記事があります。

が幸せかは人によって異なるのはもちろんですが、ひょっとすると国によっても考え方が異なるかもしれません。それに海外に住んでみると日本を再発見できるという話をよく耳にします。しかし海外に住まなくても、インターネットで海外の情報を入手して、それを元にあれこれ考えてみるのも、日本を再発見する一つのお手軽な方法かもしれません。ですからこの記事を読んで、「ふーん、あちらではそうなんだ」と感じたら、そこから一歩進んで「じゃあ、私は?」と自分を振り返って考えてみるのも一興かと思います。

こで今回取り上げるのは、英ケンブリッジ大学の News and Events に掲載された Happiness hinges on the lives of others (15 April 2010) という研究に関する記事で、多数のメディアが取り上げています。

oneindia というインドのメディアと 英 The Independent"紙は、この研究を簡潔にまとめています。たとえば "Loved Ones' Welfare Is The Key To Happiness" ( Thursday, April 15, 2010, 16:51 [IST]) というインドのメディアの記事では、

新しい研究によれば、自分たちが幸せで満ち足りているには、近親者が幸せでいることが絶対に欠かせない。自分の「大切な人」が幸せであることが自分の幸せにつながるのだと言う。

幸せに対する考え方について、英ケンブリッジ大学で 10000人以上の人を調査したところ、自分個人の幸せは、家族や愛する人の幸せからきわめて強い影響を受けている、と研究者らは言う。ただ、自分の生活の質に影響を与える要素について被験者に尋ねたところ、返ってきた答えはさまざまだった。

また女性の関心事は健康だが、一方男性は経済面を重視していることもわかった

多くの人は自分個人の幸せを近親者の幸せと結びつけているが、その思いには男女で差がある。男性はもっぱら経済的な安定が健全な生活につながると考えている。それは自分が家族の稼ぎ手だからである。一方女性は自分を、子供や高齢の親をはじめ家族の面倒をみる一番手だと考えているので、健康面への関心が強まったのだ。

「幸せと言う点でこれまでの施策は、一人ひとりの状況を改善することに終始してきた。しかしわれわれの調査によれば、自分以外の人たちの面倒をみる男女双方の働きに対する支援はまだまだ足りない」とこの研究を率いたジャクリーン・スコット教授は言う。

と伝えています。

Happiness hinges on the lives of others (15 April 2010) という研究に関する記事を詳しく伝えているのは 英 The Telegraph 紙の "Workers hours should drop to increase happiness, say researchers" (5:36PM BST 14 Apr 2010)(労働者は労働時間を減らして幸せを増やすべきだ)という記事です。

労働者は労働時間の削減を迫られている。ケンブリッジ大学の研究によると、幸福で健康な人生/生活を送る鍵は、家族と大切な価値ある時間を過ごすことにあるからだ。

英国の成人10000名以上を対象にした5年間の研究から、考え方は異なるものの、男性も女性も自分個人の幸せを身内の幸せと結びつけて考えていることがわかった。

男性は金を稼ぐことによって、女性は幸せな家庭生活を守ることによって幸せになろうとする。しかしこのように異なる答えのその奥にある動機は男女とも変わらず、幸せで落ち着いた家庭生活を送ること。それが幸せの鍵だからだ。

何百万もの英国人家族が水入らずで過ごす大切な価値ある時間が増えるように、次の政府は仕事場に関する規制を新たに設けるべきだ、と研究者らは言う。

「男性も女性も、自分以外の人の人生との関係を抜きにして満足のいく健全な生活など考えられないと思っているようだ。たぶん予想をはるかに越えているよ」と研究者の一人 アンク プラグノル博士は言う。

「これは、男性も女性も家族と充分な時間共に過ごせるしっかりした規定を設けるよう政策決定者が考慮すべきものだ」

次の政府は子供が生まれた父親が取得できる有給育児休暇を増やすべきだ、と研究者らは言う。

そして、仕事を辞めて、祖父母や障害を持つ子供といった大切な家族の介護に専念している人への認識をもっと深めるべきだ、と言い添えた。

さらに、ヨーロッパでも最長の英国の労働時間を減らして、ワーク・ライフ・バランスを改善することも急務だ。

生活の質に影響するのは何かについて、"British Household Panel Survey" の一環として、1997年から2002年にかけて英国の5500世帯10300名以上を調査したところ、個人の生活の質を守るうえでもっとも大切なものは何だと考えるかという問いに、三分の一以上が健康、家族、経済と答えた。

健康が主要因だと答えたのは、男性は50%なのに対し女性は57%。一方経済が主要因だと答えたのは、男性で38%、女性で33%だった。

真っ先に家族が主要因と考えたのは、男性でわずか38%に対して女性は49%だった。しかし経済に関心があるのは、大切な人を養えるだけのしっかりした稼ぎが必要だからと多くが説明している。

「幸せに対する考え方は男女で異なるが、その奥で本質的にどう理解しているかというと、どちらも、他の人が幸せにならないと自分自身が満足のいく健全な生活を送れないと考えているのだ」とこの研究を率いたジャクリーン・スコット教授は言う。

「当たり前だとも言えるが、まったく見過ごされてきたことでもある。幸せと言う点でこれまでの施策は、一人ひとりの状況を改善することに終始してきた」

「自分以外の人たちを大切に世話する男女双方の働きこそがあらゆる人の生活の質を改善するのだ。しかしわれわれの調査によれば、そういう働きに対する支援はまだまだ足りないと言える」

かがだったでしょうか。これらの記事の中心テーマはワークライフバランスを改善すべきだという点にあると思うのですが、個人的には、家族や大切な人が幸せにならないと(または、...を幸せにしないと)自分の幸せは無いと彼らが考えている点が重要だと思うのですが、どうでしょうか。

文:fumixie <fumixie@gmail.com>

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コメント

幸せについてここまで深く研究がされているとは・・・
確かに、一人黙々と働くより、身近な誰かの為に働きたいとは思います!
女性は家事が仕事だったら、その仕事で家庭の幸せを守りたいと思うんでしょうね^^

投稿: @K | 2010年4月26日 (月) 10時38分

コメントいただき、ありがとうございます。

ふと思ったんですが、「幸せ」って、研究対象になるんですね :-) 幸せなんて人それぞれだし、研究すべきものでもないのでは?と思いがちですが、研究対象にしてしまう着眼点がすごいです。

自分の働きで身近な人に微笑みが浮かべば自分もやはり嬉しいし、そうしてよかった、と思いますよね。

投稿: | 2010年4月26日 (月) 13時14分

あらら...またまたやってしまった↑名前抜け f(^^)

投稿: fumixie | 2010年4月26日 (月) 19時07分

非常に面白い内容ですね。確かに、身内の幸せは自分の幸せになりますね。人それぞれ、価値観が違うから、そうとは限らないのかもしれませんが・・。身内以外の幸せが自分の幸せになる社会になればいいですが。中々難しい問題かも知れませんね。

投稿: REDMEN | 2010年4月27日 (火) 08時52分

コメントいただき、ありがとうございます。

「身内以外の幸せが自分の幸せになる...」というのはまったくそのとおりだと思います。たとえばクラスメートでも誰でもいいですが、その人と一体感を感じると、その人が幸せになると自分も幸せになるし、その人が悲しいと自分も悲しくなる...そういう状況が日常茶飯事になると、少しは近づきますね。つまり、「自分そのものとして認識する範囲」を少しずつ拡げるということでしょうか。

投稿: fumixie | 2010年4月27日 (火) 16時04分

自分の周りの人が幸せなら、確かに幸せと感じますね。
先ほどラジオで流れていたのですが、日本人対象に今幸せか?というアンケートをした結果65%くらいのかたが幸せと答えたそうです。イギリスやフランスなど諸外国では7~8割の方が幸せと答えているこうなので、日本人は今、(若干苦しい状況にいるのでしょうかノ_-。)?
でも日本は平和な国だと思うので日常の幸せになれてしまっているのかもしれないと思いました。。

投稿: ぶ~ | 2010年4月28日 (水) 17時58分

コメントいただき、ありがとうございます。

たしかに「日常の幸せになれてしまっている」という見方は鋭いと思います。そういう状態になると、そこからさらに一歩、前に踏み出さなくなりそうですよね。

投稿: fumixie | 2010年4月28日 (水) 23時08分

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