少量の飲酒は心臓にいい
またまたアルコールの話題をする。でも、最初に断っておくけど、私はアルコールが身体にいいと思っていないからね。特に若い世代の飲酒は少量でも良くないだろう。
ライフログでアルコールが身体にいいというニュースを紹介しているのは、アルコールが好きな自分を正当化する愚かな行為ではあるが、私は既に40歳を越えた中年男で、将来を有望されている若者じゃないってことを強調しておこう。これから勉強や仕事で成功したいと考えている若者ならアルコールを控えるべきだろう。
アルコールを飲めば脳の容量は小さくなるし、この関連性は少量飲酒でも存在する。脳容量減少と知能の相関性はまだ示されていないけど、調べられていないだけで、萎縮する脳を使ってクリエイティブな仕事を維持できるかな?
アルコール、飲むほどに脳が縮小
もっとやっかいなのは発癌性だ。男だろうが女だろうが、アジア人である日本人はアルコールを飲めば発癌性が跳ね上がる。食道癌のリスクは極端に高い。特に、少量飲酒で顔が赤くなる(フラッシング反応)人が飲むのは危険だ。全く飲めない体質を羨ましく思わなければならない。中途半端に顔を赤くして飲み続けられるから食道癌になってしまうんだよ。食道癌は辛いよ、本当に...
飲酒で顔赤くなるアジア人、食道がんのリスク高い
今回の報告の中でも触れられているけど、若い女性は乳癌のリスクも考慮しなければならない。アルコールは明らかに発癌に関連性があり、若年でガンを発症してしまうと勉強や仕事のパフォーマンスを云々ってことにならなくなるよ。
アルコールは二度目の乳癌リスクを高めるかも
まあこんな事に関係が無く、動脈硬化が進んでしまった身体をお持ちの中高年者で、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高いのであれば、好きで飲んでいるお酒を中等量で続けてもかまわないだろう。
今日のようなタイトルをつけていると、アルコールは身体にいいと思ってしまうかもしれないけど、アルコールは日本人(アセトアルデヒドが体内に残留しやすい)にとって薬よりも毒に近いだろうね。まあ個々の適正を考えていないと、アルコールで人生を棒に振ってしまうよ。注意してね。
これは自分への戒めでもある。
少量の飲酒は心臓にいい
Light Drinking Good for the Heart
2つの臨床試験から死亡率減少が示された過去のエビデンスを裏付けた。
3月22日月曜日(ヘルスデイ・ニュース) -- 中等量の飲酒なら心臓に良く、大量飲酒をすれば健康に良くないというコンセンサスの得られているエビデンスが2つの大規模臨床試験で裏付けられた。
「このことで現在使われているガイドラインは変わらない。このガイドラインは、下限を示さず、上限を設定している。男性なら日に2杯、女性なら日に1杯までだ」とハーバード医科大学の准教授で、ベス・イスラエル・デェコネス・メディカル・センターの内科医、Kenneth J. Mukamal医師は説明する。彼は、雑誌Journal of the Ameican College of Cardiologyのオンライン版3月23日に掲載された研究報告の主要著者である。
新しい研究とは、1987年から2000年に調査された9つの米国民健康聞き取り調査の結果を使っている。過去の調査報告より徹底した解析が行われたので、中等量の飲酒と心疾患リスク低減の間に関連性を示す「現在得られる非常に確固たるエビデンスの1つ」であるとMukamal医師は述べた。
全く飲まないという人でも、今までアルコールを飲んだことがない人と大量に飲酒をしていたけど健康への懸念から全く飲まなくなった人に分けて、健康への影響を調べた。
「昔の臨床試験を見れば、ある部分で優れていても、他の部分では、他の試験が優れていることがあった。しかし、今回、できうる最大限の規模で調査を行った」とMukamal医師は説明する。「2百万人/年のデータを集めたから、適正な重要性を生んでいる。過去20年以上にわたりアメリカの国民の代表的なデータだろう。
この研究は、特に心疾患による死亡率、例えば心筋梗塞や心発作に注目している。少量や中等量の飲酒をしていた人の死亡率は、飲酒経験の無い人や辞めた人に比べて低かったことが明らかになった。アルコールの種類 -- ビール、ワイン、リキュール -- に関連性は無かった。
「実際、心疾患による死亡率が最も低かったのは、中等量の飲酒をしていた人」とMukamal医師は話してくれた。「この利点は、中等量のレベルを超えてしまうと消える。」
この結果は、過去の報告と「綺麗にピッタリ」と一致するけど、「決してアルコール飲酒を勧める理由にならない」とMukamal医師は説明する。飲酒をすれば、心血管系以外の器管に悪影響をもたらすからだ。
もう一つの報告は、同じ雑誌に掲載されているが、イタリア、カンポバッソのカソリック大学の医師であり疫学者のイタリア人研究者によるもので、アルコールの摂取量と心疾患の既往がある飲酒者と非飲酒者の死亡率の関連性を、8つの臨床試験、29,000人以上のデータを使って調べたものである。
中等量の飲酒をすれば、予防効果はあったと、報告から明らかにされた。アルコール5〜10グラム/日の飲酒をしていた人は、原因が何であれ死亡率が最も低かった(一般的な飲酒量は13.7g/日である。)
訳者注:アルコールの摂取の基準値に関する話題を何度か採りあげているので、「ワインは女性の体重を維持させるかも」から抜粋する。
Diet Blogで採りあげられるニュースは英国の話題が多い。英国のアルコール摂取は、ユニット(UNIT)で評価されることが多い。1ユニットは8gのエタノールに相当するけど、比重から見て10mlのアルコール量になる。じゃあ、アルコール度数が5%のビール350ml缶を飲むと、1.75ユニットのアルコール摂取したことになるんだ。
英国で「少量飲酒(light drinking)」の定義は、1から2ユニット/週になる。これは1週間に1度350ml缶のビール1本って事になるよね。ハッキリ言って少ないわ。
「大量飲酒(heavy drinking)」が1ユニット/日って話なんで、毎日たしなむ人は誰でも大量飲酒者になっちゃうのが英国である。(「ライトな飲酒」は妊娠中でもOK?から抜粋)
今日のニュースは米国からの報告だけど、文面から判断して、「lighat drinker」は15グラム/日以下のようなので、英国の大量飲酒者と同等になってしまう?????
心疾患に関して言えば、最も予防効果 -- 22%の低下 -- があったのは、アルコールを25グラム/日摂取していた人だ。それ以上の飲酒をすると死亡率は跳ね上がる。
彼らの結論を言えば:「心疾患を持っている患者さんは、少量から中等量のアルコール飲酒(5〜25グラム/日)をすれば、心疾患のリスク低下や死亡率自体も明らかに低下させられる。」
しかし、重要なことは、アルコールを飲むべきかどうかのアドバイスは、患者、個々のリスクファクターに依存していることを覚えておかなければならないと、カルフォルニア、Kaiser Permanente Health Planの循環器科の上級顧問、Arthur L. Klatsky医師は、付随論説に書き留めている。
例えば、若い女性なら、中等度の飲酒をしても何ら得られる利点はない。というのも、乳癌のリスクを高めるからだと、Klatsky医師は説明する。中年期以降の男女だったら、心血管に対して利益になるだろう。
「今回のことでアドバイスをするとすれば、人によるだ」と彼は述べた。
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コメント
初めてコメントさせていただきます。
テーマは飲酒。
大学生のころから飲酒していますが、健康に対するリスクの多さは分かっちゃいるけどやめられない状態。
飲酒という光景がごく当たり前のように目に映り、はたまた現実逃避にも用いている今日この頃…
後々のことを考えれば週末に晩酌程度で抑えればいいのだろうが、付き合い上そういう訳にもいかないし。
だがしかし最近の若者は以前の若者に比べれば、飲酒量も喫煙量も減っているように思う(データはなく私の感じる所ですが)。
これは社会が以前に比べ健康嗜好になっている証拠なのではないかと思う。
投稿: KOU | 2010年3月24日 (水) 23時29分
飲酒で脳萎縮、発癌性の増加があるんですね…初めて聞きました。公私とも飲酒をすることが多いので健康も考えて控えます!
投稿: タケノコ | 2010年3月25日 (木) 10時34分
つまり、この研究の要点は「そこそこの量の飲酒なら心疾患による死亡率が下がる」ということなんですね。しかしそれが酒の種類には関係しないという点がちょっと驚きですね。記事に載っているのは3種類ですが、ウォッカとか日本酒とか焼酎とかでも関係しないんでしょうかね。ちょっと興味があります。
でも、ガンにかかるリスクが高まったり脳が萎縮するリスクとのトレードオフとなると、「飲酒による心疾患死亡率低下」の利点は色あせてしまいそうですね。
老人ホームなどに行くと、お年寄りがタバコを吸っている光景を目にしますが、それはタバコの弊害よりもタバコを吸うことによる利点の方が、そのお年寄りの方々には重要だということです。同様に、飲酒による弊害と利点も、それぞれを理解したうえで、どちらを重要視するかは、記事にも書かれているように、まさに「人による」ということなんですね。
投稿: fumixie | 2010年3月25日 (木) 23時03分