エクサゲームで高齢者のうつ病改善?という記事
ScienceDaily.com (2010年2月28日) の "Video Games May Help Combat Depression in Older Adults" によると、ある種のテレビゲームで高齢者のうつが解消するのだそうだ。まさに物は使いようということか。
エクサゲーム (exergame) とは「エクササイズ」+「ゲーム」の合成語。つまり運動とゲームを組み合わせたエンタメ系テレビゲームのこと。
米カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部では、このエクサゲームを活用して亜症候群性うつ (SSD) という病気の症状を改善する新手法を提案している。予備研究では、SSD にかかっている高齢者にエクサゲームをしてもらったところ、気分と精神衛生面での生活の質が著しく改善したそうだ。
この記事の説明によると、SSD というのは、高齢者に多く見られるうつよりもずっと一般的で、辛さも相当で、体も利かなくなり、費用がかさむ医療を利用することが多くなる。うつは体を動かせば改善できるのだが、体を動かした方がいいと勧められる高齢者は5パーセントに満たないのだそうだ。
この研究を率いたカリフォルニア大学サンディエゴ校医学部の精神科と神経科学の教授 Dilip V. Jeste, MD の話では、「うつになると体を動かさなくなるものだが、ほとんどの運動プログラムにとっては、これが大きな障害になる。うつ病の高齢者にとって特に危ないのは、体を動かすことが楽しみではなくなることだ。だから中途で運動プログラムを辞める場合が多い」とのこと。
で、この教授らのチームがどういう調査をしたかというと、63歳から94歳までの SSD 患者19名に、任天堂 Wii のテレビゲームを週3回やってもらった。最初にちょっとした指示を与えてから、テニス、ボーリング、野球、ゴルフ、ボクシングという5種類の任天堂 Wii のスポーツゲームから、自分でやるゲームを一つ選んでもらった。被験者は「Wiiリモコン」という動きを感知するワイアレスの装置を使い、腕や体を動かして、実際のスポーツと同じように、たとえばテニスラケットのように Wii リモートを振るなどの動作をした。
この教授の話によると、研究の開始当初は、被験者らはエクサゲームの進め方やゲームを楽しむうえで必要な技術面にかなり神経質になっていたのだが、研究も終わりにさしかかるころには、テレビゲームのやり方が分かり、プレイすることに満足を覚え楽しんでいる、とほとんどの被験者が報告していたのだそうだ。
この方法なら、やる人は大いに満足するし楽しいし、頑張ろうという気持ちになれる、それに体をあまり動かさずにすむなど、さまざまなメリットがあるようだ。
この結果はけっこう有望らしく、うつの症状が50パーセント以上減少した被験者は三分の一を越えたし、精神衛生面で生活の質が著しく改善しているし、認知機能に対する刺激が以前より増えているのだそうだ。この調査の被験者は皆、エクサゲームは楽しいし、うまくなろうというやりがいを感じていたとのこと。
ただし、この研究はもっと大規模なサンプルで再調査する必要がある点と、エクサゲームは怪我をする可能性があるから充分注意して行う必要がある点を、この教授は強調していた。
つまり、あまり体を動かす必要も無いから手軽に始められるし、始めればハマって上達したいと感じ始める。そうすれば頑張る気持ちも湧いてくるし、やりがいも出てくる。これがうつの症状に良い効果をもたらす。という筋書きのようである。テレビゲームのボーリングくらいだったら座っていてもできそうな気がするなあ。もし本当に座っていてもできるんだったら、車椅子を使っている人でもできるってことか。
値段は実売価格で17000円から23000円の間といったところだが、これはたぶん本体価格だろう。ソフトはピンキリで、大雑把に5000円前後か...な?。Wiiリモコンは本体に1個付属しているようだ。ということは 30000円出せばエクサゲームのメリットが享受できるってことか。30000円でうつ解消は高いか安いか???
これは一人でやるよりもグループでやった方が楽しみも増すんだろうから、老人ホームやデイサービスの施設ならウケそうな気がするなあ。
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コメント
精神疾患に疎く、うつ病の亜型であるSSDという病態を知らないので、今度精神科の先生に質問してみます。
うつ病に運動療法は効果的だけど、うつ病になってから運動をやらせるのが難しいですよね。うつ病予防のために身体を動かす習慣が重要なんでしょう。
記事の後半でちょっと触れているけど、Wiiによる健康障害は以前話題になりました。「Wii Syndrome(Wiiシンドローム)」なんて呼ばれてるけど、ハマればハマるほど怪我の可能性も増えるから注意が必要ですよね。
'Wii syndrome' blamed for injuries - http://www.upi.com/Odd_News/2008/01/22/Wii-syndrome-blamed-for-injuries/UPI-91171201031945/
PS.記事のレイアウトが良いですね。文頭のフォントを大きくするやり方、真似しますね。
投稿: 屋台ブルー | 2010年3月 6日 (土) 12時16分
その UPI の記事にも書かれていますけど、Wii は「ハマりやすい」という特徴があるみたいですね。それが、場合によってはメリットにもなり、状況によってはデメリットにもなるということのようですね。記事に出てくるマーチン・デイビスという整骨医も「(Wiiは)悪いことばかりじゃない。息子の誕生日にWiiを買ってからというもの、息子の体重が14ポンド(約6.4kg)減った、と言ってくる親もいるしね」と言ってます。怪我をしないようにするには、のめり込んで過度に長時間することのないよう、メーカーのガイドラインに極力沿って冷静に使うのが一番のようですね。
投稿: fumixie | 2010年3月 6日 (土) 14時22分