禁煙をすると血管は再び元気になる
ここでタバコ嫌いの話を何度かしてるけど、私は「嫌煙家」である。しかし、タバコを吸っている人に面と向かって文句を言える度胸は無い。ただ、ニコニコしながら、「できない人」のレッテルを貼ってるね。「タバコを吸っている人」=「できない人」と短絡的に結びつけるのに問題はあるけどね(^_^;)
喫煙者は2つのグループに分けられるだろう;「タバコを辞めたいけど辞められない人」と「タバコを辞める気のない人」。この両者には人間性にも生き方にも大きな相違点がある。明らかに後者は「できない人」になるだろう。どういう理由であれタバコを嗜好品、ストレス解消の手段にしている。健康障害を明らかに引き起こし、他人の迷惑になるタバコを自分のエゴで選択していて、仕事のパフォーマンスがいいと思いますか?体力が落ちれば自覚しなくてもパフォーマンスは落ちるし、口臭や服も臭いし、副流煙は周りの人の健康障害を引き起こすから、人間関係もいいとは言えないだろう。
「タバコを辞める気のない人」と「タバコを辞めたいけど辞められない人」には大きな隔たりがあるんですよ。辞められない人は、辞めたいという前向きな考え方を持っているし自分を向上させる気持ちに溢れている。「タバコを辞める気のない人」と同様に「できない人」のレッテルを貼られてしまうのは可哀想ですよね。辞められないのは、ニコチン依存という病気が隠れているからで、強いニコチン依存があれば、自分で禁煙をするのが難しい。そんな理由から、保険を使って禁煙治療ができるようになったんですよ。
「タバコを辞めたい人」は、是非、病院で禁煙治療を受けて下さい。私のような人間から「できない人」というレッテルを勝手に貼られてしまう不当な扱いをされなくなりますよ。
当院でも積極的に保険を使った禁煙治療をしています。特に内服薬である「チャンピックス」を使った治療には効果があるので、禁煙を考えている方がいらっしゃれば、是非、トライして下さい。
さて、今日のニュースは、禁煙を啓蒙する内容を紹介しよう。タバコを辞めれば、血管の内皮機能が改善するって話だよ。
文:屋台ブルー
禁煙をすると血管は再び元気になる
Blood Vessels Bounce Back Once Smokers Quit
心疾患のリスクも直ちに低下するという研究報告
3月16日火曜日(ヘルスデイ・ニュース) -- 喫煙者が禁煙をすると血管機能は直ちに健康的に戻り、心疾患や心筋梗塞の危険性が低下すると新しい研究で示された。
この研究には、禁煙治療の臨床試験に参加している1,500人以上が対象になっている。禁煙前と1年後に、超音波装置を使って、被験者の上腕動脈の健康指標になる血管系増加率(flow-mediated dilation; FMD)を医師は測定した。
上腕動脈の拡張能は心血管の弛緩性に親密な関連性があるため、将来的に発症しえる心疾患や血管障害の危険性を予想できると、ウイスコンシン大学の研究者は説明してくれた。
禁煙を成功させた被験者と禁煙を試みたけど失敗してしまった被験者のFMD値を研究者は比較した。
「禁煙に成功した人は、禁煙による副作用として体重は増えてしまったけど、血管内皮機能は改善したよ」とウイスコンシン大学医学・公衆衛生学の准教授、James Stein医師は、学内新聞で報告した。「このことから、禁煙は、血管にいいし、心筋梗塞や冠動脈疾患のリスク低下に繋がることが証明されたね。」
1年間禁煙を続けた人はFMDが1%改善した。これは大きな改善とStein医師は説明する。
「統計的に明らかだけど、それ以上に重要なのは、臨床的に意味があるんだ」と彼は話してくれる。「FMDで1%変化するってのは、心血管系のイベントの発生を約14%低下させることと関連があるんだ。永久に禁煙をしてしまったら、心筋梗塞や心疾患の危険性はさらに低下するだろう。」
この研究は、今週の米国心臓病学会の年次会で報告され、同時に、雑誌Journal of the American College of Cardiologyに掲載された。
米国において、喫煙者の早期死亡原因の3分の1が心血管疾患である。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
私はチャンピックスで半年禁煙をしましたが、体重の増加が止まらず再開してしまいました。次回は運動習慣を付けてから再チャレンジしたいと思います。
投稿: おじゃるまん | 2010年3月18日 (木) 14時47分
私も禁煙開始当初はかなり体重が増加してしまい、これには困りました。久しぶりに会った知人から「うわっ!なにその腹!!」とか言われるしまつ。しかしその後しばらくしてから始めたダイエットの甲斐あってか、体重はしっかり減りました。禁煙も続いています。
そういえば、the South African Heart and Stroke Foundation に Smoking — lets clear the air という記事があり、そこに「タバコをやめると体で何が起きるか」が載っていました。曰く、
禁煙後、
- 8時間で血中の酸素と一酸化炭素の量が正常になる
- 24時間で心臓麻痺や心臓発作の危険が減少し始める
- 48時間で神経末端と味覚、臭覚が回復し始める
- 72時間で肺活量が改善され咳が減る
- 数日で血栓が改善される
- 3週間で楽に運動できるようになる
- 1ヶ月から3ヶ月で血流が改善される
- 2ヶ月で活力が出てくる
- 5年で肺ガンを発症する危険性が半減する
- 5年から10年で心臓病の危険性が非喫煙者と変わらなくなる
この記事は NaturalNews.com の "Avoid or Stop the Smoking Habit and the Chemicals Inhaled" にも引用されています。個人差がありますから、これがこのまま誰にでも当てはまるわけではないでしょうが、きっと似たようなことは起きるのかもしれません。もしそうなら、いつから禁煙を始めても遅すぎることはないということですね。
眉に唾をつけたくなる方もいらっしゃるかもしれませんが (^^;)、禁煙のモチベーションアップにはなるかもしれません。
投稿: fumixie | 2010年3月18日 (木) 15時46分