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2010年2月 3日 (水)

魚油は統合失調症の予防になるか? - オメガ3

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オメガ3系脂肪酸の話題で、「不飽和脂肪酸、アラキドン酸で精神疾患の予防効果?」を覚えてる?脳神経の発達時期にあたる胎児期に障害が加わると統合失調症の発症が増えるけど、この障害の原因として多価不飽和脂肪酸の摂取不足が考えられている。特に、オメガ6系脂肪酸のアラキドン酸は脳神経発達の鍵になっていることが動物モデルを使った実験で示された。

この研究を主導した大隅典子先生は、神経発生におけるアラキドン酸の重要性に触れてますが、オメガ3系脂肪酸も脳神経細胞の主要なコンポーネントになっていて、神経の成熟過程で必要不可欠な存在だと説明している。

今日のニュースは、オメガ3系脂肪酸を13歳から25歳のちょっと精神病症状の出ている若者に摂取させた時、症状の改善が見られたという話なんだけど、なんとなく分かるよね。13歳から25歳という年齢は、脳神経の発達から見ればほとんどできあがっている状態なんで、神経細胞の分化安定にかかわるオメガ3系脂肪酸はいいだろう。胎児期に脳の発達障害が少しばかり生じて、将来的に精神病を発症させてしまいそうな危うい子供でも、オメガ3系脂肪酸を摂取すれば、残っている神経細胞の分化安定を進めて、病状悪化の予防になる可能性はあるよね。

じゃあ次のようにも考えられるんじゃないかな。最も脳が発達する0歳から3歳の時期にアラキドン酸摂取していれば、こういう危険な若者にもなりにくくなるかもしれない。どうなんだろう?疑問も生まれるよ。乳幼児から小学生低学年ではどうなんだろう?発達と分化が入り乱れる時期は、オメガ3系脂肪酸やオメガ6系脂肪酸の比率が重要になるかもね。この分野の報告はこれからが楽しみだよ。

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魚油は統合失調症の予防になるか?
Can fish oil help guard against schizophrenia?

ニューヨーク(ロイター・ヘルス) - 精神病になるリスクの高い思春期の若者は、魚油を摂ることで、完全な精神病にならないかもしれないと、月曜日の報告で示された。

精神病リスクの高い人は、軽い症状や一時的に精神病症状を発症したことがあったり、統合失調症に見られる脳の気質的変化を起こしていると、この報告をした研究者、オーストラリア、メルボルン大学、G. Paul Amminger医師は、ロイター・ヘルスに説明している。また彼の説明によれば、現在の精神科医は、このようなリスクの高い人を見つける診断法を知っていても、扱い方を知らない。「現時点で、リスクのある人をどう扱うべきか最新のガイドラインは存在しない。」

抗精神病薬を使うと効果はあるだろうと、Amminger医師は説明を続ける。しかし、このような薬剤には深刻な副作用もあって、内服していることで咎められていると感じてしまう可能性もある。「若い人は、5年から10年にわたって内服の必要な治療を続けたいとは思っていない」と、彼は述べた。さらに、精神病のリスクが高くても、その中でたった3分の1しか、次の年に完全な精神病になっていかない。

脂肪酸の代謝異常は統合失調症の発症に関連があるというエビデンスは多いと、Amminger医師のグループは雑誌Archives of General Psychiatryで述べている。オメガ3系脂肪酸に精神病の発症予防の効果があるかどうか調べるため、彼らは13歳から25歳の81名のリスクの高い若者に、1日1.2グラムのオメガ3系脂肪酸が含まれている魚油カプセル、もしくは偽薬を12週間内服させて、さらに40週間の追跡調査した。

次の3つの条件のうち少なくとも1つ当てはまる人をこの臨床研究に加えている:軽度の精神病症状を持っている;一時的に精神病症状を呈したことがある;統合失調症類似の人格障害を持っているか統合失調症に非常に近い状態、こういう精神機能の低下が過去1年以内に急激に生じた人である。

研究対象者81名のうち76名、94%が最後まで試験を遂行できだが、Amminger医師の説明によると、この結果から、魚油の安全性と忍容性は高いことが確認された。

一年目で見ると、偽薬を摂った被験者は、28%(40名のうち11名)が精神病を発症させたのに対して、オメガ3系脂肪酸を摂った被験者は、5%(41名のうち2名)の発症だった。魚油を摂った人は、さらに精神病症状の劇的な軽減と機能改善が認められた。偽薬を摂った人に比べて大きな副作用のリスクも見られなかった。

この魚油を摂った効果は、Amminger医師は説明するが、リスクが高い人に抗精神病薬を投与した2つの臨床試験の結果に類似していた。

オメガ3系脂肪酸が持っている脳の保護メカニズムは数多く存在する。Amminger医師の説明によると;オメガ3系脂肪酸は脳細胞の主要な構成物質であり、2つの脳の化学伝達物質、ドーパミンとセロトニン、これらは統合失調症の原因として考えられているけど、正常に働くために重要な役割を担っている。魚油はさらに酸化ストレスから脳を保護する抗酸化物質、グルタチオンのレベルも上げる。

精神病治療のため薬剤を使う臨床試験に、18歳以下の若者は一般的に含まれない。Amminger医師はコメントしているが。未成年者に抗精神病薬を使って研究を始めるのは、「いつでも非常に困難で、物議を醸すことになる。」

しかし、この結果が将来の研究で検証されるなら、魚油を使用することは、精神病になるリスクが高い人の予防として非常に安全な方法だろう。その上、統合失調症より遙かに一般的な、うつ病や双極性疾患、それに薬物乱用障害の発症を予防したり遅延させる効果もあるかもしれない。

彼のグループは、現在、320名の精神病のリスクの高い人を対象に、魚油による精神病予防効果をみるために多施設臨床研究を計画している。

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