低炭水化物ダイエットは降圧効果に優れている
東京慈恵会医科大学の西村理明先生を招いた糖尿病の勉強会に参加したよ。24時間持続血糖モニター(CGM)を使用した研究内容で、将来の糖尿病治療もオーダーメードに向いているんだと実感できる興味深い内容だった。
講演の中で、以前ライフログで取りあげた「厳格な血糖コントロールは心臓に良くない」で話題にしたACCORD試験とADVNCE試験にも触れられ、私が疑問に思っていた問題も解消されました。
インスリン強化療法群でHbA1cを7前後から6に近づけると何故死亡率が上がってしまうのかっていう理由もCGMを使ったデータを使って説得力ある説明をしてくださいました。いやあ、やっぱり大学で研究している先生は勉強家ですね。過度の糖尿病治療が良くないという話題は今月号のLancetにも掲載されているんですよ。また次の機会に話をしよう。
今日は私も支持している低炭水化物ダイエットの優位性を示した報告だ。こういう報告を読んだら嬉しくなるよね。本文にも書かれているけど、肥満者を対象に、減量のためのダイエット法、代表的な2つのダイエット、低炭水化物ダイエットと低脂肪ダイエットを比較した試験は過去に多数報告されている。しかし、高血圧症のような慢性疾患を持っている患者への効果を見た報告は無かった。
このニュースで触れられていないけど、血圧に影響を与える塩分量は同等なのかどうか気になるところだ。文献を読まないと詳細が分からないよね。ゲットして読まないといけないか。
低炭水化物ダイエットは降圧効果に優れている
Low-carb diet best for lowering blood pressrure
ニューヨーク(ロイター・ヘルス) - 高血圧で、更に減量をしたいと思っている人は、低炭水化物ダイエットをしたくなるであろう結果が、新しい報告で示されている。
この研究で、過体重、もしくは肥満の人は、低炭水化物ダイエットをすることで、オリルスタット(ゼニカルとかアライという名で売られている)併用の低脂肪ダイエットをしたのと同等の減量効果が認められた。しかし、低炭水化物ダイエットでは、血圧に関して明らかに好影響が得られた。
減量プログラムを使った研究は、体重が重いという以外健康な過体重や肥満の被験者を対象にしていた。この研究では、反対に、糖尿病や心疾患といった慢性的な状態の「本物の患者」を対象にしたと、ノースカロライナ、デュラハム、VAメディカルセンター所属のWilliam S. Yancy Jr医師はロイター・ヘルスに説明した、このような健康問題を抱えている人は、減量研究の場合、除外されてしまうのが一般的であると、Yancy医師は話してくれた。
彼のグループは、146名の患者を、低炭水化物ダイエット、1日20グラム以下の炭水化物を摂取をする方法、もしくは、日3回で合計120ミリグラムのオリルスタットの内服に低脂肪ダイエットの指導をするかどちらかに割りふった。全ての参加者は、グループ指導でダイエット法を教えられたが、最初の6ヶ月は隔週、その後、月1回の指導を受けた。
48週間後、炭水化物ダイエットのグループは、体重9.5%の減量を認め、オリルスタット投与のグループは、体重8.5%の減量が認められた。この差は明らかで無かった。両グループでは、コレステロール値の改善も同等だった。しかし、低炭水化物ダイエットでは、降圧効果に関して優れた結果を示した。
低炭水化物ダイエットのグループは、収縮期血圧(血圧表示の高い表示)は5.9mmHgの低下、拡張期血圧(下の血圧)は4.5mmHgの低下が見られた。これと対照的に、オリルスタット投与のグループで、血圧の低下は見られなかったし、それぞれの値は、収縮期で1.5mmHgの上昇と拡張期で0.4mmHgの上昇が見られた。
この2つの、「極めて強力な食事療法は、どちらも同様の減量効果はあった。しかし、降圧効果に関して、片方が強かった」、とYancy医師は話した。
オリルスタットは、体内で、食事からの脂肪吸収を阻害するため、摂取する脂肪量も減らす必要がある、そうじゃないと、腸管ガスによる膨満感や腸管異常運動という嫌な副作用のリスクがある。
この研究で、オリルスタットを使用した患者は、腸管ガス、腸管運動亢進や下痢といった訴えは、明らかに低炭水化物ダイエットに比べて多かった。しかし、副作用のため薬を止めた人はたった一人だけだった。「正しく使えば、オリルスタットは効果的に働くよ」と、Yancy医師は説明した。
ダイエットのためのグループ指導が、成功の鍵になっていると、Yancy医師は付け加えたけど、グループ指導に80%以上の人は、平均14%から15%の減量ができていた。
「これ全てをカバーしている保険は多くないだろう」、彼は言う、「しかし、何かが変わっていく必要あると思う。」
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