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2009年6月10日 (水)

親の健康的な食習慣は子供にあまり影響を与えない

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今日のDiet Blog(ダイエットブログ)で取りあげられている研究の結果に驚きは無かった。

親の真似をするのは、怠惰な習慣に限ると思ったからだ。怠惰な習慣って、努力もいらないし楽だからね。

しかし、今日の記事を読んでちょっと疑問に思ったこともある。子供の食習慣が親の食習慣に似る似ないっていう話だけど、健康的な食習慣と不健康な食習慣を明確に区別できているのだろうか?

実は、記事で取りあげられている報告で解析に使っているスコアは、Healthy Eating Index(健康食生活インデックス)だ。

このスコアは、総果物の量(ジュースを含む):5点、新鮮な果物の量:5点、総野菜の量:5点、緑黄野菜の量:5点、総穀物の量:5点、全粒穀物の量:5点、乳製品の量:10点、肉や豆類の量:10点、オイルの量:10点、飽和脂肪酸の評価:10点、塩分の評価:10点、固形の脂肪、アルコール飲料や糖質飲料の評価:20点の項目の総計、100点満点で評価される。80点以上が健康的とされているけど、このデータだけで、タイトルにあるように、健康的な食習慣だけにスポットを当てられるのだろうか?

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健康的な食生活をしている親の影響が小さく、不健康な食生活をしている親の影響が大きければ、それはそれで重大問題じゃないかな。だって個人的な問題というより社会問題として考えなければならなくなるからだ。

不健康な生活を送ることが非常に楽な社会、逆に言えば、健康的な生活を送るために困難さを伴い努力の必要な社会という社会構造の中で生きていかなければならないアメリカの子供達は不幸だ。

親が生半可に頑張っても、この問題には立ち向かえないっていう結果が出たんだからね。アメリカの子供達の将来は真っ暗なんじゃない。

じゃあ日本ではどうなんだろう?社会や文化的背景が異なるから同様の結果が出るとは思えない。こういう研究を日本でもやってみると面白いんじゃないかな。

どちらにせよ、今日の記事の後半に書かれているMikeの提案を実践したらいいだろう。

親の健康的な食習慣は子供にあまり影響を与えない
Parents' Healthy Eating Has Little Influence on Children

明らかに、林檎は木から転がって離れていくように子供は親に似ないんだよ - 少なくとも林檎を食べるってことになると。
訳注:The apple never fails far from the tree.っていうのは有名な諺だ。子は親に似るって表現。その言葉遊びの原文は、the apple DOES fail far from the tree - at least when it comes to eating APPLES。こういう訳文は難しいよね。

研究者にとって「驚くべき」研究報告の中で、母親や父親の健康的な食習慣っていうのは、考えられていたほど子供達へ影響を与えていなかったようだ。Youfa Wang医師の研究は、Journal Social Science and Medicineに掲載されたけど、それによると、親と子供の食習慣の関連は非常に弱かった。

研究のハイライト

  • 健康的な食生活をする(非常に少ないけど)親の子供は、不健康な食生活をしている親の子供達より3倍ぐらい健康的な食習慣だった、とWang氏の研究から分かった。
  • この知見により、友達やテレビなど、親以外の因子が、子供達の食生活に非常に強い影響を与えていることが示唆された。
  • 研究者は5,000人近い人の食事摂取状況を調べた -- 1,061名の父親、1,230名の母親、そして1,7000名に近い子供達
  • 食事摂取は、USDAのHealthy Eating Indexスコアに基づいて食事の質が評価された。満点は100点で、これには、果物、野菜、全粒穀物、乳製品、肉類、豆類、オイル、飽和脂肪酸と塩分の摂取量が考慮されている。
  • 親と子供達の平均スコアは48〜50点であった。これは、USDAが健康的と考えている80点には及ばない。
  • 2000年には、たった10%のアメリカ人が80点以上だった。
  • Wang医師によると、子供達の食生活の変化を親の食生活で説明できるのは10%にも満たない。子供達の食生活の変化の90%は、親の食生活以外の他の因子から説明できた。

コメントとその有用性
栄養に関する話から外れるけど、親の子供達への影響という側面で我々の社会が直面している体系的な問題が存在する。共働きの両親、非常に数の多くなっているシングルペアレンツ、それに時間が無いという状況は、結果として子供達に与える親の影響が減っている。

親の影響に取って代わっている物は何か考えて見ると - メディア、学校、それに友達 - 健康的な食習慣が頓挫しても不思議じゃないよね。

じゃあ何ができる

  • 実際に子供達と過ごす時間をつくれば親の影響は生まれてくる。
  • 親が健康的なライフスタイルを始める決心をしたら、実践するだけじゃなく、どうしてそのような選択をしたか本質的な考え方を強化していく必要もある(健康的な食生活は自分たちの文化に反しているから非常に重要なステップになる)。
  • 子供達に料理をさせたり、食材となる果物や野菜を選ばせる。そして、私たちの身体がこのようなタイプの食事をどうして必要としているか簡単な説明をする。
  • 健康的な食生活でもやり過ぎにならないようにする。例えば、ジャンクフードをコントロールしたり禁止したりすること。こんな事をすれば、逆効果でありいずれ反抗されるだろう。
  • 最後に、あなたが、お手本になって導いてやり、そして健康的な生活に関して子供達に教育することが最大限のできることだ。

なるようにしかならないけど、こういう風にすれば結果はよくなること請け合いだね。

どう思います?どうやって子供達に健康的な食事をさせています?

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コメント

健康的な食(または食習慣)を定義することはとても難しいことだと思います。それは栄養素のバランスが良いとか、カロリーが適切かだけの問題ではなく、例えば季節に合わせ旬なものを摂ることや地域の風土にあった物を摂ること、土壌や農薬・水質や環境ホルモンなどの汚染の無い物を摂ることなど色々な要素が含まれてきます。いずれにしても自分のこだわりを子供たちに伝承するなら、食材探しから始めて一緒に料理をすることが最善な方法だと思われます。

投稿: おじゃるまん | 2009年6月11日 (木) 14時35分

日本で同じ調査をしたら確かに恐ろしい結果がでるかもしれないですね。しかし、こういった問題は共働きやシングルペアレンツは増える一方なので、今後ますます真剣に考えていかないとだめですね。

投稿: maron | 2009年6月14日 (日) 20時09分

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