肥満児にむけた簡単な治療法は -- 水
先週の「糖質の入った飲料水を減らせば減量になる」は覚えているよね。
実は、Archives of Pediatrics & Adolescent Medicineの4月号で、似たような話を特集にしていたよ。
その内容をまとめたReuters Healthの記事を紹介しよう。
肥満児にむけた簡単な治療法は -- 水
One easy remedy for overweight kids -- water
ワシントン(Reuters) - 子供達の減量を助けてあげたい?それならソーダや糖質の入った飲料水の代わりに水を与えればいいと、先週の月曜日に研究者による忠告が出た。
米国の子供達やティーンの食生活を解析した報告から、子供達は、毎日糖質の入った飲料水から、平均して235kcalの「空っぽ」のカロリーを取っていることが示された。
こういう飲み物を止めても、普通の子供なら、他の食べ物や飲み物で穴埋めをしないと、研究者は言う。しかし、もう一つの研究によると、糖質入り飲料水を止めても、エクササイズをしたりお菓子を止めたりはしない。
「証拠は明らかになってきているから、この「液体カロリー」を、自宅や学校で、カロリーの無い飲料水に代えることが、栄養の行き過ぎを止め、子供達の肥満を防ぐための戦略的な鍵になるだろう」と、ニューヨークのコロンビア大学、Claire Wang医師は、記事に書いてある。
Archives of Pediatrics & Adolescent Medicineに書かれているけど、Wang医師等によると、詳しい食事の質問事項も調べられた2003年から2004年のNational Health and Nutrition Examination調査で得られたデータを調べた。
摂取するソフトドリンクを1%減らしてやると、6kcalの制限に等しいと、彼らは言う。
他の二つの研究から、子供達の生活習慣を変える可能性を示した結果が示された。
南カルフォルニアのEmily Ventura女史等は、ラテン系の過体重ティーン、54名を、食生活を改善させるための4ヶ月に渡る研究に参加させた。
3分の1は何もしない。他の3分の1は、週一回栄養学の教室を受けさせ、残りの3分の1は、栄養学の教室に加えて、週二回の筋力トレーニングを受けさせた。
半分以上 -- 55% -- の子供達は、一日47グラムの砂糖摂取を控えるか、同量の糖質の含まれた缶ジュースを止めた。59%の子供達は、食物繊維の摂取量が増え、一日5グラムにもなった。
この現象は、何もしなかった「コントロール」のグループでも見られていたと、Ventura女史等はジャーナルで報告した。
糖質の摂取の少ない子供達は、健康的な血糖レベルで、食物繊維の量が増えた子供たちは、平均して10%の内臓脂肪、内臓に取り巻く危険な脂肪の減少が認められた。
「私たちの研究結果から、糖質や食物繊維の摂取を改善させるのに、強力な介入は必要ないかもしれないだろう」、Ventura女史等は報告している。
オランダのプログラムでも糖質入り飲料水の摂取量は減った。アムステルダムのVU大学、メディカルセンターのAmika Sigh氏等は、12歳から13歳の1,108名の子供達にテストをした。
子供達を、生物や体育の授業を含めた11レッスンで構成される8ヶ月のプログラムに参加させた。1年以上経っても、子供達は、平均一日200ml以上のソフトドリンクを控えている。
しかし、お菓子を制限したり、学校に徒歩や自転車でいったりする子供達は少なかった。
「糖質の入った飲料水を減量させるっていうことは、青年期の肥満予防をするための介入として、いいターゲットとして使える行動変容だろう」とSingh'sのグループは結論付けていた。
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ここまでがReuters Healthの記事だ。前書きでも言ったけど、今日の話題はすべてArchives of Pediatrics & Adolescent Medicineの4月号に掲載されている論文だ。
- Dutch Obesity Intervention in Teenagers
Effectiveness of a School-Based Program on Body Composition and Behavior
もう少し詳しく書くと、プログラムが終わった直後で、男の子-287kcal、女の子-249kcal、更に12ヶ月後に、男の子-233kcal、女の子-271kcalだった。 - Reduction in Risk Factors for Type 2 Diabetes Mellitus in Response to a Low-Sugar, High-Fiber Dietary Intervention in Overweight Latino Adolescents
55%の子供達は摂取量を控えるようになり、平均して47g/日の糖質の減量という結果だった。この47g/日というのは、だいたい500mlのペットボトル1本分のジュースを1日1本だ。 - Impact of Change in Sweetened Caloric Beverage Consumption on Energy Intake Among Children and Adolescents
糖質の入った飲料水を水に代えてやると-235kcalのカロリー制限ができるとう結論をしている。
4月号の冒頭で触れているけど、子供達が3歳になった時と5歳になった時に自主性(Self-Regulation)をチェックして、自主性が低い場合、12歳になった時の肥満が顕著になるという報告も紹介している。
思春期に肥満になるかどうか3歳や5歳の頃の自主性が問われるんだって。でも、子供達に教育をすると行動変容が容易に起こりやすいのも確かだろう。
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コメント
甘い飲み物は手軽にカロリー摂取ができてしまう為、カロリーをとっているという意識なく摂取してしまって危険ですね。。私は子供はいませんが、子供ができたときには小さいうちからお茶や水を飲む習慣をみにつけさせたいと思いました。
投稿: SWAN | 2009年4月14日 (火) 14時22分
線維ではなく食物繊維です。お医者さんですねぇ
投稿: | 2009年4月14日 (火) 20時45分
SWANさん、甘い飲み物は子供でも大人でも注意しましょう。
名無しさん、ご指摘ありがとう。こういうミス連発ですよ。目に余る誤字脱字は指摘して下さい。
投稿: 屋台ブルー | 2009年4月14日 (火) 23時32分
フルM3.5hr.切り、おめでとうございます。
私といえば、ようやく禁煙プログラムを終了致しました。ご他聞にもれず何故かお腹がポッコリして来ています。課題はもちろんダイエットですが、オフィスビルのある5Fまで一気に階段を登るのが日課です。流石に筋肉疲労は来るのですが、息切れが来ないのが不思議に嬉しいです。いつかフルMにも挑戦して見たいと思います。
投稿: おじゃるまん | 2009年4月15日 (水) 00時46分
筋肉疲労と休息の繰り返しを続けて、体力をアップさせていきましょう。
フルマラソンも苦しくて達成感があるけど、ウルトラの達成感は最高です。
100kmを10時間以内に走って満足感に浸りたいですね。
投稿: 屋台ブルー | 2009年4月20日 (月) 15時39分