ダイエットの始まりは?
色々と忙しくて、ちょっと更新の間隔が長くなってるけど、ご心配なく。これからドンドン更新するつもりだよ。皆さんお付き合いの程よろしくお願いします。
いやあ、やっと私のブログに質問が入るようになったよ。嬉しいね。最近、「オメガ3」をキーワードにして、ここに来られる人が多いみたい。「オメガ3系:いかにだまされているか」のアクセスが一番多いからね。挑戦的な質問もあるから嬉しいよ。よく調べている人からの質問は私の勉強にもなります。彼の質問の返事を絡めた話は次回しよう。ここで言いたい事はひとつ、この読者の栄養学の捉え方は、よくありがちだけど、非常に栄養素信奉的な態度だと思う。英語で言えば、「Nutritionism(ニュートリショニズム)」に陥っているんじゃないかな。まあ、栄養学も科学であり、物事の真理を追究することに意義があるだろう。しかし全体像を失いがちになる。別に批判をしている訳じゃない。オメガ3やオメガ6を摂るのが重要じゃなくて、本物の食事をすることが大事だろう。
さて、今日のDiet Blog(ダイエットブログ)の話題は、ダイエットの歴史。今日の話も非常に興味深いよ。市民講座でダイエット講演のいいネタになるよ。
ダイエットの始まりは?
When Did Dieting Begin?
ダイエットは現代の発明だと思っている人がいる - 1980年代から1990年代に流行が進んだからだ - しかし、ダイエットの概念はずいぶん昔から存在していた。
「ダイエット」という言葉
「ダイエット」っていう言葉は、14世紀初頭に「決められた食事のコース、食事の種類も量も制限されていて、例えば、治療的もしくは罰としての;レジメ」という意味で使われていた(Oxford English Dictionaryによれば)。OEDで取りあげられている引用文よ読めば、「ダイエット」は牢獄で出される食事のレジメを指していたのは明らかだ - 「パンと水」のように。「ダイエット」という言葉は、今の世の中になっても、「食事制限」や「処罰」と関連して考える人が多いという事実は面白い。
ダイエットの歴史
現在私たちが考えているダイエット、減量レジメは、19世紀になってから一般的に考えられるようになった。それより以前の聖書の時代、もしくはギリシャ時代の初期には、ダイエットは、断食という意味で使われていた - 健康とか治療的な理由じゃなく、宗教的、道徳的な意味合いで、食事の制限をしていた。
今までの歴史で、ほとんどの場合、人は食事を十分食べることができなかった - 食べ過ぎるってことはなかった。肥満は、王室も含め、もっぱら上流社会の人々にのみ限られていた。明らかではあるが、ウイリアム一世は、乗馬に適した体型に戻るため、どちらかと言えば間違った形のダイエットで減量を試みていた;食事の代わりにワインを飲む(最近、メディアで取りあげられている「ドランクレキシア」に似てないですか?)
現代のダイエットの始まり
歴史学者は、現代のダイエットの概念は、19世紀の二人の人物から始まるとしている:ニュー・ジャージーの牧師、Rev. Sylvester Graham(1795-1851)とロンドンの葬儀人、William Banting(1797-1878)。
たぶん、Rev. Graham氏の名前は聞いた事ないだろう。でも、彼が発明したグラハム・クラッカーに聞き覚えがあるんじゃあいかな。たぶんこれが最初のダイエット食品だろう。グラハム・クラッカーは全粒粉で作られていて添加物が入っていなかった(精製された小麦粉で作られた白パンは、19世紀に、購入可能な中流社会で人気だった)。白パンは栄養に乏しいとGraham氏は考えていて、彼と彼の仲間、グラハム信者は、白パンを避けていた - 同じ事を言うけど、現代のダイエットの基本になる考え方が19世紀にあったことがわかる。
Graham氏は、厳格なベジタリアンや絶対禁酒の食事は、性欲をコントロールできる方法として捉えていた。
William Banting氏は、対照的に、現代のダイエットを試みる人達と同様の理由:減量のための食事に興味があった。1863年に彼は、Letter on Corpulence, Addressed to the Publicとう小冊子を書き留めた。彼のダイエットプランは、医師によって与えられたアドバイスを元にしていて、特徴は:
- 一日に4回の食事、タンパク質、野菜、果物、そしてドライワイン
- 小麦粉や砂糖を避ける
- 牛乳、バター、肉はすべて許される
これはまさにアトキンス・ダイエット(低インシュリンダイエット)の先駆者になるだろう。
Banting氏の減量成功話は、大衆に影響を与え、たぶん、歴史で初めて話題になったダイエットだろう。ダイエットの歴史に書かれた説明によると:
(Banting氏の)肥満は解消されたけれど、英国医師会は即座に彼の方法論を攻撃し、彼が学者じゃないという理由から、科学的な根拠が乏しく、他の人には効果が無いという主張をしていた。しかしながら大衆は感銘を受け、疑い深い人なんか気にしないで、英語を話す人々は彼のプランを読み減量を試みた。
カロリー計算の始まり
現代のダイエットにおける基本の一つは、カロリー計算であり、これは20世紀初頭に始まった。カルフォルニアのLulu Hunt Peters医師は、彼女の著書、Diet and Health, with the Key to the Caloriesの中で、主流の概念としてカロリーという考え方を導入した(この考え方は科学者によって初めて使われた)。Banting氏と同様、彼女のダイエットへの興味は、自分自身が減量をしたいという欲求から生まれている。
CalorieLabに以下の説明があった。「カロリーは本当に新しい概念だったため、Lulu医師は、本の中で読者に発音の仕方を説明しなければならなかった。」
Peter医師の本には、いくつかの現代のダイエット本の愛読者になじみ深い項目がある。
- 彼女は、既婚者に向けて本を書いた。
- 彼女のカロリーリストには、100kcalの食事量が載っていて - 初期のポイントシステムであり、100kcalのスナックパックの先駆けみたいだ。
- 炭水化物の量を全体の摂取量の60-65%にすることを勧めていた(これはまさに現代の政府が推奨する量である)。
- 読者の理想体重を導くための計算式も載せられていた。
- 科学論文のような文ではなく、くだけて親しみやすい文体で書かれていた。
- 減量の妨げになるアドバイスもされていた。例えば、嫉妬する夫や友達の扱い方。
- 彼女は本の中で、「食事、食事だけが肥満になる」と主張しているように、減量薬は医師の監視の下にだけ使われるべきだと述べられていた。
初期のダイエットに関して私が非常に驚いたのは、現代のダイエットのアドバイスのルーツをハッキリと見ることができるところだ。ウイリアム一世のワイン・ダイエットから今に通じるダイエット法を見いだせないけど、精製された白パンの代わりに全粒粉を使ったり、炭水化物の摂取を制限したり、カロリー計算をするっていうのは、すべて現代のダイエットプランの考え方だ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント