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2008年10月15日 (水)

アルコール、飲むほどに脳が縮小

文:屋台ブルー <ライフログ・オーガナイザー>

昨日のロイター・ニュースに興味深い記事が載っていた。Archives of Neurologyに報告された文献、「Association of Alcohol Consumption With Brain Volume in the Framingham Study(フラミンガム研究におけるアルコール消費と脳容積の関連性)」を紹介していた。

アブストラクト(要約)は公開されているのでちょっと読んでみよう。

背景:少量から中等量のアルコール飲酒をする成人で、心血管疾患の発症リスクは、他の飲酒グループ(全く飲まない人を含む)に比べると低かったけど、アルコールの脳への影響は明らかにされていない。アルコールの大量飲酒と脳萎縮の関連性を示したエビデンスは存在する。少量や中等量の飲酒による影響がどうなるか明らかにされていない。

目的:少量のアルコール摂取により、脳容積にネガティブな影響を与えてしまうか、よく知られている加齢による脳容積の減少を抑える効果があるのかを明らかにするため。

デザイン:頭のサイズで修正した、トータル・セレブラル・ブレイン・ボリューム(TCBV)「全脳容積」をコンピューターで計算した。重回帰分析(訳注:無知をさらけ出してしまうけど、統計モデルに関して理解が疎いのでここを読んで下さい)の手法を使って、アルコール消費量を5つのカテゴリー(禁酒者、過去に飲酒、少量飲酒、中等量飲酒、大量飲酒)に分類してTCBVとの関連性を、年齢、性別、教育、身長、BMI値、そしてフラミンガム・ストローク・リスク・プロファイルで補正して評価している。

参加者:1999年から2001年の間にMRIを使って脳スキャン検査をしたフラミンガム・オフスプリング・スタディに参加している1839名。

結果:ほとんどの参加者が少量のアルコール飲酒者で、中等量から大量の飲酒者は女性より男性に多かった。アルコール消費とTCBVの間には、明らかに負の線形関係が存在した(r = -0.25; P < .001)。この関連は性別で補正されているが、アルコールの消費とTCBVの関連性は、男性より女性に強い相関が認められた(r = -0.29 vs -0.20)。

考察:心血管疾患に関する研究に相反して、中等量の飲酒では、加齢による正常な脳容積の変化を予防しえなかった。というより、アルコールを飲めば飲むほど、脳容量は小さくなった。


ここまでが、文献の内容だ。ちょっと解説が必要かな。一般の人はフラミンガム研究と言っても分からないよね。

正式に言えばフラミンガム心臓研究(The Framingham Heart Study)のことだけど、フラミンガムって何?だよね。フラミンガムって米国、マサチューセッツ州ボストン近郊の町の名前なんですよ。ここに住む人5209名が1948年に参加して始まった疫学研究の事を指します。実は現在、Framingham Offspring Studyもあり、オリジナルのFramingham Heart Studyに登録していた被験者の子供および配偶者が1971年から登録して研究が開始している。

じゃあ疫学研究って何?という疑問が出るよね。まあ詳しい話はできないけど簡単に説明すると、フラミンガム研究で用いられている手法は、前向きコホート研究。「?」ってマークが頭に浮かぶかな?参加者を集めて、登録して定期的に検査をして、参加者がどんな病気になるか待つっていう調査だ。なんだこりゃって思うかも。参加者にあれこれ指示を出したりしない。時間が経過すれば、参加者は色々な問題を生じるよね。フラミンガム心臓研究では、狭心症や心筋梗塞を起こした患者グループと、起こさないグループに分けて、最初の登録時点のデータが分析された。そこから、肥満、高血圧、喫煙などがあれば、無い人に比べてリスクが高いってことが分かったっていうストーリーができている。

そういうことで、今回報告された研究で、MRIを受けた人も、1999年から2001年の間に、たまたま検査(色々な個人的な理由であり、脳容積をはじめから知るためじゃない)を受けたから対象になっている。アルコールの飲酒と関連性を調べたら線形の関連が見つかったってことですよ。わかりました?

アブストラクト(要約)だけじゃ情報不足だ。脳の容積だけ減少と言われてもね。只今文献を請求中です。

どっちにしてもアルコールの好きな私にはガッカリでした。とりあえず、この研究報告を読んでから自宅での晩酌を止めました(泣)。

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コメント

はじめまして。
仕事がらアルコールを多飲するのですが衝撃です。
適度の飲酒は心臓関係にはいいといわれてますが・・・。
脳が縮小することで認知機能などに影響は出ないのかなど色々気になりますね。

投稿: うりりん | 2008年10月15日 (水) 19時29分

お酒を飲むと脳が萎縮するというのは怖い。今まで酒は百薬の長と思っていたのに。これからは少し量を減らしていかないといけないかな?でもやっぱりいつも通り飲んでしまうのかな・・・・

投稿: katsuji | 2008年10月16日 (木) 14時20分

お酒の摂取で脳萎縮・・・。怖いですね。仕事がら飲むことも多いので気をつけないと。しかしお酒はあまり強くないので晩酌もすることがない。今の少量摂取状態を続けていこうと思います。Kさんに伝えないと・・・。

投稿: 1616 | 2008年10月16日 (木) 14時27分

酒はストレス解消で愛飲していますが。酒に飲まれる人近くに大勢います・・・。この記事を見て気をつけようと思いますが現実は皆さんと同様に厳しそう。でもこの記事を知識として覚えておきたいものです!!!

投稿: ももたろう | 2008年10月19日 (日) 10時54分

同様の記事が以下のサイトにありました。
http://foodconsumer.org/7777/8888/G_eneral_H_ealth_34/101408072008_Drinking_alcohol_leads_to_loss_of_brain_volume.shtml
それによると、"people who had more than 14 drinks per week had an average 1.6 percent reduction in the ratio of brain volume to skull size compared to people who didn't drink."(一週間に14杯以上アルコールを摂取する人は、酒を飲まない人に比べて、頭蓋骨の大きさに対する脳の体積の割合が、平均して 1.6パーセント減少した) のだそうです。この記事だけではアルコールの摂取量が分からないので曖昧なままですが、「14杯以上」という具体的な数字が出ているところが不気味ですね。一週間に14杯というと、一日2杯ですか。たぶん、一般的なグラスでということでしょうが、普通に酒を飲む人なら、楽勝でクリアするラインですね。

投稿: fumixie | 2008年10月19日 (日) 18時39分

はじめまして。
飲酒は体にとって良くはないだろうとは思っていましたが、まさか脳の容積を縮小させるとは衝撃です…。
でも一日1杯までに抑えたら大丈夫ってことですかね??どちらにしても飲酒は控えたほうが安心できそうです。

投稿: じぃ | 2008年10月22日 (水) 11時13分

一日1杯に抑えれば大丈夫かどうかは、この記事だけでははっきりしませんが、いずれにしても、「飲酒は控えたほうが安心できそう」に一票!! :-)

投稿: fumixie | 2008年10月22日 (水) 11時50分

 皆さんも書かれて言うように、お酒ってほんと怖いですね。。。大量の飲酒とアルツハイマーの関連性も聞いたりしますが、この結果を見ているとそれも納得できるような。
それにしても、フラミンガム研究はいろいろな研究があっておもしろいですね。

投稿: maronn | 2008年10月23日 (木) 14時37分

怖いですね。。個人的には、お酒にはかなり強い方なので、今まで気にせずおいしく頂いてましたが、考え物ですね。。今までのツケで、すでに、めちゃめちゃ萎縮してたら悲しいです。。。

投稿: ぶ~ | 2009年2月24日 (火) 13時17分

ぷ〜さん、この研究は脳の容積だけの話で、機能に関して何も言えませんよ。
だから、適度な飲酒ならいいんじゃないですか。私も禁酒をする気はないです。

投稿: 屋台ブルー | 2009年2月25日 (水) 13時17分

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