健康的なライフスタイルで遺伝子発現が変わる
話が「遺伝子」になってくると訳がわからなくなる人いるよね。
医学的な話をしているとライフサイエンスの基本は避けられない。
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そうすると、誰に向けて話をしたらいいか悩むところだ。
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私の話は中途半端だって言われたことがある。
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専門家には簡単すぎるけど、素人には難しすぎるって。
私は中途半端な知識しか持っていないからだろう。あまりにも専門的な話になると私だってついて行けない...
どうすべきか悩むところだ。
今日の話の元ネタはずばりコレだ。
ちょっと覗いみたらいい。少々英語に自信があっても、専門外の人には難しいんじゃないかな?
私はなんとか理解できる。発現ベクターを使って遺伝子発現の研究をしたことがあるからだ。でも、この内容が理解できるぐらいで驚かないように。<一般の人。
医学や自然科学を専攻する理科系の人間には当たり前なんですよ。
でも、理科の嫌いな文化系の人にはかなり難しい内容なんだろうね。この大きな隔たりをどうやって埋めたらいいのだろう。
「遺伝子」と「DNA」の違いを説明して?
この質問で、基本を知っているかどうかで線引きかできると思っている。そこのお兄さん分かる?
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何を話しているんだろう。今日のニュースをサッサと話さないと日が暮れてしまう。さっき取りあげた論文を一般メディアのABCニュースが取りあげるとこうなるんだよ。やっぱりプロの記者は専門的な話を砕いて話すの上手いね。
健康的なライフスタイルで遺伝子発現が変わる
Healthy Lifestyle Triggers Genetic Changes: Study
ワシントン(ロイター) - 健康的な食生活やエクササイズをする包括的な生活習慣の改善をすることで、見た目が健康的になるだけでなく、瞬時にダイナミックな遺伝子レベルの変化も生じる。今週の月曜に米国の研究者はこう話した。
この小さな研究で、従来の医学的な処置である手術、放射線、ホルモン療法を拒んだ低リスクの前立腺癌患者30人の追跡調査を実施した。
大々的な生活習慣の変化、果物、野菜、全粒穀物、豆や大豆製品を摂る食習慣、30分の歩行をする中程度のエクササイズ、そして瞑想の1時間のストレス管理を彼らは3ヶ月実行した。
予想通り、減量して、血圧も低下して健康的な改善は見られた。しかし、研究者はライフスタイル変化前後の前立腺バイオプシーにおいて、更に意味深い変化を見つけた。
3ヶ月後に、約500種類の遺伝子発現の変化を認めた - 48種類の遺伝子発現は活性化して453種類の遺伝子の発現は停止した。
Journal Proceedings of the National Academy of Scienceの記事によると、前立腺癌や乳癌など発癌遺伝子の発現は抑えられる一方、がん抑制遺伝子の活性は上昇した。
カルフォルニア、サウサリート、予防医学研究所の所長、Dean Ornish医師によってこの研究はなされた。彼は、ライフスタイルの変化により健康を改善できると主張する有名な作家でもある。
「これは非常にエキサイティングな結果だった。なぜって、病気は遺伝子で決められているから、どうしららいいんだろう?って言う人が多いからね。でも、この結果を見れば色々できることは沢山あると思うよ。」サンフランシスコのカルフォルニア大学に関係のある。Ornish医師は電話インタビューで答えてくれた。
「たった3ヶ月だよ。食べる物と、どう生きるか変えるだけで、数百の遺伝子の発現を変えることができるんだよ。どう、すばらしいだろう。」Ornish医師は言った。「この研究で言えることは、前立腺癌になった男性に限った事じゃない。」
Ornish医師が説明する、前立腺癌に対して従来の処置をしなかったのは、この研究とは関係ない理由による。しかしそう決断しながら、彼らはライフスタイルの変化前後にバイオプシーの許可をしてくれた。
「道義的な理由で3ヶ月という短期間に2度のバイオプシーをさせてくれた。なぜなら彼らは臨床的な変化があるかどうか早急に知る必要があったからだ。」Ornish医師は言った。
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とここまでがニュース。
確かに興味深い話だけど、論文の要旨を読めば疑問も色々生じる。500種類の遺伝子の発現スイッチがオンになったりオフになったりしてるけど、これはあくまでもRNAの発現を見ている。RNAが発現したからといってタンパク質になる訳じゃない。もう教科書に載っているセントラルドグマの考えは崩壊しているからね。
まだまだパイロットスタディの段階だけど、ライフスタイルの変化で遺伝子発現を研究するグループが存在することが私には新鮮だった。
研究者が研究するのは、大義でなんと言おうと「金と名声」を追いかけているからだ。だから製薬会社は大きくなるし研究者は頑張る。新薬を開発すれば狂喜乱舞するんだ。
だから、こういう研究をするOrnish医師に拍手!
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コメント
実母とその姉妹が乳がん経験者であるので今回の記事は勇気付けられるものでした
改めて食生活の大切さについて考えさせられました しかしまだジャンクフードと呼ばれるものから離脱できずにいます
投稿: いずみん | 2008年6月28日 (土) 01時09分