オメガ3系:いかに騙されているか
ライフログで取りあげたオメガ3系脂肪酸に関する話題
オメガ3系脂肪酸に関する私的話題(13/03/28)
Flaxseed vs Fish: 植物性オメガ3か魚類オメガ3(2012/07/24)
魚と卒中(12/09/25)
オメガ3系で歯肉疾患の予防(10/12/30)
子供の脳の発達にかかわる必須脂肪酸 - オメガ3(10/11/13)
魚油は10代少年のうつ病を緩和させるかも - オメガ3(10/08/18)
食事の変化で高齢者のコレステロール値改善 - オメガ3(10/02/22)
魚油は統合失調症の予防になるか? - オメガ3(10/02/03)
魚油は細胞の老化を防ぐ - オメガ3(10/01/23)
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食事中の脂肪酸は潰瘍性大腸炎のリスクになる - オメガ3(09/12/04)
魚を食べても心不全の予防にならないかも - オメガ3(09/10/17)
オメガ3系、研究によると、アルツハイマーに効果なし(09/07/14)
オメガ3系脂肪酸は黄斑変性の進行を抑えるかも(09/06/11)
不飽和脂肪酸、アラキドン酸で精神疾患の予防効果?(09/04/15)
オメガ3系脂肪酸に関する私見(08/11/18)
女の子は男の子より2倍重要なオメガ3系(08/06/30)
オメガ3系:いかに騙されているか(08/06/20)
不飽和脂肪酸をもっと摂ろう!というキャンペーンがあるよね。米国ではオメガ6系のリノール酸の消費が増えたらしい。オメガ6系の摂取比率が増えることで、健康障害が増えた。
その反動から、今は、「オメガ3系」摂取のキャンペーンになったらしい。でも皮肉なことにオメガ6系の消費は増えている...
問題は食品メーカーのラベリングにありそうだ。もう少し会社が自主規制してくれたらいいのにね。
オメガ3系:いかに騙されているか
Omega 3: How We're Being Deceived
オメガ3系脂肪酸の添加された食品、相当数あるって気がついていました?「オメガ3系」は新しい健康食品に使われる流行語だ - しかし、この誇大広告によって我々は勘違いをしている。
Lois Smithers氏は、「オメガ3系」のラベルを貼った食品によって混乱させられて、健康を悪化させている問題を興味深く話している。
簡単に説明すると:「オメガ3系」には、3つの脂肪酸が含まれる。ALA(アルファリノレン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)である。一般的にALAは植物や種子に多く、EPAとDHAは、脂身の多い魚(鮭、鰯なんか)に含まれる。
EPAとDHAが健康にいい研究報告は山の数ほどある。
しかし、現在、消費の多いオイルは、オメガ6系脂肪酸だ。私たちの現代食において、オメガ6系の比率は、オメガ3系に較べて圧倒的に高い。この比率の高さは、そのまま炎症に直結していて、健康問題を引き起こしている(訳注:オメガ6系の脂肪酸の比率が高くなるとガンやアレルギー性疾患が多くなるという名古屋市立大学の奥山治美教授の日本人のデータもある)。
2004年になって、FDAは魚(ALAじゃないよ)に含まれるEPAやDHAに関して、健康にいいという訴えをするように勧告がでた。これに伴い、2007年になり、この「オメガ3系」のラベルの貼られた食品が爆発的に増え317品目もあった。
トリック
Smithers氏は、このオメガ3系を宣伝する食材を徹底的に調べたら、ほとんどの食材にEPAやDHAは、含まれていなかった。実際、オメガ3系といってもALAを含む食材であり、オイルの形状の場合は、同時にオメガ6系脂肪酸を高濃度に含んでいた!
言い換えれば、「オメガ3系」とラベルされた食材を買うことは、オメガ6系脂肪酸を高濃度に含んでいる食材を手に入れていることになる - 事実、まったくEPAもDHAも摂っていないことにもなっている。健康にいいどころか - より状況を悪くしてしまうだろう。
もっと深く調べる
本を読めば食品のラベルに隠された本当の意味を知ることができる - 相当数の研究報告も紹介されている。
結論
この本は、私が推薦する数少ない本の1つだ。著書は、事実を得るためにかなり時間を使っているし、かなり有益なデータを見つけることができるだろう。もし炎症に関連する問題に興味があるなら、そんなあなたに役に立つだろう。
この本はここからオンラインで購入できる。
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コメント
興味深く拝見いたしました。
大変参考になりました。
カラダに良いものを摂るためにはいろいろ勉強しなければならないのですね。
英語が苦手なので、情報収集にも限界があるのですが…
また、新しい話題があればご教授下さい。
投稿: カプチーノ | 2008年6月25日 (水) 09時21分
コメントありがとう。これからも有益な情報を伝えていきたいと思っているのでこのブログをドンドン宣伝してください(笑)。
投稿: 屋台ブルー | 2008年6月25日 (水) 12時56分
「言い換えれば、「オメガ3系」とラベルされた食材を買うことは、オメガ6系脂肪酸を高濃度に含んでいる食材を手に入れていることになる - 事実、まったくEPAもDHAも摂っていないことにもなっている。」
とのことですが、次のサイトにおける記述に対して、どのように反論されますか?
「α-リノレン酸は、体内でエネルギーになりやすく、必要に応じからだの中で同じn-3系多価不飽和脂肪酸グループのEPA、DHAに作り変えられることが特長です。」
http://www.nisshin-oillio.com/health/power/power04.html
投稿: | 2008年11月13日 (木) 11時32分
間違っているんじゃないかな?この話
投稿: あ | 2008年11月14日 (金) 06時05分
因みに、ネット検索してみましたら、「体内で、α-リノレン酸からEPA、DHAに作り変えられる」旨の記事がいろいろありました。
これらは皆、誤っているのでしょうか?
「α-リノレン酸は、体内でエネルギーになりやすく、必要に応じからだの中で同じn-3系多価不飽和脂肪酸グループのEPA、DHAに作り変えられることが特長です。」(既出)
http://www.nisshin-oillio.com/health/power/power04.html
α-リノレン酸は体内でEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に代謝されるので、これらの機能を併せ持っています。
http://dha-epa-dpa.formelife.co.jp/rinorensan.html
α-リノレン酸って何?
この脂肪酸は、n-3系列の多価不飽和脂肪酸で、体内で合成することができないため、食品から摂取しなければならない必須脂肪酸です。 体内に取り入られるとEPA、DHAへと代謝されます。
http://www.shiroyama-y.co.jp/Dictionary/Fatty/rino_a_epa_dha.html
アルファリノレン酸は植物性の食品からとれる脂肪酸で、体の中でEPAとDHAに代謝されます。
http://www.tcompany.co.jp/selfhtml/2-5-86.html
オメガ3系脂肪酸やαリノレン酸という名称がなじみがなくても、身体の中でDHAやEPAになる油と考えると簡単です。
http://www.nagamine-corp.co.jp/newpage32.html
4)α-リノレン酸、EPA、DHAの基礎知識
そのほか注目されているのが、α-リノレン酸、EPA、DHAです。α-リノレン酸は体の中で、EPAやDHAとなります。したがって、α-リノレン酸の効果はEPAやDHAの効果であるともいえます。
http://www.page.sannet.ne.jp/onai/FAQ/Fatty_acids.html#EPA
体内でEPAに変換され、血液をサラサラにしてくれるのはα-リノレン酸系列。
http://www.epadha.jp/book/4more.html
ω3 系不飽和脂肪酸はα-リノレン酸 → エイコサペンタエン酸 (EPA) → ドコサヘキサエン酸 (DHA) と代謝されていきます。
http://www.1kampo.com/saihatsu-3.html
投稿: | 2008年11月15日 (土) 18時53分
オメガ3に関心を持っております。
Foster氏の「Omega 3: How We're Being Deceived」にもざっと目を通して見ました。
その結果、オメガ3の製品と謳われているものでも、オメガ6が含まれているので、「騙されないように!」ということ、それから、EPAやDHAについては多くの研究がなされており、それらの効果効能についてはある程度明らかになっているということなどが理解できました。
しかしながら、いくつかの疑問点も持ちました。
例えば、仮にアルファリノレン酸からはEPAやDHAへ全く変換されないとした場合でも、アルファリノレン酸自体はオメガ3としての効果効能があるのではないのかということ。それから、例えオメガ3製品の中にオメガ6成分が含まれていても、従来のオメガ6製品に比べて体にいいのではないのかということです。
田井先生若しくはどなたか、お答えいただけませんでしょうか?
投稿: | 2008年11月16日 (日) 11時33分
質問の返答は11月18日のエントリーで答えているよ。
オメガ3系脂肪酸に関する私見
投稿: 屋台ブルー | 2008年11月18日 (火) 17時31分
私は以前、サプリメントの営業をしていたことがありますが、例えば全成分のうちの半分以上を含有していないと成分名を表記してはならないといった規制は全くなかったので、メーカーによっては成分を少し含有しただけでその成分の効果がありますとうたっていたところもありました。
ビタミンやミネラルは一日の推奨摂取量を含んでいれば栄養機能食品とうたえるという決まりはありますが、もっと表記に関する規制を強いるべきではないかと思いました。
投稿: はるうらら | 2009年6月10日 (水) 09時23分
欲しい栄養素が含まれていると考え、商品を購入している消費者からみれば大変困る話ですね…。私も製造メーカーに勤めている身であるので、他人事と思えない内容で実に興味深かったです。
投稿: タケノコ | 2009年6月11日 (木) 10時55分
米国のオメガ3のサプリを4月頃から飲み始めましたら、人間ドッグで、昨年まで全くなかった指摘、脂肪肝(中程度)になっていました。
ちょっとオメガ3を疑っていたので、タイムリーに読ませてもらいました。ただ素人なので、みなさんのようなk額的に詳しいことはわかりません。
投稿: 素人 | 2010年11月25日 (木) 00時53分
やれやれ・・・
リノール酸(オメガ6)と
リノレン酸(オメガ3)の区別も出来ないとはね・・・
ALA(アルファリノレン酸)は植物性のオメガ3。
間違った情報を垂れ流すブログは一旦閉鎖して、
もっと勉強してからブログを再開してください。
投稿: | 2011年8月 9日 (火) 09時52分
↑
やれやれ・・・
アクセス数が多くなるとこういうコメントも増えますね。
まあ、私のブログを全然読んでいない読者からのコメントですが、こういう知ったかぶりして何の根拠も示せない輩が多いですね。
もう少し考えてコメントできないかな。
こんな人が研究者だったらまともな業績も残せないよ。せめて論理的に批判して欲しいね。馬鹿みたいだ。
このようなコメントは速攻で削除するけど、今回は悪例として残しておこう。このコメントを読めば記事を読んでいないことが明らかで恥ずかしい指摘だ。
「オメガ3系脂肪酸に関する私見」を読んでみれば。
投稿: 屋台ブルー | 2011年8月 9日 (火) 15時22分
魚系のDHAが大事で植物系は不要何だよね
投稿: うん小松 | 2013年5月 8日 (水) 21時34分
とても興味深い話でした。実際のラベルに惑わされた結果ここまで惑わされることが多くなってしまうと本当に疑い深くなりました。
興味を持つこと、知ることを大事にすべきと考えさせられました。
投稿: Ryutan | 2013年11月22日 (金) 15時43分
私はそううつ病です。
2型で一年のほとんど(特に冬)鬱です。
iherbという海外にサプリメントショップがありまして
あれがこれに効くだの宣伝を派手にやっています。
ユーザーがアフィリエイトリンクをブログや
SNSに貼りそのリンクから購入したら
貼った人の報酬になります。
それが横行して効果を誇張してリンクを踏ませて
買い物をさせようとする輩が沢山いて
ステマだらけです。
もうこの病気を患って長いので
わらにもすがる気持ちで鬱に効くというサプリを買いあさりましたが
一つも効きませんでした。
鬱に効くと信じ込んでオメガ3を飲み続けているひいとは
一度やめてみてください。
変化は無いと思います。
投稿: | 2017年6月10日 (土) 04時13分